石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年5月18日

(平成29年5月18日(木) 9:29~9:39  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 2017年1-3月期四半期別GDP速報(1次QE)の内容につきましては、配付をさせていただいております資料のとおりですし、もう既に、専門家の皆様ですので、分析も終わっているのではないかと思います。
 私から一つ付言させていただくとするならば、1次QEの公共投資の部分、マイナス幅は前期の3.0%から0.1%と縮小していますけれども、ここがマイナスに出ている。経済対策における公共工事の執行状況、年初で見て契約ベースで5割を超えていますので、そういうところを見ても、やはりこの実態がどうなっているかということは、経済財政諮問会議等々でしっかり検証を行うことが肝要なのではないかと、このような印象を今回のQEの中で私は持ちました。

2.質疑応答

(問)今回、公共投資のところはマイナスではあったのですけれども、それ以外の内需の項目というのはほとんどプラスになっておりまして、よい結果のようには見えるのですけれども、個人消費は前期が弱かったという反動という面もあったり、住宅投資のところでは五輪関係の着工が押し上げたとも指摘されていまして、一時的な要因というのも散見されるわけですけれども、今回の結果、経済の好循環がしっかり回った結果だというふうに言えるのかどうか、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)総合的な景気認識についてのお尋ねだと思うのですけれども、実質成長率はおっしゃるとおり、年率換算で2.2%といい数字で、民間予測を上回っています。その要因として考えられるのは、雇用と所得環境の改善と、それによって、先ほど一時的とおっしゃいましたけれども、消費者マインドが、やはり若干持ち直しているというのが、私が街を歩いた印象です。
 例えばファミリーレストランなどで、私のところは住宅街ですけれども、多分サークルとかそういうことだと思うのですけれども、夜9時とか10時に子供を連れた多くの家族を何度も見かけるようになりました。そういう、今、一つの例ではありますけれども、あと、この間熊本へ行ってきたのですけれども、みんなで熊本の人、熊本の被害を受けた街、商店街を応援しなければいけないということなのですけれども、地元で聞きましたら、商店街にずっとその流れが続いているというのです。地震の前よりも、それは一時的な応援ということで来てくれていたのかなと最初は思ったそうですけれども、その流れが続いている。そういう事々などから見ても、内需がプラスになったということと、予想していたよりも海外経済の指標というものがよく出ているのだと思います。それに伴って、日本の製造業は2割ぐらいしかないわけですけれども、輸出は増加して外需はプラスになっている。
 結論ですけれども、緩やかな回復基調が続いているという認識が、一時的なものであるとかないとかということにかかわらず、総合的な受け止め方は変更していないというのが受け止めです。
(問)今回、5四半期連続のプラス成長ということになります。これは05年の1-3月期から06年4-6までの6四半期、そのとき以来の長いプラス成長が続いていることになるのですけれども、その受け止めについては如何でしょうか。
(答)これは、研究所のほうでブリーフされていると思うのですけれども、多分、月末に専門家の審議と景気の拡大、ありていに言えば山谷の判断というものが正式に出ると思いますけれども、やはり拡大期間というのはかなり長くなっているということは、皆様方も数字からご認識されているとおりだと思いますので、その景気動向指数ですか、こういうものをしっかりと見て、もう少しどうであるかということを私なりに考えてみたいと今のところ考えています。
(問)今回、実質はプラスだったのですけれども、名目がマイナスで、GDPデフレーターを見てもまたマイナスで、年度でGDPデフレーターを見ても2013年以来、3年ぶりにマイナスとなってしまいました。デフレ脱却を目指す中で、このような状況にあることについて、どのように受け止めていらっしゃるでしょうか。
(答)デフレーターの動きというのは非常に重要だと思っています。というのも、我が内閣の最大の使命はデフレからの脱却と、東北と去年の熊本の震災からの復興と、こういう大きな命題を抱えています。
 そのような中で、今御指摘のありましたように、1-3月期のデフレーターは前年比でマイナス0.8%と、理由としては原油価格の上昇というものもあると思うのですけれども、物価動向に影響を与える環境から見ますと、賃上げはそこそこ、今年の結果というものはまだ出ていませんけれども、4年連続ベアがあったということは事実だと思います。経済全体のGDPギャップも、これも縮小の傾向にある。しかし、今おっしゃられたとおり、すとんとデフレ脱却したかということにはなっていないという受け止めです。もう少し細かく、特に前段で御質問のありました個人消費の実態、こういうものもしっかりと分析して、秋以降の政策に反映していかなければならない。注視しているということです。
(問)今回の企業の設備投資が0.2と、ちょっと伸び率が低くなっているのですけれども、これは企業の慎重姿勢というのが強まっていると見るべきなのか、それとも、前期がちょっと大きかったので、その反動で少なくなっているのか。その辺はどう捉えていらっしゃいますか。
(答)クオーターで1期だけ見て、それが最初の質問のように季節要因なのか、それともトレンドなのかというのは、なかなか分析しづらいと思うのですけれども、企業の業績から見ると過去最高を記録しているところもありますし、輸出は伸びているのです、製造業などは。ですから、もう少し本当の要因みたいなものはスパンを持って解析しなければならないのではないかと、今のところはそのように捉えています。
 ただ、民間設備ですので、重要なポイントだという認識には変わりはありません。
(問)最初におっしゃった公共投資の部分なのですけれども、これ、人手不足の影響とかというのはあるというふうにお考えなのでしょうか。
(答)これは、先般、連休のときに熊本に行ってお話を聞いた感じでいきますと、足りていないというような話です。
 東京で聞きますと、オリンピック関連なのですけれども、充足できているという話です。東北はまだ行っていないので分からないのですけれども、やはり先程申し上げたように、下落幅は縮小しているのです。でも、今の質問に、もう少し明確に答えられるように経済財政諮問会議で議論をしていただきたいと考えていますし、今日も実は、この後、私、関係者から今の質問についての話を聞くことになっているのですけれども、実態をもう少し見させていただきたい。
 方向性としたら、オリンピック関連で見ますと、スタジアムだけではないのです、実は。結構あるのです。そうするとタイトになってくるのかという感じは街を歩いていてしますので、そこのところは少し勉強したいと思っています。

(以上)