鶴保内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年8月4日

(平成28年8月4日(木) 16:31~16:57  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 こんにちは。皆さんにまた御厄介になります。この度、内閣府特命担当大臣を拝命いたしました鶴保庸介でございます。
 昨晩も総理官邸で記者会見をさせていただきました。多少重複するところもあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、慣例によりまして、私の担当を申し上げておきます。私の担当は、沖縄及び北方対策、科学技術対策、宇宙政策、クールジャパン戦略、そして知的財産戦略でございます。併せて、内閣の担当大臣といたしまして、情報通信技術(IT)政策担当も務めさせていただきます。必ずしも私自身、まだ精通し切れていない部分もあると思いますので、どうぞ皆様、よろしく御指導のほどお願いをいたしたいと思います。
 それぞれの所管分野において、所信なり所感を述べさせていただく慣例だということでありますので、まず多少時間を頂きまして、そのことを申し述べさせていただきたいと思います。
 沖縄及び北方対策につきましてでありますけれども、沖縄については、沖縄振興特別措置法に基づき、沖縄が抱える特別な諸事情を踏まえた沖縄振興に全力を尽くしてまいりたいと思います。また、沖縄の基地負担の軽減のため、県民の皆様の思いを受け止めながら、関係閣僚と連携の上、最善を尽くしてまいりたいと思います。
 北方領土問題については、四島の早期返還を目指し、国民世論啓発、交流等事業、元島民の方々への援護等を通じて、返還に向けた環境整備に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 科学技術イノベーションについてでございますが、これら科学技術イノベーションの政策が生産性向上につながるよう、GDP600兆円を目指す成長戦略の重要な柱だと考えて、アベノミクスのエンジンを最大限にふかすためにも、官民が総力を挙げて社会を支える新たな価値の創造に全力で取り組んでまいりたいと思います。今年1月、2016年から5か年で取り組むべき施策の基本方針を示す「第5期科学技術基本計画」を策定いたしました。総合科学技術・イノベーション会議の司令塔機能を十分に発揮して政策運営を強力に推し進めることで、世界で最もイノベーションに適した国を目指してまいりたいと考えております。
 宇宙開発利用政策についてでございますが、宇宙開発戦略本部において、安倍総理より、「攻めの宇宙戦略」に取り組むよう指示を頂いており、宇宙基本法の理念及び本年4月1日に閣議決定された宇宙基本計画を踏まえ、「宇宙安全保障の確保」、「民生分野における宇宙利用の促進」、「産業・科学技術基盤の維持・強化」の三つの目標の達成に向けて、我が国の宇宙政策を総合的国家戦略として積極的に推進してまいりたいと思います。本年6月には、宇宙政策委員会において「中間取りまとめ」が策定され、宇宙基本計画の工程表改訂に向けた方向性が示されたと承知しておりまして、関係閣僚と協力をしながら改訂作業を進めてまいりたいと思います。また、現在国会にて継続審議中となっております「宇宙活動法案」及び「衛星リモートセンシング法案」につきましては、宇宙産業のインフラ整備として期待されると承知しており、両法案が速やかに可決、成立するよう、政府として説明を尽くしてまいります。
 次に、クールジャパン戦略でございますが、クールジャパン官民連携プラットフォームを通じて、アニメなどのコンテンツと食・ものづくりなどの非コンテンツが連携した海外展開や国内のクールジャパン拠点のネットワーク化、日本産酒類の輸出振興など、クールジャパン戦略をより力強く推進してまいりたいと思いますが、これらクールジャパンについての戦略をもう一度、抜本的に各省庁が問題点を洗い直して目標とするものを作っていただく作業から始めさせていただいて、何をせねばならないかも抜本的に見直しながらこれから進めていきたいと考えております。
