山本内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成28年10月28日

(平成28年10月28日(金) 8:43~8:58  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 最初に、昨日、三笠宮親王殿下の突然の御訃報に接しまして、深い悲しみの念を禁じ得ません。昨夜、記帳にも伺わせていただきましたけれども、ここに謹んで心から哀悼の意を表したいと存じます。
 行政改革大臣として、本日、持ち回りで開催いたしました行政改革推進会議について御報告いたします。
 お手元にお配りしているとおり、1番目に、平成28年秋の年次公開検証について、それから2番目に、平成27年秋の年次公開検証(「秋のレビュー」)等の指摘事項に関する各省の対応状況について、3番目に、平成27年度調達改善の取組に関する点検結果について、の3点について、取りまとめました。
 既にお知らせしたとおり、11月5日土曜日に「大阪レビュー」、11月10日木曜日から12日土曜日まで「秋のレビュー」を開催することとしており、その対象事業を決定いたしました。
 今回の秋の年次公開検証では、昨年を上回る12テーマ、61事業を取り上げることとしており、私も原則として全日程に出席し、毎日記者会見する予定でございます。
 「大阪レビュー」につきましては、参考人として、子供学習指導でTOSS代表の向山洋一氏、PFIでは大和総研経営コンサルタンティング部副部長の鈴木文彦氏、PFI推進機構代表取締役社長の半田容章氏、それから大阪市の水道局長の玉井得雄氏、大阪市建設局下水道河川部長の城居宏氏、それから住宅セーフティネットについては、BNPパリバ証券投資調査本部長の中空麻奈氏、あと、まだ確定しておりませんけれどももう一人を予定しております。
 秋の年次公開検証で取り上げる事業等の詳細については、この後、行革事務局から説明させていただきます。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)行政事業レビューについて伺います。
 今回、テーマと事業が明らかになりまして、初めて被災地関連の事業ですとか、あと、パスポートの発給手数料についても議論されるなど、新しいテーマも目立ちますけれども、このようなテーマを選ばれた狙いと期待すること、あと、大臣が特に重点的に興味をお持ちのものがありましたらお教えください。
(答)私は、この行政事業レビューというのは、大変重要だと思っておりますが、ただ単に削る、削らないというような話ばかりしていても仕方ないと思っております。
 そういうことだけではなくて、もちろん税金の無駄遣いは防がなければなりませんけれども、同時に、政府の行政が効果的・効率的にちゃんと成果を上げられるよう行えるかということを考えていかなければなりませんし、政府全体の経済政策なりの目的を見ながらやっていく必要があると思っております。
 その意味で、私としては、アベノミクスを是非とも成功させるという観点から、国民に是非関心を持ってもらいたいと思います。成長戦略に関するベンチャー支援等の事業、或いは女性活躍を後押しするためには、例えば出産・子育て等で離職した方の復職支援に関する事業などを取り上げて、効果的な事業の在り方について議論したいと思っております。
 成長戦略では、その他にIoTとかありますが、重複を排除したり、どうしたらもっと効果的に上げることができるのか、について議論したいと思っております。
 それから復興についても、いまだに東北地方だけは、インバウンド等が回復しておりません。これは是非、何としても向上させなければいけませんので、どうしたらそれができるだろうかということを、そういう観点から、しっかりと議論していきたいと思っているところでもあります。
 更に、大阪では、大阪大学の学園祭の中でありますので、是非、学生にも分かりやすいテーマというものを取り上げたいと思って、子供の学習指導や住宅セーフティネットということを取り上げたわけです。
 なお、PFIについては、分かりやすいというよりは、大阪市の上下水道事業でPFIの取組を進めておりますので、これは地元の課題ということでも関心が高いのではないかと思っておりまして、取り上げるところでございます。
(問)個別の事業についてなのですが、今回、社会保障の分野として介護納付金の負担金を取り上げていて、あとは、農業の関連で、規模拡大として、農地バンクの事業も取り上げていますが、この二つに関して大臣の問題意識を教えてください。
(答)社会保障には色々な観点がありますが、特に介護のところは、まだ改善の余地があると思っており、これは給付と負担のバランスをどうとるかということですが、負担の部分で十分ではないのではないかということを問題意識として持っております。その点について、しっかり議論していきたいと思います。
 そして将来的な介護事業の効率化というものを進めていけるようにしていきたいと思っています。
