鶴保内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年4月21日

(平成29年4月21日(金) 9:35~9:50  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 私の方から御報告がございます。
 まず、本日11時25分から、第29回総合科学技術・イノベーション会議を開催いたします。議題といたしましては、平成30年度から内閣府に創設する官民投資拡大推進費にかかるターゲット領域の決定、科学技術イノベーション総合戦略2017の検討状況、政府研究開発投資目標の達成に向けた道筋等について、議論をする予定でございます。詳細は、事務方にお問合せをいただきたいと思います。
 それから、沖縄関連で3件ございます。
 まず一つ目は、今年度新たに沖縄振興予算に計上しております、防犯灯・防犯カメラの緊急整備事業補助金の第1次交付決定を本日行います。本事業は、沖縄県内の犯罪抑止強化のため、各市町村が防犯灯・防犯カメラ等を設置する際に、国が緊急的に補助を行うものとして、新たに14.8億円を計上しております。交付先、交付決定額については、配布のペーパーのとおりでございます。また、今回申請がありません4自治体を含めて、できるだけ早く2度目の交付決定を行いたいと考えておりますので、またその詳細は御報告を申し上げたいと思います。
 二つ目でございますが、明後日23日から沖縄を訪問いたします。23日は、第9回の沖縄国際映画祭のクロージングセレモニーに出席をさせていただく他、地元首長との意見交換を含め、沖縄本島南部を視察させていただきます。国会日程が許せば、翌24日、月曜日には久米島を訪問させていただいて、本土からの生徒を受け入れられておられると聞いております久米島高校や、独自の取組を進めている海洋深層水関連施設などを視察する予定であります。また、今年1月には石垣島、2月には宮古島で開催をいたしました、「島のゆんたく」を久米島でも開催させていただいて、離島の関係者の皆様から生の声を伺って、率直な意見交換をさせていただきたいと思います。また、「島のゆんたく」については、インターネットでの同時中継等々も考えておりますので、是非また機会があれば御覧いただければと思っております。
 三つ目でございます。ようやく報告ができるようになりました。この度、沖縄振興策を広く周知していくために、様々な形で様々なメディアを通じて広報に努めたいという話をしてまいりましたけれども、現在運用しているホームページやFacebookに加え、新たにLINEを立ち上げさせていただくことになりました。LINEを活用した情報発信というのは、中央省庁では首相官邸、外務省などにおいて行われておりますけれども、内閣府では初めての実施でございます。今回、このLINEを活用いたしまして、沖縄担当部局の様々な会議や諸行事等の取組のほか、公共事業、北部振興事業、一括交付金事業等の中から代表的なものを紹介し、随時発信してまいりたいと思いますので、是非御覧いただきたいと思います。お手元にQRコードが入っているものがあると思いますが、これで登録をしていただければ見られるようになっておりますので、是非御覧いただければと思います。
 私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 早速LINEは登録したんですけれども。
(答)ありがとうございます。
(問)それは置いておいて、先日、OIST(沖縄科学技術大学院大学)のピーター・グルース学長が自民党とか大臣のところとかに来られたかと思うんですけれども、その時に日本のベンチャー支援策が各国に比べて非常に弱いと、危機的な状況じゃないかということを指摘されているんですけれども、それに対して総合科学技術(・イノベーション)会議、知財、ITとか関連する所掌を持たれている大臣として、これからどういうふうにこの状況を改善されていくのか、その考え方を教えてください。
(答)全く同じ危機感を持っております。先に結論を申し上げますと、CSTI(総合科学技術・イノベーション会議)にプランを提案いたしますし、その中で今、申されたベンチャーの育成も一つの柱として制度改革アクションとして報告し、それをオーソライズしていただく運びになっております。
 簡単に言うと、例えばベンチャーが活用されるように、制度設計していくことを提案しております。
 これが法改正や様々な制度改正に後々つながっていくことを企図して、今回の提案をさせていただくわけでありますから、しっかりと結果が出るようにしていきたいと考えております。
 また、御存じのとおり、(昨年)7月には何度か申し上げましたが、ニーズとシーズをうまくくっつけるというか、コーディネートするフォーラムを立ち上げたいと考えておりますので、そういった時にベンチャーが死の谷であるとか、様々なファイナンシャルな問題が乗り越えられないという問題点をクリアできるような、そんな立場の方々にも参加をいただいて、ベンチャー投資がより進むように考えていきたいとも思っております。
 様々な問題がありますから、これらだけで全てが解決するわけではありません。繰り返しになりますが、強調しておきますが、できることからやらせていただく、速やかにやらせていただくと今のところ思っております。
(問)朝日新聞の永田です。
 2点お伺いします。まず、1点目が沖縄訪問についてなんですけれども、本島の南部市町長との意見交換が予定されていますけれども、大臣としてはどのようなテーマについて率直な対話をしたいと、現時点でお考えになっていらっしゃるでしょうか。
(答)南部だからということも、もちろんあるんですが、まず一般論として、我々が取り組んでいる政策、観光対策やインフラ整備はもちろんのこと、人材育成、そして渋滞対策等々について、率直な私たちの思いなりを話させていただいた上で、いろんな御意見や御批判をいただければと思っております。
