山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年9月2日

(平成28年9月2日(金) 10:03~10:30  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 本日は4件御報告がございます。
 1つ目ですが、先月30日に地域再生法に基づき、717件の地域再生計画を認定いたしました。そのうち生涯活躍のまち形成事業については、北海道函館市、青森県弘前市など、10市町の10計画を今回初めて認定するものであります。
 生涯活躍のまちは、地方創生を推進する上で重要な取組であり、意欲的に取り組む自治体に対しては、各地域で特色のあるまちづくりが進むよう、国としても地方創生推進交付金等によるさまざまな支援を行っていきたいと考えております。
 2つ目ですが、昨日、まち・ひと・しごと創生本部を開催し、「政府関係機関の地方移転に係る今後の取組について」を決定いたしました。これは今年3月にまち・ひと・しごと創生本部で決定した政府関係機関移転基本方針において、8月末に結論を得るなどとした中央省庁の地方移転について、今後の具体的取組を取りまとめたものであります。
 まず文化庁については、全面的な移転に向けた工程を取りまとめ、来年度は京都に地域文化創生本部を設置して、先行移転の取組を進めるとともに、平成30年の通常国会を目途に、京都移転に向けた文化庁の機能強化、組織改編に係る法案を提出いたします。
 次に消費者庁については、来年度、「消費者行政新未来創造オフィス」を徳島県に設置し、実証に基づいた消費者行政の推進拠点として、徳島をフィールドとした実証実験等のプロジェクトを行う予定であり、これらの取組について3年後を目途に検証・見直しを行います。
 そして統計局については、来年度から和歌山県で産学官が連携した統計データ利活用推進プロジェクトを進め、平成30年度から統計ミクロデータ提供等の業務を実施いたします。
 今後、今回の決定に基づき、政府一体となって具体的な取組を進め、着実に成果を上げていきたいと考えております。
 以上、2件の詳細については、この後、事務局から説明させていただきます。
 次に、3つ目ですが、本日の閣議において、7月末で設置期限を迎えた規制改革会議の後継組織である「規制改革推進会議」を設置するための政令を決定いたしました。政令は9月7日に施行される予定で、第1回目の会議は準備が整い次第、できるだけ早期に開催したいと考えており、現在、調整しているところであります。
 また、会議の委員についてはお配りしている資料のとおり、14名の方々を内定いたしました。所要の手続を経て、近日中に正式に委員に任命される予定であります。詳細については規制改革推進室にお問い合わせください。
 最後になりますが、明日3日から5日の午前中まで、まち・ひと・しごとの創生に関し、地域における意欲ある取組や地域のニーズ等を把握し、今後の取組に活かすべく、石川県・富山県を訪問する予定であります。詳細については、まち・ひと・しごと創生本部事務局にお問い合わせください。
 私からは以上であります。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)先日、週刊誌の報道で出ていた件についてお伺いいたします。
 昨日、大臣のほうからも事務所を通じてコメントを出されていらっしゃるかと思うのですが、その中では証券会社部長のY氏に会ったのは1回だけだと書かれていたのですけれども、問題とされている2012年3月の国会質問では、調査に関する詳細なことが質問で述べられていますし、具体的にはこう尋ねたら、彼はこう答えましたみたいに具体的な問答まで紹介されていらっしゃいます。
 1回だけしかお会いしたことはないということだったのですが、それだとちょっとつじつまが合わないような気もするので、まさか紹介された初対面のときにそんな話をするとは思えないので、どういったことで1回しか会っていないのにこんな詳細なことを知ることができたのかというのと、Y氏に会われた時期というのを、ここのコメントの中にはなかったのですけれども、御記憶の中でいつごろというのをお教え願えるとありがたいです。
(答)お会いしたのは、私がこの会社の社長に条件つきでなりましたけれども、その前後だったように思います。できたのが2010年3月ごろですね。その前後だったと思います。
