鶴保内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年3月3日

(平成29年3月3日(金) 9:25~9:45  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 私の方からは、3点御報告を申し上げたいことがございます。
 まず一つ目は、既にお知らせをいたしておりますが、3月20日から沖縄県南城市において、バスの自動運転の実証実験を全国初でやらせていただきます。第二弾として、本年6月を目途に、できる限り早く、遅くとも6月を目途に、沖縄の離島において本格的な実証実験を、またこれも初めて実施することといたしました。本日、この実験に御協力いただける市町村を募集する手続を開始いたしたいと思います。御存じのとおり、沖縄県は公共交通のネットワークが脆弱であり、特に離島においては、交通弱者等々の皆さんのためにも、生活の利便にも大いに資するものと考えておりますので、このバス自動運転の社会実装を早期に行うことを期して、こうした実証実験を早目に行わせていただくことにした次第であります。今後とも、担当部局、科学技術部局も連携し、県や地域住民の御協力をいただきながら進めてまいりたいと思います。
 もう一つは、沖縄出張でございます。日帰りでございますが、明日、沖縄に出張いたします。沖縄伝統空手・古武道を貴重な伝統文化として保存・継承・発展させるための拠点となる沖縄空手会館の落成記念式典に出席いたします。また、その他にも、クールジャパンの取組として、琉球泡盛を振興するために、泡盛製造者や流通業者を対象とした「泡盛ビジネスセミナー」、沖縄の多様な魅力を海外に効果的に発信・展開するための方策等について議論を行う「クールジャパン推進会議in沖縄」を沖縄県とともに開催させていただきます。泡盛ビジネスセミナーでは、日本酒の内外での販売・流通に成功している方々から秘訣を伺う講演や、泡盛や焼酎のプロモーションを行う外国人の方などを交えたパネルディスカッションなどを行い、泡盛の海外展開促進に資することを目的として開催するものであります。また、クールジャパン推進会議in沖縄は、沖縄空手、泡盛、エンターテインメントなど、沖縄のクールジャパンを推進する方々にお集まりをいただき、沖縄の多様な魅力を一体的に内外に力強く発信していく方策を議論をいたします。沖縄空手の各流派の師範の方や、おきなわ新喜劇のゴリさん、御存じでしょうか、あの吉本に属されているお笑い芸人のゴリさんなんかも参加するということでございます。この度のクールジャパン推進会議の開催が、豊かな自然・文化やアジアの中心に位置する地の利など、沖縄県の優位性や潜在力を最大限活かす様々な取組につながっていくことを期待しております。
 そして、最後にもう一つ。この8号館の2階ロビーで以前、北方領土の日にパネル展示なんかも、今も展示をさせていただいておりますが、そこにありますモニターで、北方4島のビデオを流させていただいております。今後、北方4島の様子を随時見ていただけるように、インターネットでつないだカメラを設置して、リアルタイムでその中継を常時流すという形にしていきたいと考えておりますので、時間のある方には是非見ていただきたいと思います。また、これは未定ではありますけれども、準備しておりますこととしては、以前申し上げた沖縄での自動運転の実証実験の様子も、北方4島のDVDをまず流した後、3月20日以降、その自動運転の様子も流させていただくと、これはリアルタイムのものでございますが、そういう予定にしておりますので、是非またお誘い合わせの上、御覧いただければと思っております。
 以上であります。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 離島におけるバス自動実証実験なんですけれども、今回は3月20日から始まるやつと同じレベルのやつなのか、それとも、よりレベル3のレベルの高い実証実験なのか、そこら辺について教えてください。
(答)遅くとも6月でありますから、もう少し早くしたいと思っていますけれども、そのひと月、ふた月の間に目覚ましい変化を遂げることができ得れば、それに越したことはないわけですけれども、今ここで申し上げられるのは、全く同じではありませんが、離島でやる、そして、なおかつ南城市でやった知見を基に、問題点を抽出し、それをクリアする形のものをやっていきたいということで、現状のところはお許しいただきたいと思います。
(問)離島でやることのメリットとして、非常に閉じた系で、いろいろ外乱が入りにくいので、例えば将来的にレベル4の実証実験をやる時も、離島とかそういう閉じた系を優先してやっていくとか、そういうことについては、どのようにお考えでしょうか。
(答)まだ未定でありますので、これは個人的な思いということになりますけれども、私もそういうものにしていきたいというふうには思っています。
