山本内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成29年2月28日

(平成29年2月28日(火) 8:47~9:00  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 まず、RESASについて、本日、平成28年度開発の第2次リリースとして、関係省庁等の御協力の下、人口、観光、まちづくり、雇用、医療、介護などのデータを追加いたします。国民の皆様方に広く御利用いただければと存じます。
 併せて、利用者の利便性向上の観点から、既存のメニューについて一部データの入れかえやメニュー構成、名称の見直しも行います。
 また、3月26日日曜日の午後に東京・六本木にて、「地方創生RESASフォーラム」を開催いたします。私の基調講演のほかパネルディスカッションや、同日午前中に行われる「RESASアプリコンテスト」の受賞作品の紹介などを予定しております。本日より聴講申込みが可能でありますので、是非御参加ください。
 具体的な内容は、後程、事務方からブリーフィングしますので、そちらで詳しくお聞きください。
 以上です。

2.質疑応答

(問)先週末視察された香川県と宮城県の視察の件で、これは画期的だったり先進的だとして全国に広めていきたいような事例がありましたら教えてください。
(答)全て画期的だったような気がしております。
 まず、土曜日に宮城県の亘理町と石巻市を視察いたしました。
 亘理町では、アイリスオーヤマと舞台ファームという会社が共同出資で作った「舞台アグリイノベーション株式会社」による精米工場があるんですけれども、徹底したオートメーション化をやっておりまして、安心・安全の確保や、品質向上のために徹底した検査をやっています。放射能から始まってありとあらゆる検査、あるいはおいしさの検査。
 それから、倉庫は全館15度に冷房が保たれたオートメーションによる管理を行っておりまして、お米というのは15度でずっと管理すると栄養も壊れないし長持ちするということだそうであります。これは他者の貯蔵庫では温度が上がり、場合によっては、それで味を壊すというようなことでありますがここでは完全に15度で管理されており、その話を聞いたら、アイリスオーヤマさんで売っている米を食べたくなるぐらいの感じになるような画期的なやり方でありました。
 そして、ここは東北の被災地ですが、北海道を初めとする広域的な生産者からのお米を取り扱っておりまして、アイリスオーヤマの社長さんの話によれば、福島県については、全部やらせてくれれば、全てすばらしい稲作地帯にしてみせると、そういうことを言っておりまして、これは復興にも大変大きな貢献をするのではないかと思いました。
 石巻市では、これまた画期的な取組ですが、水産業復興特区の活用により、桃浦かき生産者合同会社が漁業権を取得して、民間企業と連携したマーケットインの商品開発や六次産業化の取組を行っております。
 漁業権というのはこれまで聖域みたいなものでありますが、これを水産特区で初めて企業が漁業権を取得できるようになったということであります。私は、将来的にはこうした形を一般的に広めていくことができれば、日本の漁業も養殖漁業というものが大きく拡大し、生産性も向上するのではないかなと思い、先駆的な事例の一つとして、以前から注目していたのでありますけれども、今回、この取組の成功を拝見しまして、心強く思いました。
 また、仙台市では、「地方創生チャレンジミーティング」で約250名の方に集まっていただき、意見交換もいたしました。
 この「地方創生チャレンジミーティング」は、今週3月4日の土曜日に、名古屋市においても開催しますので、是非報道関係者もお願いしたいと思います。
 それから、26日日曜日は、香川県の高松市、直島町を視察いたしました。
 高松市では、各地を回りますと商店街のシャッター通り化みたいな問題をよく言われるので、商店街でうまくいっている事例ということで、その最たる事例がこの高松市の丸亀町商店街であります。
