加藤内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成29年8月1日

(平成29年8月1日(火) 10:58~11:13  於:中央合同庁舎第8号館1階s101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 閣議、閣僚懇についての発言は特にございません。
 冒頭2件。まず1点は視察の結果でありますが、28日金曜日、午前中に東京都文京区で行われております地域未来塾を視察いたしました。その午後、これは既にお話を申し上げた「ビヨンドトゥモロー 児童養護施設に暮らす高校生による『こどもの貧困』解決のための提言発表会」に出席をし、その後、東京都調布市で行われております子ども・若者総合支援事業の視察を行いました。
 文京区立第六中学校では、本年度から、毎日の放課後、また、夏休み期間の一定期間において、午前を中心に、学習の習慣づけを目指し、地域未来塾としての学習支援を実施しておられました。中学生の皆さんとも話をさせていただきましたけれども、それぞれ夏休みの宿題を自習したり、分からない点を担当の方、あるいは中には大学生のボランティアの方もおられましたけれども、勉強を教わっておられました。
 また、夕方の調布市の子ども・若者総合支援事業でありますけれども、この事業は、生活困窮世帯やひとり親世帯など様々な困難を抱える子供たちのために一体的に学習支援を行っておりました。学生ボランティアがマンツーマンで対応しておられて、子供たちからも、マンツーマンで教えてくれるのでよく分かる、ここへ来るのが楽しみだ、というような声も聞かせていただきました。
 視察を行って、まず、地域未来塾においても、大変それぞれの子供さん方が自発的に勉強に取り組んでおられる姿勢を感じさせていただきました。
 また、「ビヨンドトゥモロー 児童養護施設に暮らす高校生による『こどもの貧困』解決のための提言発表会」では、困難な環境においても前向きに挑戦する高校生の生の声を聞いてほしいということで声がけをしたところ、議員の方、あるいは経済界、そして役所の関係の方にも御出席をいただきました。高校生の方からは、なかなか社会とのつながりを持つのが大変難しいと、そういった意味から、大学、企業、支援団体と自分たちがつながりを持てるような、というようなプロジェクトの具体的な提案もいただいたところであります。
 また、その後、夕方の調布市の子ども・若者総合支援事業においては、生活困窮世帯やひとり親世帯など、様々な困難を抱える子供たちのための一体的学習支援でありまして、厚労省における二つの補助事業と市独自の事業をうまく組み合わせて、正に総合的な支援事業を行っておられました。
 いずれにしても、今回、児童養護施設の高校生の方からいただいた、つながりを持てるようなプロジェクトという提案、大変意義のある提案だというふうに考えております。具体的に、どうそれを我々の方から対応できるのかも含めて、検討させていただきたいというふうに思っております。
 また、今回の視察自体、国会でも、様々な各省から支援のメニューがあるけれども、なかなか組み合わせて使い勝手がどうなんだろうかと、こういう御指摘もいただいておりましたので、そういう問題意識も含めて行かせていただきました。
 調布市ではうまく活用されておられましたけれども、引き続き来年度予算も含めて、内閣府の持っている交付金をどういうふうに、また改めてつくり直していくのかということも含めて、国からの支援も、より有効的に対応できるように我々としても考えていきたいと、こういうふうに思っております。
 それから2点目は、昨日、幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議を持ち回りで開催いたしました。
 資料はお手元にあるとおりでありまして、平成30年度においても、家庭の経済状況にかかわらず、全ての子供に質の高い幼児教育を保障するため、環境整備と財源確保を図りつつ、段階的に幼児教育無償化に向けた取組を進めることとしております。その対象範囲や内容等については予算編成過程において検討すると、こういう中身であります。
 引き続き、政府・与党一体となって、幼児教育無償化に向けて取組を進めていきたいというふうに考えております。
 私の方からは以上であります。