 せっかく離島でやらせていただくからには、でき得る限り野心的なことをしていく。そして、なおかつ実用的なこと、定着性であるとか、その周知徹底の仕方であるとか、あるいはどういう障害があるか等々の、そういう意味での実践的な実証実験をやらせていただくというのが主眼になっていくのではないかと思いますので、是非また期待していただきたいと思います。
(問)日刊工業新聞の冨井です。
 関連してなんですけれども、自動運転に関して、この遅くとも6月から始めるこの実証実験というのは、一応計画として3回ぐらい実証実験が今年度と来年度と再来年度ぐらいに1回ずつぐらい、確かあったと思うんですけれども、その第2弾目という位置付けでいいんでしょうか。
(答)事務方がどういう発表をしたかは分かりませんが、来年度中に、つまり、この4月以降に二度はやりたいと思っています。
(問)じゃあ、これが来年度の1回目で、あともう1回。
(答)今年度、3月20日が1回目。予定では、それは4月10日か半ばぐらいまでやるんだろうと思うんです。順調であれば、その後に再び、そしてもう1回ぐらいという感じを頭の中では思い描いております。
(問)確認ですけれども、平成29年度には2回実験をするということ。
(答)でき得る限り頻繁に、また間断なく、そしてレベルを少しずつ上げてということですから、まだ未確定の要素がたくさんあるんです。したがって、来年度やりますと言うと、これはもう来年度まで何もしなくていいのかみたいな空気も流れてしまいますから、是非とも頻繁にやらせていただきたいと思っております。
(問)(琉球新報・池田記者)
 2点お伺いさせてください。今の実証実験の市町村の募集なんですけれども、例えば沖縄はたくさん離島があるんですけれども、例えば石垣とか宮古とか大きい島のようなことを思い描いているのか、それとも、もうちょっと小さい島を描いているのか、そういったところは何か大臣としてイメージというのはあるのでしょうか。
(答)まず、前提として3月20日からの実験が成功するか否かにかかっておりますので、長距離で大きな島でやらせていただくことが可能であれば、そういうことも視野に入ってくるだろうと。なおかつその前提で、宮古であるとか石垣であるとか、この大きな島の当事者の自治体の方々が、積極的に手を挙げていただくことが前提になると。この条件の下でならば、私どもとしては何ら障害と思っていることではありません。
(問)ちょっと別件に入るんですけれども、那覇空港の第2滑走路の関連で、岩礁破砕の許認可の関係で工事が中断しているという形になっていますけれども、その供用開始時期について、2020年3月というところが一つの目標としているところだったと思うんですが、ずれ込む可能性とか、そういったところをどうお考えですか。
(答)大変この件については、私も懸念を申し上げたいと思います。これまでの経緯の中で、県当局も積極的に協力を要請されておった、むしろ国に対して要請をされておったという立場だったと思います。したがって、今回の許可の主体は、単なる事務手続の遅れということならばそれでいいんですけれども、それ以外の様々な理由がもしあるんであれば、これは厳重に県当局の皆さんと意思疎通をこれからまた図っていかなければならないと思いますので、私としても大変注目をしているところであります。
 一刻も早く許可を下ろしていただくよう、働き掛けをお願いしたいと思います。
(問)朝日新聞です。
 森友学園の国有地の売却問題について、伺いたいと思います。自民の鴻池議員に学園側が仲介を働き掛けるなど、政治家の関与が疑われる事案も出てきています。そんな中で国有地を安く売却した根拠や、その経緯を巡って国会で論争が続いているんですが、これについて大臣の受止めをお願いします、まず。
(答)この議論、前提としてどこが最も問題であるかが少しぼやけているようなところがあります。学園側のパンフレットに安倍総理及び夫人の名前があるというようなことも、いろいろ取り沙汰されておりますが、そもそも安く売却したと言われましたけれども、この売却に法的な瑕疵があったのかなかったのか、ここがまず第一、明らかにされねばならないところで、この国会の議論も聞いておりますけれども、法的な手続に瑕疵があったかなかったかについて、識者もいろんな言い方をされておられますので、そこは司法も含めて今後の判断を待たねばならないところかと思います。
 その上で、これが相当な不合理なものであったと、不適切なものであったということが明らかであれば、その後はおっしゃられるとおり、政治家の関与があったかなかったか、誰かの口利きがあったかなかったかということになろうかと思いますが、それこそ我々が今これはこうだったんじゃないか、ああだったんじゃないかと予断をもって申し上げることは差し控えたいと思っております。
(問)大臣、今御指摘されたんですが、その国有地の売却には、透明性や妥当性が当然求められるんですが、今回は売却に関わる面談の記録などの資料が一部破棄されていました。
