梶山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年9月1日

(平成29年9月1日(金) 11:02~11:28  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 冒頭、私の方から規制改革ホットラインの集中受付について発言をさせていただきます。
 規制改革につきましては、規制を改めることによって、新たなビジネスや雇用が生まれる可能性があり、利用者の立場に立って柔軟に規制や制度を見直すことが、強い経済を作るために不可欠と考えています。
 そうした取組を進めるために、規制改革推進会議では、新事業の実現に不都合な規制、制度などについて、現場の声を受け止め、即改革し、検討経過も公開するホットラインを用意しております。今回は、この機能を充実させるため、昨年より2カ月前倒しして、本年9月1日から、本日ですね。30日までホットラインの集中受付を実施いたします。是非、この機会に多くの御提案をお寄せいただきたいと思っておりますし、また、各社におかれましても周知をしていただきたいと思っております。
 冒頭は以上でございます。

2.質疑応答

(問)規制改革ホットラインを今年、去年より2か月前倒しし実施する理由は何でしょうか。
(答)規制改革推進会議で検討していただく時間をできるだけ長くつくりたい。そして省庁とのやりとりの時間もしっかりと設けたいということで、前倒しでこういうホットラインをさせていただきました。
(問)このホットラインは何年から始まっていることなんですか。
(答)25年の3月からですね。
(問)公務員の定年の関係でお聞きします。一部報道で、19年度から段階的に65歳まで引上げを検討しているという話が出ていますが、検討の状況を教えていただきたいのと、定年を引き上げることの意義について、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)検討は今始まったばかりですので、まだその方向性、時期の問題には言及するまでの検討は至っていないと思っております。
 意義についてですけれども、公務全体が高齢化が進展するとともに、年金支給開始年齢が段階的に65歳まで引き上げられていく中において、組織活力を維持しつつ、高齢職員の能力及び経験を活用していくことや、あとはもう一つは大きなところで、国家公務員の雇用と年金の接続を図ることが重要であると。年金と雇用をどう接続させていくかという観点から、しっかり現状の把握、そして制度の在り方、そして公務員のみならず、民間も含めた制度の在り方等も検討しながら、更に深掘りをしていくということになろうかと思います。
(問)30年度の概算要求についてお伺いしたいと思います。
 地方大学の振興に特出した事業があるかと思いますが、その内容と、大臣の御期待について教えてください。
(答)地方大学の振興の新規事業ということでよろしいですね。平成30年度の予算概算要求における新規事業としては、地域の中核的な産業の振興や、その専門人材育成などを行う、優れた取組を支援するために、文部科学省と協力して地方大学・地域産業創生交付金の創設として、120億円の要求をしているところであります。
 さらに地方と東京圏の大学の連携による学生の対流等を促進するために、地方と東京圏の大学生対流促進事業として、6.5億円。さらにまた地方へのサテライトキャンパス設置に関する調査研究事業。これは緒につくということですけれども、0.5億円が新しい新規事業としての要求になります。
 この地方大学の振興ということは、地方の産業といかに連携をしていくか。また地方の首長、知事であったり、大きな都市の市長であったり、そういう方がリーダーシップをとって、産官学の連携をとりながら、大学を充実させるとともに、それらの機能を使いながら、地域に産業を興したり、また雇用を作るという点で、大変重要な事業であると思っています。
(問)国家戦略特区の関係でお伺いします。先日のグループインタビューで、特区の区関係会議の説明補助者というものについて、大臣、定義についてしっかり考えないといけないというふうに御発言されております。事業に意欲を持つ説明補助者が、自らの利益誘導につながる発言を行っても、現状ではそれが記録に残らないという状況になっておりまして、透明性が確保できないというふうに考えられていますが、大臣御自身インタビューで、この部分を課題と指摘されていますけれども、新たに今回定義を考えるということは、大臣も現状では透明性は完全には確保されていないという御認識ということでよろしいでしょうか。
