鶴保内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年11月22日

(平成28年11月22日(火) 9:30~9:45  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 私の方からは1点のみ。
 米軍属による女性暴行殺害事件から半年を経過しての犯罪抑止対策の状況について御報告を申し上げたいと思います。
 11月19日、不幸な米軍属による女性暴行殺害事件が起きて半年が経過しました。本事件は身勝手で凶悪極まりないものであり、二度とこのような悲惨な事件を繰り返さないことが重要と考えています。
 これまでの間、政府としては、様々な犯罪抑止対策に取り組んでまいりましたが、6月3日の沖縄県における犯罪抑止対策推進チーム決定に基づき、沖縄・地域安全パトロール隊を創設し、政府一丸となって、青色パトカーによる緊急防犯パトロールを実施してきました。現在は、青色パトカー65台体制で県内の繁華街等で緊急防犯パトロール活動を行っているところであり、12月1日からは100台体制に拡大して防犯パトロールを実施する予定であります。
 今後とも犯罪抑止対策を着実に推進してまいりたいと思います。
 私の方からは以上であります。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 一部の報道でもありますけれども、大学教員の任期付の割合が半分近くにも及ぶと。そうなると、若手研究者がこれから入ってこようとする時に、なかなか将来に夢を持って入ってこられない、あるいは日本社会全体は終身雇用が定着している中で、任期付ばかりではアカデミアのポストに魅力がないと。そうなると、大学の研究そのものが低下してしまうんじゃないかと思うんですけれども、大臣としてはどのように受け止めていらっしゃいますか。
(答)全くおっしゃるとおり、同じ認識であります。あちこちの大学研究機関に視察も行かせていただき、ヒアリングもさせていただきましたけれども、同じ指摘を受けております。特に任期付雇用については、予算の策定というか回し方等々制度上の問題、制約もあるようでありますので、これらについて積極的な提案ができないか、今、部局で検討させていただいているところであります。
 また、運営費交付金等についても、その中身、人件費に幾ら、研究費に幾らという話を各大学に提出というか報告をしていただけるように、できる限り早期にそのことについて俎上を頂いて、我々としても対策を打っていきたいと考えています。
(問)あともう一つ、話変わるんですけれども、理研(理化学研究所)のチームがiPSからナチュラルキラーT細胞を作成することに成功して、がんの画期的な治療法になるかと思うんですけれども、ただ、このチームも20年以上かけてこういう研究成果が出せたんですけれども、そういう長期、がんの画期的な治療法につながるという社会応用とともに、そういうのを支える、基礎研究の段階から支えてきたおかげでようやくできると、20年とか30年かかって。そういうのを大臣として、応用の面と、あと基礎を支える部分についてどのようにお考えか教えてください。
(答)これは一般論としても以前も申し上げたと思います。大隅教授がノーベル賞を受賞された時に、基礎研究の重要性を特に強調されておられました。その後、我々としても、この基礎研究部分についてしっかりとした検証をしようと。大体どれぐらいの期間で花が開いていくものなのか、そしてまた、どういう研究に対して我々が選択と集中をしていくべきなのかを考えるべきなのではないかということであります。
 今回の画期的な研究成果については本当に喜ばしいことでありますが、他にこうした成果を生むことなく埋もれてしまった事例についても目を向け、我々としては検証する必要があるのではないか、そして、そこにどういう問題があったかをヒアリングをしていくことも必要なのではないかと考えています。
(問)フジテレビの和田でございます。
 今、理系の話が出たものですから、少し前向きの話で個人的な関心事項で恐縮なのですが、島尻さん(前大臣)の時に、いわゆるリケジョ、理系の女子のムーブメントを起こそうではないかということに力を入れたいということで、私も一度のぞきに行ったんですが、向井さん(東京理科大学副学長)とか私の知人なんかも入ってシンポジウムがあったりしたんですが、その後あまり動きがないものですから、御準備、御用意はないかと思うんですが、この理系女子の問題、これからどんな意気込みで、ムーブメントを起こせるのかどうかはともかく、取り組んでいけるのか、私もちょっと個人的に関心を持っているものですから、お考えをお聞かせいただければと。
(答)以前にも申し上げたことがあろうかと思います。リケジョという考え方というよりも、女子の社会進出一般論として、まだ我が国は手だてをせねばならん部分がたくさんあろうと思うのが一つであります。
 特に、そこに加えて、研究分野における女子の進出にどういう弊害があるのかを考えねばならないんだということをお話をしたと思いますが、御指摘のとおり、まだまだ目立った成果を得ているというふうにも思いませんので、しっかりもう一回検証させるようにいたします。
 シンポジウムが開かれたということを、私、勉強不足で存じ上げなかったものですから、そんなことを今からでも、もう一回レビューをして、御指摘のような点についてフォローができるようにさせていただければと思います。
(問)朝日新聞です。
 一連のパーティー券の購入の問題についてお伺いしたいと思います。
 名義を偽装したパーティー券の収受は、政治資金規正法は禁じていて、主催した政治団体側も政治資金規正法に抵触する可能性もあるというふうに指摘されていますが、これについて大臣はどうお考えでしょうか。
(答)どう考えるというのは、どうお答えすればいいんでしょうか。御指摘のとおりだと思います。
(問)今回の山梨県のNPO副代表と、脱税事件で有罪が確定した会社社長さんは、それぞれ報道によると、本人ではない名義でパーティー券を購入したというふうに指摘されているのですが、それに関連して、どう思われますでしょうか。
