石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年6月22日

(平成29年6月22日(木) 17:20~17:29  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 「月例経済報告等に関する関係閣僚会議」の概要を報告させていただきたいと思います。
 景気の現状についてですが、総括判断は「緩やかな回復基調が続いている」として、先月から上方修正をしています。
 その理由ですが、個人消費の緩やかな持ち直しに持続性がみられ、設備投資も持ち直すなど、家計部門、企業部門、ともに改善が進んでいることを踏まえたものです。
 先行きについてですが、雇用と所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もありまして、緩やかに回復していくことが期待されますが、これはいつものことですけれども、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるという記載をつけさせていただいています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)御説明いただいたように、家計、企業部門ともに改善がみられるということで、項目別に見ても、ほとんどの項目が上向いているという状況になっているかと思いますけれども、景気が更に改善していく上で、今後、ポイントになるとするとどういったところになるのでしょうか。
(答)先ほど上方修正させていただいた理由として、持ち直しに持続性がみられるというお話をさせていただきました。やはりトレンドが続いていかない限り、景況感にはダイレクトに響いてこないと思うのです。ですから、マインドも大分良くなってきてはいると思いますし、こういういい状態を引き続いて醸し出していく。やはり雇用がかなりタイトになっている理由として二つあると思うのです。人口が減少しているということと、サービス業で介護とか、あるいは保育や、特別な分野で需要が働き方改革によって出て、そういうところが全国的にみても、タイトになっているのだと思うのですけれども、そういうなかで、家計部門は改善されていくことが望ましいです。企業部門について、ドイツなどもよくなって、フランスも選挙が終わり、経済に対してはプラスの影響があるのではないかと思います。中国も緩やかに拡大していますので、輸出の持ち直し、国内生産の持ち直しというものも続いていまして、それに伴って、企業部門で設備投資が伸びてきたと。先程の話に戻りますけれども、やはり家計、企業の両部門でトレンドとして、今のような改善が続くと多くの方々が思っていただくというところが私はポイントのような気がいたします。
(問)今日のこの全体の上方修正は、個人消費の上方修正も大きいと思うのですけれども、ただ、最近、やっぱり個人消費も天候要因とか台風とかの影響で、がくっと、ぺしゃっとなることも多かったと思うのですけれども。
(答)冷夏が来て、家電、クーラーなどが売れないと、またすごくダイレクトに出るのです。あとビールなども影響します。
(問)そうですね。今後、そういう季節要因というのも今後も出てくるかと思うのですけれども、その個人消費の力というのは、そういうものに負けないぐらい力強く回復しているのか、それともまだまだという感じなのか、その辺、大臣はどういうふうに見て。
(答)これは例えば、一つは大企業の経営者の方が内部留保だけ溜め込むのではなくて、働いている方への給与をしっかり払う、4年連続平均2%の賃上げとなっていますけれども、それはやはり企業で働いている方々に対しても経営者側がしっかりとその給料を払っていくというマインドになっていただくことが重要なのだと思います、大企業は特に。それによって、中小もそういうのをみていますから。雇用はタイトにはなってきて、部門部門では賃金が上がっているのです。でも、全体をやはりみないと、様々な要因で腰折れするリスクというのは、絶えずあるわけですから、どのように持続するかということが肝要なのではないでしょうか。
(問)配られた閣僚会議の資料の参考のところに、景気拡張期間についての資料もあるのですけれども、今日はそのことについても閣僚会議の中で御議論されたのでしょうか。
(答)いえ、参考資料について、説明や御質問はありませんでした。
(問)ちょっと今回、ある意味好循環というのを考えていったときに、一つネックとなっていたのが、ある意味、個人消費だったかと思うのですけれども、それも今回、上方修正してきたということで、好循環への手ごたえといいますか、どういうふうにみておられますでしょうか。
(答)手ごたえというよりも、先程の質問と関連するのですけれども、やはり着実に回り始めたという感じはあるのです。ただ、腰折れするリスクというものは絶えずあると思います。海外要因のところは記述を変えていません。それはもう何かは皆様はすぐお分かりだと思いますけれども、そういうこととプラス、やはり生産性を高めて、潜在成長力をどういうふうに上げていくのかというところは、まだ政策パッケージはつくりましたけれども、実行することだと、総理がおっしゃるように、しっかり実行してほしいという指示を受けていますので、それが実行されることによって、成果が出るには、またここにもやはりタイムラグがありますので、そこのところをどのようにつないでいくのかということが、肝要なのではないかと思います。
(問)ちょっと質問が戻ってしまうのですが、消費の上方修正のところで、ただ、回復は実感が乏しいという声も聞こえてくるのですけれども、その要因というのは先程おっしゃっていたトレンドが続いていないということなのか、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
(答)やはり一つ、マクロでみると、人口のパイが減っているというのは大きいのではないでしょうか。生産年齢人口の減少というものは顕在化していますし、それと裏腹なところで雇用情勢がタイトになっている部分もあると思うのです。やはり人口が拡大していく局面での経済に対するインパクト、人口ボーナスというものと、この人口が減少していく、人口オーナスというものがありますので、消費の動向について、今、御質問されたような問いかけというものは絶えず、これから日本はあるのではないでしょうか。人口が増えれば、経済のパイが拡大していくことは間違いないわけですから、やはりこれまで経験したことのないような日本の社会構造の中で、景況感をどういうふうにプラスに保っていくのかということが問われているのだと思います。

(以上)