 それからもう一つ、農地バンク、これも国会でも度々取り上げられておりますので、やはりこれから、本当に稼げる農業にしていくということが非常に大事で、特にTPP法を考えますと、将来輸出していく、或いは農業の効率化を図るということは、是非とも必要であります。
 その意味で、中間管理機構というのが作られているのですけれども、これが本当に十分に活用されているのか或いは、どうしたら改善できるのかということは、これからの農業政策を進める上で非常に大きなポイントになりますので、そこはしっかりと、効果的になるように議論していきたいと思っているところです。
(問)先ほど社会保障の介護納付金のところで、負担が十分ではないというふうに発言されていましたけれども、もうちょっと具体的に教えてください。
(答)これは、いわゆる総報酬制とか、そういうことの問題があると考えておりまして、そういう点についての話が出てくるものだと思います。
(問)大臣、先ほどもおっしゃいましたけれども、農業の点については、TPP、11月に恐らく通る可能性が、今、出てきますけれども、そのTPPを視野に入れているのかという点をちょっと、輸出振興策も今回、取り上げているということですので、そこの点についてお聞かせいただきたいのと、それから被災地の観光ということですが、大臣、自民党の方では、観光立国調査会長もやっていらっしゃいましたので、そこの点も踏まえた御所見を、もう一度お聞かせいただけますか。
(答)正にTPP法案の衆議院通過が見通せるような状況だと考えておりますけれども、そういうことを踏まえると、やはり強い農業をいかにして作るかというのは、大変大事な課題だと考えております。
 私も色々視察しておりますが、地域によっては結構頑張っています。この前も宮崎に行ってきたのですが、やはり農地の集約というのが、なかなかできない。そうすると分散したところを借りてやっていると、なかなか効率が上がらない。そういう意味では、農地中間管理機構というのは非常に大事な役割を果たす、或いは果たしてもらわなければいけないわけであり、それはTPP後の農業を考えると、是非とも効果的なものにしていかなければいけないという問題意識を持っています。
 それから輸出振興も、1兆円といっていますが、今のところは農林水産業輸出より水産業の方が大きく、農業はまだまだです。
 これはやはりTPP後の日本の農業の在り方を考えると、外に打って出るしかないわけですから、それは是非どうしたらうまくいけるようになるのか、しっかりと議論する必要があると考えているわけです。
 観光ですね。私も大臣になる前は、自民党の観光立国調査会長をやっておりまして、観光振興ということに取り組んでまいりました。
 そうした中で、東日本大震災が起きて、一気にインバウンドが減ってしまい、心を痛めておりました。九州の震災の後は徐々に回復し、しているのですけれども、数字だけ見ると、東北だけが十分に回復しておりません。
 したがって、ここはやはり風評被害などもあると思いますし、何かの方策をとれば上げていけることができるのではないかと、それがまた東北の皆さん方に復興の気持ちを盛り立てることになるのではないかと思っておりまして、これは元・観光立国調査会長だったということも含めて、是非東北の観光復興に有効な策は何なのか。場合によっては予算もありますし、恐らくそれだけではないこともあるかもしれませんが、そういう点はしっかりと議論していきたいと思っているところです。
(問)先ほど大臣、無駄を削るだけではなく、行政の効果的、効率的に上がっていくために何か考えるとおっしゃっていましたけれども、今回特に取り上げられているのが、安倍政権での主要課題である、大臣おっしゃられた成長戦略ですとか、女性活躍ですとかが、かなり安倍政権にとって、正にど真ん中なのかなと思うのですけれども、効果的・効率的はもちろんですけれども、その中でも無駄なものも当然あると思うのですが、見方によっては、かなり聖域に切り込んでいくのかなというふうな見方もできるかと思うのですけれども、そういう観点から見るといかがでしょうか。
(答)もちろん無駄があれば、それは断固として、削っていかなければいけませんし、成長戦略といいながら、重複も多いような気がしておりまして、そういうところは少し整理して、そして、より税金の無駄遣いをしない形で、効果的なやり方はないのかと思っているところです。
(問)先日、2015年の国勢調査の確定値が出ましたけれども、総人口が減少して、中でも地方で高齢化が一段と進んでいることが分かりましたが、この調査結果についての受け止めと、あと改めて今後、国とか自治体でどのように取り組むべきだとお考えかを教えてください。
(答)おっしゃるとおり、26日に総務省統計局から国勢調査の確定値が初めて公表されました。
 これまでも速報値として、大体把握されていたことでありますけれども、全国及び多くの地域での人口減少、それから東京圏への人口集中、高齢化の進行などの状況が改めて明らかになりました。
 こうした状況は、正に我々が取り組んでいる地方創生の課題そのものでありまして、是非こうした流れを、いかにして踏みとどめることができるのかという観点を含めて、一層、地方創生に取り組んでいく必要があると考えています。

(以上)