(答)ここまでは運営ルール上は問題なかったと思っておりますけれども、説明補助者がもし恣意的に選ばれるような形があると、今おっしゃったようなことが起こる可能性があると。より透明性を高めるために、説明補助者についても定義が必要なんじゃないかという認識でおります。
 ただ、ワーキンググループと諮問会議の民間議員の皆様も多分、この点は改善点を議論をしていると思います。しっかりと改善をしていただきたいと思っておりますし、折に触れて発言をしてまいりたいと思っています。
(問)つまり、透明性や公平性については、100%ではなかったという御認識ということでよろしいでしょうか。更に良くしたいということは。
(答)言われればそういうことになるのかもしれませんけれども、これまでの運営ルール上は座長の判断でということですし、説明補助者がそれほど重要な発言をしているかどうかも、まだちょっと分かりませんけれども、あくまでも実務的なこととか、計数的なことを補足説明するための方が、私は説明補助者だと思っております。そこに、本来提案者であるべき人が入っているのではないかということではなくて、今後は、しっかりそこは分けていった方が良いと思っております。
(問)つまりまだ改良の余地があるということだと思うんですけれども。
(答)あるということですね。
(問)そうなると、総理や山本前大臣や八田座長が国会で言ってきた「一点の曇りもない」とか「議論は全てオープン」という答弁が虚偽に当たるんじゃないかということも考えられますが。
(答)いやいや、これは事実がどうだったかということではなくて、今後、将来的にその可能性があるということですから、将来にわたって定義が曖昧であれば、恣意的に運用される可能性もあるのではないかと。これまでもしっかりと八田座長のリーダーシップの下に一点の曇りもなくやってきたと思っておりますけれども、八田座長がこれから進めるに当たって、こういう点も改善されたら良いのではないかという思いを私は持っているということです。
(問)将来にわたってということなんですが、ということは、過去のこれまでの議論を、新しい定義に当てはめてもう一度検証するという作業は考えていらっしゃらないんでしょうか。
(答)考えておりません。
(問)今、愛媛県今治市が提案している獣医学部の新設に関しては、議事要旨と議事録の内容が異なっていたということとか指摘されているんですが、そういう部分は再検証を新しい定義の中でやっていく必要があるのではないかと普通は考えると思うんですが、いかがでしょうか。
(答)議事要旨が違っているというか、冒頭のところで、非公開を前提に始まったものを、1月20日にことが決定して、やはり公開をした方が良いだろうということで、取扱を公表に直す調整をしたということであります。そのことは八田座長のコメントでも明らかなように、非公開と決定した議事を公開するということは、今後の提案者の発言にも影響が出てくるだろうということで、関係者の了解をとった上で、最初から公開に同意した形に調整をさせていただいたということで、私はここには問題はないと思っております。
 お尋ねは、その他の内容についてですか、それともこの部分についてですか。
(問)そこの部分だけじゃなくて、ありとあらゆるですね。そういう部分で事実とちょっと違うやりとりが形成されていたということで、全体の信用性を損なうという部分もあると思うんですけれども、ですから大臣が今提案された新しい定義をさかのぼって当てはめてもう1回見てみるという作業も大事なのではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
(答)私は、今後の取組として、こういうところを改善して、更に透明度を高めて進めていってほしいという提案をしていきたいと思っています。さかのぼることは今の時点では考えておりません。
(問)前回の閣議後会見で確認して回答を出しますという点が幾つかあったと思うので、順を追って教えてください。
 まず、2015年6月8日と2016年9月7日に、文科省と農水省に対して行ったヒアリングの議事要旨が、公開は今年3月6日だったんでしょうかという点はどうでしょう。
(答)これは3月6日に公開をいたしました。2月下旬にそれまで非公開としてきた27年6月5日のワーキンググループの議事要旨を作成、公開するよう八田座長からの御判断があったということで、それを先行させて作業をしてきたということであります。そして、獣医学部の省庁ヒアリングについても、6月5日のワーキンググループの議事要旨を先行して、そしてさらに、できるだけ獣医学部関係の議事要旨も公表しようとした結果、同時期になったということであります。
