鶴保内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年7月11日

(平成29年7月11日(火) 10:57~11:17  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 私の方からは、1点のみ。
 九州北部地方における豪雨水害で、科学技術を活用した取組についてであります。
 この度の九州北部における豪雨水害では、大きな被害が報告されており、お亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。また、被災された方々に心より御見舞申し上げます。
 今回の災害で、内閣府の科学技術イノベーション担当職員2名を先週末から派遣いたしまして、「災害情報共有システム」(SIP4D)の研究主体である防災科学技術研究所の職員と一体となって、現地の災害対応を支援してまいりました。
 前回の記者会見でも申し上げましたが、「全天候型ドローン」を飛ばし、人の立ち入れない東峰村の災害現場の空中撮影等を行い、速やかにその動画をSIP4Dにアップロードいたしました。行方不明者の捜索活動にも役立てさせていただいております。
 詳細は、事務方に聞いていただければと思いますが、避難図の分布図と現地の様子をリンクした形のシステムを作り、それを災害本部及び県当局と情報共有させていただき、一定の成果を得ているものと聞いております。皆様には御協力いただきまして、ありがとうございました。
 以上であります。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 今の全天候型ドローンなんですけれども、こうした科学技術の成果は、実際に普及させていくためにどうやっていくのか。
 例えば、今回のドローンだったらどういうふうに、今回は数機しかないかと思うんですけれども、これをもっといろんな災害現場で使えばいろんな役に立つと思うんですけれども、そういうふうなことについて、どうお考えでしょうか。
(答)今回、成功だったかは、また後日に譲らなければいけませんが、一応、現在のところ役に立っているという良好な反応を頂いておりますので、それを踏まえた上で申し上げるならば、こういう状況を重ねていき、より使い勝手の良いものを、そして、欠けているところについての反省を踏まえて、パワーアップした形で、より後につなげていく必要があるのではないかと思います。
 御指摘のようなドローンの数等々についても、これから議論になっていくところなのではないかと思いますので、これらを踏まえてより実用的なものにしていきたいと思います。
(問)読売新聞の船越です。
 今のドローンの関係で、最初に派遣したんですが、やっぱりなかなかアクセスが難しいということで、すぐには飛ばせなかったというような問題もあると思うんですが、改めて今回、実際に使ってみての課題や反省などについてお願いできますか。
(答)現地の災害本部とのやり取りの中で、どうしても現地職員、現地災害本部の意向を前提にしなければいけないということはありました。
 まだ、ドローンの効用なり、どういったものなのかということに対する理解が進んでいないということが大いにあったのではないかと考えておりますので、今後、こういった災害に適用した経験があるのだということを踏まえて、皆さんの方にもいろいろな提案をしていけるのではないかと思います。
 あとは、雨が止んで、ヘリが飛べるような状況になれば、ドローンは必要ないとのことでありましたので、こういったことの連携体制をどうしていくかということも今後の課題になってくるのではないかと思います。
(問)沖縄タイムスの上地です。
 OIST(沖縄科学技術大学院大学)の職員が潜水作業中に行方不明になっている件で、労働基準監督署がOISTに対して是正勧告を出しました。内閣府としてどういう点が違反するというふうに指摘を受けたのか、把握している点と、内閣府として改善について取り組む点があれば教えてください。
(答)ダイビング事故について報告が出たということは承知をいたしておりますが、今後はOISTの対応がやはり主軸になってまいりますので、内閣府としては、まずはOISTの対応を注視していくということに尽きます。
 今後、我々が監督省庁としてOISTに対し、何か申すべき場面が出てきた時には、速やかに対応していきたいと思います。
(問)それはOIST内で何らかの改善がまだ足りないなというふうに判断したときに、内閣府としては更なる改善点を求めるということでよろしいでしょうか。
(答)はい。速やかに今、その状況を検討していると聞いておりますので、それを受けて今後の対応を考えてまいりたいと思います。
(問)朝日新聞の杉本と申します。
 ドローンの話に戻るんですけれども、実際に災害が起こったときに、災害対策本部ってやっぱりしっちゃかめっちゃか、いろんな情報が錯綜して大変なことになると思うんです。
