石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年4月1日

(平成28年4月1日(金) 9:03~9:13  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日の閣議では、当方に関連する重要案件はありませんでした。
 私から一点御報告をさせていただきます。
 「国際金融経済分析会合」の第4回目の会合を7日の木曜日に、第5回目の会合を13日の水曜日に開催します。
 第4回会合については、ノーベル経済学賞受賞者で、産業組織論や規制の経済学等の分野で、世界的に著名な経済学者である、フランス・トゥールーズ第1大学のジャン・ティロール教授をお招きします。
 第5回会合については、OECDのアンヘル・グリア事務総長と、アジア開発銀行のチーフエコノミストのシャンジン・ウェイ氏のお二人をお招きしたいと思います。
 日時については、後日、こちらから御報告したいと思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)今、発表があった国際金融経済分析会合のお三方を人選された理由と狙いをよろしくお願いいたします。
(答)我が国は次のサミット議長国ですので、世界経済、国際金融、エネルギーなど、幅広い分野について詳しい有識者、分析することのできる経済学者の方々からお話を聞くことが本会合のそもそもの目的で、それによりサミットにおいて総理に役立つようにと始めています。
 ティロール教授は、産業組織論と、規制の経済学の分野で著名な経済学者ですし、フランス出身でEU全体のことについても大変詳しいということでお招きしたいと思っています。
 5回目のお二人については、OECDのグリア事務総長は毎年日本にいらっしゃっておられ、先進国の経済状況等について、OECD独自の分析をされています。アジア開発銀行のウェイ氏は、チーフエコノミストとして、新興国経済に若干の減速感がある中で、その他の状況をどう見られているか、中国経済の減速によって、東南アジアの国々の経済にも影響が出ていますので、その辺の話を伺わせていただければということで、人選させていただいたところです。
(問)今日発表された日銀の短観について、一点お願いします。
 業況判断指数が製造業、非製造業とも悪化しているという状況と、設備投資が来年度そこまで振るわないのではないかというようなデータが出ています。今回のこの結果をどのように大臣は受け止めていらっしゃいますか。
(答)御指摘のとおり、全規模・全産業で2ポイント悪化し、特に大企業製造業は6ポイントの悪化。しかし、総じて見ますと、これはDIなので、「良い」から「悪い」の引き算ですから、プラスの状態はキープしていると捉えています。悪化した理由としては、新興国と中国の経済の状況、こういうところに引っ張られたと考えています。
 後段の設備投資は、2015年度の設備投資は、プラス8%と高水準です。これから比べれば、当然、2016年度は現時点ではそれよりも下がるという見立てですので、注視していかなければならない。設備投資の部分は重要ですし、また、榊原経団連会長も2018年目がけて10兆円のプラスを考えているということですので、しっかりと見て、注視していく重要なポイントだと考えています。
(問)この国際金融経済分析会合ですが、当初、5回くらいという話だったのですが、これで打切りということではないのですか。6回目を予定しているのですか。
(答)今日は5回目までの予定をお話しさせていただきましたが、まだ話を聞いてみたい方はいます。そういう方々の日程等々もありますので、適宜お招きできればと考えています。
(問)大体サミットまで何回ぐらいというお考えですか。
(答)そこのところはフレキシブルに考えていまして、最初は五、六回みたいな話をしましたが、それよりは多くなると思います。ただ、サミットまでにということですので、10回や20回ということは考えていません。
(問)先日、第3回に講師として参加したクルーグマン教授が、ホームページ上に議事録を公開して、オフレコの安倍首相の部分も公開するということがありましたが、これについて受止めを。
(答)これは、議事録ではなくて、クルーグマン教授が自分のしゃべられたことをホームページに出されたと。発言要旨はこの後つくりまして、御本人に確認をします。この会合は非公表の会合ですので、今、クルーグマン教授が掲載しているものは議事録ではないと認識しています。
(問)今日の日銀の短観を受けてなのですけれども、改めて来年4月の消費増税について、予定どおり実施すべきかどうかということと、経済対策については、景況感は悪化していますけれども、対策を打つ必要があるのかどうか、この2点、お願いします。
(答)日銀短観はDIですから、「良い」から「悪い」を引いた引き算です。その水準はプラスにある。これがマイナスになれば非常に悪いことですが、水準としてはプラスにあるし、2015年度の設備投資も8%と高い数字が出ています。ファンダメンタルズががくんと落ちているわけではありません。先ほど国際金融経済分析会合においてアジア新興国と中国の話をウェイ氏から聞かせていただきたいという話をしましたが、外的な要因はあるにしても、所得と雇用の状況はいいのだと思います。特に、雇用はかなりタイトになってきていると思います。
 そうしますと、私の仕事は来年の4月1日に消費税が10%にできる環境を整備していく、そのことに変わりはないと思っています。日本の場合、消費税は社会保障目的税ですので、全てが年金、医療、介護、子育ての分野を通じて国民に戻るわけです。社会保障分野が一番歳出面で大きくなっていますので、社会保障制度を次の世代に引き継いでいく上で重要です。国際金融経済分析会合でも、消費増税は今は止めろという方もいますが、ジョルゲンソン教授のように、消費の方にシフトをしていくべきだという方もいます。これは日本の税の体系からすれば、当然の姿だと思います。
 そういう様々な御意見のある中で、国際的な信頼も考えていく。しかし、しゃくし定規に決めたからやるというものではない。これは総理が国会で御答弁されている通りだと思います。

(以上)