梶山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年9月5日

(平成29年9月5日(火) 10:30~10:54  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 冒頭に私の方から、明日6日から7日にかけて、地方創生に関し、地域における意欲ある取組や地域のニーズ等を把握し、今後の取組に活かすべく石川県、そして富山県を訪問する予定であります。石川県は金沢市、富山県は富山市、高岡市、射水市、砺波市を訪問いたします。
 詳細については、まち・ひと・しごと創生本部事務局にお問合わせください。
 以上です。

2.質疑応答

(問)明日からの出張のことでお聞きしたいと思います。富山県で大学とか薬事の研究所も訪問されると思うんですけれども、そういった狙いについて教えていただければと思います。
(答)地方大学の振興ということで、来年度から新たな制度も始まるということでして、より具体的にそういった取組を見ると共に関係者と意見交換をしていきたいということであります。
(問)今回見たものをまた全国に広げていくためのきっかけにしたいといいますか。
(答)まずは成功例を作ることということで、先進例として富山で薬事に関連して産官学が連携をしながらそういう産業造りというものをしている、その中での大学の役割をどうしていくのか、官の役割、そして民間の役割、そういったものを見ながら新たな産業ができたり、新たな雇用が地域で生まれる可能性があるということをしっかりと見てまいりたいと思います。
(問)前回の閣議後会見に対する質問の答えから教えてください。ワーキンググループに関して、今年度は既に何回開かれているんでしょうか。
(答)9回と聞いております。
(問)これらの議事要旨等の公表のタイミングというのはどれぐらいになるんでしょうか。
(答)これは今作業中ということで聞いておりまして、作業が大分遅れているのも事実であります。作業を督励しておりますけれども、その目安が付いたときにまた発表させていただくということになろうかと思います。
(問)その9回自体が何について話された、議題となっているのかということも、ホームページからでは全く開催情報が書かれていないので分からないんですが、それもかなり先になるということでしょうか。
(答)それらもいずれホームページでということにはなると思いますけど、28年度まではホームページで全部列挙してあるということで、29年度に関しては御指摘のとおりでありますので、できるだけ早い機会に項目を掲げられるようにという命令を出しております。
(問)ワーキンググループの委員の瀬田クリニックの阿曽沼さんや諮問会議の民間議員の竹中平蔵パソナ会長が利害関係者ではないと前回おっしゃいましたけれども、そう判断された理由について教えてください。
(答)具体的に申し上げますと、竹中議員については、個別企業の利益という立場を離れて、一般論として、現場の知恵や優れた識見を有するという立場から、政策的な審議を賜っているところであります。
 パソナの個別の事業について議論するわけではなくて、規制一般に関して議論をしているわけでありまして、誰もが利用できる規則の突破口を開くということですから、特にそのことで利害関係者ということにはならないと思っております。
 あと、ワーキンググループの阿曽沼さんが利害関係者ではないかとの点でありますけれども、瀬田クリニックの区域計画の決定時点ではワーキンググループ委員ではなかったと確認をしております。ワーキンググループ委員として、自らが代表を務める事業の審査には関わっていないということで、利害関係者ではないということであります。他の医療関係の事業に関しましても、先程申しましたように、誰もが活用できる規制改革メニュー一般に関して議論を行っているものでありますので、利害関係者ではないという判断でおります。
(問)竹中さんに関して言えば、2014年5月12日の特区諮問会議で、「外国人家事労働の活用をワーキンググループですぐに始めていただきたい」と発言しています。その後2015年末に、外国人家事労働支援は特区の事業として認められて、パソナは神奈川や東京で事業者として認められています。2020年までに1,000人のフィリピン人を雇用するというふうに表明していますが、正に利害関係者であると思うんですが、その点如何でしょうか。
(答)それは規制一般に関して行った議論ですから、私どもは違うという認識でおります。更にまた、現場のニーズといいますか市場のニーズといいますか、そういったものがあるものについてどう規制を改革をしていくか、また岩盤規制をなくしていくかという議論をしていくわけでして、パソナに限らず他の同業他社も活用できる規制改革を行うということですから、竹中議員にも割り切ったというか、そういう認識の下に議論をしていただいていると私は思っております。
