小此木内閣府特命担当大臣就任記者会見要旨 平成29年8月3日

(平成29年8月3日(木) 22:02~22:17  於:中央合同庁舎第2号館16階第1会議室)

1.発言要旨


 皆さん、こんばんは。遅くにお疲れさまでございます。小此木八郎と申します。
 このたび国家公安委員会委員長、国土強靱化担当大臣、そして内閣府特命担当大臣、防災担当大臣を拝命いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほど、総理から以下の指示を受けました。
 一つ、「世界一安全な国、日本」をつくるため、犯罪に強いまちづくりの推進、振り込め詐欺の撲滅、ストーカー・DV事案や凶悪犯罪への対処、インターネット利用を含めたサイバー空間の安全確保、組織犯罪対策等の強化を一層推進する。
 二つ、テロやサイバー攻撃をはじめとした国際化の進む組織犯罪に対応するため、関係大臣と連携を図りながら必要な体制の強化に取り組む。
 三つ、我が国の領土・領海・領空の警戒警備について、関係大臣と緊密に連携し、緊張感を持って情報収集を行うとともに、事態に応じて我が国の法令に基づき適切に対処する。
 四つ、国民の生命と財産を守り抜くため、国土交通大臣など関係大臣を主導して、公共施設や交通インフラ、エネルギーインフラなどについて事前防災の考えに基づいた国土強靱化に取り組む。また、国土強靱化の取組を地域経済の中長期的発展の呼び水とするとともに、雇用創出につながるよう進める。
 五つ、相次ぐ自然災害の被災者の生活再建への取組を一層充実させる。また、東日本大震災や平成28年熊本地震における政府等の対応の中から得られた教訓を総括・整理、体系化し、今後の対策に活かすとともに、当面の災害対策はもとより、首都直下地震や南海トラフ巨大地震への事前防災、減災対策を関係大臣と協力して集中的に推進をする。死因究明等の推進に関する事案も担当させる、こういうことでございました。
 政府の治安対策の責任者である国家公安委員会委員長という重責を担うことになり、身の引き締まる思いでございます。
 我が国の治安情勢は、刑法犯認知件数や交通事故死者数は減少傾向にあるなど、一定の改善が見られる一方、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据えたテロ対策の強化やサイバー空間の脅威への対処、新時代の刑事司法制度に対応した警察捜査の構築、人身安全関連事案等への的確な対処、暴力団対策、交通事故抑止対策、警察の災害対応能力の向上等、引き続き、対策を講ずべき課題が山積していると認識しております。
 良好な治安は、国民生活の基盤です。日本を世界一安全な国にするため、これらの治安上の諸課題への対処に全力を尽くしてまいります。
 国土強靱化についてでありますが、東日本大震災や昨年4月の熊本地震、今年7月の九州北部豪雨をはじめとする多くの災害が発生し、首都直下地震や南海トラフ地震の発生が懸念される中、強靱な国づくりは喫緊の課題であります。このため、国土強靱化基本計画等の着実な推進を図るとともに、同計画の見直しに向けた取組を本格化させます。また、地域計画の策定支援や民間の取組の促進を行い、オールジャパンで強力に国土強靱化を進めてまいります。
 防災についてでありますが、防災は国家の基本的かつ極めて重要な任務であると認識しており、政府一体となって災害対策に全力を尽くしてまいります。
 昨年4月の熊本地震をはじめ、この1年間にも地震や台風、豪雨等による災害が多数発生しております。7月の九州北部を中心とする豪雨災害や、7月下旬の秋田県を中心とする豪雨災害でも甚大な被害が発生いたしました。これらの災害により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。
 現在、九州北部豪雨を含む梅雨期の一連の災害については、既に激甚災害の指定見込みとお知らせしており、全国的な梅雨明けを迎えたことから、近日中に閣議に諮る予定です。
 政府としては、発災直後から関係省庁一体となって総力をあげて、応急対策活動を実施してまいりました。今後も、被災された方々が一日も早く日常の生活に戻られるよう、被災地の復旧・復興に向けた取組に全力を挙げてまいります。
 また、今後発生が危惧される南海トラフ地震や首都直下地震といった大規模災害については、甚大な被害を軽減するため、関係者と連携した対策を推進しつつ、地震・津波防災の国民運動への展開を図っているところであり、その備えに万全を期してまいる所存です。
 災害の発生しやすい我が国において、災害対策を担当する大臣として、いつ起こるか分からない災害に備え、常に緊張感を持って職務に当たってまいる決意であります。
 死因究明等の推進ですが、死因究明等推進計画に基づき、死因究明等の推進に関する施策について、関係府省庁と連携して、引き続きその実施を推進してまいります。
 安倍内閣の一員として、精いっぱい努めさせていただきますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 私からはまずは以上です。

