梶山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年9月8日

(平成29年9月8日(金) 12:16~12:30  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 本日は閣議後会議が続いたものですから、この時間になりました。
 2件報告がございます。
 1件目は、本日、担当大臣に就任して初めて国立公文書館を視察し、所蔵資料や閲覧室、書庫の視察等を通じて、国立公文書館の果たす役割について理解を深めてまいります。
 あわせて、現在開催中の企画展「ふしぎなふしぎな百人一首」も見てまいる予定です。今回の企画展ではかるた大会でおなじみの百人一首について、その成立と経緯や和歌の選定理由といった様々な不思議にまつわる資料を展示し、百人一首の歴史と文化を丁寧に紹介しています。
 今回の企画展は、明日9月9日までの開催ですが、今後も様々な展示会を実施する予定ですので、是非、国立公文書館に足をお運びいただければと思っております。
 2件目です。
 明日から明後日にかけて、地方創生に関し、地域における取組や地域のニーズ等を把握し、今後の取組に生かすべく兵庫県を視察いたします。
 明日9日は、国家戦略特区である養父市を視察いたします。養父市では国家戦略特区制度の下で、平成25年に措置され、平成27年に全国展開された農業生産法人の役員要件の緩和や、平成28年に措置された企業による農地取得特例を活用して農業に参入した企業が耕作放棄地を取得・再生して、地域に腰を据えた本格的な営農を行っております。
 特に「企業による農地取得の特例」については、9月5日の特区諮問会議で養父市長から全国展開の提案があり、総理からも実現に向けた検討を加速するように指示があったところでもあります。
 養父市はまさに規制改革の実践の場であり、中山間地における国家戦略特区の成功事例でもあるため、その成果と今後の全国展開の可能性について見てまいりたいと思っております。
 また10日、明後日ですけれども、豊岡市や篠山市における地域資源の強みを生かした地方創生の取組を視察する予定です。
 いずれも詳細については事務方にお問い合わせください。
 報告は以上です。

