山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年7月14日

(平成29年7月14日(金) 10:19~10:40  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 来週の17日月曜日に、地方創生に関し、地域における意欲ある取組や地域のニーズ等を把握し、今後の取組に生かすべく、奈良県斑鳩町、桜井市、明日香村、五條市を訪問する予定であります。詳細については、まち・ひと・しごと創生本部事務局にお問い合わせください。
 これ以外に、政務でありますけれども、日曜日には二階幹事長が被災地を視察されるということでありまして、私も地元に戻っておりますので、それに途中から合流したいというように思っております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)加計学園の問題で、昨日、民進党の加計学園の問題を議論する会合で、塩見参事官が出席されて、広域的に存在しない地域というその限定条件の決め方ですね、経緯について、ワーキンググループでなく、大臣もこれまでもおっしゃっていましたが、委員に意見を聞いてそれを決めたというような話をされていて、それについて民進党の議員から、非公式な場で結局決めているじゃないかと、不透明だというような批判が、昨日上がりました。
 2点お伺いしたいんですが、まず、どうして最終的な非常に重要な「広域的に」という限定する部分を、ワーキンググループなりそういうオープンな場というか、公式の議論の場で話し合って決めなかったのかという点と、その「広域的に」という限定の条件は、大臣が御提案されたのか、それともどなたか意見を聞かれたワーキンググループの方から提案が、こういうふうに入れたらどうですかという提案があったのか、その2点についてお伺いできますか。
(答)ワーキンググループというのは、規制改革の実現に向けて所管省庁と折衝を行うのが役割であります。つまり、制度を改正するかどうかということを決めるのがワーキンググループの役割であります。
 したがって、そうした諮問会議取りまとめの文案調整というのは、その制度を変えるということがワーキンググループで決まった後に、諮問会議で合意することになる各大臣及びその事務方の役割ということになります。つまり、制度を変えるというかどうかはワーキンググループで議論して決める。それが決まった後に、その上で諮問会議取りまとめ文案調整をどうするかというのは、これはワーキンググループではなくて、各大臣、そして事務方が詰めていく作業であります。したがって、ワーキンググループでそういう了解を得るとか、そういうことは、手続上必須の要件ということではありません。役割が違います。
 一方で、政府としては、折衝の当事者であるワーキンググループの委員の御意見も十分に踏まえて判断することが重要でありますので、その委員には、取りまとめ文案について、修正内容を含めて了解をいただいた上で、話を進めていくということになります。
 それから、広域的というのは、私が指示いたしました。それは従来から何度も言っているように、それまでの文科省や農水省、そういう役所同士のやりとり、それから獣医師会の反対意見、それから有識者議員の意見等も踏まえて、私の頭の中に幾つかのバリエーションがあって、最初は打出しは、我々の提案で出しましたけれども、それでもちょっと心配だという話があるということでありましたので、「広域的に」と入れろということを私が指示して、最終文案を調整し、そして文科省、農水省と調整した上で、これで結構だということになって、諮問会議の取りまとめの文案ということになったわけであります。
(問)委員の方に最終的に了解を得たということなのですが、それは方法は面談してなのか、メールなり事務方を通して提案、こういうふうにしましたということで、持回りというのですか、了承を得たのか、その辺のもしお話しできる範囲で教えていただければと思います。
(答)基本的には私が指示して、こういう文案でやるというので、了解を取れということで、要するに諮問会議のメンバーには事務方を通じてやることもあります。大体事務方でありますが、この点について、八田先生とは私は電話で話をして、了解を取ったということであります。
(問)地域の実情に応じた働き方改革、地域働き方改革の取組が進められていると思うのですけれども、その現状や先進的な取組、今後の方向性を教えてください。
(答)地方創生部局としての働き方改革についての取組でありますけれども、少子化の状況にはいろいろな地域差があって、特に雇用形態や賃金、労働環境といった働き方が大きな要因となっているとの認識のもとで、国による取組に加えて、地域の関係者が主体となった地域アプローチによる働き方改革を推進しているところでございます。
 具体的には、各地域で都道府県や労働局、労使団体、金融機関等の地域の関係者からなる地域働き方改革会議を設置し、地域の現状や課題を踏まえた働き方改革の推進を関係府省及び専門家が一体となって支援しているところでございます。
