石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年4月4日

(平成29年4月4日(火) 9:01~9:09  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日の閣議ですが、当方に関連する案件はありませんでした。

2.質疑応答

(問)昨日発表の日銀短観について伺いたいのですけれども、大企業製造業の景気判断で言いますと、2期連続で改善という形になりました。この結果への率直な受け止めと、一方で、先行きについては悪化、かつ人手不足感を示す指数というのが25年ぶりの高い水準ということで、ちょっと気になるようなデータ等も出ておりますけれども、今後緩やかな回復を続けていくためにはどういったことが必要だというふうに考えられますでしょうか。
(答)日銀短観は報道で承知していますが、今おっしゃられたとおり、景況感が2四半期連続で改善したと。特筆すべきは、やはり大企業だけではなくて中小企業の景況感も改善したということは、改善に広がりが見えるのではないかと思っています。
 その一方で、雇用に対する判断については不足という声が大きくなってきている。これは以前に有効求人倍率の質問のときにお話しさせていただきましたけど、やはりタイト感というのはかなり厳しくなっているのかと。
 そのような中で何をするかということですけれども、やはり雇用環境がタイトになれば、賃金は上昇しなければいい人は入ってきません。ですから、賃金が上昇するということは期待したいと共に、インターネットと物がつながっているわけですから、こういうものを活用するとか、あるいは昨日も国会の質疑で出ていたのですけれども、AIを使って国会の答弁書を書く取組みも経産省でスタートしているという、そういう新しいイノベーションを実際に社会実装に合わせていくことによって、こういう人手不足を乗り切ることができるのではないか、また、そのテクノロジーを我が国は持ち合わせているのではないか。逆にピンチはチャンスだと、こういう気持ちです。
(問)TPPについてですけれども、アメリカがなかなかこのような状況という中で、アメリカ抜きの11カ国で進めるべきだという声も一部では出ているのですが、その点、大臣のお考えを聞かせてください。
(答)これは、チリの会合の後も御質問いただいたと思うのですけれども、そこで越智副大臣から、日本はあらゆる選択肢は排除していません。何がベストなのか、これからもオーストラリア、ニュージーランドの人たちからのリクエストというものも大変強いものがありますので、主導していきます、という話はさせていただいていますし、そのとおりだと思います。
 では、今それからここに来て、今、御質問いただいたような、11カ国でやりましょうという具体的な検討というのは実はしていません。
(問)先日、トランプ大統領が貿易不均衡是正に向けた大統領令に署名したわけですけれども、4月18日は日米の経済対話も行われますが、今後の日本経済への影響ですね、それをどういうふうに捉えていらっしゃるか、よろしくお願いいたします。
(答)大統領令が発出されたということは私も十分認識していますので、これが日米経済関係にどのような影響を与えるのか、これはまだ分からないわけです。実際に18日にキックオフしてみて、ロス商務長官も来るというような報道も承知しているのですけれども、何を言うかということが全く予見できないわけですので、やはり注視していくということは非常に肝要なのではないかと思っています。
 ただ、日米貿易摩擦で車を燃やしたり、カセットレコーダーを壊したりした時代とは実は全然違って、例えば自動車産業でいうならば、アメリカ本土だけで150万人ぐらい雇用を創出しているわけで、ディーラーなども入れた間接雇用ですけれども。そういうことをアメリカ側の新しい経済担当の人たちがしっかりと認識すると、また言ってくることも変わってくると思うのです。ですから、やはり見守っているという立場には変わりがないのだと思います。
(問)今の質問に関連するのですが、金曜日にUSTRの方で、あちらの報告書の中で日本について、牛肉などの農業分野での更なる市場開放と、あと自動車、保険、共済とかいろいろ要求が並べてありましたが、御所見いただければと思います。
(答)これは、御存じのとおり、毎年USTRが出す刊行物であって、その中では大体同じようなことが言われているのだと思います。USTRの代表もまだ決まっていませんし、その報告書の内容も踏まえて、やはりアメリカの政府が内政の方でいろいろな事案が発生していて、では外交に対して、今度は米中の首脳会談もあるわけです。貿易赤字で言うならば、中国が日本の5倍弱ぐらい、3,500億ドルぐらいでしょうか。圧倒的に対米、アメリカの貿易赤字は中国が大きいわけです。そうしますと、米中首脳会談でどういう話があるのかということも実は世界経済に対するインパクトはすごく大きいのではないでしょうか。こういうことをやはりしっかりとアメリカ政府の対応を見守っていくと、その対応を踏まえて日本は動くということになると予想しています。

(以上)