鶴保内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年6月6日

(平成29年6月6日(火) 9:46~9:56  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 私の方からは1点のみでございます。
 いよいよ第2回目の沖縄離島でのバスの自動運転実証実験の日取りも決まりました。6月25日から7月8日までの2週間、石垣市にてバスの自動運転実証実験第2回目を開催させていただきたいと思います。
 今回は画期的なことに、実験ルートを石垣市の中でも特に混雑状態が多いと言われる新石垣空港から市中心部の離島ターミナルに至る約16キロの島内でも比較的交通量があるルートを実証の場とさせていただきたいと思います。行かれた方は御存じだと思いますが、一番のメインルートになります。
 加えて、実験ルートの起終点と途中2箇所の計4箇所に仮設のバス停を設けて、1日4往復の定時運行を行いまして、住民はもとより観光客の方にもモニターとして実際に御乗車いただき、様々な意見を頂戴したいと考えております。より実用化に向けて、実用化を意識した実証実験にしたいと思います。
 技術面についても関係者に御協力いただいて、3月に南城市で行いました実証実験よりも実際の交通環境に近い状況での正着制御のほか、交差点通過時の信号情報を活用した速度制御なども検証する予定であります。
 また、今回から将来の準天頂衛星の活用に向けた検証にも着手したいと考えておりまして、今後は、この沖縄での自動運転バスの実証の取組を私のイニシアティブの下、内閣府の沖縄振興局、科技部局、宇宙部局の3部局連携により進めてまいりたいと思いますので、また皆様、是非、御期待をいただきたいと思います。
 詳細につきましては、これら部局にお問合せいただければと思います。
 長くなりましたが、以上であります。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 今の実証実験なんですけれども、今回は準天頂衛星の信号も活用するということでよろしいんでしょうか。
(答)この間、打ち上げた「みちびき2号機」が使える状況になっているかどうかがはっきりしません。信号の受信実験のようなものは、できれば行った方がいいのではないかと今、部局と打合せをしたところですが、現状のところ、発表に至るまでの計画がまだ立てられておりませんので、今回の実験での正式な発表としては、この準天頂衛星信号システムを使った実証実験ではないということであります。ただ、信号が受信されるかどうか、それらについての検証は行いたいということを(部局が)申しております。
(問)あともう一つ、話は変わるんですけれども、昨日、コバルトリッチクラスト、房総沖で見つかったんですけれども、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム・次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画))でも海底資源探査をやられていて、ただ、ちょうど来年度でもうSIPも終わりになるかと思うんですけれども、今後、海底資源探査をやるために、次のSIPで取り組んでいくのかどうか、そこら辺のお考えはどうですか。
(答)今回の発見がSIP実証の賜物であるということは特に強調しておきたいと思います。報道によると、余りこのことを取り上げていただいていないようでありますが、関係部局は大変このことを喜んでおりますし、自信にしております。したがって、そういったSIP関係の方々の踏ん張り、奮闘を全く考慮しないわけにはいきませんので、今後のことは、是非、前向きに考えていきたいと思います。
(問)朝日新聞です。
 加計学園の獣医学部新設についてちょっとお伺いしたいと思います。文科省内で共有したと見られる「官邸の最高レベル」といった記述があるメールが見つかったとして、昨日の国会審議で野党が再調査を要求したんですけれども、政府はそれについて拒否をされたと思います。この現在の政府の説明が、国民の納得に耐え得るものなのかということの大臣の御所見をお伺いできますか。
(答)私も報道しか知りませんし、正確な状況を把握しているわけではありませんが、印象としては、言った言わないの状況になっているなという感じがしております。
 そのメールなるものが、果たしてどういった類いのものだったのか等々についても、昨日の審議の中で、これは公文書に当たるんだという御主張をなさっておられた方もいらっしゃいましたけれども、仮にですよ、このメールの内容なるものが、実際、本当に書かれたものであるかどうかの検証をするとなると、その辺りも調査ができるのかなというのが私の正直な感想でありますし、公式の文書として残されたものであるかどうかは、今後相当いろんな事務的な負担がかかってくるものなんだろうと思いますから、まずは推移を見守りたいというのが正直なところであります。国民の皆さんが何かあるのかなと感じていらっしゃる思いも感じないわけではありませんけれども、その辺のところをしっかり説明を果たして、納得がいくようにしていただきたいなというのが、今までのを見た私の感想でありました。
(問)今、公式な文書であるかはというお話ありましたけれども、実際に送受信欄に名前があった職員の方、同姓同名ということですけれども、10名ほどいらっしゃったと。
(答)それは、どこのパソコンにあったのですか。
(問)文科省内の個人の。
(答)だから、その個人というのは。
(問)それは確認はできていないですけれども、野党側が入手した。
(答)ですから、私としては、その個人というメールがどういう類いのものなのか全く承知もしておりませんし、それが本当に単なる個人メール、個人パソコンであったのかどうか。ですから、それが公文書と言える性格の物であるのか等々、全く報道ぶりでしか承知しておりませんので、ちょっとコメントのしようがないんです、ということです。
(問)化学工業日報の伊地知と申します。
 冒頭の質問に関連するんですけれど、コバルトがこういうふうに注目されているというのは、これからの「Society5.0」を支えるいろんなデバイスに使われると。ただし、非常に高くて量が少ないということで、レアメタルとか希少金属というのが注目されているんですが、片や、いろんな材料開発の中で、そういう希少な元素を使わないで、ありふれた元素を使ったものでいろんな機能を発揮していこうという、いわゆる元素戦略ということがずっと続いていて、日本が中心になって動いてきているかなというふうな気がしているんですけれども、その辺の件で、ああいう形で資源を掘り起こしていくということと、他の材料を使う、他の元素を使って新しい機能を実現していくという動きについて、大臣、どういうふうにお考えでしょうか。
(答)是非、それは並行して進めるべきなんだろうと思います。資源小国である我が国が、ありとあらゆる可能性にチャレンジをしていくことはやぶさかではありませんし、予算的・人的リソースの許される範囲で大いにそれを奮っていただきたいと思います。
 今回のSIPの事業は、御存じのとおり、評価も相当紆余曲折がございました。その意味においては、こうした発見に結び付いた結果を残したことは、大変風雪に耐えてよく部局は頑張っていただいたんだと思いますので、そのことを多とすると同時に、同じような思いでその他のチャンネルもしっかり意識を持って前へ進んでいただきたいと思います。

(以上)