2.質疑応答

(問)TBSテレビの松井と申します。
 このたびは就任おめでとうございます。国家公安委員会の委員長に御就任されて、改めて抱負と、取り組んでいきたい課題についてお聞かせください。
(答)政府の治安対策の責任者ということで、私、国家公安委員会委員長という重責を担うことになりました。先ほど申し上げましたように、身の引き締まる思いであります。とにかく国民の生活・生命・財産、こういったところをしっかりと守る決意が必要だと思っております。
 特に2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据えた国際テロ対策等の諸対策、サイバー空間の脅威への対処、新時代の刑事司法制度に対応した警察捜査の構築、ストーカー・DV事案など、地震・安全関連事案等への的確な対処、暴力団対策、交通事故抑止対策、災害対応能力の向上等が挙げられ、これも先ほど申し上げたところでありますが、冒頭の話になりますけど、やはりきちんと身を引き締めて、それぞれの現場対応に当たっておられる多くの警察官等々、そういった方々と国民との信頼関係、こういったことも更に高めていかなきゃいけない、そういう環境づくりをきちんと指導ができるようにしてまいりたいと思っております。
(問)時事通信の小﨑と申します。
 私から、二問お尋ねいたします。
 まず一つ目ですけれども、高齢運転者の交通事故防止については、政府全体で取り組んでいただいているわけですが、今後、警察としてどのような対策を講じていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
(答)高齢運転者の交通事故防止は喫緊の課題であり、昨年11月の関係閣僚会議における総理指示を踏まえ、政府一丸となって対策に取り組んでいるところであります。
 本年3月に施行された認知症対策を強化した改正道路交通法については、引き続き適切に運用するよう、警察を指導してまいる所存であります。
 また、本年6月に提出いただいた警察庁の有識者会議の提言を踏まえ、警察では、それぞれの高齢運転者の特性等に応じて運転免許証の自主返納を促進するなどきめ細かな対策を実施するとともに、運転免許制度の更なる見直しに向けて検討を行うこととしています。
(問)繰り返しになりますが、2020年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会が控えています。各国でテロやサイバー攻撃が相次いでいる中、国際テロ対策や、サイバー空間をめぐる脅威への対策についてお聞かせください。
(答)これは、日に日にそういう犯罪、この在り方が脅威につながっております。実際に起きた犯罪等々を、当局といたしましても、研究をしながら、日々、対応をしていかなければならないと思っております。2020年の東京オリンピック・パラリンピックについては、多くの外国人が日本を訪れるということで、善良な外国人だけが訪れていただければいいですけれども、そうではないということもしっかりと踏まえていかなければなりません。
 御指摘のように、そのサイバー攻撃等々、これは日に日にその技術といいますか、高度なものになっていくわけでありましょうけれども、そういったことについても、これは言えることと言えないこともあろうかと思いますけれども、しっかりと対処していきたいと思っておりますし、これまで前任の松本大臣も努力をされたと思いますけれども、そういったことも引き継ぎながら、新たな対処をしてもらいたいと思います。
(問)読売新聞の松原です。
 私の方からは二問、お伺いしたいのですけれども、まず、一問目、刑事訴訟法等改正法が順次施行される一方で、テロ等準備罪の創設を柱とする改正組織犯罪処罰法が成立・施行されました。
 警察の捜査の在り方についての注目が多く集まっていると思いますが、今後どのように警察を指導していくお考えなのか、お聞かせください。
(答)刑事訴訟法等改正法については、現在、警察において、取調べの録音、録画制度を始めとした新たな制度に対応するための諸準備を進めているものと承知しております。
 また、テロ等準備罪については、国会における審議の状況も踏まえ、捜査の適正確保に十分配慮することが重要であると認識しております。
 新たな制度に的確に対応しつつ、法と証拠に基づいた適正な捜査が行われるよう、警察を指導してまいりたいと思っております。
(問)先ほども少し触れていらっしゃったと思うのですが、改めてお伺いします。昨年は熊本地震が発生し、本年は九州北部や秋田などで豪雨災害が、甚大な被害が起きました。
 災害対処能力の向上と、警察を含めた災害への備えについて、どのように取り組まれていくのか、お聞かせください。
(答)まず、今回の災害におきまして、先ほど申し上げましたが、亡くなられた方々に対しまして、心から御冥福をお祈りしますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。
 まだまだその苦しい思いをされている方々に、しっかりと手を差し伸べると申しますか、心を共にしながらその復旧に努めていかなければならないと、こういうふうに思っておりますし、警察とすれば近隣の県からの部隊もしっかりと派遣をして、その現実に対応しているところでもありますし、そういったことに更に力を尽くしてまいりたいと思っております。
(問)共同通信の井澤と申します。
 防災に関して伺います。内閣府の災害対策の取組として、先ほど大臣の発言で防災・減災対策について指摘がありましたが、大臣の御経験、関心事項を踏まえて、災害対策を特に重点的に取り組みたい課題はありますか。
(答)私は、東日本大震災が起こりましたときは、国会に議席を置いておらなかったと思うのですが、あの起こったのは3月。6月ですかね、参りまして、実際にその空気、状況を感じてまいりました。
 当地の方々とでき得る限りお話をして、お気持ちを伺ったり、その現実を感じてみたりいたしました。
 熊本や九州、秋田、最近でも豪雨、地震とこれもつながるので、先ほど申し上げましたが、松本大臣を始めとしたこれまでの大臣がお仕事をされてきたことを、あるいは、役所の方々の様々な調査、そういったものは数字でも出ていると思います。
 私自身も、先ほど申し上げましたが、事情が許すのであれば、早速現地に赴いて、まずは、その対策を講じるのはそうですけれども、自分の目で、自分の体でそういった状況を感じて、対策を行っていくということに力を尽くしたいと思っています。
 どうも、今後ともよろしくお願いいたします。

(以上)