 知的財産戦略についてでありますが、本年5月に決定した「知的財産推進計画2016」に基づき、人工知能やビッグデータに対応した次世代知財システムの検討、知財教育の推進、地域経済の担い手である中小企業や農林水産業における知財活用の普及・浸透、コンテンツの海外展開と産業基盤強化、知財紛争処理システムの機能強化など、イノベーション創出を目指した知的財産戦略を政府一丸となって進めてまいります。
 IT戦略、これは昨日も申し上げましたが、これは科学技術の分野と同様、生産性向上のために最も重要な施策の一つだと考えておりますから、これら経済成長を始め、少子高齢化社会における諸課題の解決を実現する重要なツールだと考えております。このような認識の下、「世界最先端IT国家創造宣言」に基づき、国から地方へ、地方から全国へと、IT利活用を推進し、国民一人一人が安全・安心・快適な国民生活を実感できるよう、政府CIOとともに、政府一丸となって、取り組んでまいりたいと考えております。
 以上、各多岐にわたる分野でございますので多少時間がかかりましたけれども、所信の一端を述べさせていただき、また、これまでの政策の継続も含めて御紹介も申し上げたわけであります。皆様の御指導、御鞭撻、長いお付き合いをいただくことをよろしくお願い申し上げて、取りあえずの御挨拶を終わりたいと思います。ありがとうございました。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村と申します。よろしくお願いします。
 科学技術の関連で、先ほど、世界で最もイノベーションに適した国、安倍総理、前から掲げているかと思うんですけれども、大臣として、世界で最もイノベーションに適した国を創るためにはどんなことが課題で、それに対してどういうふうに解決していきたいか、認識を教えてください。
(答)私も今日、役所の方々とこれまで本音でお話をさせていただいているんですが、会議を作ってそれでおしまいという状況であっては、私はならんと思います。イノベーションを進めるんだ、そして世界で最も適したものにするんだというならば、各それぞれに日本国中に様々な会議、科学技術に関する会議というのはありますから、それらを本当に有機的に連関をさせて、本気でリーダーシップをとっていくぐらいの意気込みで様々な情報収集を始め、努力をせねばならんのだと思います。
 その上で何が足りないかということについては、そういったことを通じてこれから虚心坦懐にまだ努力をし、情報収集をしていく段階だと思いますので、今日のところは、こうだこうだということがはっきりと言えるわけではありませんけれども、私たちの基本スタンスとして、今の現状、延長線上に夢のような科学技術大国ができるというふうには考えておりません。したがって、しっかりとしたものをこれから作っていきたいと思っております。
(問)フジテレビ、和田でございます。よろしくお願いします。
 細かいことは、初めてなんで全くお伺いするつもりはないんですが、自分の関心事項だけで恐縮なんですが、2点、北方領土とクールジャパンで基本方針のようなことをお伺いしたいんですが、北方領土問題を思い起こしてみますと、私、中曽根内閣ぐらいから関心は持っているんですが、当時のワードで覚えているのが、「北方領土問題の解決なくして経済協力なし」という言葉が、よく総理の口からも出ていたことを記憶しているんですが、それと今の現実とは大分違ってきているような気がするんですが、大臣が北方領土問題解決、つまり平和条約締結に向けてということになるんだと思うんですが、この北方領土問題の解決と経済協力との関係、この原理原則はどうお考えになっていらっしゃいますでしょうか。これが1点目です。
 お答え伺ってから2点目、クールジャパンを伺います。
(答)領土問題そのものを論評するしないは、所管が多少違うものですから、ここで詳しく、まあ、個人的な話だったら、いつでも考えはありますけれども、できますが、ここで私の立場で論評する立場ではないと思います。
 ただ、経済との連携でということで思うならば、やはり、私は、北方領土の問題を前提にしたような、これは沖縄なんかでもそうなんですけれども、よく出てくる話でありますけれども、そのリンクをさせて、どうしようこうしようというその発想自体が、その発想というか考え方自体が、もう既に何か別のものになってきているのではないかという気がしております。
