山本内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成28年11月29日

(平成28年11月29日(火) 10:05~10:21  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 行政改革担当大臣として、昨日開催した行政改革推進会議について御報告いたします。昨日の行政改革推進会議では、お手元にお配りしているとおり、秋のレビュー等について取りまとめを行いました。本日閣議後の閣僚懇談会においては、今回取りまとめた指摘事項を来年度予算や事業の改善に的確に反映していただくよう、各大臣に要請したところであります。麻生財務大臣からも、今回の取りまとめで指摘された事項について各府省と検討を行い、その結果を来年度予算にしっかりと反映させ、予算の重点化・効率化を進めていく旨の発言がございました。

2.質疑応答

(問)この週末に大臣が行かれた北九州市への視察について、行かれて、今後の取組に生かしたいことなど、教えてください。
(答)北九州市では、ドローンの実証実験、そして介護ロボットの実証の状況を見させていただきました。また、翌日は旧安川邸の整備、あるいは企業版ふるさと納税の対象事業に指定した小倉城周辺について視察してまいりました。
 特にドローンと介護ロボットは非常に深い印象を受けました。
 ドローンを使ってトンネルや橋梁やダムといったインフラ関係の検証とチェックをする。そういうことが相当程度できてきているということでありまして、建設分野での人材不足にも対応できるのかなと思いますし、これをしっかり進めていただければ、新しい産業の芽として、大きく羽ばたくんじゃないかという印象を持ちました。
 それから、介護ロボットについては、これは国家戦略特区として北九州を指定して、「生涯活躍のまち」の対象にもしているんですけれども、その中で、現場ではロボットを使って、できるだけ事業を効率化していきたいということであります。介護の現場では人材不足も深刻になっておりますし、また、介護している場合に、その対象者を抱え上げたりするという作業が大変多いもんですから、腰を痛めるということが多いということで、こうしたことに対応するためにロボットの活用を考えようということであります。そのために、現在の介護の現場における作業と負担感の実証をきちっとやっておりました。そのデータをしっかりと取った上で、ロボットを使うとどれだけ改善するかということが比較検討できるわけでありまして、大変先駆的な検証をやっていただいているなと思いました。これは全国の介護現場でも使えるデータじゃないかなというふうに思っています。
 ロボットも色々ありますが、抱えるときに手伝いになるロボット、それから、介護者が腰の負担がないように人工筋肉というのを使って、そうした作業が楽になるようなロボット。あるいは、小さなロボットですが、歌を覚えていましてね、僕が行ったときには、6人ぐらいのおばあちゃんと一緒に童謡を歌っているんですけれども、昔の「もみじ」とか「ふるさと」とか、そういう童謡を、「今度は「もみじ」歌いたいな」と言ったら、そのロボットが答えて「じゃあ歌いましょう」と言って、ロボットが歌い出す。それに合わせておばさんたちが歌っていると。それはすごいなと思ったら、もっとすごいと思ったのは、その施設の方からは「いや、ここで歌っている人はみんな認知症ですよ」と。認知症でも昔のそういう童謡なんかは歌い出したら一緒に歌うんだなと思って、びっくりしました。
 これは先般官邸で開かれた未来投資会議で披露されたんですが、これからの介護は、単に世話をするだけではなく、支援介護という、色々と機能を強化する取組によって介護度を下げていく方向に介護が進んでいく必要があるということでありました。ただ、現在では介護度が下がると介護報酬も下がりますので、インセンティブはありません。その辺を改善しなければといけないという議論が行われておりました。通常の歩行のリハビリというのは決まった時間でしかできませんが、北九州で視察した介護現場では、歩行を助けるロボットを使っていて、常に日頃からロボットと一緒に歩くことができるので機能回復を図るということができていました。将来的には、その方向に支援介護が進むことにもなれば、介護に必要な人員基準をロボットで減らしていくことができるようになることが一番の目標であります。
 そういう意味では、今までは、介護される人3人に対して、介護しようとする人が1人いなきゃいけないなど、色々あるんですが、それを減らしていけるようなことになれば、介護人材不足にも対応するし、それからドローンも、そういう建設人材の不足にも対応できます。ただ、今は人間が目視しなきゃ駄目だとの規制がありますから、そういうところは規制緩和していかなきゃいけないということとつながるわけであります。そういう意味では、非常に先進的な取組で、これらが上手くできていければ、全国にも広げていける取組じゃないかなと思いました。
(問)昨日の規制改革推進会議でまとまった農業改革案についてお伺いします。政府が改革の進捗状況を定期的に確認することも改革案に盛り込まれて、今後は改革の実効性が問われるかと思いますが、総理からは、規制改革推進会議としてもフォローアップするようにというふうに御指示がありまして、今後、着実な改革を進めるために、大臣としてどのようなフォローアップが必要というふうにお考えでしょうか。