 それから、おっしゃるようにかなり詳しい話がありますが、この点は、実は私の友人でありましたX氏のほうから、その捜査の進展状況等について新聞や報道された資料なんかとともに、こういう状況だという資料をX氏から参考のためにいただきました。それはかなり詳しいものでありまして、私が委員会で述べたようなことが書かれております。恐らく、そのY氏のほうが弁護士さんに相談するようなときに使ったような資料じゃないかと思いますが、1回しか会ったことがないわけでありまして、その本人から私は一切、そういう話を聞いておりませんが、私を紹介してくれたX氏のほうから、そういう詳しい内容も含めた資料を参考のためにいただきました。私は、そうした資料をいろいろ自分で分析して、そして、もともと関心を持っておりました証券取引等監視委員会の犯則調査の制度の在り方について思いをめぐらして、質問に至ったということであります。
 私の問題意識は、これはもう証券取引等監視委員会を作るときから部会等で発言もしていたわけでありますが、どうせ作るなら、アメリカのSECみたいに告発権限まで持って、しっかりとした迅速な犯則調査ができるような制度にすべきではないか。あるいは検察の中にそうした証券等に関する犯則調査のできる部署を作って、刑事訴訟に基づいて迅速に犯則調査ができるようにしたほうが良いんじゃないかと、そういう問題意識をもともと持っておりましたので、その趣旨で発言をした次第であります。その意味で、資料として私は見て、そういうことが書かれていたので、そういう質問をすることになった経緯であります。
(問)資料というのは、報道資料以外にも弁護用にまとめられたような資料も含めたものということですか。
(答)そういうことです。恐らくテープにも取っていたようでしたので、それに基づいて作られた資料だと思います。
(問)政府機能の地方移転に関して、消費者庁のことなんですけれども、徳島県への消費者庁の移転について、河野前大臣が示されたように、徳島に来年度新しいオフィスを設け、そこで新しい創造的な行政を展開しながら、3年後を目途に、もう一度それは結論を得るということですが、大きな方向性としては、消費者庁全体の移転への検討は続けていくという認識でよろしいのでしょうか。そのあたり、消費者庁と連携しながら、そういう周辺整備に向けた取組についての意気込みといいますか、方向性についてお聞かせください。
(答)今回は消費者行政新未来創造オフィス、仮称ですけれども、これを徳島に作るということで、これは恒常的な施設でありますし、規模の拡大に向けた試行として考えていきたいと思っております。その後のことについては、このオフィスの構想がどういうふうになっていくのか、あるいは今後の徳島県を中心とした交通・通信網とか、消費者行政を支える人的資源とそのネットワークとの関係、あるいは政府内の各省庁共通のテレビ会議システムとかがどうなるかということをしっかり検証して、見直しを図っていくということになりますので、今はそういうことです。
(問)大きな流れでは、全面移転への模索をやめたということではないという認識でよろしいですね。
(答)現状は、今決まったことしか言えません。
(問)その先にそれもあり得ると。
(答)それは実証、検証、見直しを行うので、そこは何とも今は言えません。
(問)実は、この3年見直しについて、日本弁護士連合会とか、消費者団体は、もう試行の結果、消費者庁の機能を移さないことは明らかになっているので、3年見直しは外すべきではないかという主張を続けてまいりました。
 今回のペーパーを見せていただくと、国会対応や危機管理、法執行、司令塔機能、制度機能はもう東京で行うとここに書かれていて、これは見直しに対象にならないという認識でよろしいのでしょうか。
(答)今回決まったことは、未来創造オフィスを徳島に作るということで、そこをしっかり検証して、試行してもらって、考えていくということであります。それ以上について、現時点では何も言えないということです。
(問)オフィスの恒常的な設置、規模の拡大というのは、そのオフィス自体を徳島で拡大するということで、消費者庁の機能を切り取っていくということがここに含まれているのでしょうか。
(答)それはやってみないと分からない。
(問)各論ではなくて、今回の政府機関移転の決定の大臣の受けとめと、そもそも政府機関移転の取組というのは、地方創生の看板施策だったはずなのですけれども、組織丸ごとの移転というのは、事実上現段階では文化庁だけということになったと思います。今後、対象を拡大するという考えというのはあるのでしょうか。
