石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年8月3日

(平成29年8月3日(木) 12:05~12:17  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

昨年の1月28日の就任以来、550日を超える長きにわたりまして、歴代の記者の皆様には大変お世話になりました。この場をお借りいたしまして、御礼を申し上げます。本当にお世話になりました。ありがとうございました。
1年半あまり前の1月はちょうど予算委員会だったのです。野党からは相当突っ込まれまして、それが本当に一体いつだったのかというくらい感慨深いところです。
 先程、総理のところにまいりまして、総理のほうからも、TPP、本当に御苦労さまでした。何かすごい昔のことのようですね。と、そのようなことをいただきましたし、また、その法案を通していたから、日EUのEPAがここまで来ることができたと。
その一方で、通商関係の話も重要だったと思いますけれども、やはり人口減少社会という日本の中で、経済を発展させていく。皆様方は専門家でありますけれども、何度も何度も私は、潜在成長力を高めていかない限り、経済再生と財政再建は成り立たないということを申してまいりました。  その気持ちというのは実は今も全く変わっていなくて、経済政策のほうは潜在成長力を高める弾というものも大分仕込ませていただきましたし、あとは予算でしっかりとこれをフォローアップしていくということが肝要だと思っています。
この1年間を振り返りますと、内外ともに激動の1年間ではなかったかなと。多くの自然災害がありました。先般も北部九州の豪雨、秋田の豪雨、本当に心からお見舞いを申し上げますし、熊本の地震も、まだまだ益城町のほうは十分な回復に至っていない。被災されて、避難生活を余儀なくされている方々がいらっしゃいます。
 また、外国に目を転じますと、これはTPPに関連するのですけれども、まさかトランプ大統領が誕生するというのは、なかなか予想できなかったわけです。そして、トランプ大統領が公約のとおり、TPPを離脱するという大統領令に署名をされた。このときは、一瞬目の前が暗くなる思いでしたけれども、その後、一歩一歩、政策を着実に進める努力はしてきたつもりです。時間はかかりました。130時間を超える国会審議を経て、TPP関連本案が成立したのは昨年の12月9日なのですね。2国会かかったわけであります。
 その後、先程は目の前が暗くなったという話をしましたけれども、日本が主導して、ハノイでTPPの早期発効に向けたジョイントステートメントを出すことができたということは非常に印象に残っています。それと、潜在成長力を高めるということで、科学技術関連予算の拡充、これを「骨太の方針」にもしっかりと書かせていただきましたし、「未来投資戦略」と成長戦略のクレジットを変更いたしましたけれども、策定しましたし、それに関連して、ビッグデータの活用等々で次世代医療基盤法ですか、これも成立させることができました。
 経済再生と財政再建に向けた国内と、通商政策に道筋をつけることができたのではないかと考えています。ただし、これも総理がいつもおっしゃっているのですけれども、あとは実行だね、と。やらなければ成果は出ません。さらに、構造改革といったような政策効果には時間がかかるテーマも含まれています。
 党に戻りますけれども、引き続き日本経済の発展に尽くしてまいりたいと、このような気持ちで今はいます。
若干長くなりましたけれども、本当にいろいろありがとうございました。

2.質疑応答

(問)今もちょっとおっしゃいましたけれども、任期中でなし遂げたこと、デフレ脱却、景気回復に向けた手応えと、あと積み残された課題、やるべき課題というのはどういうふうにお考えになるかよろしくお願いいたします。
(答)デフレの話もいつもさせていただいているのですけれども、名目GDPで見て9.1%、安倍内閣になって増えたわけです。500兆円、500兆円と言われていたものがおよそ540兆円になったと。デフレではないという状況をつくり出すことは、私はできたのだと思っています。
 景気回復も、月例経済報告を見る限り、バブル経済を超えたわけです、56か月ですから。戦後3番目の長さとなったと。安定した政権運営で安定した経済状況が実現できた。政治の安定なくして、なかなか経済も安定しないと。それは、私どもが下野した後のことを見ても明らかですので、そこのところは手応えを感じております。
 これもいつも話していることですけれども、雇用と所得環境というのは非常に改善したのだと思います。有効求人倍率が全ての都道府県で1倍を超えたというのは、高度成長の時代にもなかったわけです。その一方で、やはり経済成長というのは、人口ボーナスが必ず乗っかってくるけれども、今度はもう人口オーナスです。そこで、くどいようですけれども、潜在成長力を引き上げていかない限り、持続可能な経済発展というものはないのだと私は思っています。
 そして、それによって経済のパイが大きくなることによって、初めて財政再建をなし得ることができると。これからですけれども、やはり、しっかりと書いてありますけれども、人工知能、IoT、ビッグデータ、ロボット、付加価値を生み出すイノベーションです、日本にはそういう能力がすごく、歩かせていただくとあると思います。そういう技術を、先端の技術を企業あるいは個々人が生活で活用できるようにするということがポイントで、それによって、落ちこぼれるのではなくて、それによって、みんなが利益を享受できる。そこが他の国と違う社会、Society5.0という形で取りまとめさせていただいていますけれども、そういうものをつくっていく。あとは実行あるのみです。政策はもうできていますので、実行あるのみだと思っています。
(問)先程のお話でもTPP、日EU、通商政策に道筋をつけることができたというお話がありましたけれども、これからはまさしく実行で、次の大臣ですね、また内閣府の皆さんにどういうところを引き継ぎとしてお伝えしたいというふうに思いますでしょうか。
(答)稲をずっと植えて、お水も上げて、肥料も上げてありますので、次はいよいよ11月にうまく刈り取る。というのは、何でうまく刈り取るかというと、アジアの国々はアメリカのTPPへの復帰というものにすごい期待感を持っているのですね。ですから、そこをうまくやっていっていただきたいと思っています。
 早期発効に向けては、全ての大臣とバイ会談をしましたけれども、11か国でやっていこうということは確認できていますし、その後、こちらにメキシコのグアハルド経済大臣とかカナダのシャンパーニュ国際貿易大臣がいらっしゃっていますけれども、グアハルド大臣は、日本のプレスクラブではっきりと日本とメキシコが、とまで言ってくれていますし、この流れをしっかりとしたものにしていっていただけるのだと思っています。
 また、ロジのほうも大分変わりました。昨年の12月ですか、本案が通りましたのが。箱根で初めて、日本がホストを務めて、かなり突っ込んだ議論もできましたし、日本が主導していくということに残りの10か国の期待というものは極めて大きいということを感じていますので、そのことはしっかりと次の大臣に明日、伝えさせていただきたいと思います。
 やはり、ルールなのですよね。通商交渉で関税のほうにやはり目が行くのですけれども、ハイスタンダードなルールをアジアンパシフィックに確立するというところがポイントで、ここに戦略的意義が非常にあるわけですので、粘り強くアメリカに戻ってきていただけるようにやっていっていただきたいですし、日本が引き続いて議論をリードしていくのだ、主導していくのだというところも必要であると確信していますので、しっかりと伝えさせていただきたいと思っています。
 月末か月明けには、オーストラリアで会議も開かれますので、ここでまた、もう一つ高いところに持っていく努力を、私も党に戻りますけれども、党のほうでもさせていただきますし、日EU・EPAのほうに関して言うならば、ソフトチーズ系のものをつくっていらっしゃる方に不安があるということも事実ですので、11月の末には、政策大綱の改訂版ですか、これをつくることを党のほうで頑張っていきたいと考えています。

(以上)