 ここは、やはり商店街振興組合の歴代の理事長さんがしっかりしておられて、皆さん方の意見をまとめて、土地の所有と利用を分離する。そのことによって利用権をまとめて、テナントミックスと彼らは言っていますが、最適なテナントの組み合わせを考える。つまり、あるゾーンは飲食中心のゾーン、あるゾーンは衣料関係のブランドも含めた店が並ぶゾーン、あるゾーンは医療や健康、介護関係のゾーン、そんなゾーンごとの商店街の組み合わせの全体を一つの商店街としてまとめる。そして利用と所有を分離して、商店街は、ミラノの商店街をまねしたガレリアというのがあって非常にしゃれた商店街になっていますが、商店街からちょっと見えないんだけど、実は商店街のお店の裏の方は巨大なマンションになっておりまして、住民が住みながら商店街を楽しめる。つまり、これからの商店街というのは、やはりお年寄りもいますから、歩いて楽しめるようにするんだ。したがって、車や自転車は一切入れない。自転車は押して来ることはできるんですけど、しかし、乗ってはいけないということで、そこ全体が歩く空間になっていまして、またいろいろ楽しい、そして全体を見れば全てが整っていると、そういう商店街を作っておりまして大変にぎわっておりました。
 高松市は人口42万人ということでありますが、私の地元の北九州市は人口95万人ですけれども、北九州市の商店街よりもよほどたくさん歩く人がいて、活気が有るという感じで大変感激いたしました。
 こういう形で商店街の関係者が利害調整をしてしっかりやっていけば、必ず商店街も大規模店舗に負けないようなことができるということを感じて、全国の商店街のモデルとなるのではないかと思いました。
 また、直島町では、これは御承知の方もいるかもしれませんが、いわゆるアートによる島づくり。小さな島ですけれども、ベネッセコーポレーションの福武さんが手がけて、島全体をアートの島にしています。一番有名なのは、地中美術館というのを作って、そこにモネとか、彫刻等の作品があります。島にはそれだけではなくて、町の古民家のたたずまいを大事にしつつ、その古民家の中で近代絵画、近代美術を展示している。あるいはお宮を改修する際に、芸術家がお宮に寄附してくれと言われたので、寄附はするけれども、そのかわり自分の好きなようにやらしてくれと言って、そのお宮をきれいに建て直しまして、そこに近代アートの作品も組み込んで非常に面白い。伊勢神宮の一つの宮みたいな感じですが、そこにガラスの近代美術が置いてある、そういうものとか、本当にすばらしい。
 島全体にいろいろな近代美術の作品が置いてありまして、結構外国人の観光客もぶらぶら歩きながら、いろいろなところを楽しみながら観光しているということでありまして、これまたすごい取組だなというように思いました。
 そういう意味で、それぞれの良いところをそんなに全部、どこの地域も同じようなことができるとは思いませんけれども、やはり自助の精神を持って何か頑張ろうと、そういうことが必要でありまして、それについては我々は全面的に支援していきたい、そんなふうに思っております。そんな感じです。
(問)先週質問したんですけど、大臣、プレミアムフライデーで地元に帰られたということですけれども、そこで実際体験されてどうだったのかということと、あと、昨日、国会で予算委員会がありまして、結局、なかなか公務員の方は、実際、金曜日の午後といっても休みづらかったんじゃないかなというようなお話も聞いたりもするんですけれども、今後のそういった在り方について、国家公務員制度担当相として何か御感想等あれば教えてください。
(答)私は、日頃から親しくしている、勉強会などもやっている友人と、今回早目に戻ることができて、ゆっくりと議論と食事を楽しみまして、大変有意義な週末を迎えることができました。 ただ、国家公務員の皆さん方については、予算委員会の総括審議が月曜日に予定されておりましたので、その準備のところはちょっとあったかと思いますが、それでも、それ以外のところは、私の秘書官を含めて、結構楽しんでもらったと聞いております。映画を見たり、食事をしたりということで楽しんだというふうには聞いていますので、今後とも是非、国家公務員においてもしっかりと休暇は取るし、無駄な残業、超過勤務というようなことはないように、そして関係者の方もそういう取組が採りやすいようにしっかりと促していくということが大事だというふうに思っております。

(以上)