(問)今治の議事要旨に関しては、今治市側が非公表にしてくれということで、3月6日まで公表されなかったということだと思うんですけれども、文科省や農水省は別に非公表にしてくれという要望があったわけではなく、直接リンクするものではないと思うのですが、なぜこれらの議事要旨もそこまで非公表だったんでしょうか。
(答)作業上の問題だと思っています。
(問)つまり今治が公開されなければ、この二つの議事要旨も公開されることはなかったということなんですか。
(答)いいえ、違います。並行してやっていたと思いますけれども、今治の方を優先をしてやって、そして更に併せて、省庁ヒアリングの分も作業を進めたということでして、関係者への確認等の作業もあります。そういったことも含めて3月6日になったということで、別に非公開のものを公開したということではないと聞いております。
(問)2016年に開かれた省庁ヒアリングのうち、唯一議事要旨が公開されているのは、この獣医学部とあとNPO法人フローレンスの駒崎さんのだけ。これはなぜ100回以上、ワーキングのヒアリングが開かれている中で、この2点なんでしょうかということについてはいかがでしょう。
(答)小規模保育の対象年齢拡大のテーマであったと思います。これも発言者への確認作業などを進めていて、作業が完了したことを受けて、6月12日にホームページに掲載をしたということでして、御指摘のあったように、駒崎さんのホームページの発言とは関係ありません。駒崎さんのホームページ、ブログですか、にも特に議事要旨の発表については触れられていないと認識をしております。
(問)他にも100件以上ある中で、なぜここが獣医学部と並んで駒崎さんの関係するのだけ出ているんでしょうか。他のはなぜ出ないんでしょうか。
(答)並んでというよりも、作業の進捗状況次第なんです、全て。全て作業の進捗状況次第でありますが、本人に確認をしながらやってきているということで、この日に確認作業が終了して6月12日にホームページに掲載をしたということであります。駒崎さんがどういう発言をされたかというのは多分御存じだと思いますけれども、省庁とのやりとりに関するものだったと理解しており、議事要旨が公表されていないという趣旨のものはなかったと思っております。そうしたブログを受けて議事要旨を発表したというつながりはないと思います。
(問)3点目の外国人家事支援人材に関する件は、これは何でいまだに非公表のままなんでしょう。
(答)これは、外国人材の活用に関する類似の案件が他にもございます。これに関わることもあって、まだこれは公表しない方が良いという判断であります。
(問)具体的に類似の案件で何がどう影響するから公表しない方が良いという判断になるんでしょうか。
(答)類似の案件、手続上、似たような案件もあると思います。分野は違っても手続上は似ている案件がありますから、そちらを要望している人たちに、いろんな形で波及することを懸念しているということであります。
 規制を解くわけですから、規制を解くために、この案件についていろんな交渉をするわけです。一つ一つの省庁とのやりとりもする。その中で、かなり詳細な手続の話もしていく必要があるということで、家事支援人材については一段落つきましたけれども、他の外国人材の活用の案件でも、やはり同じような課題が出てきうるということでして、これからまたヒアリングをしていくこともあります。個別に案件ではなく全体として一連のテーマとして取り扱っているということであります。
(問)今年度のワーキングのヒアリングについては全然開催状況等が明らかになっていませんけれども、8月までにどれぐらいヒアリングというのは実施されているんでしょうか。これらの公表というのはいつの時点でされるんでしょうか。
(答)数についてはちょっと私も今、把握しておりませんので、次回、お答えいたします。非公表と公表というのは分けていますけれども、それも含めて。
(問)その国家戦略特区の基本方針で、諮問会議について利害関係を有する議員については、当該事項の審議及び議決に参加させないことができるという議事で、民進党PTの中で法律家が、安倍首相というのは加計孝太郎さんとゴルフや会食を繰り返しているので、獣医学部新設について知っていたか知らなかったかということは別として、利害関係者ではないかと。