(答)昨日の結論として、全農が数値目標を含めた改革の計画をしっかり出して、改革集中期間中にそれをやっていくということでありますので、それを政府としてもきちっとチェックするということになっています。
 一方で、私ども規制改革推進会議としても、この点は、しっかりとそれが行われているかについては、きちっとフォローアップしていきたいと思いますし、それから、6月の規制改革基本計画で言われていたのは、生産資材・流通と生乳の関係だけだったんですが、その他の課題も当然あるわけでありまして、信用事業の話とか、クミカンの話とか、色々ありまして、そういうことも含めて、規制改革推進会議としてはきちっとフォローアップしていくということであります。
(問)ちょっと気が早いんですが、今回一応、農業改革案取りまとめされまして、6月の答申まで、まだしばらく時間ありますけれども、大臣、農地転用など御興味示されていましたが、今後、残りの時間で、どのようなことに取り組まれたいか、お伺いできればと思います。
(答)これは、規制改革推進会議そのもの、あるいはワーキンググループで、項目は決めていくことになると思いますが、私との雑談では、次は法人による農業経営への参画、あるいは、農地の用途規制についての改革は何かできないかというようなことで、今、事務方も勉強してもらっています。そういう課題に取り組んでいければなと思っていますが、これは、あくまでもワーキンググループ、あるいは規制改革推進会議が決めることだと思っています。
(問)地方創生の関連で伺いたいんですけれども、先週の地方六団体との意見交換、もしくは昨日の全国知事会でも出ましたが、今後、地方の方が地方大学への支援、財政支援拡充ですとか、東京圏に対する新規、学部の新規増設などの抑制を求める決議なども出されたかと思うんですけれども、特に知事会の方では、そういったことに関連して立法措置を求める動きもあるかと思うんですが、こういったところに関して、どういったふうに今後対処されていくのか。御所感をお願いします。
(答)地方六団体あるいは知事会等から、推進交付金について、より弾力的にしてもらいたいというような話もあり、これは逐次やっているわけでありまして、できるところは進めていきたい。
 それから、特に大学の新増設については、東京23区で、抑制的にしてもらいたいという話がありまして、この点は私どもも真剣に受け止めて検討しなきゃいけないかと思っております。そういう地方の声を基に、どこまでできるか、法律改正までいくのか。そうではなくても、事実上できるのか。この辺については、文部科学省と鋭意打合せを始めたところでありまして、できるだけ何らかの方向性が示せればと思っています。
(問)法改正するとすれば、どういった手段が考えられるのか。あと、知事会の方は通常国会への立法措置を求めておりますけれども、そういったところについてはどういうふうにお考えなんでしょうか。
(答)これはまだ議論をしてみないと何とも言えません。かつては工場等制限法で制限していたわけですけれども、これは廃止されてしまいました。そういう話にまでまた戻るのかということになると、そこは何とも言えません。文科省、あるいは他の関係するところとしっかり話合いをし、できるだけ実効が上がるようにしたいと思っています。
(問)国家戦略特区に関連して、テレワークの相談センターを東京と政府で共同で設置するという提案が区域会議でなされるという報道がありましたが、その現在の進捗状況について教えてください。
(答)東京都から、テレワーク推進に関する情報提供の窓口の設置を提案する予定だということは聞いてますが、まだ詳細は東京都においても検討中ということなので、そういうのが詰まってから、しっかり話を聞きたいなと思っています。区域会議の開催日程は、現時点では未定ですので、そういうことが出てくれば、関係府省と協議をしていくことになると思います。
(問)行革推進会議の件なんですけれども、昨日の取りまとめの方で、国立大学改革に関してなんですけれども、たしかレビューの当日では、ちょっと有識者の方からは、国立大学が大きく立ち遅れているというふうな形の取りまとめに対して、文科省の幹部の方が、ちょっとそれは違うんじゃないですかという反発があったと思うんですが、昨日の取りまとめについて、そこの部分が、更なる改革が急務であるというふうに変わったというところなんですけれども、ここら辺の経緯についてお願いできますでしょうか。
(答)行革のレビューのときの取りまとめに対しては、全くやっていないというのはおかしいんじゃないかみたいな話が文科省の方からあり、それについては、事務局の方で引き取りました。
 ただ、皆さん聞いておられて良くお分かりのように、国立大学の改革というのは、この数年は少し進んでいるんだけれども、しかし、課題はまだまだ山積しているという議論であったと思っております。したがって、今回の取りまとめは、そういうことを素直に反映した表現にしようということで、最終的に、各国立大学自身の改革はここ数年始まっているが、更なる改革が急務であるという形にしまして、レビュー取りまとめの担当者も了解したということであります。

(以上)