鶴保内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年7月18日

(平成29年7月18日(火) 10:56~11:03  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 御報告が一つあります。
 少し遅れましたが、7月8日まで実施をしておりました沖縄県石垣市でのバスの自動運転の社会実験の結果についての速報をお伝えさせていただきたいと思います。
 全14日間にわたる日程を事故や故障のトラブルもなく、1日当たり4往復8便の運行を実施いたしまして、合計368人の一般の方々に御乗車をいただきました。当日飛び入りで参加していただいた方々もたくさんいらっしゃるということであります。一般の方々のアンケート調査は後に報告いたしますが、かなり確度の高いものであったと理解しております。
 1日平均30人の乗車があり、大変良かったという、「安心」、「ほぼ安心して乗車できた」との回答を約7割の方からいただいております。また、カーブの走行については、約8割の方から、「スムーズ」若しくは「通常のバスと遜色無い」との回答を頂いておりますが、発進と停車、乗り心地については3割前後の方々から「少し悪い」といった回答を頂いているとのことでありまして、今回、実験に用いたバスでは、ブレーキが自動運転になっておらず、運転手が踏み込んでいたので、その辺が悪かったのかなということであります。
 今回のルートは、1日の交通量が約1万台という、3月の南城市での実証に比べるとかなり交通量がある道路環境での実験ではありましたが、全16キロのうち約9割に当たる14キロを自動運転で走行することができ、今後の実用化に向けた期待を持ちました。
 あえて問題点を申し上げるとすれば、街路樹の影響でGPSがうまく受信できない区間が約2キロほどあったそうでありまして、そこの部分は手動運転にしたということであります。
 御存じのとおり、準天頂衛星が打ち上げられ、これを利用することになる来年以降はこうしたことはないということでありますので、今回のことについては、とりあえず問題点として挙げられるということであります。
 今後、今年の秋11月頃には、沖縄本島で三次元地図や準天頂衛星の活用をした高度な実証実験を行いたいと思っております。今度の実証実験では、ブレーキも自動化するとのことでありますし、より高密度な自動車の混雑地域でやらせていただくということでありますので、是非、また御注目いただきたいと思います。
 また、秋頃には沖縄のみならず関東地方等でも大規模実証実験ということで、バスではなく普通乗用車の高速道路での自動運転実証実験を行う予定にしておりますので、またしかるべきタイミングで御報告させていただければと思っています。
 私の方からは以上であります。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 土曜日に和歌山大学を視察されたかと思うんですが、今の地方大学の現状について、どのように見られたのかというのと、これから活性化するためにどうすればいいのか、そのヒントが得られたのかどうか、そこら辺を教えてください。
(答)科学技術とクールジャパンに関連する観光学部、国公立大学として初めて観光学部をつくったところでありますので、観光学部のカリキュラム等々について意見交換をして参りました。
 科学技術に限定して申し上げるならば、やはり規模、それから予算共に一般普通大学に比べるとやはりタイトなものがあるなということは否めない事実であります。ただ一方で、その制約がありながら、先日もドイツイノベーションアワードを受賞された車椅子ロボットの開発なども見させていただきましたが、世界的にもかなり高度なものを作っているということが示すように、きらりと光るものがあるのも事実であります。バイアスロンと言っていたかな、障害者のオリンピックにも出展され、日本代表として、車椅子ロボットの部門では世界4位に食い込んでおられましたので、そういったことを考えると、我々として地方大学の今ある内容について、しっかり注視していく必要があるなと。
 ただ、各大学でどういう特色ある研究をしているか全てを把握することは、現在までのところ、できていないように思います。ですので、でき得れば、文科省とも協力を頂きながらですけれども、各大学で、今している研究のインデックスブックみたいなものを早急にまとめていただいて、この大学の研究は他の大学の研究と連携をとればもっとうまくいくのではないかというような交流をお願いしてみるとかそういったことも、これは内閣府の役割なのかどうか、文科省がやるべきなのかもしれませんが、私は思って帰ってきたところではあります。
 いずれにいたしましても、その地域でこうした取組があることは、是非、皆さんの方からも、報道等を通じて検証していただけると、我々としても意を強くするところであります。

(以上)