2.質疑応答

(問)共同通信社の浅田と申します。
 内閣改造についてお伺いします。先程開かれました党の役員会の方で、安倍総理が8月3日に内閣改造を行うと表明されました。昨年の8月に発足した改造内閣で、加藤大臣、働き方改革担当相に就任されまして、また、前から引き続いて、拉致担当であるとか、女性活躍担当など多くの仕事をされてきました。この1年間を振り返って、大臣としてやってきたこと、できたこと、又はもう少しこうやれればよかったと思うこと、あればよろしくお願いします。
(答)まず、働き方改革は、その前にプランを出させていただきました一億総活躍社会の実現に向けて、最大のチャレンジであるという総理の位置付けの下で、特に長時間労働の是正、あるいは同一労働同一賃金など、非正規で働く方々の処遇改善、こういった問題については、厚労省あるいは労働政策審議会で、これまでも議論されてきたわけでありますけれども、残念ながら結論を得るに至らなかった、こういう課題に対して、総理をヘッドに、経済界、また労働界のトップ、そして有識者の方にも入っていただいて、明確な方向性を打ち出せたということは大変意義があったというふうに考えております。
 それから以降の具体的な取り運びは、今、厚生労働省又は労働政策審議会で行われておりますけれども、早期に法案を取りまとめて国会に提出すべく、引き続き努力をしていきたいというふうに思っております。
 それから、女性活躍については、27年12月に第4次男女共同参画基本計画を閣議決定もさせていただきました。また、去年の4月には、いわゆる女性活躍推進法が完全施行されたところでありまして、それの具体的な実施、既に事業主行動計画の策定率は大企業で99.5%と、こういう状況であります。更に見える化を進めていく中で、それぞれの企業の取組を推進していただきたいというふうに思いますし、また、政府の調達等においても、えるぼし認定等を受けた企業等、加点をするという仕組みを入れ込んでおります。こうしたことも含めて、それぞれの企業における取組の更なる推進を図っていきたいというふうに思っておりますし、また、いわゆる性暴力の関係では、平成29年度から、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター、この開設を更に進めていくためにも、促進交付金を創設させていただいたところでありますし、また、アダルトビデオ出演強要問題や、いわゆるJKビジネスと呼ばれる営業により児童が性的な被害に遭う問題、これに対しても緊急対策、今後の対策等を打ち出させていただきました。
 また、子供の貧困対策では、地域子供の未来応援交付金を創設し、具体的にNPO等において、その活用を今図っていただいているところであります。
 あとは、ほかにもいろいろありますけれども、少子化対策に関しては、待機児童の加速化プランを着実に推進するとともに、残念ながら待機児童の解消には至らないということを踏まえ、さらに子育て安心プランをつくっておられますので、それの具体的な実行に向けて、我々もできることは対応させていただきたいと思っておりますし、また、企業主導型保育事業も新たに規定をいたしました。先般、視察にも行かせていただきましたけれども、この取組に対して様々な期待もあります。着実に進めるとともに、5万人という今の保育の受皿がありますけれども、そうしたニーズも踏まえながら、そうした点の検討を更に進めていく必要はあるのだろうというふうに思っております。
 また、保育士の処遇改善ということでは、ニッポン一億総活躍プランにも盛り込み、平成29年度予算においては、全職員の処遇の2%の改善に加えて、月額4万円あるいは月額5,000円といった処遇改善も行い、また、保育士の方々が将来のステップアップというものを考えていただきながら対応していただけるような仕組みを入れることができたというふうに思っておりますし、また、介護についても同じような形で処遇改善に取り組ませていただきました。
 あとは、成年後見制度、あるいは休眠預金といったことも、それぞれ私が担当をさせていただくことになりました。
 成年後見についても、今年の3月に成年後見制度利用促進基本計画、この閣議決定をさせていただき、さらに、欠格条項についての検討を進めているところであります。
 休眠預金についても、来年の春を目途に基本方針の策定をすべく、休眠預金等活用審議会、今年の4月に設置をいたしましたけれども、そこで議論を行っていただいているところであります。
 また、拉致の問題に関しては、国際シンポジウム等を実施する、あるいは国民の集いに、それぞれの地域で共同で主催をしていただくものに出席をする。さらには、この5月には、初めて欧州議会を訪問いたしまして、この拉致問題に対する理解の促進等にも取り組ませていただきました。
 ただ、残念ながら、拉致被害者の方の帰国、あるいは帰国に向けての道筋を具体的にお示しをするという状況に至っていないということは、本当に痛恨の極みでありますし、関係者の方々の期待に十分お応えできていないということを認識し、さらに、この点については、本当に拉致被害者の方の高齢化も進んでいますし、御家族の方も進んでいるわけでありますから、本当にもう一刻の猶予もならないという、その思いをしっかりと共有しながら、一日も早い全ての拉致被害者の方々の帰国に向けて努力をしていかなければならないと、こういうふうに考えております。
 全部にわたってはいませんけれども、主立った点についてはそうしたことに取り組ませていただき、また、今後の思いはそういうところでございます。
(問)NHKの伏見と申します。
 幼児教育無償化の申合せについてお聞かせいただければと思うんですけれども、例年、予算編成の前にこういった方向性確認しているかと思うのですけれども、今年は安倍総理大臣も人づくり革命に向けて、幼児教育や保育の無償化について言及されているかと思います。今年度の予算編成に向けて、特にどういったところに力を入れたいか、どういった方針で臨みたいかという大臣の所見がありましたらお聞かせください。
(答)これまでも幼児教育の無償化ということは進めてきたわけでありますけれども、今回、今御指摘のあった、党内での御議論等も踏まえて、骨太の方針において、待機児童の解消とあわせて幼児教育・保育の早期無償化について、安定的な財源確保の進め方を検討し、年内に結論を得るとされているところでありますので、そうした議論も踏まえながら、当然議論をしていかなければならないというふうに思いますが、ただ、その議論と、これまでやってきた流れというのもありますから、全部がそこに溶け込まれるのかどうかということは、今の段階では分かりませんけれども、ここの議論としては、まず、幼児教育の無償化をこれまでも一歩一歩進めてきた、それを30年度予算でどうしていくのかという観点で議論をしていく。
 しかし一方で、今申し上げたようなことの議論もありますから、その辺の議論もしっかりと踏まえて対応していく必要があるのだろうと思います。

(以上)