石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年4月28日

(平成28年4月28日(木) 8:52~9:01  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 閣議で特に当方に関係する案件はありませんでした。

2.質疑応答

(問)今朝発表された統計について2点伺わせていただきます。まず、家計調査ですが、実質の消費支出が前年同月比で5.3%と大きく落ち込みました。家計の節約志向が改めて鮮明になるような結果となっていますが、これをどう評価されていますか。また、生鮮食品を除く消費者物価指数も0.3%下落しました。デフレ脱却に向け、なかなか難しい状況となっていますが、大臣はどのように受け止めていらっしゃいますか、この2点をお願いします。
(答)家計調査ですが、前年同月比ではマイナス5.3%の減少で、2カ月ぶりの減少。前月比で見ると0.5%の増加、2カ月連続増加したとのことです。根底にあるのは、個人消費が力強さに欠けているということだと思います。
 月例経済報告の中でも既に御報告していますが、消費者マインドに足踏みが見られる。いろいろな要因があると思いますが、おおむね横ばいというのが私どもの評価です。
 CPIについてですが、内閣府では公表されている指標に加えて、消費者物価の基調を見るために、生鮮とエネルギー等を除いたCPIを算出して公表しています。その指数で見ると、物価は緩やかに上昇している。急上昇というわけではないですが、緩やかに上がっていると私どもは見ています。
(問)TPP法案ですが、国会審議の先送りが正式に決まったわけですけれども、改めて、所管大臣としてご感想を伺えればと思います。
(答)国会での審議については、国会でお決めになることだと思います。私どもは法案を提出し、既に20数時間の御審議をいただいている立場です。その立場から言いますと早期成立を、今国会が無理になったとしても、次の国会でということです。補正予算の審議など予期せぬ事態にはなっていますが、可能ならば、引き続いて、審議をお願いするという立場に何ら変わりはありません。もし仮に審議が行われれば、丁寧に、詳しく説明をしていきたいと思っています。
(問)先ほどの物価の話に戻るのですが、そもそも安倍政権が発足した後に、2年で2%を達成すると言っていた。ところが、どんどん後ずれしていって、まさにマイナス寸前になっているというか、総務省で出している数字ではマイナスになっている。ということですと、いつデフレから脱却できるのだと。その目標というのが達成できていないということと、その先、今後どのくらいの時期にデフレから脱却できるとお考えになっているのか、この2点を教えてもらえますか。
(答)日銀がおっしゃっていることで、政府としてはそれを支持し、サポートしています。先ほど言いましたように、我々の指標では、物価は緩やかに上昇しています。経済学者の分析でも同じだと思います。どれを見るか、指標によって違いはあるにしても、生鮮とエネルギー等を除くCPIをみれば上がっているのは事実だと思います。ですから、もうデフレではない。しかし、まだデフレから完全に脱却してはいないということではないでしょうか。
(問)個人消費についてですが、先ほど、根底には個人消費の力強さが欠けているというお話がありましたけれども、改めてベースとして消費が伸びないという要因をどのように見ていらっしゃいますか。
(答)毎月の調査の動きとしては、季節要因が大きいと思います。もう一つ、爆発的なヒット商品がない。耐久消費財で大きいのは家と車ですが、昔と違って若い人も、どうしても車が欲しいなど、そういうものがない。こういう複合要因が重なっている。そして、我々が若いころとまた違う時代になって、IT社会の中で、お金の使い方が変わっている。そういう支出がかなりの部分を占めている。通販、ネット、テレビ、こういうものを媒体とした売上げが統計上把握し切れていない部分がある。そういういろいろなことがあるのではないでしょうか。
(問)家計消費の減少が続く基調の中で、消費増税の判断というのも注目されているかと思いますが、その辺は改めてどのようにお考えですか。
(答)総理もおっしゃっておられるように、リーマンショック、大震災というような事態でない限りは予定どおり10%に上げさせていただくというのが政府としての考え方です。
(問)追加緩和についてお伺いしたいのですが、経済界からは、マイナス金利のプラスの面がなかなか出てこなくて、マイナスの面が目立つので、今の状況では追加緩和は好ましくないという声も上がっているのですけれども、マイナス金利のプラス面というのは、改めて、いつごろ、どういう形で出てくるものなのか。また、そういった経済界の声に対してはどのようにお答えになりますか。
(答)金融政策は日銀の所管事項です。政府としては、デフレを脱却することが重要であり、デフレではない状態までは来ていますので、引き続き、日銀の政策を支持していく。マイナス金利については、日銀サイドもいろいろと振り返っているところですし、効果についてももうしばらく見ないとわからないとおっしゃっています。表層的には金利が下がって、住宅ローンの借り換えが増える。逆に運用側では、長期のお金を預かる生命保険等の運用が厳しくなる。あるいはMMF等の信託系のサービスが提供しづらくなるなど、いろいろな影響が出ていると思いますが、日銀がおっしゃっているとおり、もう少し長く物を見ていく必要があると思います。初めてのことですから、本当のところは、現時点では誰にもわからないのではないでしょうか。

(以上)