 その中で、今回のようにドローンを使えるかどうかというヒアリングも、ニーズの把握も必要ですし、多分それを持ち込むということに手続も必要だと思うんですけれども、そういったことをスムーズにやるための方策というのは、何か今後考えられますでしょうか。
(答)これは、大変重要な問題だと思います。先ほども言いましたとおり、まずは認知をしていただくという前提が必要だと思いますので、今回はその前ですから、まずはそれが必要なのでしょうが、どこでどういう災害が起きるかについて、予見ができるものではありません。今後も、我々としても平時にする努力は、いろいろと手足が限られてはいますけれども、努力をしていく必要があるのではないかと思いますので、御指摘のようなことを少し私たちとしても考えていくべきタイミングなのではないかと考えています。
(問)例えば、そのいろんなところに認知をしてもらう努力であるとか、平時からできる努力とは、例えばですが、どんなことが考えられますか。
(答)ドローンでこういう実績がありました。こういう良い結果につながりましたということが、まず整理としてあるのであろうと。まだ、今はオンゴーイングで進んでいる状況ですから、その総括はまだできてませんけれども、それがまず一つ。
 そこへ持ってきて、大体想定される体制の組み方ができた。大体、災害が起きた後、こういう段階では、ドローンが投入されるとすごく効果がありますよというようなことを、我々としても検証し、そして、それを伝えていく必要があるのではないか。
 まだ、今は次なることについて考える余裕は現時点ではありませんが、すごく大切なことだと思っておりますので、また報告できるところがあれば、しっかり報告したいと思います。
(問)フジテレビの和田でございます。
 今のドローンなんですが、私もちょっと不勉強なんですが、実際に運用されてみて、こういった災害のときに正直ベースで内閣府がやるということがいいのか、あるいは、別の役所がやることがいいのか、ちょっと基本的な問題なんですが、やりやすさ、あるいは連携というような意味では何かお考えをお持ちでしょうか。
(答)これは災害で最も主軸になってくるのは、やはり現地自治体なんですね。なおかつ、現場の手足と言っては失礼ですけれども、現場で働いていただく作業については、これを統括するのは恐らく国土交通省の関係、ドローンの産業を管轄するのは経済産業省と、役所的にはばらばらになっていますから、私は、内閣府はこれを統括し、そして、様々な御意見を伺いながら進めていくのが今のところ適当なのではないかと思います。
 これからそういった問題等々についても、検証は進んでいくのでしょうが、まずは窓口として、ドローン投入についてどこに言えばいいのか。一刻の猶予も許さない災害ですから、現地の災害対策本部がドローン投入についてどこに言えばいいのかで、うろうろするようなことがあってはならないと思いますので、ここはもうはっきりと内閣府の防災事業で、これをしっかりやっていきますということが実績として積み上がっていくことを、私は期待したい思います。
(問)(日刊工業新聞)
 そもそものところで申しわけないんですけれども、今回のドローンの調査での成果というのは、悪天候の中での飛行ですとか、撮影がきちんとできたというところが大きな成果になるんでしょうか。他にありましたら教えてください。
(答)(事務局)まず、事実関係について、若干、御説明いたします。
 今回、ドローンにつきましては、福岡県の東峰村に入りました。現地では、消防庁を通じましてお願いをしましたので、現地の広域消防隊として、広島県派遣の広域消防隊の指揮の下に、実際に飛行をさせております。
 天候状態としては、8日の昼に上げておりますので、その段階では雨は降っておりませんでした。ただ、まだ入った当初でしたので、その後、自衛隊の作道活動等にその映像を使って道を切り開くというような形で利用されたという状況でございます。
 その後、一旦、孤立集落の方へ切り開かれますと、もう既に自衛隊とか警察が入って、どんどん入っていけましたので、逆に有人ヘリの方の飛行に支障が出ないように、今は退避し、チームの方は、今、帰京している状況でございます。
(答)安否確認も、もっと実効的に速やかにでき得るんだと思います。ただ、今回、そこまでのミッションを受けていたかというと、現地で聞いている話ではどうですか。
(事務局)現地のいわゆる広域消防隊の指示に基づいて、まずはそういったアクセス通路を確保するという任務で飛ばさせていただいたということで、必ずしも直接的な救命活動に直結するような撮影まではやらせていただけなかったということだと思っております。
(問)指示に基づいてアクセス経路を確認できたというところで間違いないですか。
(答)(事務局)そうでございます。
(問)何度もすみません。朝日新聞の杉本と申します。
