鶴保内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年8月24日

(平成28年8月24日(水) 11:00~11:17  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 まず、本日の閣議で報告がありますのは、大臣補佐官を任命させていただきました。本日8月24日付けでございます。前内閣府特命担当大臣の島尻安伊子さんでございます。
 島尻さんは、自民党の離島振興委員会副委員長、また、沖縄振興に関する特別委員会事務局長、美ら島議連事務局長や、沖縄政策を担当する内閣府大臣政務官や、もちろん大臣も歴任され、沖縄振興策に取り組んでこられた沖縄政策のオーソリティーだと考えております。
 この度、沖縄振興政策に関する重要施策、特に子供の貧困緊急対策の推進を担当していただくべく、今日は閣議で決定させていただきました。
 特に閣議の他の御報告はございません。
 以上であります。

2.質疑応答

(問)琉球新報の池田です。
 この島尻前大臣の件なんですけれども、特に子供の貧困対策を担当なさるということなんですけれども、補佐官を置くことの狙いと、常勤になるのか非常勤なのか、その辺りのものと、あと任期とかそういったことを少し教えていただけますか。
(答)まず、狙いといいますのは、もう御想像のとおり、沖縄の政策を、きめ細かい政策を私は打ち出したいと就任の時から申し上げてまいりました。額ありきではなく、政策の内容をより実効的に、沖縄県の県民の皆さんが喜んでいただけるような、そういうきめ細かいものを作っていきたいと。そのためには、沖縄県民の目線、生活実感等々、そういったことを肌感覚で知る必要がある。残念ながら私は沖縄県民ではございませんので、そういったことのアドバイスをいただく、もちろん島尻前大臣だけではないんですけれども、まず、そういったきっかけになればという思いでありました。
 特に、彼女は大臣としても子供の貧困というところに社会状況を見据えて、大変な予算措置を考え、そしてそれにつけてまいったという実績もございますから、そのことに対しても引き続き私たちも応援をするべきなのだろうと考えておりますので、そうした事々を含めて島尻前大臣に今回はお願いをしたということであります。
 常勤か非常勤かにつきましては、今のところ常勤で考えております。これも勤務実態等々もございますから、御本人ともまだやりとりする余地はあると思いますけれども、常勤ということで今のところお願いをしております。
 任期につきましては、これは、途中で任期をおりていただくことがあるのかないのか、私も制度上のことは分かりませんが、私が大臣をやらせていただき、そして沖縄政策について諮問をする必要がなくなったという場面がもしあるのであれば、そうなっていくのでしょうけれども、島尻さんには大いに活躍をしてもらいたいという、今のところそれしか言いようがありません。
(問)関連で、この人事案というのは、前大臣を補佐官というのは異例だと思うんですけれども、鶴保大臣が求めた補佐官就任だったのか、その辺りはいかがですか。
(答)言った言わないの話になりますから正確に申し上げますが、私も考えておりました。そんな時に官邸からもそういう示唆もございましたので、それは良いと私の方からお願いをするべき話であるので、是非そうさせていただきたいというやりとりがあったことを御報告しておきたいと思います。
(問)科学新聞の中村です。
 話は変わるんですけれども、リオオリンピックの閉会式で安倍総理がマリオになったり、ドラえもんが出てきたりとか、クールジャパン関連のいろんなことがあったんですけれども、次の東京オリンピックに向けて、例えばクールジャパンですとか、科学技術とか、そういうことで大臣としてどういうふうに取り組んでいきたいのか。
(答)以前この場所でも申し上げましたが、クールジャパン戦略というものがそもそもどういう戦略形態を持ち、そして何を目指しているのかというところには私もじくじたる思いがあるという話をいたしました。そのプロットの中で、今、東京オリンピックにどういう貢献ができるのかということを明確に申し上げるのは、まだ時期尚早かなと思っております。
 ただ、ポップカルチャーであるこういったアニメであるとかゲームであるとかというコンテンツが、クールジャパン戦略の重要なツールであることはもう間違いないわけでありますから、こうしたことを柱に、東京オリンピックにどういうコミットができていくのかは、これから様々なものを考えながら具体事例を考えていきたいと、コンテンツの中身を考えながら具体事例を考えていきたいと思っております。
 間違いなく、オリンピックの担当大臣もいらっしゃいますので、ここは私があまりのりを超えた発言は差し控えたいと思いますが、間違いなくそのオリンピックもそういう戦略の中で恐らくはやっていかれるんじゃないかなと思っておりますので、内閣府としてはそれを受けて全面的に協力をさせていただくということだけは申し上げておきたいと思います。
(問)科学技術関連ではどうでしょう。
(答)科学技術は御存じのとおり、もう数年前から「9つのプロジェクト」でしたか、このオリンピックを機会に、良き科学技術のアピールの場だと捉えまして、重点的に「9つのプロジェクト」を、例えばね、これを是非皆さんも分かっておいてもらいたいので、くどいようなんですけれども、例えば日本が世界にアピールでき得る科学技術、現実のものとしてアピールでき得る科学技術に特化して、例えば自動運転でありますとか、あるいはスマートホスピタリティ、例えば海外からのお客さんが荷物を持たずに移動できますよなんていう話でありますとかですね。あるいは、ゲリラ豪雨、気象予報がものすごく正確でありますとかですね。あと、水素エネルギーのシステム。こうしたことには私たちが世界の冠たる技術を持っているのだというようなことでありますとか。他にも、次世代の都市交通システム、感染症のサーベイランス強化、社会参加のアシストシステムは、高齢者の足腰が不自由な方にロボット技術を使ってアシストをしようなんていう話も具体的にはありますけれども。ジャパンフラワープロジェクト、最先端技術を活用して夏でも多くの国産の花で街に彩りを持たせましょうとかですね。新・臨場体験映像システム、臨場感あふれる映像技術、これは今回のリオオリンピックなんかでも、その技術は、技術の一端は出ておりましたけれども、こうしたことを前面に出していくというような事々ですね。移動最適化システムというのが、残り、もう一つありましたね。ビッグデータで人の流れをスムースにして、安全・快適なもてなしをしていくというようなこと。ちょっとくどいようですが、こうしたことをアピールしていきたいと思います。