 様々な施策の総合体として、振興施策やそれぞれのものというのはあると考えておりますから、領土問題がしっかりとした交渉の過程を築きながら、その一環として、その結果として、振興、経済政策というのはあるものだと、私は理解をしておるつもりであります。
(問)経済政策というのはロシアに対する協力ということですね。
(答)ええ、協力ですね。
(問)クールジャパンなんですが、これは提案的な質問なんですが、今や、特に安倍さんの場合はトップセールス的な外交を、トップセールス、つまり総理自身が、よく多くの経済人を連れて外交をされるというような局面の中で、似たようなものはあるのかもしれませんが、クールジャパン関係閣僚会議ぐらいは、あって然るべきではないかというほど大きな問題だという認識で私はいるんですが、大臣御自身はいかがでしょうか。事務方が連携をするというだけはなくて。
(答)同感です。同感ですが、まず、私がさっき冒頭に申し上げた、このクールジャパンのところだけは、用意していた原稿ではないんですよ。私の思いで申し上げたつもりです。
 今、クールジャパンの戦略と申し上げて、日本国民の何割が、ぱっと思い浮かぶ、「ああ、ああいうことをやればいいんだな」とか、「こういうことをしてくれているんだな」と、国が、あるいは公的機関がしてくれているんだなというイメージが浮かぶのかと言われたら、ほとんどいないと思うんです。
 恐らくは、クールジャパンと銘打ったイベントの後援のために何かをしますとか、そういったぐらいのイメージでしかないんではないか。その理由というのは、クールジャパンについて何をしたいのか、また、それが一体どういう目的でされている戦略、戦略と銘打つからには、それがあるはずなのに、そういうものがすごく曖昧なんだろうと思うんです。ちょっと話が長くなって申し訳ないんですけれども。
 ということは、今私たちが、これを明確にしなければいけないことは、もう一度原点に立ち返って、クールジャパン戦略と立ち上げたその最大の理由というのは、日本の成長戦略、インバウンドなのか、あるいは海外への輸出なのか、こういう成長戦略の一つとしてクールジャパンというものを、文化というものを武器として使っていこうじゃないかということの発想から始まっているはずなんです。
 であれば、それぞれの部局において、問題オリエンティッドな、つまり、こういう問題意識があって、こういうことができればいいんだろう、こういうことがもっとできれば、我々の仕事はもっと成長戦略に寄与するものなんだと言えるものにしていかなければいけないと思うんですが、残念ながら、それがあまり、これまでできてきていなかったような気がしてならないんです。
 とすれば、各役所が関係閣僚会議のようなものを作ってやっていくというのは、全くそのとおりだと私は思っていますが、その前の段階ですら、私は今まだないような気がしてならないんです。
 したがって、各役所に対して、そういったことの呼び掛け、あるいは問合せ、そして、すり合わせのようなものを、是非していっていただいて、私たちの方から、この問題はこういう解決の方法があるんじゃないかという、ともに解決をしていくという立場で働き掛けをしていくことが大事なんじゃないかなと思っています。長くなってすみません。
(問)今せっかくお話があったんで、私の記憶では、クールジャパン、稲田大臣の時に具体策を、確か19項目出しているんですが、この辺りも、前向きに見直しても構わないというぐらいの気概で進められるんでしょうか。
(答)中に良いものもありますし、それが全て駄目だということではありません。私、実は、その稲田クールジャパン戦略の一員だったんですよ。当時、国交省の観光担当の副大臣として出席させていただいておりました。
 したがって、その会議の推移については、誰より知っている者の一人だと思っておりますから。問題は、そのクールジャパンの戦略を打ち立てたいがためにやったんでは、ちょっと話が逆転していると思うんです。