2.質疑応答

(問)先日あった諮問会議の中で、民間委員の方々が省庁間のやりとりの記録について透明性確保する対策として幾つか挙げておりましたけれども、これは今後どういう形でそういう提案を、形というか、決まっていくのかと、そこの見通しはどうなんでしょうか。
(答)諮問会議が終わった後、私の方からも事務方の方からも概要を説明させていただきましたけれども、これらの民間議員の皆様の考え方を基本に、私どもからの意見も含めて、更なる透明化に向けたプロセスをしっかり作っていくということで、先日は項目だけでしたが、できれば次回の諮問会議ぐらいまでにはもう一回議論に耐え得るようなものに、中身を詰めていただければと思っています。
(問)先程の話は今後の在り方ということだと思うんですけれども、獣医学部に関してのものに関しては、もう既に終わっているものですけれども、それに関しても今回、もしそういうふうな方針が決定された場合に、その辺り、加計問題で疑念があるということで、そのルールに基づいて、例えば省庁間、内閣府と文科省とか農水省の中で、合意が取れたもの、存在しているものということになると思うんですけれども、合意が取れたものは出すというような方向になるんでしょうか。
(答)これはこれからの対応になると思います。これまでは八田座長の判断で進めてきた中で、いろいろと野党の皆さん、マスコミの皆さんからお話があって、議事要旨に続いて議事録を提出させていただいたということで御理解を頂きたい。検討中のものは遡及はしないということで考えております。
(問)今後のものが対象であって。
(答)そういうことですね。だからこれからの諮問会議とか、また、ワーキンググループについても、議事公開ルールを明文化するという話がありますけれども、そういったものもどこまでできるか。
 そして今まで資料が整っていなかった省庁間調整に関してもきっちりやっていこうとなっている。皆さんから御指摘があったけれども、確かに省庁間の議論については、資料がなかった。あとはワーキンググループの議事運営の要領についてもルールを明確にしていく必要があるということで、それぞれ中身を詰めた上で、その後のものから適用していくということになると思います。
(問)獣医学部に関しては、いろいろ国会でもまだ疑念もあるようなんですけれども、その遡及しないという、一番今回の戦略特区の中で疑念が強いところのテーマについて遡及しないというのは、これはなぜなんですか。
(答)これは今までの会議の運営要領において、八田座長にお任せをしていて、その運用について、民間議員の皆さんも一点の曇りもないと言っている。役所が言うなら別ですが、民間議員の方が複数入っておられて言っている。そしてこの特区の性格上、やはりスピード感を持って対応する一方、時間を経なければ公にできないこともあると。ここは私は民間有識者の方々が判断している。それで私は良いと思っていましたけれども、これまでの反省を生かしながら、更なる透明性の向上に向けてできる限り、これから詰めていこうということです。
(問)ということは、今回、特例的に議事録まで出したことによって、獣医学部に関しては一定程度の透明性は確保できているから遡及しないと、そういう理解。
(答)国会の答弁も含めて、いろいろな説明はされていると思っています。ただ、平行線となっているものもある。そういった中で、私どもは適切に運営をしてきたし、そして、でき得る限りの情報公開もしてきたということですけれども、やはりこれから進めていく上で、御指摘は御指摘として、どう改善をしていくか、そして、より透明性を高めていくかを考えているということであります。
(問)では、平行線の部分がありますよね。
(答)いや、それは議論としての平行線ですね。これは、我々はしっかりもう明確にしていると思っていますけれども、議論としては平行線だけども、これは御理解いただくしかないと思います。今までの国会、予算委員会等の答弁でもはっきりしているところです。意見の違いの平行線ですから、これは御理解いただくしかないと思っています。
(問)昨日までの石川県・富山県の視察の御感想をお伺いしたい。まずはお伺いしたいと思います。
(答)大臣に就任して初めての地方出張ということでした。
 石川県に関しては、政府関係機関の移転ということもありますし、これから地方の取組、観光等を通じて地方の活性化を図っていくという意欲的な県の取組もお伺いしてまいりました。新幹線という大きなツールがあるということですけれども、観光もかなり増えているということですから、それらでしっかりと雇用を作っていく、産業を作っていくというような形で、意欲的な取組をされているということであります。
 富山県につきましては、いろいろ視察をさせていただきまして、県として、ものづくりを目指す県としての基礎的なものが整備をされているなということを感じてまいりました。デザインセンターであるとか、工業技術センター、さらには薬事研究所ということで、その基本となる部分、共同ラボ的な意味合いもあったと思うんですけれども、いろんな産業が新たな商品を生み出す、また、産業化をしていくということで、産学官の連携がされていると。そしてさらにまた、それを発展させることによって地方大学の振興につながるという意識をして戻ってまいりました。
(問)関連して、政府関係機関の移転について特にお伺いしたいんですが、まず、文化の森で具体的にどのようなものを視察されたのかと、今、たしか50件あったと思うんですが、政府関係機関の移転の現状と今後の見通しについて、お伺いしたいと思います。
(答)移転場所について、今、空き地ですけれども、そこに作るということを見てまいりました。県立美術館とも隣接をしており、文化が集約、金沢と石川県の文化が集約しているところでもあるので、非常に良い場所に作るんだなということを感じましたし、2020年までにということで、オリンピック・パラリンピックが開かれる、そこまでにどうにか開館したいということで、これから詳細について詰めていくということになると思っています。
 その他の移転ということにつきましては、昨年3月の「政府関係機関移転基本方針」、また、昨年9月の「政府関係機関の地方移転に係る今後の取組について」を、まち・ひと・しごと創生本部において決定をし、これに基づいて、今、取組を進めております。文化庁とか消費者庁の一部ということになっていくわけですけれども、まずはこれをしっかりと成功させて地方に根づかせる。そして、これからも政府関係機関が地方に移転できるような仕組みづくりをしていく。また、どんどんそれを進めていくということが重要なことだと思っています。
(問)確認ですけれども、そうしますと、その50件に関しては、今後も地方に移転できる仕組み作りをする上での試金石というような捉え方でよろしいでしょうか。
(答)まずは、決まったものをしっかりと移転させていくということが重要なことだと思っています。
(問)その移転できる仕組み作りにつなげていきたいという。
(答)仕組み作りでは、それをやりながらも、またどういう状況変化があるか分かりませんけれども、まずは50件を移転させるということが重点だということであります。他にしないわけではないですよ。していくということで。
 私も地方の人間ですけれども、やはり政府関係機関が地方に移ることによって、その地域に雇用ができたりするわけですけれども、例えば美術館等は、まち全体の魅力アップにもつながるわけですね。質の高い美術館や工芸館がある。そういうことになると、観光地であるということと合わせて、そのまちの魅力が一つ加わる。また、そこに行かなくては人間国宝の作品は見られないというようなこともありますし、美術館に関してはそういうことだと思います。
 文化庁に関しても、その地方に移った特色、メリットというものをしっかり出していっていただきたい。
 他のものに関してもそういう思いで、しっかりまずは最初の50件を仕上げるということが大切なことだと思っています。

(以上)