松本内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成28年12月9日

(平成28年12月9日(金) 9:03~9:16  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 おはようございます。2点申し上げます。
 まず初めに、「噴火時等の具体的で実践的な避難計画策定の手引き」の改定について申し上げます。
 活火山法の改正によりまして、火山災害警戒地域に指定された市町村には、火山防災協議会の設置や避難計画の策定など、火山地域の関係者が一体となって警戒避難体制を整備することが義務付けられたところでございます。
 内閣府では、今年度より学識経験者や地方自治体に参加いただいた有識者委員会を開催し、平成24年に作成いたしました「噴火時等の具体的で実践的な避難計画策定の手引き」の改定について、意見を伺ってきたところでございますが、このたび、改定手引きがまとまりましたので、本日公表いたします。
 改定した手引きでは、御嶽山噴火の教訓を踏まえ、登山者・観光客対策を充実させるとともに、突発的な噴火も想定しており、市町村や協議会の構成機関における標準的な対応について記載したものとなっております。
 現在、内閣府では、各火山地域が抱えている個別の課題についても内閣府の職員を現地に派遣して解決策を検討しており、地方公共団体と協働して具体的な避難計画の検討を行っているところでございます。
 地方公共団体においては、今回改定した手引きも活用いただき、火山地域の取組の一層の充実・強化が図られることを期待しております。
 次に、本日、障害者施設における殺傷事件への対応に関する関係閣僚会議が開催されました。この関係閣僚会議においては、厚生労働省を中心とした検証検討チームで取りまとめられた再発防止策及び各府省庁における対応について報告がなされました。
 本件は、何の罪もない多くの方々が犠牲となった大変痛ましく残忍な事件であり、改めて亡くなられた方の御冥福をお祈りし、御遺族にはお悔やみを申し上げたいと存じます。また、負傷された方々にはお見舞いを申し上げます。
 警察においては、事件の全容解明に向けた捜査を継続するとともに、二度とこうしたことが起こらないよう検証検討チームに参画し、協力を進めてきたところでございます。
 今般の報告書を踏まえ、警察において地域の関係者との協議の場への参画、社会福祉施設等の防犯に係る安全確保への協力等の再発防止に向けた取組をしっかり進めていくよう指導してまいります。
 私からは以上、2点でございます。