 事実管理に向けて、政府の説明責任や文書管理というものは、どうあるのが望ましいか、大臣のお考えはいかがでしょうか。
(答)今回のことを踏まえて、今後、できる限り襟を正していかなければならない。例えば、書面の保存期間の見直しを検討するとか、そういうことが必要だろうと思いますが、この破棄が財務省の委員会での説明ですけれども、1年かな、その決まった法定期間を保存をした上で破棄をしたということ、ここに我々に手続上の瑕疵はなかったんだということを聞くと、現状では仕方なかったのかなというところもあるわけでありますから、今後のこととして今回のことは捉まえていかなければいけないと思っています。
(問)最後に関連で1点なのですが、野党はその学園理事長さんや当時の近畿財務局長らの参考人招致を求めているんですが、これについてはどうお考えになられますでしょうか。
(答)理事長さんが自ら問題がないと思ってらっしゃるのであれば、是非来ていただいていいんじゃないかと思いますが、ここは国会、立法府の考えられることですので、私の方からはコメントを差し控えたいと思っています。
(問)日経新聞の猪俣と申します。
 今週、宇宙関連なんですけれども、「SPACETIDE」と言いまして、民間による宇宙ビジネスを広げるためのカンファレンスが開かれました。一応、今年初めてという意味付けだったと思いますけれども、このタイミングで始まったことについて、御所感をお願いします。
(答)もう何度もこの席でお話ししておりますけれど、どんどんと今スピードアップを図っていかなければならないと思いますので、少なくともこの手の話は議論をすることが目標ではありませんので、そのカンファレンスが出たその後の目的、目標をいかにして実行していくか、実現していくかということに、私たちは力点を置いてこれを注視していきたいと思っています。
(問)関連で、海外の民間の動きについてちょっとお伺いしたいんですけれども、アメリカのベンチャーのスペースXが、民間人をロケットに乗せて月を周回するという計画を発表しましたけれども、同じことが日本でも起こり得るんじゃないかというふうに思っていまして、というのは日本として有人探査とか有人飛行に関する方針について、まだまだ議論が必要な局面ではあると思うんですけれども、それが煮詰まる前に民間が動き出すという可能性も十分あると思っていまして、現状の日本の方針について、どのような状況だと認識していらっしゃるか。もし、議論が必要だということであれば、どんな議論が必要であるか教えてください。
(答)これは個人的には非常にやりたいと思います。思いますが、現状では以前報告したことがあったと思いますが、有人飛行を視野に入れた議論はまだ進んでおりませんし、まだその方針は立っておりません。
 スペースX、先程お話しになられたようなアメリカの技術から比べると、あそこでの有人飛行の最大の眼目は、ロケットの再生利用ができるかできないかというところでありまして、これができることによって飛躍的にコストが下がるということも仄聞しておりますが、残念ながらまだまだそこに至るまでの技術が日本にはないのかなというふうにも思います。
 もちろん、特別な方が、1回きりでいいからということでやられることがあるかもしれませんけれども、その時にはにわかに議論を進めることになっていくんじゃないかというふうには思っています。
(問)最後に1点だけ。
 もちろん、まだ有人飛行をやるやらないという結論はすぐには出ないと思うんですけれども、アメリカがそういう取組をしていることについて、日本としてどのような協力し得ると認識していらっしゃいますでしょうか。
(答)これは民間ベースでやられていることであるので、どういう協力要請があるかはまだ未定なんですけれど、我が国としてこの有人飛行、有人遊覧にどれだけ意義を感じ、そして、協力体制を引けるかというのは、議論の必要があるのではないかと。国民の財産を使って協力をしていくわけですから、やがて日本でもそういうニーズが盛り上がって、なおかつそれに対する要望が強いという状況ならば、当然国民の理解も得られるだろうと思いますが、民間ベースでやっていらっしゃる今の事業に対して、国として協力するという現状での用意はないと思っています。
(問)(フジテレビ・和田記者)
 これは大臣じゃなくて担当の事務方で結構なんですが、自動運転の実証実験なんですが、この使っているバスというのは、例えばどこのメーカーでどういう決め方をして使っているバスなんでしょうか。
(答)(事務局)今回、離島で実証実験に使うバスについては、まだこれから応募していただく企業さんを募集というんですかね、行う形で入札をしようと思っていますので。
(問)そんな簡単に募集して決めて使えるような車なんですか、車自体は、当たり前に。
(答)(事務局)いや、それはどこにでもある車ではありませんが、いろいろな企業が開発を進めているものを使っていただくということになろうかと思います。
(問)じゃあ、十分間に合うわけですね、それで。
(答)(事務局)そういうふうに考えております。

(以上)