(問)ただ、この事業が認定されることでパソナにとってはかなりビジネスの幅が広がるわけで、それは我田引水と見られても仕方がないと思うんですけれども、そこは李下に冠を正さずで、こうした発言をすべきではなかったのではないでしょうか。
(答)私どもは、個別の事業に関して選定をしたり、また、例えば補助金などで個別の業者を決めるような場合には、利害関係者が入るべきではないと思っておりますけども、規制一般の議論、個別の企業だけに活用できるということではなく、同業他社も活用できる規則に関する議論においては、利害関係者にはならないという判断をしているということであります。
(問)その同業他社も含め自社も恩恵を受けることにつながるようなことの議論に参加すべきではないし、意見を表明すべきではないと思うんです。それでしたら利害関係者ですから、それこそ特区諮問会議には参加すべきではないと思うんですけれども、如何でしょうか。
(答)これまで利害関係者としてではないという前提で参加と発言をしていただいているということであります。繰り返しになりますが。
(問)昨日の小池都知事との面会の件でお伺いしたいんですけれども、まずは御所感をお伺いしたいのと、それから、23区の大学定員の抑制について近々方針を決めるところで、正式決定するところであると思うんですけれども、その直前での反対の意思表明についてどう思われるか、今後どうされるかというところをお伺いしたいと思います。
(答)昨日夕刻、小池知事がお見えになりました。お見えになった要件は、東京23区の大学の定員の抑制というか現状維持ですね。増員、新学部の学科・学部の新設はいけないという、その現状維持の実施には反対であるという御意見を頂きました。それに対しまして、これだけで人口問題、特に若い人たちの転入転出問題が解決するものではないというお話をするのと、あと、東京都自身も地方と共存共栄でいきたいという意見表明をしておりますので、東京都がどういう形で地域に貢献できるのか、また、大学だけではなくて本社機能、東京に本社のある企業の本社機能の移転であるとか、政府間関係機関の移転であるとか、そういったものも含めて人口問題は非常事態だと思っておりますので、そういった中での考え方だと。そして、有識者会議の中で中間報告を頂き6月に閣議決定をした方針であるということで御説明をさせていただきました。
 今、有識者会議で議論をしていることは、32年度以降の話について年内に成案を得るべく議論をしているということであります。
(問)小池都知事の方から、人口問題が解決するものではないという話と、東京都も共存でいきたいという話があったと。
(答)いやいや。小池都知事は、東京都の意見表明として知事会などで共存共栄をしていくということをおっしゃっていますので、そういった中で東京都が地方の大学や地方の振興、地方の雇用などについて貢献できる点も是非また御示唆くださいというお話をしたということであります。そして、私どもの方からは、大学の問題だけで全て解決できると思っていませんよというお話をさせていただきました。
 前にもお話ししたと思うんですけども、東京の23区は転入超過ということで、約12万人が転入をしてきている。そういったうちの約10万人が若い世代、大学で出てくる、就職で出てくるという世代ですから、そことつながるような形で地方大学の振興もいたしましょう。そして、地方大学の機能強化をしながら、企業と連携をして地方に新たな産業を作りましょう、雇用を作りましょう。先程の富山ではありませんけれども、そういった薬事関係の産業であったり、その地域に根差した産業であったり、新たな産業であったり、そういったものも含めて全てでやはり人口のバランスをある程度取っていかなければならない。東京が突出するのはやむを得ないけども、あまりにも極端に突出をしている中でそういう方策をとらざるを得ないという説明をさせていただいたということであります。
(問)そうしますと、今後も理解を求めていくというところでよろしいんでしょうか。
(答)まあそういうことになりますが、これだけで全てが解決するわけではなくて、私立大学の関係者の皆さんからも折に触れて陳情は頂いておりますけれども、定員抑制と言いますけども、約15万人、東京23区にある大学の定員がありまして、18歳年齢というのは今120万人、2040年には80万人台になると言われている。そうやって30数万人が減少するわけなんですけど、定員は現状維持していくわけです。