2.質疑応答

(問)共同通信の出井です。
 先程の火山の手引きの改定の件なのですが、活火山法改正で義務付けられた避難計画、155の自治体が対象で今のところできているのが22にとどまっていますけれども、具体的にどういうふうな方策でこれを後押ししていこうと思っているのかを伺えたらと思います。
(答)各自治体では、具体的な避難計画を策定するためのノウハウを有する職員がいない場合が多いという事情も伺っているところでございます。今回、手引きを改定するとともに、現在、内閣府では職員を現地に派遣いたしまして、地方公共団体と協働して具体的な避難計画の検討も行っております。様々な支援を実施しているところでございます。
 今後も、改正活火山法を適切に運用し、地方公共団体の意見も聞きながら関係省庁とも連携して、各火山地域の火山防災対策推進のための支援を行ってまいりたいと思います。
(問)朝日新聞の藤田です。
 今日、これから午前中に公益通報者保護法の改正、必要性を話し合う検討会が開かれ、最終報告書も出る見込みの案が出て、検討される見込みとなっていますが、こちらの法律については法改正がなかなか進まなかったという背景がありまして、今般有識者の方々が法改正の方向性をこの報告書で示すというふうなところまで進んできたということですが、大臣は今後どういうふうに進めるのが望ましいとお考えでしょうか。
(答)消費者庁で開催しております「公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会」におきまして、本日最終報告書を取りまとめていただく予定となっております。
 今後の取組につきましては、この最終報告書を踏まえて具体的に検討していくこととなりますが、一つは民間事業者や行政機関向けのガイドラインの改正など、制度の運用改善により対応可能なものについては、できる限り速やかに実施することとしております。
 他方、保護の対象となる通報者の範囲、不利益取扱いに対する行政措置の在り方など、法改正が必要な事項については、まずは、この最終報告書の内容を広く周知をするとともに、各関係団体や国民からの御意見を聴取した上で、法改正の内容をより具体化するための検討を引き続き行っていく必要があると考えております。
(問)信濃毎日新聞の東條と申します。
 噴火避難の手引きのことでお聞きしたいのですけれども、今回の手引きは警戒レベルに応じて各機関がどのような対応をすべきかというのを、一つ一つ明確にしていく手引きとなったことが特徴だと思うのですけれども、その中で、噴火警戒レベルが最低の1のときから、気象庁がたとえ警戒レベル1に据え置いても、火山性地震の増加といった噴火につながるのではないかというような兆候が出た場合には、積極的に1に据え置かれても自治体などが対応するというような部分も盛り込まれたわけですけれども、このことは御嶽山では実際に1に据え置かれたまま、前兆とも受け取れるような火山性地震があったのですが、1に据え置かれたまま噴火して、大勢の犠牲者が出たという結果が出ました。
 こういう教訓を踏まえて、さらに今回の手引きの全面改定という経過を踏まえて、この面での重要性について、大臣の所見を伺いたいと思います。
(答)平成26年の御嶽山噴火災害を踏まえまして、噴火警戒レベルを上げる基準に至らない火山活動の変化を観測した場合でも、気象庁は一般の方々に火山活動が活発化していることを認識してもらうために臨時の火山の状況に関する解説情報を発表しております。
 本手引きにおきましても、臨時の解説情報が発表された場合などには市町村に住民や登山者などへの迅速な情報伝達を求めているところでございまして、この住民や登山者対策等の充実を進めるためにも、この本手引きを十分に活用していただきたいと思っております。
(問)NHKの藤島です。
 同じく火山の手引きに関してなのですが、今回の手引きは避難計画を作る自治体の職員がまず見るということがまず第一にあると思うのですけれども、中には登山者対策ですとか観光客対策ということで、その人たちに知ってもらうということもすごく重要になると思うのですが、どのようにそのあたりを周知だったりですとか、連携してやっていくのかという点について教えてください。
(答)登山者には活火山に登ることの危険性を理解していただいて、いざというときには自ら身の安全を確保する必要があるということを広く知っていただく必要があることは言うまでもありません。
 内閣府と気象庁では、火山へ登山する際の心構えを記載いたしましたリーフレットを作成しておりまして、市町村や日本山岳協会等の登山関係団体などとも連携をいたしまして、登山者への周知・啓発を行っているところでございます。
 市町村等におきましては、本手引きを踏まえ、突発的な噴火の際に登山者自ら緊急退避を行う必要があることについて、平常時から登山者への周知・啓発をより一層取り組んでいただきたいと考えているところでございます。
(問)もう1点。
 今回のこの手引きで、御嶽山の噴火以降、国の方で整備する法律、指針、そういうものが大分出揃ってきたのかなと思うのですが、今後それを実行に移していくというタイミングになると思うので、改めて国の火山防災体制に対しての向き合い方というか、そこについても教えてください。
(答)基本的には今後も改正活火山法を適切に運用していくということ、地方公共団体の意見も聞きながら、関係省庁とも連携をいたしまして、これらの対策、推進の支援を行っていくということが私どもの心構えと言えるところだと思います。
(問)西日本新聞の湯之前と言います。
 審議中のIR法案について伺いたいのですけれども、マネーロンダリングとか依存症とかいうことが指摘されていますけれども、国家公安委員長、あるいは消費者庁の立場として所見があればお伺いします。
(答)このIR法案そのものが議員立法であるという前提でございまして、今、審議中というところでございまして、私からのコメントは差し控えさせていただきたいと存じます。

(以上)