山本内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成28年9月6日

(平成28年9月6日(火) 10:30~10:45  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 1件御報告がございます。
 8月末に各府省から提出されました平成29年度機構・定員等の要求状況につきまして、お手元の資料のとおり、概要を取りまとめましたので、本日公表いたします。
 今後、要求内容について各府省から十分ヒアリングした上で、平成29年度人件費予算の配分の方針等に沿って、内閣の重要政策に係る取組に重点化するなど、予算編成過程に合わせて適切に審査を行ってまいります。
 また、厳しい行財政事情の下、限られた行政リソースにより内閣の重要政策に的確に対応していくためには、業務改革の徹底、さらなる推進によって、既存の業務を厳しく見直していくことも必要になると考えております。
 審査に当たっては、各府省における業務改革の取組努力も十分考慮することとしたいと考えております。
 なお、詳細につきましては、内閣人事局にお問い合わせください。
 以上です。

2.質疑応答

(問)大臣は先週末に、石川県と富山県を視察されたと思います。昨日は観光まちづくりタスクフォースのほうにも出席されて、古民家等の利用についても意欲を示されておりましたけれども、視察を踏まえて今後どのように取り組まれたいか、方針をお聞かせいただければと思います。
(答)土曜日と日曜日、月曜日も一部使って、石川県、そして富山県を視察してまいりました。
 石川県におきましては、まず省庁移転の一つであります国立近代美術館の工芸館ですね。これが金沢市の兼六公園のすぐ隣にあります、現在は使われていない建物になっていますが、旧陸軍の司令官の官舎、公舎といいますか、その司令所だった建物があるんですけれども、それを移築して、そこに工芸館を移すということになっておりまして、その予定地を視察して、大変すばらしい場所じゃないかなというように感じて、是非検討、国立美術館と協議をしっかりして、すばらしいものにしてもらいたいというお話をいたしました。
 それから、金沢では、クルーズ船がだんだん増えているということで、埠頭の視察もし、それについての改善要望等もお聞きいたしました。
 また、金沢では、日本版CCRCの状況も見たいということで、シェア金沢と、それから西圓寺という、これは廃寺を使って、障害者と高齢者、そして地元の人たちが自由に交流できるという、そういう施設であります。シェア金沢もそうでありまして、シェア金沢の場合は、それに大学生も入っているという、非常にユニークな取組で、そこに県外から移住してきて、半分ぐらいが県外からの人だと聞いておりましたが、生活しているということで、正に日本版CCRCのモデルかなと思って、大変有意義な、そしていろんな政策的な示唆をいただきました。
 その他、富山では、古民家を改修して農家レストランにしているというところも見てまいりまして、これもこれから進めていきたい取組の一つだなということで、面白く感じました。
 また、富山県の砺波市で、JAとなみ野というところがやっているんですけれども、これまでは稲作だけだったんですね。それに、あそこはチューリップの生産でも有名なんですけれども、そうした球根のノウハウというのを使って、タマネギを生産するようになりました。タマネギを、稲作が終わった後、11月ぐらいに球根を植えて、そして4か月間、雪の中で過ごすと。この雪の中で過ごすということが非常に大事だそうでありまして、それでタマネギが大変甘く、おいしくなる。そして、春先3月、4月に採取して出荷するという取組を始めておりまして、これで8年ぐらいになるんですかね。
 当初は、1年目は1,200万ぐらいの売上げしか上げられなかったそうで、やはりなかなか地力のこととか、技術、ノウハウがなくて、組合長さんは大変な批判を受けたそうでありますが、それでもじっくり取り組んで我慢して、3年過ぎて、4年目ぐらいから一気に生産も参画する人も増えて、今年は5億円ぐらいの収入になりそうだということでありまして、今や組合長さんのお話によると、もうタマネギが表作になるんだと。稲作はむしろ逆転するんだというような話をしておりまして、これは正に地域の所得を上げる、農業の再生によって所得を上げていくという最適なモデルかなと思って、大変感激いたしまして、そうしたことは、各地で産物が違っていると思いますけれども、努力をして頑張ればいろんなことが出来るなということで、これは是非小泉進次郎議員にもお話しして、見てもらったら良いなというふうに思っておりました。