 さっきも言いましたとおり、クールジャパン戦略は、何かを目的にしています。その目的とはこういうことです。こういうことというのは、経済成長戦略の一つなんですと。だったら、その成長戦略を打ち立てるために、クールジャパンをどういうふうに使ったらいいですかというところから発想していかないと、今、クールジャパン戦略の中で、様々な提案が様々な部局から出ていますけれども、それが、何となくイメージが湧かない状態で、ばらばらになっているようなことを私たちは見ておるわけにはいかないという感じを持っております、印象は。
(問)これは、そもそもどなたの発想だったのか分からないんですが、今、大臣もちょっとニュアンスとしてお触れになった、分かりにくさという意味では、ネーミングも変えちゃった方がいいのかなという気が、私は個人的に。「クールジャパン」と言われただけでは分からんですから、これは、とは思います。以上です。
(問)朝日新聞の山下といいます。
 沖縄の問題について伺いたいと思います。政府はこれまで、基地問題と振興はリンクしないという説明を繰り返ししてきました。一方で、午前の官房長官会見なんですが、「米軍基地問題と地元の振興策との関係について、両方の課題を総合的に推進していく意味合いにおいて、私はリンクしていると思う」という御発言がありました。その真意を問う声が上がっているのですが、菅長官の、基地と振興はリンクするという御発言について、御所見をお聞かせください。
(答)大きな意味でリンクをしていると長官はおっしゃったと理解をしています。それは私も全く同感でありまして、振興策ですね、沖縄の振興というものの中で、沖縄の大変な割合を占める基地問題、そしてそのことに関心がある県民の感情、また歴史的経緯に、基地というものを避けては通れないだろうと。
 そして、その基地に対して、これが移動する、基地問題、もうはっきり申し上げますが、どこへ移動するか等々、いろんな議論がある中で、これによって振興策が、振興策の中身も含め変わっていく可能性があるのは、十分当たり前のことだというふうに思います。そういう大きな意味では、振興策と基地問題というのは、確実にリンクをしているんだと思います。
 ただ、これは、私も詳しく、今まで見てきたわけではありませんが、ずっと従来、懸念というか、不思議に思っておったのは、振興の額の話、振興額をいかに、要は予算ですね、予算額を幾らにすることと、基地の問題とがリンクをしていることを、一番皆さんが関心事のように思われております。
 これは、振興策とまた違う次元の話なんだと私は理解をしておりまして、そこには、振興額には、恐らくそのテクニカルな振興額の算定の様子や、あるいは地元の予算消化のこともありますから、ここは、あるいは、もちろん額の話は、全国民の意識というんですか、限られた予算を、いかに効率的に使っていくんだ、使っているかにものすごく注目をしているこの御時世において、しっかりこれが効率的に使われているかという思いもありますから、こういったものを総合的に勘案をしていく必要があるんじゃないかと思います。
 基地があるからこうだ、基地がないからこうだということで、一義的に決まっていくものでは、私はないと思っています。
(問)ということは、今日の午前の官房長官の発言は、これまでの沖縄振興予算に対する政府の向き合い方を変えるものなのかどうかという点についてはどうでしょうか。
(答)さっき申しましたとおり、私もつぶさに読ませていただきましたけれども、その要旨なり、その会見の言葉をですね、さっきも言いました、その沖縄の振興策と基地は確実にリンクをしている。リンクをしない問題ではない、それはそうですよ、全く。
 ですけれども、その質の問題と、また額の問題とは、また別の話だと私は理解をしているということです。
(問)関連でお聞きします。琉球新報の池田と申します。
 今、リンクの話があったんですけれども、今日の午前中の会見で、長官の方は、跡地利用の話を持ってきた中で、その跡地利用が進まないのであれば、当然額も下がるというような認識を示されたんですけれども、その跡地利用に関してだけリンクしているということなのか。
 例えば、本年度の予算だと、跡地利用の予算を、10億円ぐらいしか付いていないと思うんですけれども、これだけが、いわゆるリンクの対象になっているのかというところ、その辺りはいかがお考えなのかという。
