鶴保内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年12月2日

(平成28年12月2日(金) 9:27~9:33  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 私の方からは、冒頭2件御報告を申し上げたいと思います。
 まず一つは、113番元素について。11月30日、理化学研究所の森田博士を代表とする研究グループに命名権が付与された113番元素については、皆様御承知のとおり、(元素名)「ニホニウム」、元素記号「Nh」となることが国際純正・応用化学連合より発表されました。新元素の命名は、欧米以外の国では初の快挙となります。日本の国の名前に通じる日本発の元素が周期表に掲載されることにより、日本国民の一人として誇らしく、また今後、日本の子供たちの科学への関心が高まることを大いに期待できる快挙だと思っております。10月から特定国立研究開発法人となりました理化学研究所の更なる飛躍を期待し、また、できる限りのサポートをさせていただきたいと思っております。
 二つ目は、第2回北方領土隣接地域への訪問客拡大(に向けた振興方策の)検討会議についてでございます。11月2日に、北方領土隣接地域への訪問客拡大に向けた振興方策の検討会議を開催しましたが、第2回会議を明日12月3日土曜日14時45分から中標津町の中標津経済センターで開催いたします。私も出席させていただく予定でありますが、地元で観光業に携わられている方々からヒアリングを実施し、地元振興のためのアイデアを積極的に出していただけるようお願いを申し上げたいと思っております。
 私の方からは以上であります。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 昨日、ANAとH.I.S.が名古屋の宇宙ベンチャーに出資したかと思うんですけれども、ただ、そういうふうに宇宙産業の振興は進んでいるんですけれども、宇宙活動法がようやく成立したとはいえ、アメリカに比べたら二歩も三歩も遅れていると。そういう中で、これから宇宙産業を振興していくためにどのような取組を考えていらっしゃるでしょうか。
(答)まず、まだ正式なコメントが出ていないような会社もあるので、一般論として申し上げたいと思っておりますけれども、新しい企業が続々と宇宙分野に参入されているという、この流れは歓迎したいと思っております。
 まだそれでも一歩も二歩も遅れているという御指摘もありますが、これまで宇宙2法等々の整備の段階でも御指摘があったとおり、我が国として民間企業のこうした参入を促すための法整備がまだまだできかねていたところでありますから、法律が成立して早速そういう動きがあるという報道がなされることは、今後弾みがついていくのではないかと私たちは考えております。
 各国が厳しい国際競争の中で宇宙開発についてしのぎを削っている中でありますから、大いに気を吐いてキャッチアップしていただきたいと期待を込めて申し上げておきたいと思います。
(問)もう一つ、宇宙関連だと、来週9日にISS(国際宇宙ステーション)に向けて「こうのとり」6号機が打ち上がるんですけれども、その時運ぶ物がバッテリーというISSの生命線になるんですけれども、そういうバッテリーという生命線になるようなものを運ぶだけの信頼性ができている「こうのとり」を持つ日本として、今後、有人宇宙飛行については、先程のベンチャーも将来的に有人宇宙旅行みたいなことを言っていたんですけれども、有人宇宙飛行については大臣としてどのようにお考えでしょうか。
(答)まだ公式には有人宇宙飛行についての検討が始まっているとは聞いておりませんし、またその予定もないと申し上げておきます。ただ、個人的には、今後、宇宙政策委員会等々で議論をしていただき、また、私も宇宙産業ビジョンの策定に向けた検討の中で、そんな議論もできれば前向きにしていきたいと思っております。
 以前も申し上げたと思いますが、宇宙産業の開発に向けて有人が全てであるというふうにも思っておりませんし、また、かといって技術の強化のために必要とあらば、それは恐れることなく様々な可能性を探っていくというスタンスで臨みたいと考えています。

(以上)