(答)政府関係機関の地方移転というのは、地方創生の観点はもちろんあるわけでありますけれども、国家機関としての機能の確保とか、また、移転費用などということも当然考えなければなりません。そういう意味で、今回こうした結論になったということで、私どもは最大限やったと思っておりますし、地方のほうもそれなりに評価していただいていると思っています。
 ただ、将来的に、では、何もしないのかというと、それは全てについてあり得ないわけでありまして、常に可能性としての見直しは進めていかなければいかぬとは思います。しかし、一応基本方針に基づいてやってきましたので、とりあえずはこれによって決まったことの検証というものをしっかりやっていきたいと思います。
(問)規制改革会議の後継組織ということで規制改革推進会議、こちらの設置と委員の内定ということで、今日発表がありましたけれども、農業政策、農政とか、前回の規制改革会議では、酪農の指定団体の、生乳のいわゆる団体の制度の見直しについても議論が交わされました。そういった部分については、引き続き議論がされるという認識でよろしいのでしょうか。
(答)秋までに結論を出すことは決まっておりますので、この後継組織でしっかりと議論をして、結論を出していきたいと思います。
(問)冒頭の質問の週刊誌の関係に戻るのですが、昨日は紙でのコメントだったもので、改めて今回の週刊誌報道に対して、特に圧力等の報道もあるのですが、大臣としてどうお考えかと、あと、昨日官房長官も会見で、大臣が説明責任を果たすだろうということをおっしゃっていたので、進退も含めて今後どう対応していきたいと思っていらっしゃるのか、伺えますか。
(答)きのうコメントを文書で出させていただきました。
 前半は、この会社の社長に就任した経緯等について書いてあります。焦点は、その次の予算委員会分科会における質疑についてと思われますが、先ほど申し上げましたように、私はもともと証券取引等監視委員会の犯則調査について、例えばAIJ投資顧問事件で、何もしなかったのはどうしてなのだと。オリンパス事件のこともそうでした。ああいう大型事件については手が出ない。また一方で、外資系については尻が引けているという話を日本の金融関係者からよく聞いておりました。しかも自分たち監督下の、日本の証券や銀行のほうについては、非常に厳しい調査、取り締まりを行うというようなことで、そういう制度の在り方が良いのかどうかということについて関心を持っておりました。
 先ほど申し上げましたように、もともとアメリカのSECのように、告発権限まで持ってやるか。あるいは検察の中でこうした特殊分野についての部署を作って、刑事訴訟法に基づいて、これもまた迅速に犯則調査ができるようにするかという、そのどちらかのほうが良いのではないかという問題意識は常に持っていて、それをただそうという趣旨で質問したわけでございます。そして、友人のX氏や、1度しか会ったことがございませんけれども、Y氏から委員会で質問してほしいということで頼まれたことは一切ありません。私の問題意識の中で、そこでこの具体的な案件の例を情報等で知る機会がありましたので、それを端緒に、そういう制度の在り方の問題点を突いたというつもりで質問を行いました。
 ただ、今になって振り返りますと、大変誤解を与えるようなことになったかということで、これは深く、その点については反省しております。また、いろいろ御心配をおかけした皆様方には、心からおわびを申し上げなくてはいけないと思っております。そういう意味では、本当に大変申しわけありませんでした。
 しかし、そうした反省を踏まえた上で、これからは改めて言動に気を付けて、そして、仕事に精励するということで、国民の信頼をまた勝ち取れるように全力を挙げて頑張っていきたいと思っている所存であります。
(問)ちょっと話が戻ってしまうのですけれども、規制改革推進会議の委員なのですけれども、この委員の14人を選んだ人選は、どういった経緯で選ばれたのか。あと、どういった期待をされているというか、14人ほどいると思うのですけれども、どういった見識を期待されているのかとか、どういった経緯で選ばれたのか、そのあたりを教えていただきたいと思います。
