石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年5月20日

(平成28年5月20日(金) 9:30~9:42  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 私からは特にありません。

2.質疑応答

(問)昨日で国際金融経済分析会合が終わりました。財政出動や消費増税を巡って参加者の方からいろいろな意見がありましたけれども、大臣としては、一連の会合で財政出動や消費増税についてどのようにお考えですか。
(答)そもそも会合の目的は、伊勢志摩サミットのテーマが世界経済になるということで、世界的な識者から話を聞いて、その結果をサミットに反映させようということです。総理のイニシアチブで始まった会議ですが、3月から2か月間で7回も分析会合を開催できたことは非常に有意義だったと思っています。
 なかなか話を聞くことのできない世界的な経済学者の方々から、世界情勢あるいは見識を幅広く聞くことができました。
 世界経済の基調については、安定的に成長しているという方が多かった一方で、スティグリッツ教授の様に低迷している、大停滞時代だという見方まで、幅広いものがあったと思います。
 しかし、そんな中で共通していたのは、世界経済のリスクについての分析です。新興国経済の減速、あるいは政治的や地政学的な不確実性などが下方リスクとして存在していると、多くの有識者が示されました。それを念頭に置いておくということが分かったということは、非常に大きい意義だったと思っています。
 世界経済の脆弱性、下方リスクが高まる中で、伊勢志摩サミットが来週いよいよ始まります。その中でG7がリードして、世界経済の持続的かつ安定的な成長を牽引するために、力強いメッセージが打ち出されることを期待しています。
 会合では、総理御自身もかなり質問されていました。日本が、安倍総理がサミットの議長国としてリーダーシップを発揮していく上で、この勉強の成果は十分に生かされるのではないかと思っています。
 消費税については何度も答弁しておりますので、割愛させていただきます。
(問)昨日、産業競争力会議で素案が示されましたが、骨太方針、ニッポン一億総活躍プラン等々とあわせて、いろいろな戦略の素案が出たことについて、昨日大臣からも御紹介がありましたが、民間議員の方から会議や戦略が多く、複数あるのは、その全体像が国民に分かりにくいのではないか、分かりやすく示すことが大事なのではないかという指摘があったというお話がありましたが、担当大臣としては、会議や戦略が複数あって分かりにくいという指摘について、これは国民も感じるところだと思いますけれども、この辺りについてはどのように感じていて、今後どうしていきたいとお考えですか。
(答)私は、内閣府ができたとき、内閣府の大臣を2年半させていただきました。そのときは小泉内閣でしたが、初めて経済財政諮問会議ができて、そこが経済の「司令塔」という役割だったと思います。
 それが、今はマクロの経済財政運営の基本設計を示すものが骨太であると。そのように整理されています。そして、 今、御指摘のあった産業競争力会議の日本再興戦略は、成長戦略の実施設計、具体的な政策を示すものです。経済財政諮問会議と産業競争力会議、骨太方針と日本再興戦略が車の両輪になっているということだと思います。
 一方、一億総活躍国民会議のニッポン一億総活躍プランですけれども、これは昨年9月に総理が提唱されたもので、女性が本当に働きやすい環境をつくり、子供をしっかりと育てられる環境をつくり、高齢化社会の中で介護の人材をしっかり確保していくという、現在、顕在化している問題にフォーカスを当てて施策をつくっていくものです。
 今、説明をするのに1分ぐらいかかりましたので、御質問のとおり、分かりにくいことは分かりにくい。しかし、整理はされている。相互に整合性のとれた内容になるよう留意しつつ、実効性の上がる方針が取りまとめられたと承知しています。
(問)このスタイルを見直したり、精査するということは考えていないということですか。
(答)私がその時に大臣であるかどうかは分かりませんが、今後は、総理や関係大臣と相談することになるのではないかと思います。
(問)「アベノミクスを成功させる会」というのがありまして、これは元々安倍総理が野党時代に会長を務められていて、それから続いていて、今は山本幸三さんが中心になっていると思いますけれども、これが今日、消費増税をした上で10兆円規模の補正をやるべきだということを提言すると。この会は、一昨年のときは増税延期を提言して、それが原因で増税が延期になったとは思っていませんが、ある意味、安倍総理の判断を予言したということになりますが、今年そういう提言をされたことについてどう思うかということと、消費税について、やはり「アベノミクスを成功させる会」の提言は一考に値するとお考えになっているのか、その辺を教えてください。
(答)その会がそういうご提言をされたというのは、新聞記事で今日読みましたが、その分野の専門家の方としての一つのご意見だと思っています。
 それがどの程度、総理の判断に影響するかしないかということは、判断する材料がないので、私からはコメントのしようがないというのが現状です。
(問)今朝の自民党政調全体会議で、高鳥副大臣が介護士や保育士の処遇の改善について、骨太の方針で昨年定めた1.6兆円、年5,000億円の枠の外であるというような発言をされて、これについていろいろ、そのように決まっていたものなのかという意見も出ていますが、この副大臣の発言についてどうお考えになっていますか。
(答)高鳥副大臣が党の会合で何と言ったか、私はまだ何も聞いてないので、コメントのしようがありません。
(問)今朝の一部報道で、熊本地震の被害額が4兆円を上回るというまとめができたという報道がありましたが、可能な範囲で結構ですが事実関係について教えて下さい。
(答)報道は承知していますが、まだ1万人からの方が御避難されていて、本当に心から改めてお見舞い申し上げなければならない。内閣府はいろいろなところから被害情報を頂いていますが、今回の地震の特徴は、余震が大きく、昨日まで注意を示す黄色い紙が貼ってあった民家が、危険な状態であることを示す赤い紙に変わったり、急に全部崩れたり、農林水産業被害も4桁なかったのが1,300億円までなるように、時間の経過とともにどんどん増えています。それは地震活動が活発だということの裏返しだと思います。そうすると、九州全体の経済に対する影響もまた大きくなっている。日本経済に対する影響も大きくなっているというような段階ですので、公表のタイミングについては、収束したところで、その段階で区切りをつけて公表させていただきたいと思います。現在進行形なので、今関係省庁とどのタイミングで公表させていただくか調整しているところです。
(問)先ほどの山本幸三先生のアベノミクスを成功させる会の絡みですけれども、大規模な財政出動を伴う増税実施の方が格差縮小につながるみたいな御意見の方も、与党内にもいらっしゃるようにお見受けしますが、大臣の御意見をお願いします。
 また、それとは逆に海外投資家などでは増税延期を織り込んでいる方も多いようで、増税実施となるとマーケット的に厳しい影響も懸念される声もあると思いますが、そちらについても大臣の御所見をお願いします。
(答)前段の御質問は、ノーベル賞を受賞した世界的に著名な経済学者の中でも意見が分かれるように、我が党の中にもいろんな意見があるのだと思っています。
 消費税の10%への引上げですけれども、これは世界に冠たる社会保障制度を次の世代にしっかりと伝えていくために必要である。そして、国際社会からの国の信認を確保する上でも必要である。これは総理もおっしゃっていることですが、リーマンショックや東日本大震災のような重大な事案が発生しない限りは実施をいたしますし、その環境整備をすることが私の仕事だと思っています。
 安倍政権になりまして、速報値ですが、名目だとGDPが3年で30兆円増加するというのは、間違いなく大きい数字だと思います。先日の1-3月期のQEで計算しても、リーマンショックの前以来、GDPが500兆円に乗った。いよいよ500兆円を発射台に、600兆円経済を目指していく。ここまでアベノミクスはうまくいってきたと思います。そして、消費税という問題が目の前に、今、立ちはだかっているという認識を持っています。

(以上)