松本内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成29年7月21日

(平成29年7月21日(金) 10:46~11:08  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 私から2点申し上げます。
 1点目は、平成29年7月九州北部豪雨を含む梅雨前線豪雨による災害の状況と激甚指定の見込みについて申し上げます。平成29年7月九州北部豪雨の発災から2週間以上が経過いたしました。現在も警察、消防、自衛隊、海上保安庁の部隊が約9千人の態勢で未だ行方不明となっている6名の方の捜索や、土砂、流木の撤去、給水等の生活支援などに全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 さて、福岡県、大分県を始め、各地に甚大な被害をもたらした梅雨前線に伴う豪雨等による災害について、被害状況の調査の結果、激甚災害の指定基準に達し、指定する見込みとなりましたのでお知らせいたします。具体的には、まず、全国を対象にし、農地等の災害復旧事業等に係る特別措置、農林水産業共同利用施設災害復旧事業に対する補助金の特例。次に、福岡県朝倉市、東峰村、添田町及び大分県日田市の4市町村を対象に、公共土木施設の災害復旧事業等に係る特別措置。最後に、福岡県朝倉市及び東峰村を対象に、中小企業信用保険法による災害関係保証の特例を適用する激甚災害として指定する見込みです。
 なお、現在も被害状況調査は継続中であるため、今後、対象施設、地域について追加がある場合は再度、お知らせしたいと考えております。激甚災害の指定の時期については、全国的な梅雨明けを待って、これら一連の梅雨期の被害額を確定し、速やかに閣議決定を行ってまいります。被災自治体におかれましては、財政面に不安なく迅速な災害復旧に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、国境の島サミットの開催についてでございます。皆様御承知のとおり、本年4月にいわゆる有人国境離島法が施行され、新たに交付金事業が開始されるなど、離島地域において様々な活性化の取組が始まっております。こうした取組を更に加速していくため、18日に発表したとおり、来週27日に29の市町村と8の都道府県の首長を始め、関係者が一堂に会して、国境の島サミットを開催いたします。同時に27日をもって、「『日本の国境に行こう!!』プロジェクト」がスタートいたします。本プロジェクトは、「日本の国境に行こう!!」という統一したプロジェクトネームを定めて、島の活性化に取り組む関係者の一体感を醸成し、共通の理念の下で、島の価値を向上する様々な取組を展開していく運動です。詳しくは、27日のサミット及びその後に行われる記者発表会に御参加いただければと考えております。私も可能な限り出席したいと考えております。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)共同通信の井澤です。
 今、御説明がありました激甚災害の指定に関してなのですけれども、先程、大臣からの御説明で指定基準に達したと、達する見込みであるというお話でしたが、現時点での被害額というのはどういう形で積み上がっているのかというのをお聞かせください。
(答)具体的な査定見込額ということでございますが、本激となりました農地等の被害について、昨日7月20日時点でございますが、査定見込額が全国で約66億円。そのうち、福岡県が約27億円、大分県が約15億円となっております。被害の大きい施設は農業用施設や林道といったものでございます。
 公共土木施設等について、指定の見込みとなった福岡県朝倉市が約50億円、東峰村が約10億円、添田町が約7億円、また、大分県日田市が約56億円となっております。被害の大きい施設は河川や道路、橋といったものでございます。
 中小企業信用保険法による災害関係保証の特例について、指定の見込みとなった福岡県朝倉市が約93億円、東峰村が約11億円となっております。中小企業の被害は工場や店舗、製造機器といったものでございます。
 更に詳しくは事務方に聞いていただければと思います。
(問)関連でもう一点伺います。
 先程のお話の中で、農地等の復旧などに関しては全国にという話だったと思うのですけれども、今回の梅雨前線の停滞による被害は、島根県とか新潟県でも発生しておりますが、指定の範囲というのはそういった島根、新潟を含めたところも入ってくるのかどうかというのをお聞かせください。
(答)先程も申し上げましたように、この梅雨期、梅雨の時期の一連の災害ということになりますので、具体的に最終的なまとめというのは、梅雨が全国で明けて、それから最終的な数字がまとめられるということになります。当然ながら、その間、そこに追加されてくるということも考えられると受け止めております。
(問)西日本新聞の湯之前です。
 今回、正式な閣議決定の前に、まだ梅雨が全国的に明けない段階で九州の発表に踏み切ったというところの理由を教えてください。
(答)この状況につきましては、逐次数字が積み重ねられて被害額というものが確定されていくわけでありますが、今回の指定につきましては、総理大臣が議長を務められております中央防災会議に意見を聞き、その基準に照らし合わせて適当であると認めるとの答申を得たことによって、それで手続が進められているところでございます。この被害に対しては、安倍総理から激甚災害指定を一刻も早く行うようにとの指示を受けております。また、二階幹事長からも御指摘のあったように、国と自治体が一体になって福岡県、大分県の被害額を早期に把握をし、最短で激甚災害の指定ができるよう作業を進めてきたところでもございます。
 この梅雨期の激甚災害指定については、基本的にはその一連の期間における被害額を合算した確定値をもって行うものでありますが、九州北部豪雨の被害の甚大さに鑑み、今般、福岡、大分県を中心として被害額の見込みが基準に達したものについて、速やかに指定見通しを公表させていただいたところでございます。
(問)NHKの藤島です。
 見込みを示されるということで、自治体側からすると財源を心配しなくていいということになるのでありがたい話だと思う反面、これまでは確定した段階で出してくるということで、今後も例えば災害が規模が大きかった場合に、このように確定はしていないけれども、現時点で基準を超えてきたという場合には、見通しを今後も示されていくという考えですか。
