石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年2月14日

(平成29年2月14日(火) 8:42~8:54  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日の閣議で特段皆様方に御報告する案件はありません。

2.質疑応答

(問)トランプ大統領の経済政策への期待から、ニューヨーク・ダウが3営業日連続で高値を更新しています。その中で、今後日米の経済対話も実施されると思うのですけれども、大臣としてはどういうふうな議論を期待したいかということと、最近のマーケットの動きについて何か受け止めがあればお願いします。
(答)トランプ大統領は選挙期間中から法人税の減税と財政出動ですか、特にインフラの話などをされています。ですから、まだトランプ政権のチームもまだ決まっていないので、財務関係、商工関係の閣僚が決まって実際に政策が動き出すと、またいろいろな反応があるのだと思います。
 日米についても安倍総理とトランプ大統領の間で、麻生副総理とペンス副大統領のもとに経済対話を立ち上げるということが決まったということは、専門家同士で議論をしていくということで大変いいことなのではないかと思っています。
 それと、これももう論調として出ていますけれども、やはり重要なのは、共同声明の中に我々がずっと言っていた「自由で公正な貿易のルールに基づいて」日米の経済関係を発展させていこうということが明記されたというのは非常に大きかったのだと思います。これは日米両国に限らず、アジア太平洋、そして、それが一つ外に出て、世界経済全体の力強い経済成長、こういうものをリードしていくということがこれから肝要になってくるのだと思います。そのためにどういう枠組みになるかはまだ承知していませんけれども、対話と協力と更に深めていくということを期待しているというのが経済財政政策を担当する大臣としての所感です。
 為替については、いつものとおり言及は控えさせていただきたいと思います。
(問)昨日発表されましたGDP速報値で、個人消費は小幅ながら1年ぶりにマイナスとなりまして、天候要因もあったとは思いますが、節約志向の根強さというのも背景にあるのではないかと思うのですけれども、その消費を盛り上げていくためにどうしたらいいのかと改めてお聞かせ願いたいのと、あと、プレミアムフライデーも控えております。これへの期待がもしあれば。
(答) 私もできる限り、経済再生と経済財政政策担当ですから、時間があるとスーパーマーケットへ行くのですけれども、去年の冬が暖かかったということと野菜が高かったというのが非常に印象に残っています。丸々売っていなくて、キャベツや白菜などは割って売っていて、それが200円まではしないですけれども、4分の1で180円くらい付いていて驚いたのですけれども、やはり季節要因というのが非常に消費者物価で、クォーターで数値をとるときに出てくると思うのです。そういうものを本当にどう捉えていくのかということと、それと、やはりもう少し長いスパンで見て前年比プラス、緩やかですけれど、もちろん実質2%、名目で3%というような経済を目指しているわけですが、消費者物価のほうは、思っているよりは弱含みであるということは事実だと思っています。
 しかし、3年間の所得環境で見れば、賃上げは今世紀に入って最も高い6%超上がったわけです。これが決算などを見ていますと、また去年は少し足踏み状態だったものが業況判断、業績だけ見ると上方修正しています。そういうことがこの賃金に、これから春闘がありますけれども、プラスに影響して、4年連続これでまた2%をやると、合わせて9%、8%台の中間ぐらいよりも上に行くわけです。もう一年いったら、5年間で1割上がるという状態を、これはもう最初のときから言っていますけれども、1年間春闘で給与所得が上がるというだけではなくて、やはりこれを積み重ねていくことが消費を喚起する上で重要だと思っています。
 1週間早く質問されてしまったので、来週答えようと思っていたのですけれども、やはり皆様方も是非金曜日(プレミアムフライデー)の午後はしっかりお休みできるような環境をとっていただきたい。というのは、旅行が大きいのではないかと思うのです。特に国内旅行などで例えば、新幹線効果で金沢などはまだブームが続いています。土曜日の朝出かけて日曜日に帰ってくる1泊旅行と、金曜日の夜、夕方から出かけて、現地でおいしいものを食べて土曜日1日観光するという旅行のボリュームというのは相当違うのではないでしょうか。たかが3時以降のプレミアムフライデーをということの意味というのは、意外に生活のサイクルを変える上からも、働き方改革にも関係するのではないかということを期待しています。
 どうなるか分かりませんけれども、こういうものを経済界のほうもいろいろな各団体も御協力してやってくださっているので、是非メディアの皆様方も政治の世界も協力して、全体でそういう雰囲気を出していくということが非常に重要なのではないかと思っています。
(問)日米の共同声明の中で三本の矢についての記述があったと思うのですけれども、その読み方を教えてください。相互補完的に財政、金融などを用いていくと書いてありますが、三本の矢を日米両国それぞれ使うということなのか、日米で財政や金融もいろいろ相互補完的に協力するということなのか、その辺の解釈を教えていただければ。
(答)国内及び世界の経済需要を強化するために、先ほど私がお話しさせていただいたように、日米、アジアパシフィック、そして、世界経済、その世界経済のほうですけれども、相互補完的な財政、金融及び構造改革、三本の矢の一番プロトタイプのところです。財政出動、金融政策、そして、構造改革、それらを互いに補完し合って、それは何のためかといえば、総需要が足りなければ、老朽化しているインフラがあるとするなら、また、アメリカで新しく作っていかなければならないインフラがあるとするならば、もちろん日本から先進国のアメリカに国対国でお金を出すということはないですけれども、民間が投資をするということは、例えば新幹線ですけれども、大きなビジネスチャンスに民間の側もなる。こういうことをやっていくということがオーソライズされたという意味が私は大きいのではないのかと、そういうふうに思っています。
(問)日米首脳会談の関連で、共同声明でTPPに関してアメリカが離脱した点に留意するという記述と、あと、日米間については2国間の枠組みに関して協議を行うとあります。TPPに関しては、この共同声明はアメリカ抜きでの協定発効を目指すということと、あと、アメリカと日本は2国間の通商交渉を目指すということ、という理解でよろしいのでしょうか。
(答)これは昨日、フジテレビのBSあるいはNHKに総理が出ておっしゃっていましたけれども、アメリカの離脱表明、もうトランプ大統領が大統領令に署名されたわけですが、その後も日本がTPPにおいて持っている求心力、先ほどお話をさせていただきましたけれども、日米、アジアパシフィックがあって、そして、世界経済をともかく成長させていく、そういう方向に向かっていく中で、アメリカを除く11か国は11か国ともTPPを、TPPは関税交渉だけではなくて新しいルールを作っているわけです。そして、地政学的な戦略的な意義がある、そういうことであるからこそ日本が去年、大変苦労はいたしましたけれども130時間かかって国会で御承認を頂き、国会の承認も頂いたということで、一番早くこの1月20日に政省令も全部取りまとめて、寄託国であるニュージーランドに通報させていただいた、こういう求心力を生かしながら、今後どのようなことができるのか。もちろん大統領令があるわけですから、米国以外のTPPの参加国、先日も寄託国のニュージーランドのマックレイ貿易大臣が来られて、まだ、どうこうするということを今決めることは時期尚早ということで意見が一致したわけですけれども、議論がこれから更に深まっていくと。
 それは、目標としてはこのアジア太平洋諸国の経済の発展。そして、その先には総理とトランプ大統領も確認されたような、日米がしっかりとすることによって世界経済全体を押し上げていこうと、そういうことにつながる、そういう枠組みで御理解をいただければと思います。

(以上)