石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年2月12日

(平成28年2月12日(金) 9:11~9:26  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日の閣議で、当方に関連する話はありませんでした。

2.質疑応答

(問)為替市場の動向についてお伺いします。円高ドル安が進んでおりまして、海外市場では1ドル110円台を付けました。この2週間ほどの為替の動きというのは非常に急激で、企業経営にも影響が出るのではないかと懸念されますけれども、最近の為替市場の動向とその影響についてどう見ているかお願いします。
(答)政府としては、市場の動向を注意深く見守っています。
 世界的に見てリスク回避の動きが市場全体に広がり、我が国の市場でもそういう影響が出ている、変動が出ている。しかし、実体経済を是非見ていただきたいと思います。企業収益は過去最高、日本経済の足腰はしっかりしています。日本経済のファンダメンタルズは良好であり、その状況が今回のことによって変化をしているとは見ていません。したがって、個人的な見解ですが、市場心理は少し悲観的過ぎるのかなという印象を持っています。
 これは日本のマーケットだけではなくて、中国経済の先行きみたいなものもあります。そして、ヨーロッパ、アメリカもある。政府としては、こういうことに右往左往することなく、G7、先進国の国際社会と連携しながら、内外の情勢を注視していくということが肝要ではないかと考えています。
 そして、27年度補正予算は既に成立していますので、速やかに実施して、実体経済の好循環を確固たるものとすべく、必要な施策を一歩一歩着実に進めていきます。
 また、為替市場については、これまでもG7やG20で合意されていますように、急激な相場の変動は望ましくないと、どこの国も、また、マーケット、経営者の方も考えていると思います。最近の為替相場というのは、誰が見ても少し荒過ぎます。引き続き市場の動向を、緊張感を持って見てまいりたいと考えています。
(問)週明けにGDPの発表がありますけれども、やはり消費が弱いということで、暖冬の影響はあるとは思うのですが、消費の基調も消費税増税以来弱いという指摘もありますけれども、その辺はどう見ていらっしゃいますでしょうか。
(答)月例経済報告でお示ししているように、一部に弱い動きはありますが、雇用と所得環境の改善は、トレンドで見ますと間違いなく続いていますし、景気ウオッチャーなどをみますと、消費マインドも持ち直していると思います。割と底堅い動きになっていると思います。
 そして、暖冬の影響ですが、今年の1月10日ぐらいまですごく暖かかったと感じています。そうしますと、冬物衣料や暖房などが大きくマイナスになります。ただ、確認しましたら、12月のクリスマス前後の商戦なども含め、前月比ではプラスの動きもあると聞いています。
 アベノミクスというのは、「経済再生なくして財政再建なし」、すなわち実質2%、デフレ状況ではない状況は作り出しましたけれども、デフレ状況を脱するために、名目3%の経済成長を確固たるものにする。そんな中、お子さんを育てている30代から40代にかけての世帯の方々が、身近なところで、エネルギー価格は低下していますが、生鮮食品などの上昇に対して、生活防衛的に行動している。そんな報告も受けています。こうなってくると、賃上げが持続的に行われるということが、今一番大切ではないかと考えています。
(問)賃上げの話についてですが、今は株安円高もあって、先ほど企業もいい、日本経済のファンダメンタルズも良好とありましたけれども、実際には業績も陰りがあったり、円高になればまたダメージが大きくなって、そういう意味では、賃上げもこの春闘でなかなかうまくいかないのではないかという指摘もありますけれども、その辺がどうかということと、それを含めて、このまま行った場合、来年春の消費税増税はリーマンショックなどがなければやるということだと思うのですけれども、それによって景気が冷え込む懸念、その辺はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)先般行われた経団連と連合とのトップ会談では、経営側から名目GDP3%成長への道筋も視野に置きながら、各社の収益に見合った積極的な対応を図るという前向きな考えも示されています。政府としては、しっかりと見守ってまいりたいと考えています。