 地方大学はだんだんやっぱり都市との差で入学者が少なくなるかもしれない。そういった中で地方大学を振興しましょうよということなんですけれども、課題は、時代に合った学科や学部を増設をしたいというときに、そういう運用できるのかどうなのかというときに、原則としてはスクラップ・アンド・ビルド、一つの学部を無くして、定員を無くして新たな学部を作ってくださいというような原則も今出ているわけなんですけれども、その意思決定と費用を使い始まったときのタイムラグがあるのではないかというようなこともいろいろ私大側からの御指摘もあります。どういったところで意思決定と見るのか、その意思決定の線が認めるか、認めないかの線なのかという具体的なことまで議論をしているわけですけども、定員定数問題だけではなくて、様々な課題があるということで、有識者会議の中では早稲田の鎌田総長などもお入りになっていますけれども、私大の課題についてまた御示唆も頂いているということで、それらをまとめて12月末までに一応の有識者会議の成案を得るということになっているということであります。
(問)小池都知事の方からは、その定員増の抑制というのは、大学の国際競争力の関係でよろしくないのではないかという話もあったと思うんですけれども、それについてはどうお考えですか。
(答)これはそのとおりでして、やはり大学の質が低下したのでは本末転倒になってしまうということですから、地方大学の振興もするけども、23区内にある大学もしっかりとそういったレベルの維持というか向上を目指していただきたい。それが定員の抑制だけの課題なのかどうなのか。先程申しましたように、時代に合った学部や学科を新設する、そういった人材を育成する、そういう分野についての研究を深めていく、そういったことがレベルアップにつながると思いますので、定員とは別な点で御支援できるところもあるんではないか。また、文科省との連携の中でやりとりできることがあるのではないかということで、今、有識者会議も含めて検討しているところだということであります。そういうお話もさせていただいたということであります。
(問)先週、公文書の管理委員会があったと思うんですが、そこに出させていただいたんですけれども、これまで大臣が出てくるようなことが余り経験がなかったんですけど、今回、梶山大臣がその会議に出られたのは個人的な関心なのか、それとも、何かそういう強い要請だったのか、その辺りはどうだったんですか。
(答)全て委員会は重要だと思っておりますけれども、まだ就任をして1カ月前後ということで、私の方針としても、全ての委員会に出させていただいて中身の議論を聞かせていただきたいということもありますし、文書管理につきましては、今いろいろな分野から、いろいろな観点から御指摘されていることもあり、非常に重要なことだという認識も持っております。
(問)その委員会の中で、先週の議題としては、その歴史的な資料というのをどう保存していくかというところの議論もされていたと思うんですけど、これちょっと加計問題に関わるんですけれども、国家戦略特区というのは、今の安倍政権においては重要な政策課題だというふうに思っているんですけれども、そういう中で、岩盤規制の象徴である獣医学部の新設というところは更に重要な課題だと思うんですけれども、これまでも報道されているように、その加計学園、今治の提案を判断するときに、京都と今治どちらにするかという比較検討する際の文書が無いというふうなことが言われていますけれども、そういった今公文書の管理の在り方を議論されている中で、そういった安倍政権の重要政策の過程における文書の廃棄とか保存とかというその前段として、そもそも作っていないということに関して、公文書の在り方として担当大臣としてはどういうふうに思っていますか。
(答)まず、公文書全般に関しましては、各省庁によってその運用が、場合によってはそれぞれの判断でされているということもあると思うので、もう一度文書管理に関するガイドラインを作り直しましょうと。そして、それぞれの役所で公文書管理の担当でまた分類もしていただきましょうという、その大もとになる部分を決めていくということであります。今おっしゃったような中で、文書管理の中で決めていくことは、1年未満の文書の扱いであるとか、あと歴史的価値がある文書かどうかということで保存年限を決めていくということも含めて、これはガイドラインに沿って各役所で決めていってほしいということなんですけれども、要は、原則は情報公開していくということで、そういった中で、その公文書の在り方はどうあるべきか。個別の件は差し控えますけれども、時間が経てば公開できるものもある。そのためにどういう価値で議事を進めていったら良いのかどうかということも一般論として考えていかなければならないと思っていますし、選ぶ方もこれからそれぞれの役所での判断ということになりますが、その大きいガイドラインになるものと、一人一人の意識の問題ということで今のガイドラインを作ろうと思っています。