 南の方は、特に観光では相当進んでいるといいますか、北部地域に比べればいろんな思いをお持ちなのではないかとも思いますから、建設的な提案が頂けるものだと期待をしております。
(問)2点目なんですけれども、ちょっと話題が大分変わって、23日のうるま市長選についてお伺いしたいと思います。
 今回、新人と現職の一騎打ちという構図になっていますけれども、その中で、その点、現職市長の8年間の市政運営、経済振興策などが争点になっていると思うんですけれども、沖縄振興に携わる大臣としてどのようにこの市長選を見ていらっしゃるのか、お伺いできますか。
(答)現職の市長でいらっしゃいますから、これまで私はうるま市長とは何度もお話もさせていただきましたし、並々ならぬ決意でうるま市の振興について提案をし、努力をされておられた姿を見て、大変私としては好意を持っております。
 また、常々これをサポートするのが我々の役割だと考えてきておりました。いずれにせよ、選挙の前ですから、これらについて選挙の結果を見てこうするとかいうことではもちろんありませんので、しっかりとうるま市の皆さんが喜んでいただけるような振興策をこれから考えていくということに尽きるんだろうと思っています。
(問)そういった中で、自民党の古屋選対委員長が先日御自身のFacebookで、野党系の候補の公約を「詐欺行為にも等しい」と、「沖縄特有のいつもの戦術」というような批判をされましたけれども、これについての大臣の御所見をお伺いできますでしょうか。
(答)これは大臣というよりも、政治家としてお答えしますが、選挙をする者として、いろんな選挙の流れの中で大風呂敷広げたり、様々なちょっとそれ言い過ぎなんじゃないのというようなことも散見します。
 私はこれ、引っ掛かっているのは、「沖縄特有の」といったところでありまして、沖縄だけかと言いたいところも少しありますから、その辺は控えめに、私たちとしては冷静に見ております。
 今回、様々な厳しい選挙ですから、様々なことをいろんな陣営が思っていらっしゃることは、私個人もそうですけれども、是非温かい目でみてやっていただければと思っています。
(問)化学工業日報の伊地知です。
 冒頭で大臣がおっしゃっていた、今回の(CSTI)本会議でもターゲット領域の決定があるということなんですけれども、その検討の中でやっぱり民間が興味を持っていて、投資が誘導できそうなということで、バイオというのが挙がっていたというふうに記憶しておりますけれども、実は沖縄で、例えば先ほどの質問でもありましたけれども、ベンチャーの話があったんですが、産総研ベンチャーが実は立ち上がっていたりとか、うるま市のところにラボがあって、沖縄固有の植物から有用の成分抽出していこうという研究を始められたりとか、その昔オイルショックの頃には、随分古いんですけれども、石油代替の今で言うとバイオマスの研究を、いずれも化学メーカーなんですけれども、そういうことが行われて、過去、それから今、進行中ということなんですけれども、沖縄は観光振興というのが前面に出ていますけれども、産業の振興という意味でもバイオというのが一つ何かそういう拠点になるような措置があるような気がするんですけれども、大臣の御所見をお聞きできればと思いますけれども。
(答)バイオという単語、定義がどこまでを指すか、広くでいいんですよね。とするならば、沖縄というところはやっぱり今回その医療拠点を西普天間の跡地につくろうという話もあるぐらい、国おこし、地域おこしに非常に積極的に頑張っていただいていると思いますし、また、それだけの素地がある地域だというのは、先ほど御指摘のとおりだとも思います。
 特有の固有種やあるいは様々な世界的に見て興味のある生物の、生命科学の発展の素地があるからこそ、OISTにおいても相当な科学技術研究が進んでいるとも聞いており、これらを是非言われるとおり、産業及び雇用に結び付くような形で実装化していく後押しを我々としても積極的に進めていきたいという思いは持っております。
 ただ、先ほどベンチャーの質問で申し上げられなかったんですが、ベンチャーが進まない一つの理由、これは正に石垣(市)で頑張っていらっしゃるユーグレナの出雲社長なんかもおっしゃっておられますけれども、ベンチャーで進むには、まずそれをやる人がリスクを取る気持ちも正にベンチャーですから、リスクを取ってやっていくんだという気持ちを持たなければならないのではないか。そして、それを最大限サポートするのは周りですけれども、そういう意味において、沖縄という地域でそのことが根付いていくように、我々もサポートは最大限するけれど、そういった方々が出てきていただくことを期待しております。
(問)NHK、奥住です。
 冒頭発表のあった、防犯灯の関連でお伺いします。
 沖縄県のうるま市でアメリカ軍の軍属の男が女性を殺害した事件から、間もなく1年となりますけれども、改めてこうした事件が起きたことの受け止めをお聞きしたいのと、また、今回補助金の交付決定ということで、この補助金をどのように有効活用してほしいか、この補助金の意義について教えてください。
(答)あの痛ましい事故はもう論説に値しない怒りで一杯であります。だからこそ、我々として何ができるかについて、今までずっと考えてきておりましたが、民間の青色パトロールを緊急で進めてきた経緯もあり、そして、これらをより高度に科学技術も含め継承していく、安心・安全な沖縄県をつくりたいという思いの中で、防犯灯・防犯カメラの設置を今回新たに予算要求をさせていただきました。
 様々な御懸念、我々を監視するのか等々の御懸念があるようなことも聞いておりますが、一にも二にも安心・安全な社会、地域をつくりたいという思いでありますので、是非誤解のないように皆さんでつくり上げていただきたい、御協力を頂きたいという思いであります。
(問)共同通信の市川です。手短に1点だけ。
 今日から春の例大祭ですが、大臣、期間中に靖国神社を参拝する御予定はありますでしょうか。
(答)ありません。

(以上)