 また、地域の実情に即した働き方改革を進めるためには、企業等の相談にワンストップで包括的に対応する拠点の整備や、アドバイザーが直接企業に出向いて相談支援等を行うことが有効であることから、各地域での積極的な取組を促しております。29年度には20の県でワンストップセンターを設置しております。それから43の県がアドバイザーの派遣に取り組んでいるところであります。
 例えば、山口県では、昨年9月にやまぐち働き方改革支援センターを開設し、専任アドバイザーが企業に直接訪問して助言・提案を行うとともに、若者就職支援センターの企業コンサルタントと連携することで、企業の働き方改革が若者定着支援にも結びつくようにしているところであります。
 今後、こうした先進的な取組が各地に広がるよう、好事例集の周知やアドバイザーの育成マニュアルの普及に努めるとともに、地方創生推進交付金の活用も促しつつ、地域の特性に応じた働き方改革の取組が一層進むよう、引き続き支援してまいりたいと考えているところであります。
(問)今回、日本テレビでは、獣医師養成課程のある全国の大学にアンケートを実施しました。
 アンケートの結果、以前、大臣が日本の獣医学部の質は落ちていると御発言されたことについて、質は間違いなく向上している、それから根拠もなく論理性に欠ける発言、獣医学教育の改善に関する取組を理解しているとは考えられず危機感を覚えるなど、多くの大学から意見が寄せられましたが、そのような意見に対して、どう受け止められていますか。
(答)私は、評価というのは当人たちがやることではなくて、第三者がやることだと思っております。当人たちは一生懸命やっているということは、そういうふうに決まっている話だというふうに思いますから。
 その第三者というのは、国際的な評価機関がありまして、そこで世界の大学の獣医学部のランキングを出しているわけでありまして、それを見ると、50位以内に入っているのは東大が34位で一つ入っているだけということでありますから、その辺では国際的にはまだまだだと言わざるを得ないと。
 それから、向上しているということは確かですが、その前に、ちょっと正確な名前は忘れましたが、そういう文科省の協力者会議などからしっかりと中身を向上させるべきだという提言が出て、それを受けて、OIEの動向を踏まえたコアカリキュラムをきちっとするという方向で努力しているということは、理解しています。
 ただ、まだ十分ではないというように判断、第三者からはそういうふうに評価されているんだろうというふうに思います。
 それから、そういうことに詳しい有識者からも聞きましたが、やはり定員超過で結構多くの大学がやっているものですから、だから講義もやろうとしてもきちっとした机と椅子もない。通路に座って聞いている。
 あるいは実習の際も、実習の施設は定員のものしかありませんから、すると実際には自分でできないで後ろからのぞいているだけだというようなことで、これで大丈夫かなと、そういうふうに感じた先生方の話も聞いたこともあります。
 いずれにしても、一生懸命頑張っているという気持ちはよく分かりますが、評価は第三者がやるべきことだというふうに思います。
(問)同じくアンケートに関しまして、国家戦略特区での選定に当たって、去年11月の戦略特区の諮問会議において、初めて「広域的に獣医学部が存在しない地域に限り」という文言が入ったことについて、全国の大学のうち四つの大学が、加計学園ありきだというふうに回答して、選定の公平性に関して疑問を示しました。
 こうした声をどう受け止められますでしょうか。
(答)それは単なる誤解だということは、これまで何回も説明してきたとおりです。
 「広域的に」と入れたからといって、加計学園は決まるのは公募で決まるわけですから、まだそんな段階ではないわけでありまして、今治にそれで決めたというようなことは全くない。広域的な定義というのは、きちっと示しているわけではなくて、それは一つの都道府県だけではなくて、少し周辺も見て、他の獣医学部がなければ可能ですから、全く他のところを排除しているつもりはありません。
 それは今までも何度も国会答弁で答えてきたところであります。
(問)諮問会議以前から加計学園というような名前が寄せられていて、そもそもほかの大学が入り込む余地がなかったんじゃないか、もうその前から、加計学園ありきというように認識されている大学も、意見として寄せられているんですが。
(答)加計学園って、それは今治市は構造改革の時には、加計学園という名前を出していました。ただ、国家戦略特区については公募ということでやろうということで、今治市が提案しているわけですね。それを我々は見てやっているわけで、最終的に公募で加計学園というのが決まっていくわけですけれども。
 だから、その点は、もう何度も言っていますけれども、9月7日に加計理事長が私のところに来ましたけれども、最終的には公募で決まるんですよと、きちんとルールに基づいてやりますからねと、私も直接申し上げて終わりました。その意味では、全く加計学園ありきというような話でやっているわけではありませんので、その点は是非よく理解してもらいたいと思います。
(問)話変わりまして、中国のノーベル平和賞受賞の劉暁波さんが亡くなりましたが、治療を求めて、国外での治療を中国政府が認めないなど、対応に国際的な批判も上がっています。大臣の受止めをお伺いします。
