石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年8月15日

(平成28年8月15日(月) 10:30~10:39  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 閣議では特段御報告する案件はありませんが、4-6月期のQEが出ましたので、談話を読み上げさせていただきます。
 本日公表した2016年4-6月期GDP速報では、実質成長率は前期比0.0%、年率に換算すると0.2%、前年同期比0.6%となりました。名目成長率は前期比0.2%、前年同期比1.3%となりました。また、海外での稼ぎ等も含めた我が国全体の所得、GNIは、実質ベースで見ると前期比0.3%、前年同期比1.2%となりました。
 設備投資や外需がマイナスとなったものの、雇用・所得環境の改善等を背景に、個人消費や住宅投資がプラスになったことに加え、公共投資もプラスとなりました。
 我が国経済の現状については、このところ弱さも見られますが、雇用・所得環境の改善が続いており、緩やかな回復基調が続いていると認識しています。
 政府は、デフレから完全に脱却するとともに、しっかりと成長していく道筋をつけるため、8月2日に「未来への投資を実現する経済対策」を閣議決定したところです。本対策の着実な実施により、当面の需要喚起だけではなく、民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現につなげてまいりたいと考えています。
 今後についてですが、雇用・所得環境が引き続き改善し、経済の好循環が更に進展する中で、未来への投資を実現する経済対策の着実な実施等により、民需に支えられた景気回復が期待されます。ただし、中国を始めとする新興国等の景気の下振れ、英国のEU離脱問題に伴う先行き不透明感、金融資本・商品市場の動向、地政学的な不確実性等に留意する必要があると認識をしています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)GDPについてお尋ねします。個人消費はプラスになったものの引き続き低迷していて、設備投資もマイナスになっています。この背景についてどのようにお考えでしょうか。
(答)設備投資ですけれども、やはり企業の業況判断というものが慎重さを増している。先行きに対しての慎重な見方が増えている。これが背景にあるものだと認識をしています。ただし、需要部分も見ていかないといけませんので、四半期ごとに発表されます法人企業統計を見て、2次QEで改定をしていくという形になると思います。
 個人消費ですが、今回少し特殊要因があるのだと思います。ゴールデンウイーク期間が4-6月期に入っていて、熊本地震の影響で消費者マインドに足踏みが見られたり、九州地方の旅行需要が修学旅行なども含めて落ちている。そういうことに加えて、若い方や所得の低い方を中心に、先行きどうなるんだろうみたいな思いが強い。今期の4-6月期のQEを見る限り、そういうことが要因として考えられるのではないかと、そういう気がいたします。
 ですから、閣議決定いたしました「未来への投資を実現する経済対策」、補正予算という形で出てまいりますけれども、しっかりと実施することで内需を支えていって拡大していくということが、これから肝要になってくるのではないかと考えています。
(問)熊本地震が今回の4-6月期のQEに与えた影響をどう分析されたのか、聞かせてください。
(答)例えば、東日本大震災のときと違ってサプライチェーンに大きな影響ということはありませんが、九州北部に集積しているいろいろな産業、自動車やエレクトロニクスなど、地場の中小企業の方々もやっていて、そういう工場がまだ立ち直っていない。今、特に気をつけているのは、そういう方々が他の地域のものが入ることによって生産を諦めるようなことのないように後押しをしていく。これは中企庁を中心にやっているのですけれども、こういうものをきめ細かくやっていくということが生産という部分では重要なのだと思います。
 もう一つ、旅行の方は180億円ほど旅行券を発売させていただきました。これが好評で、大分県、熊本県が最大7割、その他の九州ですと5割引になるということで、こういうものが非常にプラスになって、夏は大分良くなってきたという話を聞いています。ただ、御存じのとおり、南阿蘇のところが橋が落ちていて、熊本県サイドからのアプローチが難しく、大分県サイドからのアプローチもしっかりとやっていく。
 大分ブルーシートが減ってきてはいますけど、まだまだありますし、仮設もまだ十分ではない。特に仮設でも現地資材を使った木の家はいいのですが、プレハブ型のものもまだありますので、こういうものにきめ細かくやっていくことが対策としては肝要なのではないかと思っています。
(問)靖国神社について、全閣僚に伺っているのですが、本日15日ですけれども、参拝の予定はありますでしょうか。
(答)15日に特に決めて参拝をするということはこれまでも行っていませんし、今日もその予定はありません。私は、政治の世界に足を踏み入れてから、8月6日、8月9日は、日が変わるとともに起きまして西の空に手を合わせると、こういうことを8月の行動としてさせていただいています。
(問)個人消費は前期比0.2%プラスという数字ですけれども、先ほどおっしゃったような特殊要因がある中で、この数字というのはある程度底堅さが見えてきたというように見るべきなのか、あるいは個人消費が弱いと見るべきなのか、それはどう捉えればよろしいでしょうか。
(答)個人消費はやっぱりそこそこというように見るのが大多数、トータルな感覚だと思います。私の実感としても、消費が急激に落ちていくというような感じはなく、地方の都市は県庁所在地など大きなまちしか歩いていませんが、地方でもそういう印象を受けますし、関東圏、東京エリアでは消費はそこそこなのかなという感じがいたします。

(以上)