 そんな中で、政府としても賃上げ促進税制、これは平成26年度に2,500億円の減税となっています。ということは、賃上げをすれば、税額控除で効いてきますので、それだけ賃上げをしているという会社があるということの裏返しです。こういうものもしっかりと御活用いただいて、中小企業の方まで含めて、賃上げが3年連続でなされる。デフレが20年近く続いていますので、これから3年、4年、5年と続いていくということが肝要ではないかと認識しています。
(問)二つございまして、世界金融市場の急変ですけれども、大臣としては、一時的な過度の変動という御認識でいらっしゃいますでしょうか。先週から欧州の金融システム不安が再燃しておりまして、どちらかというと、世界経済の低成長の実態が露呈している過程というか、そう簡単には好転しないのではないかという厳しい見方もありますが、御所見をお願いします。
 二つ目は、先ほどのお話ですと、新たな経済対策は、現時点では不必要という御見解という理解でよろしいでしょうか。
(答)27年度補正予算が成立しています。これを実行する、すなわちお金が流れていく。経済はお金の流れによって隅々までエネルギーを運ぶわけですので、それを着実にまず実行するということによって好循環を作っていく。必要な施策は着実に進めていく。今はまず補正予算の着実なる実行、そして、今御審議をいただいている本予算の成立を、審議をしっかり深めていただいて図っていく。そうしますと、またその予算というものが流れるわけですので、こういうものを積み重ねていく。
 為替市場がこのように乱高下することは、G7、G20で為替については、急激な変動は望ましくないと共通認識を持っているわけですから、しっかりと注視していく。
 日本経済のファンダメンタルズ、雇用や所得環境は、良好であると思っています。ですから、その状況が変わった、日本のファンダメンタルズが変わったという認識は持っていない。そういう意味では、個人的な考え方ですが、市場心理は悲観的過ぎる感があるのではないか。
 27年度の補正予算の速やかな実行は、日本の経済には、間違いなくGDP底上げで効いてくるわけです。そして、それ以外にも生産性の向上を内容とするような成長戦略も、既に作られているわけですから、こういうものを着実に実行して、実体経済の好循環を確固たるものにすべく、必要な施策を休まず積み上げていく。一気に飛び越えるのではなくて、一つ一つ積み上げていくことによって、今、御質問の中にあったような状態あるいは懸念みたいなものを払拭していくことに努めていくことが大切ではないかと考えています。
(問)宮崎謙介議員が育休を取ると、国会議員で初めて宣言して、その彼が、妻が身ごもっている状態の中で不倫をしていたという報道が出ていまして、今日釈明の会見をするそうですけれども、不倫はともかく育休を国会議員が取るということを宣言されて、それで、世の男性の意識、世間の意識も変わりつつある中、新しい風を吹き込もうと意気込んでいた本人が、このような醜聞でマイナスのイメージを振りまくというのは、育休を取ろうと思っている世の男性に、非常にマイナスになるのではないかと思うのですけれども、その辺、今回の件についてどのように大臣はお考えになっているか教えてもらえますでしょうか。
(答)事実関係を認識しているわけではありません。会見があるということですので、御本人がしっかりと説明されるということが大切ですし、一般論としていえば、総理が申されているとおり、「信なくば立たず」ということだと思います。
 一つ例を出させていただきますと、霞ヶ関でも男性職員の育休制度というのはあります。ただ、それに手を挙げるというのは、こういう日本の社会の中では勇気の要ることだと思います。私が環境大臣をしているとき、環境省の政府委員室の、大変優秀な若い男性職員が半年間、育休を取りたいと、私のところに相談に来られた。是非やってくださいと。皆さん、戻ってきたときに、どのように見られるのかということを心配されますが私からも大臣官房にしっかり言っておきますので、しっかりと奥さんを支えてあげてくださいとお話をした。そんなエピソードを紹介させていただきたいと思います。

(以上)