(答)ちょっとその問題については詳しくないので、現時点でコメントは差し控えたいと思います。
(問)加計学園の獣医学部新設問題に関係してなんですけれども、昨日、安倍首相が閉会中審査に応じるということで、当初、自民党側は一度拒否をされたようですけれども、首相が受け入れるということから一転して、開催されるということになりました。
 自民党側には、当初から、堂々巡りになるというような意見もあって、閉会中審査には否定的だったと思いますが、今回のこの獣医学部新設については、内閣府も絡んでくるんですけれども、こうした経緯を踏まえて、今回の開催について、大臣の受止めをお願いしたいんですが。
(答)総理も是非、きちんと説明したいということで閉会中審査を、予算委員会ですね、やろうということですから、大いに結構ではないかというふうに思います。私も従来から、きちんと説明してきましたが、改めて説明させていただければというふうに思っています。
 この前のときには、もっと私に聞いてくればきちんと説明するのになと思っていたんですけれども、そういう意味で、しっかりと聞いてもらえれば十分な説明をできるだけやりたいというふうに思っています。
(問)これに関連してなんですけれども、野党側から、和泉首相補佐官の国会への、閉会中審査への招致という声も、要求も上がっていますが、まだこれは何も決まっていないのですけれども、その点について、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)それは国会が決めることだから、国会、理事会で決めることだというふうに思いますので、それに任せたいというふうに思います。
(問)先程の話でちょっと確認で教えていただきたいんですけれども、大臣の判断で、その「広域的に」という文言を入れられたということですが、改めて「広域的に」という言葉の定義、どのぐらいの範囲というふうに想定されて大臣はその言葉を入れたのか、その定義を改めて教えていただいてよろしいですか。
(答)きちんとした定義があるわけじゃありません。何キロから離れたらとか、そういうのはありません。
 ただ、その前の段階のレベルだと、自分の県内にあるとできないけれども、自分の県になければできるのではないかという解釈もあり得たわけですね。それだと、ちょっと隣の県ですぐ近くにあってということになると、既存のところからもちょっと困るというような話も出ているやに聞きましたし、それから、基本的に我々は産業動物獣医師の偏在、特に感染症対策、水際対策が非常に大事だということで、そこのところは大事だというふうに思っていましたので、それを含めて、それから獣医師会の反対もあって、もう少し自分の県になければ良いというのではなくて、もうちょっと広い感じで、ないところをまず埋めていくということから始めた方が良いのではないかと、そういう感じです。
 だからこれは、どこだったらどうかというきちんとした定義があるわけではないので、若干そういう意味での厳密さというのはありませんけれども、基本的に周囲を見回して近くにはないと。そして同時に、産業動物医師の不足しているところを中心に考える、特に感染症対策、水際対策の観点から考えるということが主な理解として、そういう文言にしたわけであります。
(問)そうしますと、同じ都道府県という意味ではないということは一つ当然としてあるものの、例えば隣県であっても、近くでなければ少し離れているようなところであるならば、広域的にということにも該当するということですね。
 ちょっと非常に我々の素人感覚で恐縮なんですけれども、普通広域的にといった場合に、やはり隣県、隣の県ですと幾ら距離的にちょっと離れていたとしても、それは広域的には当たらないんじゃないかというふうに捉えるのが、ちょっと素人的な感覚になるかと思うんですが、結果今回、そういったことで京都産業大学さんのほうも手を下げられた経緯があると思うんですけれども、なぜ、ちょっとそういった解釈に少し幅が持つような、「広域的に」という言葉にされてしまったんでしょうか。もう少し何か具体的な言葉にされていれば、そういった思い違いみたいなものというのは起こり得なかったんじゃないかなと思ったんですけれども。
(答)京都産業大学は、そこで落とされたなんて感覚を我々は全く持っていません。獣医師会も思っていなかったと思います。だから獣医師会、その後、1校にしろと言ってきたんだと思いますけれども。
 ただ、最初のだと自分の県でなければすぐできますねというような話になって、これだと獣医師会もなかなか納得しがたいのではないかというような話がいろいろやりとりの中でありまして、そういうのを含めて、もうちょっと範囲を広げた形にしようということでありまして、ただそれが、隣の県だったらだめだと、そんな感覚では考えていませんから、当然、我々は京都の提案も、新潟の提案も四国の提案もある程度、頭にあるわけですから、それを別に外すわけではないけれども、他がどんどん自分の県でさえなければ良いのではないかということは避けようということで入れたわけです。
(問)ちょっと細かい話で恐縮なんですけれども、そうしますと大臣の感覚としては、隣の県であっても、少し離れた場所であればそれは広域的に当たるという……
(答)その周辺で他にもなければ。

(以上)