 その獣医学部新設に関する諮問会議に安倍首相が出たのは、これは特区法の違反であり、審議はこれ自体違法なのではないかという指摘が出たんですが、この件について梶山大臣のお考えは。
(答)友人と利害関係者というような言葉で分けられると思うんですけれども、友人であることは確かでしょう。ただ、利害関係者かどうかというと、それは利害関係者ではないと思っておりますので、諮問会議に出ていることは当然のことだと思っています。
(問)利害関係者ではないというのは、どの点から見るとそうだというふうに言えるのでしょうか。なぜ友人ではあるけれども、利害関係者ではないとはっきり言えるんでしょうか。
(答)例えば、利害関係者としてどういう形の利害があるという御指摘なんでしょうか。
(問)加計孝太郎さんがやりたいと思っていることと、今回、国家戦略特区でやろうとしていることというのは、同じ方向を向いています。そういう点で利害関係があるのではないか。
(答)友人であると全て利害関係になるとは、私は思っておりません。そういう意味で、非常に明確に、利益があるとか、害があるとか、この言葉どおりですけれども、そういうことではないと、友人であるがゆえに利害関係者だという決め付けは、少し違うと思います。
(問)ただ、安倍首相はその加計学園の監査役を務めていられたこともあり、こういう意味では利害関係者であったではないでしょうか。
(答)総理の立場としてしっかり物事を遂行しておられまして、過去においてそうであったかもしれません、そういう事実があったかもしれませんけれども、利害関係者ではないと判断をしています。
(問)地方大学の振興について伺いたいんですけれども、新しい交付金120億円、概算要求で求めているんですが、これは地方の負担分も合わせると160億円のベースで、意欲的な数字かと思うんですけれども、この交付金に限って大臣の抱負といいますか、狙い、思いみたいな部分と、あともう1点、この交付金に関連して、1件当たり10億円程度を事業費、採択する方向で調整していると事務方から聞いているんですけれども、ばらまきではなく、選択と集中でという話も事務方から聞いておりますが、改めて大臣から、仮に制度化した場合に採択に当たっての姿勢とか、その辺りを伺えますでしょうか。
(答)東京圏への人口の一極集中という課題があります。東京圏だけ12万人転入超過になっている。そのうち、15歳から24歳ぐらいまでの若い方たちが10万人ぐらいいるという中で、どうこれを解消していくかということは、企業の本社の地方移転であるとか、政府の関係機関の地方移転であるとかというものがありますけれども、地方大学も充実をさせて、若い人たちの大学進学の選択肢の一つとなってほしいと。
 さらに、またそれに続く就職の時点でも、地域の大学と企業との連携ということで、新たな技術や新たな産業を起こしていただきたい、また、それに必要な人材を育てていくという点での大学の役割を果たしていただきたい。
 そういったことによって、その人口減少の中で、一極集中を解消していくという施策のうちの一つであると思っています。
 今おっしゃったように、ばらまきではなくて、集中的にやる気のあるところに支援をしていこうということでありまして、具体的に幾つか地域と大学の名前も挙がってきておりますけれども、そういったところのよく精査をしながら応援をしていきたい。そして、地方で産業が根付くようにしていきたい。これまでもあった産業かもしれませんけれども、更に磨きをかけていく、最先端の技術にしていく、そういったことも含めて地方創生の一助になればということで、この制度を始めたいと思っています。
(問)先ほどの特区の関係の、利害関係のお話なんですけれども、他に諮問会議の議員さんやワーキンググループのメンバー、例えば、病床規制特例の瀬田クリニック、これに関しては阿曽沼さんがワーキンググループのメンバーでいらっしゃいます。あとは、諮問会議の竹中平蔵議員は、人材派遣のパソナの会長を務められていまして、こちらの企業が東京都の事業等で依頼しているという事実もあります。
 こういう部分は利益相反に当たらないというふうにお考えでしょうか。
(答)今の時点では、そう考えております。その企業に利益があるのか、それとも、その業界全体に利益があるということもあるんでしょう。これまでの経験等々を生かして、バランスを考えながら利害関係者ではないという判断の中で、お務めいただいているということであります。
(問)その利害関係者ではないという判断をどうしてされたのかというのを、今度の会見までにちょっとお話しいただければと思うんですが、よろしくお願いいたします。
(答)はい。

(以上)