山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年6月20日

(平成29年6月20日(火) 10:49~11:13  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 地方創生人材支援制度、いわゆるシティーマネージャーの平成29年度派遣について、3月に55市町村への派遣を公表し、4月以降、国家公務員、大学、民間企業から43名を派遣したところであります。残りの12名について、いずれも国家公務員でありますが、この夏より派遣いたします。夏からの派遣者の氏名、出身省庁、市町村での役職といった詳細については、お手元の資料のとおりであります。
 派遣者の方々には、派遣先の各市町村において、市町村長や役場の職員、住民とともに汗を流して、地方創生の推進の中核を担っていただきたいと期待しております。詳細は事務局にお問い合わせください。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)よろしくお願いいたします。加計学園の関係でお伺いいたします。
 昨日、先週行われた調査で存在が明らかになった文書とはまた別に、萩生田官房副長官から獣医学部の新設を容認するよう求められたとする文書の存在が改めて報道されました。この中で、総理は平成30年4月開学というふうにお尻を切っていたという記載ですとか、あるいは萩生田副長官が今治市が獣医学部を新設する上で条件をクリアするための具体的なアドバイスをしていたということが記載されているということです。
 これについて、大臣、こうした文書が見つかったことに対する受け止めと、それとそもそもこうした文書の存在について大臣御自身確認されているのか。
 それともう1点、今後、こうした文書が文科省内で共有されていたというものではありますけれども、これらについて内閣府として改めて調査するお考えはございますでしょうか。
(答)昨日のNHKクローズアップ現代で、新しい文書という報道がなされたことは承知しておりますけれども、資料については、文部科学省から入手したといった内容だと聞いておりますので、いずれにしても内閣府の問題ではないというふうに考えております。
(問)萩生田さんと和泉さんが直接調整に乗り出している状況が克明に描かれている文書で、大臣がこれまで国会等で発言されていた、私が指示したということが根底から覆されるような状況になると思うんですけれども、それについてコメントをいただけませんでしょうか。
(答)全くそういう話ではないと思います。私が指示して、11月9日の文書に取りまとめてあるのは、10月末ぐらいですね。そして、10月の28日に最初の原案を文科省に提示して、そこでは既に獣医学部が存在しない地域に限るということを、既に提示したわけであります。
 その後、文科省のほうとのやりとりの中で、獣医師会等との意見調整が必要であるとかいうような、いろんな意見が出て、そしてそれを踏まえて最終的に私が、広域的にということを入れろということで指示して出したのが、11月1日であります。
 そして、それで11月1日の午前中に私が指示して、それで最終的に文科省との間でまたやりとりをして、文案が決まっていくわけでありますが、正にこの文章の内容については、そういうタイミングで私が指示してやったということでありまして、それ以上のことは全くあり得ないというように思います。
(問)この文章は10月21日付になっていまして、大臣が各省に指示を出す、要請を出すより前の段階でありまして、こういった官邸からの調整が大臣の指示に影響を与えたということはないんでしょうか。
(答)全くありません。そんなこと、私は全く聞いておりません。
(問)内閣府の調査でも確認された萩生田副長官の指示と記載されたメールを作成された職員の方について、大臣、16日の記者会見だったり、あるいはその午後の参院の予算委員会などで、陰に隠れて本省に御注進していたというふうに答弁なり会見でお話しされていますが、これに対して野党から、役人に責任をなすりつけているというふうに批判が上がっています。
 大臣の御発言を聞くと、部下である一職員にかなり悪者といいますか、そういう責任を押しつけているような、確かに印象を受けるわけですけれども、この御自身の発言について適切だったというふうにお考えでしょうか。