 今の消防庁の話のところで確認させてください。消防庁と一緒にやると、今後も同じようなことがあると思うんですけれども、なかなか消防隊が新しい機器を使うとなると、かなり信頼性があるものじゃないと使えないと思うんですよね。正にそこをどうするのかというのは、先ほどの答えと重なるかもしれませんけれども、改めて。
(答)おっしゃるとおり、重なるのです。要は、一口で総務省所管の消防庁がやるということになると、そのドローンの規格はどうですか、あるいはどういった使い方をしますか、誰が予算を出しますかというような、いろいろな難しい問題が出てきます。また、国土交通省、防災でやると、河川がやると、これはこれで同じようなことになってきますから、我々がSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の事業の一環として、これをやらせていただいているという、この状況が、よりブラッシュアップする形が最も適当なのではないかと思います。
 事務方とは、この話はまだしっかり打ち合わせておりませんけれども、私としてはそう思っておりますので、皆さんも是非、それについては問題提起をしていただければと思います。
(問)朝日新聞の永田です。
 話題変わりまして、内閣支持率についてお伺いしたいと思います。
 先日、報道各社で調査結果が発表されまして、下落傾向が止まらないという状況だったと思うんですけれども、これについて大臣の御所見をお伺いできますか。
(答)身を引き締めて頑張るに尽きるのですけれども、我々としては、こういった状況を打開することは、日頃の仕事をしっかりとして、国民の理解、信頼を得るということしかありませんから、支持率に一喜一憂することなく、やるべきことを粛々と、一歩でも進めていくという思いであります。
(問)その中で、昨日、衆参両院の閉会中審査が行われたと思うんですけれども、ちょっと大臣お忙しいところ、御覧になったか分からないんですけれども、国会を閉じた時、大臣がこの会見場で、国民への説明が先の国会では至らなかったのではないかというようなことがあったと思うんですけれども、昨日の議論をどう見られていたかと、伺えますか。
(答)新聞紙上等々でしか私も見ていませんから、新しい事実が出てこなかったということ、それから参考人の方々がはっきりとした御意見を述べられたということ等々、これで国民の理解が深まったのかということは、まだ少し疑問符が残るところではあると思います。
 ただ、ずっと国会、委員会を開ければ新しい事実が出てきて、これができ得るのかというと、なかなかそこは難しい問題だろうと思います。水掛け論であったというような報道ぶりもありますから、ここは少し落ち着いて事実関係について説明する努力を役所側もしながら、落ち着いて見てみる必要があるのではないかと思います。
 私たちとしても、できる限りのことは協力は惜しまないというつもりであります。
(問)努力を惜しまないということなんですけれども、野党側は総理の国会審議の出席というのを求めていますけれども、この必要性について、大臣どのようにお考えになっていますか。
(答)前も申し上げましたけれども、この内容について、無いと言っているものをあるということ、無いということを証明しようというのはなかなかそれが出てきたからといってできるものではなくて、あるものを否定しろという話はできるのですね。ですから、今回の焦点がどこにあるのかを論理的に検証した上で、それらについての焦点を絞った形での説明、出席ならばあり得べしなんだろうと思います。
(問)共同通信の中田といいます。
 話変わりまして、那覇市議選のことでお伺いしたいんですけれども、県内の市議選に先立ってあった3市長選等々に加えて、今回、翁長知事の支持勢力が過半数割れという結果になったんですけれども、この結果について、まずどういうふうに分析されていますでしょうか。
(答)前回も申し上げましたが、選挙結果に一喜一憂することはないと。私たちがすべき仕事にそのことが影響するということは、基本的にはないと思います。ですから、翁長知事の支持者というのか、その支持勢力というのがどういうものなのか、今回の選挙結果を受けていろいろな見方はあると思いますので、それらについて私はコメントを控えたいと思います。
(問)翁長知事は名護市辺野古移設の阻止も主張されていて、法定闘争の構えも見せているわけなんですけれども、辺野古移設への影響という面で何かお考えというのはありますでしょうか。
(答)直接は関係ないと私は思います。市議会議員の選挙ですから、どういった主張を各候補者がしておられたか、つまびらかではありませんが、辺野古問題が主軸になったとは聞いておりませんので、そのことの影響というのは、かなり少ないのではないかと。むしろ那覇市の問題。渋滞であるとか、経済活動であるとか、こういったことではないかと思います。

(以上)