(答)これは本当に改革の意欲を持って、そして、十分な見識を持っておられる方として選ばせていただきました。それぞれの分野において、これまでもいろいろな実績を示してきておられますし、私としては、しっかり改革に取り組んでいただけるものと確信をしてお願いした次第であります。
(問)週刊誌の報道について、改めて恐縮なのですが、確認ですが、横浜の金融会社社長さんとは面識がないという理解でよろしいのですね。
(答)全くありませんし、いただいた資料の中にも、金融会社の社長さんと書いてあるだけで、個別の名前もありませんでしたし、私は全く存じませんでした。
(問)改めてですが、圧力という意図はなかったということでよろしいのですね。
(答)もちろんそうです。制度の問題について、私は提起をしたという認識でありまして、個別のことについて何らかの圧力をかけるということはありませんでした。質疑の冒頭でも申し上げておりますように、そういう問題は裁判でやれば良いではないかと、もともと考えておりましたし、それから、質疑の中でも、告発するなら早くしてもらったほうが良いのですよということも言っておりまして、私は別にそのYさんをかばうつもりなどは全く毛頭ありませんでしたから、圧力をかけるという趣旨は一切ございませんでした。
(問)約2年8カ月ぐらい、ブルー社の社長さんをやられた。報酬は一切ゼロということでよろしいですか。
(答)一切ありません。
(問)規制改革会議の話に戻るのですけれども、前の組織では、農業ワーキンググループですとか、分野別に会議体を設置されておりましたけれども、その予定があるとすれば、どのような分野で立ち上げる御予定かということ、その中に農業は含まれるのか、また、構成メンバーは、今、この14人以外で、専門的な知識がある方ですとか、そういった方を含めて選ぶようなおつもりはあるのかをお伺いしたいです。
(答)どういうワーキングチームを作るかはこれから新委員の間で決めていくことだと思いますが、農業分野については、引き続きの話がございますので、これは必ず作らなければいけないと思っております。そのほかについては、今後、会議の中で決まっていくのだと思っています。当然、そういうことについて専門的な見識のある方が入っていただくことになると思います。
(問)発表と直接関係なくて申しわけありません。全国郵便局長会が今年、地域貢献の専門委員会を立ち上げました。それについての感想と、今、いろいろな金融機関が地方創生に頑張っていらっしゃると思うのですけれども、特にその中で郵便局の役割などについて御所見をお願いします。
(答)先日、日本郵政の池田取締役が私のところにもおいでいただきまして、そうした郵便局の取組等についてのお話もありましたし、私からも正に地方創生をやる上では郵便局の皆さん方に協力してもらわないと困るので、ぜひ、できることを一緒にやりましょうというお願いもさせていただきました。
 それからまた、地方の金融機関、地方銀行を含めて地方の金融機関にも一緒に取り組んでもらわないといけないと思っております。近いうちに地方銀行協会を初め地方の金融機関のトップの方々ともお会いさせていただきたいと思っております。あるいはまた、農業関係のトップの方々ともお会いして協力をお願いしたいなというふうに思っております。
(問)全国郵便局長会の地域貢献専門委員会のことについても、そういうものが発足したということについて、今まで専門委員会でずっとそういうものがなかったので、それについて一言だけお願いします。
(答)そうした取組を全国郵便局長会がやっていただいているのは大変ありがたいと思いますし、ぜひお知恵をおかりして、協力してやっていければと思っております。
(問)政府機関の移転の関係でお願いします。
 統計局のほうですけれども、これも統計データの利活用の施設を作られるということですが、これは年度を区切って検証ということは直接は書いてありませんけれども、恒常的な施設とお考えなのかということと、この利活用の業務は統計局の中では一部業務ということになるかと思うのですが、全面的な移転ということは今のところはないというふうに決められたのか。また今後、どういうふうに検討していくのかということについてお聞かせください。
(答)今回の決定は、おっしゃったように、統計の利活用ができる施設を恒久的にそちらに作らせていただくということで、そこで大いに統計情報を発信していただくということになります。それ以上のことは今回は決まっておりませんので、今後のそうした取組、実証を見てから考えることになると思います。

(以上)