山本内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成28年10月7日

(平成28年10月7日(金) 9:57~10:12  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。本日は3件報告事項がございます。
 まず1件目ですが、お手元にお配りしている資料のとおり、「EBPMのニーズに対応する経済統計の諸課題に関する研究会」を開催することになりました。
 我が国のエビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングに係る諸課題については、既に私の下、非公式な勉強会の形で議論を重ねてきたところでございます。本研究会は、この勉強会を引き継ぐ形で、私の補佐官である大阪学院大学の三輪教授に座長をお願いし、経済統計について、政策ユーザーのニーズから見た諸課題等を探ると共に、我が国におけるエビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングの定着等に向けて有識者に御議論いただくものであります。
 本研究会において議論を深めていただき、適時に必要な助言を頂きたいと考えております。
 詳細は、行政改革推進本部事務局にお問い合わせください。
 2件目ですが、来週11日火曜日に、第1回地方創生インターンシップ推進会議を開催いたします。
 現在、東京一極集中の傾向が加速化しており、特に、就職や進学等を機に若者が東京圏に流出している現状を踏まえ、東京圏在住の地方出身学生等の地方還流を促進するため、産官学を挙げて地元企業とのインターンシップ実施の全国展開を支援する地方創生インターンシップに取り組むこととしております。
 本会議は、地方創生インターンシップについて、国民的、社会的な機運を醸成すると共に、所要の施策を推進するため、大学関係者、地方公共団体を初め幅広い関係者の方々に参画いただき、それぞれの取組の御紹介や意見交換を行っていただくものであります。
 最後になりますが、明日8日はまち・ひと・しごとの創生に関し、地域における意欲ある取組や、地域のニーズ等を把握し、今後の取組に生かすべく福岡県を訪問する予定であります。
 以上2件の詳細は、まち・ひと・しごと創生本部事務局にお問い合わせください。
 以上であります。