(答)この、陰に隠れてというのは、ちょっと私が言い過ぎだったということは反省しています。ただ、この件については、今回の調査でも、メールを送った職員に記載内容の真偽を確認したところ、藤原審議官からこの旨直接聞いたことはなく、事実関係の確認も不十分なまま連絡したとのことであり、本人も反省していると聞いて、そういうふうに報告書に述べられております。
 予算委員会の私の答弁の真意は、メールを送った職員は直接の担当ではなく、十分な確認をせずに不正確な情報を伝達してしまったことについて、遺憾だということを述べたものでございます。
(問)そうすると、陰に隠れて本省に御注進したというような大臣の御自身の発言について、撤回されたりだとか、あるいは職員の方に謝罪されたりというような、その御対応は何かお考えではありませんか。
(答)陰に隠れてというのは確かに言い過ぎたと思っておりますので、反省しております。御本人には、終わった後、すぐ電話でありましたけれども、ちょっと言い過ぎたので申しわけなかったということは申し上げました。
(問)1点目は、昨日明らかになった新文書の中ですけれども、昨日、総理も言っていましたように、疑惑に対しては説明責任を果たすというふうにおっしゃっていましたけれども、あの文書の中に、内閣府でも話したという文言が入っていますので、そのかわりその内容が事実関係がどうだったのかということについて内閣府としても調査しないのかということを改めて聞きたいのと、もう一点、「広域的な」という条件が付いた経緯のところで、これまでの国会答弁で、野党から、「じゃ、いつ『広域的な』が付いたんだ」ということに対して大臣は、「10月下旬に自分は決断した」と、それで「10月28日に事務方に指示して文科省に示した」というふうには言っているんですけども、それと後から萩生田さんに指示したメールというのは「広域的」という修正をしたのは11月1日になっているので、その辺り今までの国会答弁とそごがあるように思うんですけども、その辺り矛盾はないのかという確認の2点なんですけれども。
(答)その文科省の文書で云々ということは、その文科省の方においてどういう文書なのかということをきちっとしてもらわないと何とも言えません。
 それで、追加の調査の必要があればですが、私どもが調査した中では、内閣府は国家戦略特区のところは特に人手も不足しておりまして、いろんな会合が重なっていって、全ての会議について記録をとることはできておりません。ただ、当然必要な正式な資料とか、審議会とかそういうことについてはちゃんと、それは記録に残していますが、全部についてやるにはちょっとマンパワーとしてとても足らないということで、これは報告書の中でもちょっと触れておりますが、そういう意味では、内閣府の中には一々のやりとりとしての記録はありません。そういうことがあります。
 それから、「広域的に」ということについては、私が10月の下旬に、獣医師会の強い反対の意向、それから、文科省、農水省等との交渉の経緯、そういうのを含めて八田座長と非公式に相談もして、ここはとにかく早く実現を図るという観点もあるし、しかし、そうした一方で慎重な意見にも十分配慮する必要もあるというふうなことで、少し地域を限定にすることも一つの考え方かなということで、そういうことを踏まえて、総合的に私が10月の下旬に判断して、それを踏まえて10月28日にそういう限定した案を出しました。既に限定しているわけですけども、しかし、それでもまだ文科省からは、やはり獣医師会等の意向が気になる等を言われて、改めて、その文科省からの反応等を含め、そこはやはり、それではもう少し限定を高める形で「広域的に」ということを入れますよということで、それで良いのではないかというふうな話で11月、正に最終的に決断して指示を出したのは11月1日の午前中ですけれども、それは従来から言っているとおりだというふうに思いますが。
(問)先ほど、文科省でもし昨日出た文書が確認されたとなれば、改めて内閣府であの文書の内容について再調査するという、そういうお考えはありますか。
 それともう一点、さっきの「広域的」ということですが、今までの国会の質問で野党からは、「広域的」というのはいつ付いたんだという質問だったと思うんです。それに対して山本大臣は、10月下旬に自分が判断した、決断したというふうに言っていますけど、メールは11月1日に修正指示が来ているんですね。だから、そこのずれがあるんですけど、そこはどう説明するのかというのは今の説明じゃ分からなかったので、もう一度お願い、その2点。
(答)いや、10月の末に限定するということはもう決断して、そして28日に限定する方針を出しているわけです。ただ一方で、それでも文科省との間でやりとりする中で、この限定だといろんなところで可能性はありますねというような話もありましたし。