 それから、富山では、これも移転とちょっと絡むんですけれども、国立の医薬品食品衛生研究所というのと、富山県に薬事研究所というのがありまして、そこが共同で研究をやろうというような、そういう取組をいたしまして、その薬事研究所にも行ってまいりました。その席で、富山県知事から、知事会全体の地方創生に係る予算の確保とかの要請も受けましたし、富山県におけるそうした薬事研究をやる場合の機器の充実とかいった要請を受けました。
 また、その後は富山県富山市の、環水公園という施設で、世界一美しいスターバックスがあるというところですけれども、そこを開発して、富山駅の反対側は昔からにぎわっていたんだけど、その反対側はほとんど人がいなかったところを、そういう整備をすることによって、今、にぎわいのまちをやっているというような、そういう努力を見させていただきました。
 そして、昨日の午前中は、本社機能移転税制の第1号とも言われるYKKの、YKK APという会社があるんですけれども、そこのセンター、そしてYKK自体も見させていただいて、その税制のメリット、デメリット、あるいは今後の課題等について、YKKの吉田会長からもお話を伺ってまいりました。
 以上を含めて、大変に有意義な、そして私が主張しております、地方創生とは地方の平均所得を上げることだということについて、前向きに取り組んでおられる状況、あるいは日本版CCRC、移転税制、そういうものの実態を見てきて、これをもっと使いやすくするなり、あるいはもっと有効にできるためにどうしたらいいかということを、しっかり検討していきたいなと思っております。
 今週末は徳島に行く予定にしております。
(問)大臣、先日のインタビューで、例の統計がいろいろあってというところで、ちょっとそこについて有識者会議を作りたいというふうにおっしゃっていましたけれども、それについては、例えば具体的にいつ頃に作りたいとか、いつ頃から議論を始めたいというのは、大臣の中でお考えはありますでしょうか。
(答)もう既に始めております。私の下で非公式なプロジェクトチームを作りまして、そこで学者、学識経験者、あるいは政治家も入ってもらっています。行革本部でそういう問題を担当していた若手の先生方、それから内閣府の担当者等を含めて勉強会を始めました。先週第1回やって、大体週に1回ずつぐらいやっていこうと思っております。
 これは要するに、私の狙いとしているのは、いわゆるエビデンス・ベースト・ポリシー・メーキングというのが非常に大事なんだと。どんな政策をやるにしても、エビデンスに基づいた政策でなければ、これは検証のしようがないということがあって、ところが、そのエビデンスになるべき統計がしっかりしてなければ、そんなことはできないわけで、日本の場合、掛け声はエビデンス・ベースト・ポリシーと言っていますが、ほとんど成果はありません。そういうことを踏まえて、是非そういう政策決定過程をこの全省庁の間に徹底してもらうような形に持っていきたいなと思っております。そのためには、統計がしっかりとしていて、常に国際的な批判にも耐えられる、あるいはそういう批判を受けて、また修正していくというような体制にしていかなきゃいけないと思っております。
 また、今日本の場合は、各省庁で個別にいろんな統計をとっているんですけれども、もっと必要な統計があるんじゃないか。そういう場合に、今の統計委員会のシステムではそういう権限はありませんということもありまして、これはちょっと行政全体として考えていかなきゃいけないなと思っているところです。しかし、今は、じゃあ、どこに問題があるのかということをしっかりと勉強しようということで取り組んでおります。じっくりとやり、少しでも日本のエビデンス・ベースト・ポリシー・メーキングという方向を定着できるようにしていきたいなと思っています。
(問)そうしますと、今、大臣の下でチームを立ち上げ勉強会を始めたということですけれども、例えば、官邸のほうで大々的に有識者会議という形で大がかりなものでやる、そういった構想というのはどうでしょうか。
(答)まだ今のところはそこまで考えておりません。
(問)今の質問に関連してですが、先週第1回勉強会ということなんですけれども、スケジュール感としては、どのぐらいの期間勉強会をやって、有識者会議をいつ頃までに立ち上げたいというような方針はございますでしょうか。
(答)まあ、皆さん方の興味はそういうことになるのかもしれませんが、こればかりは簡単じゃないです。とりあえずはGDPデフレーターの話を最初取り上げようというようなことで思っているんですけれども、それがどこである程度結論が出るのかということもちょっと分かりませんが、私の気持ちとしては、年末までにはある程度の課題を整理して、1年を目途に何らかの方向性は出したいなというぐらいの気持ちで取り組みたいと思っています。しかし、やればやるほどそう簡単ではないなという感じがしておりまして、ちょっと最大限の、努力目標はそんな感じです。

(以上)