2.質疑応答

(問)地方創生関係の交付金についてお聞きしたいんですが、先日の参議院の予算委員会で質問が出た件ですけれども、交付に当たって、もう既にKPIが達成されているような事業にも交付されていたというような質疑が出ていましたけれども、それで、総理もしっかりそれは対応すべきだという答弁をされていたんですが、何か地方創生関連の交付金の交付決定に当たって、プロセスの改善だとか何か対応というのは新たに考えられているのかお聞かせください。
(答)先日の蓮舫議員との審議におきまして、KPIについて問題点が指摘されましたが、私どもも、KPIを持ってPDCAサイクルを回していくことが非常に大事なことであると思っております。そのため、KPIをどういうものにするかということは慎重に検討していかなきゃいけませんけれども、ただ、このKPIは、国が一律に定めるのではなくて、やはり一番地域の実情を知っている地方公共団体が最もふさわしいと考える客観的指標を設定することとしておりまして、これを更に徹底していく必要があると思っております。
 これまでも地方公共団体において最新の計数を踏まえたものにしていただいておりますが、更にKPIの現状値に変化が生じた場合は速やかな変更、修正するよう強くお願いしてまいる所存であります。
 なお、現在、地方公共団体において、事実上の初年度である27年度に地方創生先行型交付金を受けて実施した事業の効果検証が行われているところでありまして、今後はそれを踏まえてPDCAのアクション、改善に当たる事業の内容ややり方の見直しをすることになります。国としては、地方公共団体が報告された検証結果を取りまとめると共に、今後は事業採択に当たり効果検証を踏まえたKPIの実績や実績見込みを明確に求めた上で審査してまいりたいと思います。
 それから、現実に既にKPIより上回っていたんじゃないかとの指摘が蓮舫議員からありましたが、これは精査いたしましたところ、最初の京都府の観光消費額が1兆円を上回っていたという指摘がありましたところは、これは答弁でお答えいたしましたけれども、採択後に目標値を1.2兆円と適切に修正した計画書になっております。もう一つ、尾道市等の観光消費額が500億円を超えていると指摘を受けた案件があったんですが、これは当初の消費額の実績というのは、私ども聞き取り調査しましたところ、500億円ではなくて321億円ぐらいだったというふうに聞いておりまして、蓮舫議員が独自の推計をやったようでありますが、ちょっとそれは実績とは違ったんじゃないかと思っておりまして、343億円というKPI自体は問題ないというように考えておりますし、もし実情が変わってくれば、またKPIはそれぞれ変えていくということにしてもらえればと思っています。
 いずれにしても、地域が実情をしっかり踏まえた上で、無理のないと言いながら、しかし、意欲的なKPIを掲げていただきたいと思いますし、その達成に努力してもらうということが大事だというふうに思っております。
(問)冒頭御説明ありました経済統計の研究会についてお聞きしたいんですけれども、これは、設置がいつになるのかということと、改めてになりますが、この研究会で助言を頂くのに当たって何か期待されること、どういったことに対して効果を得ようと思っていらっしゃるのかについてお聞きしたいと思います。
(答)本日、第1回会合ということですので、正式に今日から設置ということになります。
 この研究会に求めるところは、いわゆる確かな根拠に基づく政策立案、EBPMと私ども言っておりますが、これを政府に定着させたいと、私は是非思っておりまして、そのためにユーザーサイドからの経済システムの在り方ということを考えてもらおうと思っているわけであります。
 具体的には、産業構造、生産性の計測に関する経済統計の諸課題と原因、あるいは政策ユーザーのニーズに応じた経済統計改善のメカニズム、それからエビデンスベーストの政策思考の定着等を主に検討していただいて、現在の経済統計のシステムに係る課題を整理していただきたいと思っているところであります。
(問)関連してなんですが、こちらの行政改革担当大臣、助言を行うとあって、活動期間は1年程度とあるんですが、これは1年後をめどに何か提言のようなものを大臣に出すというイメージなのか、それとも、この1年間、適宜、その都度その都度常態的に助言を行っていくという活動なのか、どういったものになるんでしょうか。
(答)基本的には、適宜助言をしてもらうということになります。ただ、目安もないと困りますので、私としては、年末までの経済財政諮問会議において統計の話を行う機会があるやに聞いておりますので、その席に何らかの考えがお示しできるように、ある程度の課題を整理して助言を頂きたい。そしてまた、大体1年をめどに、じゃあ、具体的にどういうことをやればEBPM政策が定着できるようになるのかということを含めた、これも提言という形までは考えておりませんけれども、助言を頂ければというように思っているところであります。是非活発に御議論いただいて、案件に応じて随時開催していただいて、適宜助言を頂くということであります。
(問)関連して、今、経済財政諮問会議にというふうにおっしゃいましたけれども、そちらと別に、また統計を見直す研究会が開かれていると思うんですけれども、今回、大臣が設置された研究会の方に入られている渡辺東京大学教授は、そちらの研究会の方にも所属されていると思うんですが、こちらの内閣府の方の研究、経済財政諮問会議の方の研究会との連携やすみ分け、あとこの構成のメンバーを選ばれた狙いをお教えください。
(答)御指摘のように、渡辺先生は幾つかの研究会なりに所属しておられると思いますので、それぞれの研究会で知見を出していただけると思っております。ただ、私の今回の取組は、行政改革の一環としてEBPMの推進を考える場合に非常に重要な意味を持つ経済統計について、その改善につながるようなシステム全体の在り方を、いわば、経済統計のユーザーサイドの観点から検討するということが狙いであります。
 先般内閣府に設置された研究会では、骨太2016等を踏まえて、景気判断をより正確に行うという観点から、行政記録情報、ビッグデータとの活用拡大や、GDP統計を初めとする各種統計の改善について議論されるものと承知しております。
 また、総務省に設置された研究会では、速報性のある包括的な消費関連指標の在り方について検討されるものと承知しております。
 統計をよりよいものにするという方向性については共通していると思いますけれども、個別の統計そのものの改善というのは、それぞれの研究会でやっていただいて、私の方は、ユーザーから見たシステム全体の在り方を考えるというところが違うというように考えております。
(問)もう一点お伺いしたいんですけれども、非公式で勉強会を開かれてきたということで、これまでの進捗状況ですとか、既に何か見直すべき具体的な案件が出ているのであれば、そちらを教えていただけますでしょうか。
(答)まだ具体的にどうこうということはありません。基本的に今までやってきたのは、現状についての各担当者からの説明を受けて、それについてのいろいろな疑問点をやり合ったということで、基本的な勉強のラインで来ていたと思います。これからは、それを踏まえて何らかの改善点なりも出てくるんじゃないかなというふうに思っておりますが、まさに今後そういうことをやってもらいたいと思っています。
(問)地方創生インターンシップ推進会議について教えてください。11日に開かれるということなんですけれども、今後この会議はどのくらいのペースで、どの程度開かれるのでしょうか。地方創生インターンシップ制度開始までのスケジュールとか準備の予定を教えてください。
(答)具体的に決まっているわけではありませんけれど、この会議自体は年度内にもう一回ぐらいできればなというふうに考えております。
 推進会議は、地方創生インターンシップについて国民的・社会的な機運を醸成すると共に、所要の施策を推進していくため、幅広い関係者の方々に参画いただき、それぞれの取組の御紹介、意見交換を行っていただくもので、一定の時期までに何かを取りまとめるということは今のところ考えておりません。ただ、事務局に聞いていただければ、いろいろポータルサイトをつくるとか、いろいろな作業をもう既にやっておりますので、そういうことは教えてもらえると思います。

(以上)