 それら、今もうお気付きだと思いますが、それぞれに具体的にイメージが湧くと思うんですね、オリンピックでどういうプレゼンテーションをすれば盛り上がるだろうなというのは、皆さんがもう御想像のとおりだと思いますので、そうしたことをオリンピックの魅力の一つにしていきたいと思っています。
(問)北海道新聞の佐藤です。
 直接の所管ではないかもしれないんですけれども、先般、北方領土の国後島のビザなし交流で、通訳の方が1人、ロシア政府に拘束されていると。この関係で、大臣の所感と、それに伴う領土問題の啓発への影響みたいなものがあれば、教えていただければと思います。
(答)私どもの所管事項と直接影響があるわけではもちろんありませんが、大変気にしております。
 今回の事案は、天候が悪くなったので、交流団の大半は先に帰ってきていただいて、勾留されたというよりも、手続の検査の都合上、残っていただいたと我々は聞いております。したがいまして、早晩、結果が分かり次第、帰ってきていただけるものだと思っておりますし、また、それを期待したいと思っております。
 これがどういう影響を及ぼすか。今後の推移にもよると思いますので、私どもとしてはしっかりと外交ルートを通じ、我々もこれを注視したいと思いますし、また、安否確認等、私たちでできることは全てさせていただく所存であります。
(問)フジテレビ、和田です。
 先程の科技とオリンピックの件なんですが、これはむしろ五輪担当大臣にお伺いすべきことかもしれませんが、先程御紹介のあったようなこと、それぞれ、文科省だったり、あるいは経産省だったりが関わってくるわけですが、オリンピック担当大臣と、内閣府・鶴保大臣と、それぞれの担当する役所と、どういうふうな連携の仕方をしていくことになるんですかね。
(答)これ、私も実を言うと悩ましいところなんです。どこまでやっていいかは、これ、役所が決めることでもないし、私たちも政治家同士、これは国民同士というか、担当責任者同士、何か作っていきたいと思うものであります。ですから、こういう記者会見で、私がこういうふうにします、これお願いして実行しますとはなかなか言いづらいんですよね。向こうさんもそうだと思います。思いは一つにしてやっていくということしか今のところは言えませんが、いろんな事案がこれからも出てくるだろうと思います。努力して、できないものもあるかもしれません。しかし、そこは是非、皆さん、国民の皆さんも、でき得ない事情についてはしっかりと私たちも説明をいたしますので、理解をしていただきたいと思いますし、また、やれる範囲のことは何でもやるんだというつもりを持っているということも、是非御理解をいただきたいと思っています。
(問)科学新聞の中村です。
 大臣、ITだとか知財だとか、いろんな所管があるかと思うんですけれども、就任してしばらくして、それぞれの司令塔というか機能、例えば沖縄と科技とか、ITと科技とか、いろいろあると思うんですけれども、連携って、大臣から見て、どの程度できているのかなというのは、そこら辺、どうでしょう。
(答)例えば宇宙担当とクールジャパン担当っていうのは、クールジャパン戦略と言われて、連携できているかと言われると、私は疑問なところもある一方、科学技術の分野における問題が、宇宙政策をやっていく基礎的なところで重なっているということも大いに感じるところなんですね。ですから、一概に、これ連携できていない、まだまだ駄目だみたいなことを言うつもりもないんですが、私どもは、さっきもお話をさせていただいたとおり、私どもが所管をしているものだけではなくて、これは他にももっと連携をとれるところが、所管外のところにもあるんじゃないかと。ですから、今連携とれているか、とれていないかということよりも、ずっと前から申し上げていますが、問題が起きると、その問題の解決のためにどうするべきなのか、それが自分たちの所管内だったらなおよし、所管外であっても、それを積極的に働きかけをしていくという態度が私たちには必要なのではないかと思っています。
 具体例を言うと、大変恐縮なんですが、AIの「ワトソン」の話がありましたね。結果的には、あれは相当な入力データが、膨大な入力データを必要とするということで、あまり汎用性はないんだということで今のところは聞いておりますけれども、ああいう何か、こういうことを汎用的に、東大の病院でできるものが民間の病院でできないのかというような発想を私たちが持ち得ることの方が、今、組織の中をどうするこうするということを考えるよりも大切なのではないかと今のところ思っています。
 さっき、宇宙政策と科学技術の中で基礎的なところが一緒の、よく似た話だという話もしましたけれども、これは科学技術政策全般に関わる話なんですが、科学技術の人材育成の部分とかと言われると、まだまだたくさん問題を抱えております。そういう人材育成の部分について、では、宇宙政策ではどうなのですかということも、同じような思いがあると思いますから、常にそれが自分たちの所掌を預かっているものは、自分たちの所掌の中は特にそうですけれども、それ以外のところに対しても目を配る癖をつける必要、癖っていうんですかね、何かそういうものが必要なのではないか。それが内閣府の在りようなのではないかということを私は常々思っています。

(以上)