(答)これはその災害の状況によるとは思いますが、しかし、実際にはその被害額を積上げをし、一定の基準を超えるか超えないかということに照らし合わせて中央防災会議などに諮っていくということになりますので、ただ、数字そのものが地元からきちっと出てくるかどうかということが大変重要でありまして、これは被災自治体それぞれが懸命にその努力をされてくださったおかげとも思っております。
(問)法改正などを求める声なども上がっていますけれども、この辺りの扱いというのはどのように考えていますか。
(答)今現在の政府といたしましては、被災された自治体が財政面で不安なく復旧・復興が進められるよう、九州北部豪雨では特に国が全面的に協力して、その被害調査に取り組んでいるところでございます。それをいかに早くするかということについて考えなければなりませんが、その前に一番重要なのは、未だに行方不明者がいらっしゃるわけで、その捜索といったことにも心を配っていかなければなりません。そして、被災地の復旧・復興にその上で全力で取り組んでいるところでございますが、そのスピード感を持って対応するということについては、被災地の航空写真などを活用した被害額の早期確定、あるいは激甚災害の指定に関する政令の公布を待たずに、中央防災会議の答申を受けた段階での公表など、激甚災害指定に関する運用の改善により、現在取り組んでいるところでございます。法改正等について、今、御質問がございましたが、どのようなことが可能なのか今後、検討をしてまいりたいと思います。
(問)日本農業新聞の北坂と申します。
 今後閣議決定されるということだったのですが、その閣議決定のスケジュールや、被害の全容の把握のスケジュールに関して、何か見通しはありますでしょうか。
(答)これは平成29年7月九州北部豪雨の被害が甚大でありましたが、これは夏の梅雨期の自然災害の一環と考えられるところでございます。一昨日、7月19日時点ですが、関東地方で梅雨明けしましたが、東北地方や北陸地方はまだ梅雨明けをしていないという状況にあります。また、新潟県等でも豪雨があったところでもございまして、この全国的な梅雨明けを待って一連の梅雨期の被害額を確定をし、それから速やかに閣議決定するという運びとなりますので、まだ、いつ梅雨が最終的に全国で明けるかどうかということが確定できていないところでございますので、いつ、何日に閣議決定するということはここで直ちに申し上げることはできません。
(問)西日本新聞の湯之前です。
 農業関係は本激ということでよろしいのですよね。
(答)今回の激甚の指定につきましては、農地等の被害復旧事業等については、全国を対象とする本激に該当する見込みです。
 また、公共土木施設の災害復旧事業については、福岡県の朝倉市、東峰村、添田町、及び大分県日田市が早期局激に該当する見込みでございます。
 そして、中小企業信用保険法による災害関係保証の特例につきましては、福岡県朝倉市及び東峰村が局激に該当する見込みです。
 指定されれば、それぞれ自治体の実施する災害復旧事業について、約1から2割の国庫補助率のかさ上げが行われ、また、中小企業信用保険の保険料率の引下げが行われるということとなります。
 なお、農林水産業共同利用施設災害復旧事業につきましては、指定されれば、通常で2割の国庫補助率が最大9割までかさ上げされることとなります。
 詳しくは事務方に御確認いただければと思います。
(問)読売新聞の中根と申します。
 激甚災害の査定見込額の総額としては幾らになるのかというところと、5年前の九州北部豪雨と比べると、それを上回っているのかどうかというところ。あと、本激になった部分については、九州以外だとどこら辺が被害が比較的多かったのか教えていただけますか。
(答)前回の数字との比較というのが、ちょっともとの数字がないのと、梅雨期が終わらないと最終の数字が出てきませんので、その比較は今、直ちにはできないという状況にあります。
 それで、何をもってそれを判断していくという基準についてなのですが、本激となった農地等については、全国の総額で52億円以上に達するか否かということになるわけですが、その条件と且つ1の都道府県内の査定見込額が10億円以上を超えるか否かという細かいいろいろな状況があるのですが、その基準額を超えたと判定したことから、今回の発表がされたということです。
(問)時事通信の真島と申します。
 激甚災害の指定に見込みの発表についてお伺いしたいのですけれども、指定地域に関してはすごい心強いメッセージになったと思いますが、改めて被災地へどのようなメッセージを伝えたいか、今回の見込み発表に関して大臣の方からお願いいたします。
(答)これは私が現地へ視察に行ったときも、各自治体の皆さんが激甚災害指定、真っ先にお話をするぐらい、今後どうなるかということに大変不安を抱いて対応に当たっているという様子を見てまいりました。また過日も、全国知事会からの御要請がありまして、激甚指定を早期にということが言われ、また、総理も幹事長も早期にという御指示があったところでありますので、運用上、可能な限り早く公表ができるような体制をつくりました。それを受けて、御地元の方で対応されていらっしゃる皆さんは大変な御苦労いただいているところでございますが、こういったことで国と一体になって地元の被災者の皆さんをサポートするということに努力をされているところでございまして、一定の基準を超えたということで、更に国と被災地自治体が一体となって活動していくということに確信を持てて、これからもしっかりと対応していただけるような状況を生むことができたのではないかと思います。
(問)共同通信の渡辺と申します。
 PKO部隊の日報問題に関してなんですが、稲田防衛大臣が日報の電子データの保管を非公表とする方針を了承したとの報道がありますが、稲田大臣が一貫して報告を受けていないと否定しているわけですが、様々な情報が出てくる中で、今、自衛隊を掌握できていないのではないかと批判もありますが、閣僚としての御意見と御見解がございましたら、お願いいたします。
(答)報道については承知をしているところでございますが、個別案件という受け止めをしておりますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

(以上)