(答)もしそれが事実であれば、ゆゆしき事態だと思いますが、私どもとしては、あくまでこれはお聞きをしたとおり報告をしたものでありますので、疑念を持たれることのないように返金をさせていただいたというのが事実関係でございます。
(問)また、山梨県のNPO副代表は、パーティー券を購入した直後の1月16日に大臣に面会したというふうにされていますが、これについて確認作業は現在いかがでしょうか。
(答)面会をしているのは、実を言うとその後もありますから、何回もその御本人とは会っていますので、どの時点でどういう話があってどうということをこちらとして検証するまでもなく、私個人としては、印象としてですよ、請託などあるわけもないし、した覚えもありませんし、そういう感覚でありますので、どの時にどの話をしたかなんていちいち覚えていないというのが本当のところであります。
(問)1月16日の17時に面会されたというふうにされていますが、その件については、そういう理解でよろしいということなんでしょうか。
(答)そういう御指摘にあるんであれば、そうなのであろうというぐらいですかね。
(問)厳密に確認はとれていない。
(答)とれていません。
(問)分かりました。
 さらにお伺いすると、このNPOは観光庁の補助事業に選ばれているのですが、補助事業について陳情はなかったという御認識でしょうか。
(答)ありません。
(問)ないですか。
(答)はい。
(問)あともう一点なのですが、脱税事件で有罪確定を受けた会社社長さんについてなのですが、これについても、免税制度への陳情等は特になかったという認識でしょうか。
(答)ありません。
(問)もう一点よろしいでしょうか。山梨県のNPOの副代表なのですが、これも報道によると、鶴保大臣の秘書から何度も頼まれて、200万円を支払うことになったと、パーティー券の購入に関してですね、おっしゃっているのですが、これは事実関係はいかがでしょうか。
(答)その事実はないと聞いております。
(問)それは確認がとれていると。
(答)とれています。うちの秘書がやったという話ですから、ないというふうに報告を受けております。
(問)時事通信、田中です。
 最初に大臣おっしゃった、青色防犯パトロールの拡大なんですけれども、100台体制ということで、例えばパトロールの範囲とか、そういった面の拡大というのは考えられているんでしょうか。台数だけではなくて、巡回する範囲ですとか時間帯ですとか、そういったものの拡大はあるんでしょうか。
(答)あり得ると思います。防犯が実効的に進められているかどうかについて、私たちは検証しながら進めるということであります。
 そしてまた、現場の皆さんがどういうふうに受け止めていらっしゃるかということが一番大切なんだろうと。防犯パトロールしていただいて、安心・安全が高まったと歓迎をしていただいているかどうかについて、しっかりと検証せねばなりませんので、そういう意味では自治体やその当地の県警とも連携をして、相談をして進めていきたいと思います。
(問)防犯パトロールなんですが、現状、臨時雇用というよりも、(沖縄)総合事務局の職員の方が中心になられていて、かなり現場ではしんどいという声もありますが、こうした点の改善というのは、今後考えられているんでしょうか。
(答)雇用の変化というんですか、これは以前、お話をしたと思いますが、民営化も含め、そんな方向ができるのかできないのかを前向きに検討しているところでありますので、予算の制約等々もありますから、今ここで明確にこうなりますというふうには申し上げられませんけれども、その状況は変えられないかどうかを考えているところであります。
(問)あと、現状、米兵の犯罪というのが、防犯パトロールが始まって以降も続いていて、飲酒運転ですとか、あとは暴行とか不法侵入などが続いていますが、現状、抑止力という意味ではどういうふうに捉えられていますか。
(答)防犯の青パトロール自体が警察権力そのものではありませんから、できることにももちろん限りはあるんだろうと思います。なおかつ、警察側にしてみても、どれだけの連携体制をとれているかというようなことについても、検証せねばならんところもあるんだろうと思いますから、100%100点満点だと言い切るつもりもありませんし、全く効果がないと言えるものでもないというのが認識ではないかと思います。
(問)あと、いつまでやるかということが、今のところ決まっていないと思うんですけれども、これについてはどのようにお考えですか。
(答)県民の皆さんが納得していただけるまでということが一番ではないかなと思います。
(事務方)事務方から補足なんですけれども、パトロールの体制につきましては、今もう沖縄総合事務局の方で、非常勤職員、派遣職員を活用してやっておりまして、今後、警備会社でもお願いすることにしておりますので、先程御指摘の点というのは解消されると思います。
(問)朝日新聞です。
 最後に1点、先程の関連でお聞かせください。
 大臣は国交副大臣として観光を担当されていたり、自民党の観光立国調査会の事務局長をされたりしていました。その担当している観光や免税の分野で、こういう一連のパーティー券をめぐる騒動が起きている、報じられていることについて、道義的な責任というものはどうお感じになられていますでしょうか。
(答)応援をしていただく中に、観光分野もあれば、河川の分野もあれば、道路の分野もあれば、国土交通関係の方々もたくさんいらっしゃっていただいています。なおかつ、より良いものを作っていくために、制度上の現場の感覚であるとか、そういうものをお聞きしていくということも必要なんだろうと思います。
 したがって、御指摘のような請託やあるいは特定の利益供与みたいなものに、当然、私たちは襟を正しておるつもりでありますし、そんなことをやることに考えも及びませんけれども、パーティー券というか、純粋に応援していただいているということに対して、私どもがこれを辞退せねばならないとまで厳密に考えられるかというのは、少し私はどうなのかなという感じを持っています。
(問)ということは、法的責任はもちろんのこと、道義的責任についても、特にこれについては感じるものでは、今のところはない。
(答)今のところはそうですかね。

(以上)