 今御指摘の国家戦略特区に絡んでということでありますけれども、いかに透明性を高めていくかについては、総理から我々に投げられた検討課題でもあると思っております。ただ、特区の議論は、役所だけでブラックボックスの中で進めているということではなくて、民間有識者の方に多く入っていただいています。いろんな議論はあると思いますけれども、民間有識者の皆さんがこの規制が必要かどうなのか、規制を解除していく議論を行う中で、その議論を公開すべきかどうなのかを判断をしていただいています。全て公開できれば良いに決まっているんですけれども、それによって改革のスピードが遅れてしまう、また、規制改革すべきものができなくなってしまうという観点も含めて八田座長に判断をお任せする運営のルールを作ったということであります。
 そういった中で、今般、疑念を招き、御指摘がいろいろ野党の皆さんからも記者の皆さんからもあるということですけれども、丁寧に一つ一つ答えていければと思っています。私どもの考え方も示しながら、そういった疑問に対してお答えをしていくということになろうかと思います。
(問)つまり、今聞きたいのは、京都と今治の提案を、先程透明化と言いましたが、透明化以前に文書に残していないということなんですね、検討結果が。それに対してどういうふうに思っていますかということなんですけども。
(答)なお一層、でき得る限り過程が分かるように説明をしていくということなんですけれども、文書としてどの程度それが分かるように残っているか、一切残っていないということではなくて、ワーキンググループの中で公表されているものもあるわけですよね。
(問)いや、私が言っているのは、もうその京都の提案が出た後、つまり昨年の11月から1月に選定を始めたその間の間に、京都と今治の提案の中で、じゃあどちらにするかというふうな検討をするときに、内部で検討する際にいろんな話し合いをした記録を一切残していないと、そういうことについてどういうふうにお考えなのかということを聞きたいんですけども。
(答)これについては、文書も含めてもう一度精査をしてお答えいたします。
(問)それは次回ということで。
(答)はい。
(問)公文書の在り方委員会の方で関連なんですけれども、前回のそういう歴史的資料をどう扱っていくかとか、ありましたけども、これまで加計の問題で言われていたような、個人メモと言われるものの、それを公文書としてどこまで扱うかって線引きが一つ、これまで課題とされていたと思うんですけれども、その辺りはこれからの公文書の管理の委員会の中では議論はされるんでしょうか。
(答)議論はされていくと思いますよ。今たたき台があって、それについてどういう分類にしていくのか、どういう順序にしていくのか、専門家の方に入っていただいて、かなり専門的な分類の専門的なやりとりを今しています。最初は1年未満の文書はどうするかという中で、その中で行政文書として扱うかどうかということもあると思いますので、ガイドラインの中に示せるかどうかも含めてまだ先のことは断定できませんけれども、それらをガイドラインから各役所の文書管理担当の人たちが決めていくということになると思いますし、ある程度の行政文書としての在り方というのは、ガイドラインの中でも詳細にやるか、正にガイドラインでやっていくかは別にして、そういったものも出てくると思っています。あと数回、公文書管理委員会を年末までにやっていきますから、今は始まり、初歩のところ、スタートということで、こういう課題があるねといういろんな委員からの課題が出て、今そういったものを整理しながら今テーブル上に上げていくということだと思います。
(問)整理させていただきますと、年内にガイドラインを見直すというふうに、作り直すと言っていますけど、その中には、先程言った個人メモの線引きをそこには含めるんでしょうか、それとも含めないのか、それとも、まだ今の時点では分からない。
(答)今課題としては、そういったものも課題がありますねということがありますので、議論をしていくと思います。ただ、ガイドラインに含められるのかどうかというのは、技術的なことも含めて。ただ、各役所の文書管理担当者にやっぱり周知をしていただくことと、その文書管理担当者が役所の中での行政文書の在り方についても、職員一人ひとりに周知をしてもらうような努力をしていただくという前提でこの文書管理のガイドラインを今作成中。この前キックオフしたばかりであるということであります。また、これは進むにつれて折々に触れてお話をさせていただければと思いますし、質問も受けたいと思います。

(以上)