(答)今、もう話が長くなるといけないと思って端折りましたが、今、正に私が申し上げたかった、そのテクニカルな予算額の話は、正にそういうことでありまして、跡地利用のように、今回は県、市の態度も、いろんな事情があって変わってきておると。その予算額の消化に対しても、自治体の態度というのが違う場合があります。これは一般論としてですね。
 ですから、こういった場合に予算額を減らすのは当然のことだと思います。
 だって、消化できないものを、あなた、無理やりお口を開けて、食べてくださいよという、これは、悪いですけれども、さっき申し上げたとおり、全国民の血税で使われているお金を無駄遣いしているじゃないかという批判に耐えられませんから。そういうことであるからこそ、額の話は、極めてそういったテクニカルな部分が多いですよという意味なんです。
 今回、西普天間の話も出てまいりましたけれども、私は、そういう意味では、長官が引き合いに出したことに、全くもって異論はありません。
(問)関連なんですけれども、例えば、今、翁長知事の方は、普天間飛行場の辺野古移設の問題で、国と対立している面もあると思うんですけれども、その態度が、先ほどおっしゃった振興額の面に関連してくるという可能性は、あるのかどうなのか、その辺りはいかがですか。
(答)ですから、その感情論の話と、基地の問題に対する態度、あるいは感情論の話と、またそれをリンクさせようとするような醸成の思いを、私は作りたくないんです。
 ですから、それはあくまでテクニカルに、あなた方、この予算を消化しないんだったら要らないでしょうと。これはテクニカルな話です、さっきも言いましたとおり。それは分かっていただきたい、そこであります。
(問)分かりました。
 別件なんですけれども、大臣の経歴の中で、若泉敬さんに師事していたというような経歴があると思うのですが、自民党の国会議員の方にお話を聞くと、沖縄返還に対する思いもかなり持っていらっしゃるというお話をお聞きしているんですけれども、その辺り、大臣の思い。また、ちょっと経歴の中で分かりにくかったんですけれども、若泉さんに師事されていたという、その師事というのは、どういった形での関わりがあったのか、その辺りも含めて。
(答)日本語で言えば、私淑というやつですかね。ただ、単なる私淑ではなくて、長い長いお付き合いを頂きました。私が国会議員になる決意をしたことに、大いなる影響を与えた人であります。
 その若泉敬氏が、沖縄返還の立場を、直裁にそう現役時代に申されたわけではない。御存じのとおり、彼は亡くなる直前に、それを暴露した本を書かれましたが、それまで、私に一言たりともその話をしたことはありません。
 ただ、ずっと私に彼が言ってきたことは、沖縄県民の苦しみに、全国民が寄り添うことができない。これは、やっぱり政治としておかしいという話を、ずっと、幼少と言っていいんでしょうね、小学校、中学校のぐらいの時から、私はずっと言われ続けてまいりました。そういう意味では、若泉さんには、今もその思いを継ぎたいという、志を継いであげたいという気持ちは、すごくあります。
 ただ、だからといって、さっきも言いましたとおり、お金の話であるとか、何とかでありますとかということを、私は今ここで申し上げるつもりはありません。
 第一義的に私たちがやらねばならないこと。それは沖縄の振興であります。だからこそ、思いを持って、力を尽くして、沖縄の振興を第一義的に考えていく。ありとあらゆる手段を使ってやっていくんだという思いだけは、失ってはいないつもりであります。
(問)(時事通信・田中記者)
 今の若泉敬さんの補足なんですが、「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」の、あのお話を直接聞かれたわけではなくて、ずっとお付き合いをしていたという、そういうことになるんですか。
(答)そうですね。あの本自体、誰にも言っていなかったと思いますよ。ただ、私が死んだら大変なことになるよと。この、私は多分、この本で大変なことになるよというような、予言めいたことを言われておった時期がありましたけれども、そうならなかった。それで、結構失意の中で、いろんな思いを持っておられたことは事実であります。

(以上)