(問)野党の質問は、いつ「広域的に」というのが付いたんだという質問に対して、そのとき国会では、山本大臣は「10月下旬に」というふうに答えているんですよ。それと、新しいメール文書では、11月1日に修正指示が出ているので、じゃ、そこが今までの答弁と違うんじゃないかという疑問なんですけれども。
(答)「広域的に」という文言自体は、最終的に決めるのは11月1日です。ただ、限定していかなければいけないというのは、10月の末に決断してあるわけです。そのときの最初の出し方は、獣医学部の存在しない地域において、ということで提示しています。しかし、それでもなおかつ文科省からの、獣医師会についての懸念とかそういうことが広まってきて、再度、そこはより限定した方がいいだろうということで、最終的に「広域的に」という言葉が入ったのは11月1日であります。
(問)先ほどの説明で、では仮に新しい昨日出てきた文書について、内閣府が存在を確認しますと。では、そういうものがありましたとか、あの発言がありましたということになった場合は、内閣府のほうでも、それに関わる部分について、事実関係などを再調査するお考えはございますか。
(答)そこはちょっと文書をよく見て、それから検討します。
(問)今の話でちょっと関連してお伺いしたいんですれども、そうするとまず10月28日に限定するというふうにされて、11月1日に広域的という要件を出されたということですが、再三出ていますように、この広域的なというようなことがついたことによって、実質的に京都産業大学のほうが要件を満たさずに、加計学園のみというふうになったというふうに言われるわけですけれども、大臣、その「広域的に」と付くときに、その文言が付くことによって、実質、加計学園のみになるということは、そのときは認識はしていらっしゃったんでしょうか。
(答)いやいや、広域的にを付けることが、どこかを排除するとか、そういう感じで言っているわけではありません。これは広域的という解釈はかなり曖昧なところがありますが、県とかそれで区切っているわけでもありませんし、そこは京都産業大学だって、その地域、場所によってはあり得るというようなことで、別に京都産業大学や新潟を外すというようなことで考えているわけではありません。
(問)そうすると、「広域的に」と付いたとしても、大阪府に既にあっても、京都産業大学さんが京都で設けることは可能という、そういった理解、認識ですか。
(答)だから、それはその場所によるということですね。
(問)京都府の中でもということですか。
(答)ええ。
(問)じゃあ、それを付けたことによって、必ずしも京都産業大学の要件を排除したとは考えていらっしゃらない。
(答)もちろん排除してないし、京都産業大学はどこに行ったって、そこで公募に応じればいいわけですから、全く問題ないと思います。
(問)公募に応じた際に、その要件によってはねられる可能性というのはあったんでしょうか。
(答)場所によると思います。
(問)先ほど御注進について職員さんにちょっと言い過ぎたということで、反省ということで、御連絡されたということですけれども、御注進しようとしたということと、メール自体の信憑性というのは全く別の話なのかなと思うんですが、このメール自体の信憑性というのは、御説明がありましたように、御本人に確認して、御本人がちょっと又聞きみたいなところがあったということで、確認されたということなんでしょうか。
(答)そうです。これは私どもの調査の中で、その真偽について確認したところ、藤原審議官からこの旨を直接聞いたことはなく、事実関係の確認も不十分なまま連絡したとのことであり、本人も反省しているというように聞いているところであります。
(問)「広域的に」の点でちょっともう一点教えていただきたいんですが、先ほど、その範囲を必ずしも限定するものではないとおっしゃいましたが、では「広域的に」ということを入れると入れないことで、どのように制限範囲が変わってくるのでしょうか。具体的に、この「広域的に」ということを入れたことで何が変わってくるんでしょうか。
(答)私どもの感覚としては、獣医学部の存在しないところにおいて、というような最初の案文で出しているわけですね。そこである程度限定するという気持ちで出しているわけですが、文科省とか意見を踏まえ、それだと、直接ないところ以外は、できるのではないかというような話になりかねないというような議論もあって、そうかと。それから、特に獣医師会の意向について非常に気にしているというような指摘も文科省からもあって、そういう意味では、では、より限定というのを強くしようということで入れたということであります。
