松本内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成28年9月6日

(平成28年9月6日(火) 10:55~11:07  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 まず初めに、台風第10号の被害状況及び対応状況について申し上げます。
 台風第10号により、これまで死者18名、行方不明者2名、安否の確認のとれていない方々が7名など、岩手県、北海道を中心に多数の人的・物的被害が生じています。改めて、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に対して心からお見舞いを申し上げます。
 岩手県久慈市、岩泉町の道路寸断等により孤立している地域では、天候の悪化に備え、4日から5日にかけて、ヘリによりまして167名の住民の避難を実施しております。政府としても地元自治体と連携し、警察・消防・自衛隊等のヘリなどによる住民の避難支援のほか、御自分の意思で当該地域にとどまっておられる方々への必要な物資の提供等を実施したところでございます。
 また、昨日5日、私を団長とした政府調査団を北海道に派遣し、台風により被害を受けた農地や食品加工施設、市街地やインフラの現地調査を行うとともに、北海道知事や市町村の代表者の方々と意見交換を実施しました。
 北海道知事や市町村の代表者の方々との意見交換では、産業被害に対する助成や、今後の災害防止に向けた治水事業に要する予算の確保などの要望を頂きました。
 政府としては、引き続き、被災自治体と緊密に連携し、行方不明者や安否不明者の捜索活動に全力を尽くすとともに、被災者の方々が一日でも早く安心して生活できるよう、孤立地域の解消に向けた道路啓開、物資輸送や給水などの生活支援などに取り組んでまいります。
 次に、平成28年防災大臣表彰の受賞者決定について、申し上げます。
 このたび、平成28年防災功労者防災担当大臣表彰の受賞者を決定いたしました。全国で発生した災害において、住民の安全確保や人命救助、被害の軽減などに御活躍された個人又は団体、防災思想の普及や防災体制の整備に御功績のあった個人又は団体を対象に、10個人、11団体を表彰することとしました。なお、この表彰については9月7日に表彰式を実施いたします。
 次に、「中央防災会議 防災対策実行会議 南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく防災対応検討ワーキンググループ」の開催について、申し上げます。
 6月28日に「中央防災会議 防災対策実行会議」の下に設置されました「南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく防災対応検討ワーキンググループ」の第1回の会議を、9月9日(金)に開催することといたしました。
 現在、地震予測に基づく防災対策として、大規模地震対策特別措置法、いわゆる大震法におきまして、東海地震を対象として地震防災対策強化地域が指定され、地震予知に基づく地震防災応急対策が実施されることとなっております。
 しかしながら、最近の知見では、「地震発生の可能性の高まりを言えることはあっても、南海トラフ沿いの大規模地震の確度の高い予測は難しい」と言われております。
 一方で、東海地震だけでなく、南海トラフ沿いの広い範囲での大規模地震の発生が懸念されております。
 本ワーキンググループでは、現在の大震法の枠組みにとらわれることなく、地震の予測可能性の現状を踏まえた上で、地震予測に基づいて行うべき防災対応はどのようなものがあるのか、対象地域も含めて検討していただく予定でございます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)時事通信の新部と申します。
 台風被害のほうなのですけれども、現在、激甚災害の指定に向けて作業されていらっしゃると思うのですけれども、どのくらいで指定できそうな見通しでしょうか。
(答)この激甚災害の指定については、まずは関係施設の被害額などを把握することが必要であるため、現在、関係省庁を通じて、今回の台風被害に遭われた都道府県の被災状況を早期に把握し、御報告いただくようお願いをしているところでございます。
 また、北海道、岩手県に政府調査団を派遣した際、激甚災害の早期指定について要望を受けております。そのため、早期の被害報告について協力依頼をしてきたところでございまして、私も昨日、北海道知事と現地でお会いした際には、連携して取り組んでいきましょうということで確認をしているところでございまして、今その報告をお待ちしているという状況になります。
(問)共同通信、平田です。
 全く別件で、成人年齢の引下げの関係なのですけれど、消費者庁が消費者委員会に先週、9月1日付で意見聴取、20歳から18歳に引き下げられた場合に、悪質商法に巻き込まれる可能性が高いということで、防止策と救済策の意見を伺いたいと求めていて、今日、消費者委員会でそのワーキンググループが、多分、設置されると思うのですけれど、どんな項目についての議論を期待するかという点について、伺いたいです。
(答)成年年齢が18歳に引き下げられた場合、新たに成年となる18、19歳の若年者が行った契約行為は、親による事後的な取消しができなくなることから、これらの若年者が悪質商法などに巻き込まれるといったケースが想定されております。
 このため、成年年齢の引下げを実施する際には、例えば消費者教育の充実策などを講じることによりまして、新たに成年となる者の消費者被害の防止や救済を図ることが必要であると考えております。
 いずれにいたしましても、具体的な対応策については、消費者庁から消費者委員会に意見を求めているところでございまして、委員会における検討結果を見て、適切に対応していきたいと考えております。
(問)例えば、消費者委員会でいつごろまでに、それを受けて消費者庁でいつごろまでにという、何か出してもらいたいというスケジュール感とか、大臣の中ではありますか。
(答)この御意見を求めていたところは、9月1日からということでございますので、その進捗を見て、受け止めをさせていただきたいと思っております。
(問)年度内とか、そういった目標とかはありますか。
(答)今、直ちに私から申し上げるところでは、ございません。
(問)雑誌記者の中島です。よろしくお願いいたします。
 関連してなのですけれども、今、「三ない運動」というのが30年以上続いておりまして、18歳になっても四輪の免許が取れない、16歳のバイクは言うに及ばずというような状況が続いております。
 そんな中で、成人が18歳に引き下げられたときの交通安全教育について、大臣はどのようにお考えか、私見でも構いませんので、教えていただければと思います。
(答)これらにつきましても、現実にはその状況をどう受け止めて、そして、その安全策を講じながら対応できるかといったことを、慎重に検討していくということが必要だと思っております。
(問)大臣は、免許を与えない、乗らせない、(買わせない)という、教育指導の「三ない運動」については、どのようにお考えでしょうか。
(答)これは、国民の基本的には安全を担保していくということからの教育でございますので、それに対応できるだけの知識やら教養やらといったものも含めて対応していく必要がありますので、それをどこまでの線とするかということについては、慎重に御議論いただきたいと思っております。
(問)読売新聞、後藤です。
 鶴保大臣が、大臣就任前の7月のことなのですが、大阪府内でスピード違反で摘発されて、大阪府警に書類送検されたということが分かりました。国家公安委員長として御所見をお願いします。
(答)この個別の取締りにつきましては、国家公安委員会委員長としてお答えをすることは差し控えたいと思います。
 一般論として申し上げれば、警察では法令に違反する行為があったときは、法と証拠に基づき厳正に対処しているものと承知をしております。

(以上)