鶴保内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年9月13日

(平成28年9月13日(火) 11:10~11:20  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 本日の閣議におきましては、私の方からのトルコ訪問帰朝報告を閣僚懇の時に資料を提出させていただきました。9月7日から10日までトルコに出張いたしました。クーデターの後、日本の閣僚としては初めての訪問ということであって、現地では大きくクローズアップされておりました。民主主義の否定につながる破壊行為は断じて許されないと、私の方から伝えさせていただいたことを御報告しておきたいと思います。それから、現地ではユルドゥルム首相にお会いしたほか、運輸海事通信大臣、科学産業技術大臣等と、日本とトルコの間の宇宙開発利用や科学技術に関する協力活動について会談を行いました。 今回は、エルドアン大統領宛ての安倍総理の親書を携行し、宇宙開発活動を積極的に進めているトルコに対し、宇宙分野での協力に弾みをつけ、我が国の宇宙システムの海外展開の促進に努めたと思っております。この度の出張の成果を科学技術施策、宇宙施策の着実な実現に結び付けるよう取り組んでまいります。
 あとは、9月14日に理化学研究所を視察させていただくことを御報告をしておきたいと思います。理化学研究所松本理事長と意見交換を行うとともに、仁科加速器研究センター、光量子工学研究領域などの研究現場の視察を予定しております。特定国立研究開発法人を、世代や分野、産学官の縦割りの壁を打破し、未来への投資を拡大することで、人材・知識・資金の好循環を生み出す中核機関であると認識しております。理化学研究所にもこの役割をしっかりと果たしていただくことを期待していますので、今回の視察で現在の状況を自分の目で確認してまいりたいと思います。
 あと、このIT分野のことから御報告させていただきたいと思います。今般、IT総合戦略本部の下に、私が主宰するデータ流通環境整備検討会を設置することにいたしました。近年、スマートフォンやIoTの普及、AIの進展等により、多様かつ膨大なデータ収集・活用が容易になってきております。我が国産業の生産性の向上や超少子高齢社会における諸課題の解決のため、一企業や業界の枠を超えて、このようなデータを安全・安心に流通させ、利活用できる環境を整備しようとするものであります。このため、具体的には、個人情報を含めたデータの流通や利活用を促進する観点から、例えば、いわゆる情報銀行やデータ取引市場などの考え方も、企業や学識経験者から出てきており、このような考え方も含め、円滑なデータ流通の在り方について、精力的に検討を行う予定であります。第1回会合を9月16日の金曜日、午後4時30分、16時30分から開催いたしますが、詳細は事務局である内閣官房IT総合戦略室にお問合せをいただきたいと思います。
 私の方からは長くなりましたが、以上であります。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 今のデータ利活用の検討会なんですけれども、めどとしてはいつぐらいまでに結論というか、取りまとめをしたいとお考えでしょうか。
(答)今年度中に一定の方向性については取りまとめをさせていただきます。
(問)昨日、未来投資会議でも建設業のICT化が議題になって、取り組んでいくと。今後、多分この流通検討会と連動するかと思うんですけれども、今般の建設業のICT化について、IT担当大臣としては、どういうふうに取り組んでいかれるのか、そこら辺を。
(答)これはもちろん、私たちとしても、側面援助をさせていただくことは、当然のことなんですけれども、私は個人的に国交省でも長らく仕事をさせていただき、ICT化の先鞭をつけた自負もございます。したがいまして、中身については分かっているつもりですから、のりを超えてとは言いませんけれども、より積極的に、関心を持って、提案なり、問題点の洗い出しなりをしていきたいというふうには思っております。
 未来投資会議が、最高司令塔としての役割を打ち出しましたので、そこでの議論になると思いますけれども。
(問)それに関連して、未来投資会議で、今後「Society5.0」とか、第4次産業革命とか、大臣の担当分野がテーマになるかと思うんですけれども、それについて、大臣としてはどのような提案をされていきたいのか。
(答)これからですけれども、まだ「Society5.0」という言葉の実態が浸透していないような思いがあるんですね。まだ「インダストリー4.0」と言っている人もたくさんいますし、日本の「Society5.0」がどういうものを目指して、それがどういう社会を実現するのものなのか。その議論をしていく中で、必要なもの、そうでないものが洗い出されるのではないかと思います。未来投資会議の中で、私たちがする役割というのは、そういったところから始められるのではないでしょうか。
(問)琉球新報の池田です。
 本日から、(自民)党の二階幹事長が沖縄訪問される、翁長知事との会談も予定している形なんですけれども、その党の幹事長という立場で、沖縄視察をすること、知事と会うことについて、大臣として期待することなどをお聞かせいただければと。
(答)何度もこの席で申し上げておりますが、我々がせねばならないことは、振興を通じて、沖縄県民に様々な政府との連携を取り得るものにしていっていただくということであります。したがいまして、基地の問題そのものを議論することを、私たちが主唱するものではありませんが、様々な意見交換をしていく中で、理解が深まっていっていただけることを期待はするものであります。
 幹事長がこの度、どういうことをしに行くかということについて、詳細に、つまびらかに報告は受けておりませんけれども、そういう忌憚ない、胸襟を開いた場を持たれること、その多くのチャンネルが政府側の要人と作られることは、非常に大きな意味があると思っておりますので、注視をし、歓迎をしたいと思います。
(問)朝日新聞です。
 今の関連なんですが、二階幹事長と、今回の沖縄訪問について、何か意見交換を大臣されたりとか、言葉を交わしたりとかということはございましたでしょうか。
(答)それはもうしょっちゅうやっています。特に時間を作ってやろうじゃないかということもありました。ありましたが、ここは私と二階さんとの関係ですから、形式張った時間を作ったところで、結局のところ、「沖縄についてどうだ。」、「こうこうこう思っています。」、「ああ、そうかそうか。」と、そういうぐらいの話で終わっておりますので、二階先生は、御自身独自の沖縄人脈と言いますか、沖縄に対する思いもおありでしょうから、そこは私がいろいろ指示する話ではありませんし、政府としてはこう考えているということを、お伝えをしたぐらいであります。
(問)基地問題や振興問題について、具体的にどういうやりとり二階幹事長とされているのか、二、三、御紹介いただける点がございましたら。
(答)幹事長は基地のことは全然お話されませんでした。基本的には、一日も早く、基地問題は解決しなければいけないんだということを、政府としても思っているという報告は私の方からいたしましたが、二階さんは「そうかそうか。」と言ったぐらいであります。
(問)共同通信の前田と申します。
 直接これ大臣としてになるかというのは、ちょっと微妙なんですけれども、先ほど官房長官の方から、伊調馨選手に国民栄誉賞が授与される方向になったということなんですけれども、これ長官ですが、例えば担当に関わってくる部分もあればそういうところもお願いしたいんですけれども。
(答)何ですか。
(問)担当に関わってくる部分があれば、今後どうしていきたいか、なかなか難しいとは思うんですけれども。
(答)クールジャパンかな、あえて言うならば。伊調馨さんのような強い女性を私たちもしっかり、日本の宝として情報発信をしていくということなんでしょうか。以前この席で空手の話なんかもありましたけれども、スポーツを通じて、いろんな日本の紹介をしていきたいというふうにも思っておりますから、その一環として伊調さんなんかにも大いに活躍をしてもらわなければいけないと思います。
 それぐらいかな。今、ぱっと思い付くのは。いろいろ考えたいと思います。また提案ください。

(以上)