(問)つまり「広域的に」ということを入れることで、都道府県内にないところにという意味と同義語だということでしょうか。
(答)そこは違うわけで、都道府県とは書いていないので、そこは都道府県の中でもどこにあるか、その周辺との関係で決まってくるということであります。
(問)先ほどの御注進の話に戻るんですけれども、確かに言い過ぎたと大臣、今、おっしゃいましたけれども、そもそも大臣、最初、ぶら下がりで、文科省から出向していて、親元に隠れて報告していたと、いわば内通を指摘しているんですけれども、そもそもこの内通という行為は大臣御自身はあったと認識しているのでしょうか、今現在。
(答)いや、この当人は直接の担当ではないんですけれども、推進事務局としては、文科省との連絡窓口ということで、会議に参加するときもあるし、参加しないときもあるというような話でありますので、そういう意味では、内閣府で起こっていることについて報告することはあるのかと思いますが、ただ、直接の担当ではない者が、それについて、正式な報告として出しているものではないというところは言わざるを得ないということであります。
(問)御自身、今、内通があったというふうに認められたと、御認識があったということだと思うんですけれども、そこまで言うのであれば、その内通の内容、またその証拠、上司である大臣がそこまでおっしゃるのであれば、部下のことを内通者のように言うんであれば、示す必要があると思うんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
(答)これについては先ほどからお話ししたように、調査報告のところを総括審議官以下が、本人にも聞いて、担当者から伝え聞いた曖昧な内容であって、事実関係は確認しないままメールを送信してしまったことを認めておりますということであって、その点については反省していると本人も言っているわけでありまして、そういうふうに受け止めています。
(問)大臣、一応内通ということで、一応個人攻撃的なことをされているので、やはりヒアリングのやりとり、録音とかメモしたもの等があれば、示していただいて、それを検証する必要があるかと思うんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
(答)ヒアリング云々について、それはだってヒアリングした担当者を信用するしかないと思いますけれども。
(問)そのやり方ですと、我々第三者としては、ちゃんとした説明として受け取れられないんですよね。昨日、総理会見でおっしゃっていました。冷静に分かりやすく、一つ一つ丁寧に説明したいというふうにおっしゃっていました。冷静に丁寧に説明する以上は、やはり何か物証を示していただく必要が僕らとしてはあるんですけれども、前向きに調査のほうを検討いただけませんでしょうか。
(答)もう一回、調査した担当者にその辺は確認したいと思います。
(問)物証を出していただけるということですか。
(答)いやいや、何が物証なのか分かりませんけれども、調査について、そんなものを録音しているかどうか知りませんけれども、恐らくしていないと思いますよ。そういうものについて、改めて確認はしたいと思います。
(問)文化庁の京都府移転についてお尋ねします。文化庁は入札や工事の期間を考えると、移転が2021年度以降にずれ込むという見積りをしていますが、大臣のそのスケジュールについての認識を教えてください。
(答)そういう報道があることは承知しておりますけれども、政府においては現在、文部科学省を中心に京都府・市等と検討を進めておるところでありまして、移転時期については何ら決定しているところではありません。文化庁の移転は、昨年3月にまち・ひと・しごと創生本部で決定した政府関係機関移転基本方針に基づき、数年のうちに移転することになっておりまして、文部科学省、内閣官房、京都府、京都市からなる文化庁移転協議会において検討を進めているところであります。昨年12月に文化庁移転協議会で取りまとめた文化庁の移転についてでは、本格移転先について四つの候補地を示して、今後、費用の分担関係などの検討を進め、8月をめどに具体的な庁舎の場所を決定することとしております。今後とも、文部科学大臣とも連携を密にしながら、8月の具体的な庁舎の場所の決定等、文化庁の京都移転の取組を着実に進めてまいりたいと思います。その8月の場所が決まって、そういうことがだんだん議論されていくことになるんだと思います。

(以上)