河野内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成28年7月29日

(平成28年7月29日(金) 10:33~11:19  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 おはようございます。
 7月26日、相模原市の障害者支援施設において19人が亡くなり、26人が負傷する事件が発生をいたしました。何の罪もない多くの方々が犠牲となった大変痛ましく残忍な事件でもあり、亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族にはお悔やみを申し上げたいと思います。また、負傷された方々にはお見舞いを申し上げたいと思います。
 今年2月、被疑者が衆議院議長公邸に手紙を送ったことなどから、関係機関とも連携し、措置入院などの措置が講じられてきたところでございますが、今回の事件の発生は誠に残念でございます。
 現在、神奈川県警において逮捕した被疑者の動機や事件の背景を含め、この凄惨な事件の全容解明に向けて捜査を推進しております。併せて、厚生労働省を中心とした、福祉施設の安全確保の今後の取組に対しても必要な協力をしてまいりたいと考えております。
 二つ目でございますが、7月19日から27日までの日程で、シンガポール、マレーシア、サウジアラビア及びヨルダンに出張をいたしました。シンガポールでは、「RSAカンファレンス・アジア太平洋&日本」に出席をし、シンガポール内務省等主催のサイバー犯罪に関するフォーラムにおいて、サイバーセキュリティに係る日本警察の取組について発表し、官民連携の重要性等について、各国との認識を共有することができました。また、マレーシアではノル・ジャズラン内務副大臣をはじめとする関係者、サウジアラビアでは、アフマド・ビン・ムハンマド・アッサーレム内務副大臣等の関係者、ヨルダンでは、サラーマ・ハンマード内務大臣等の関係者と会談をし、国際テロ対策、国際組織犯罪対策における、更なる連携強化について認識の共有をすることができました。
 3点目でございますが、本日の閣議におきまして、「平成28年警察白書」を配布いたしました。今年の白書では、「国際テロ対策」と題する特集を組んでおります。国際テロの情勢の推移や我が国に対する国際テロの脅威を概観するとともに、警察の取組、今後の展望について紹介をしてございます。
 警察からは以上、3件でございます。
 内閣人事局行革推進本部絡みでございますが、旅費業務の見直し及び霞が関の働き方改革を加速するための重点取組方針について、今日の閣僚懇で発言をいたしました。出張の旅費が実際に職員に支給されるまでに数か月かかっているというような事例がままございまして、この旅費業務の見直しを進めてきたところでございます。今日のお昼、次官級の会議で正式に決定をいたします。詳細につきましては、次官級会議の後に私から会見を行わせていただきたいと思います。
 また加えて、働き方改革について、私の下で開催した「霞が関の働き方会改革を加速するための懇談会」からの提言を踏まえて、今後3年間で重点的に取り組むべき項目として、重点取組方針を策定いたしました。国会関係業務をはじめとした業務の効率化、それから、不要な業務を廃止する。あるいはリモートアクセス機能の整備・強化といったことに積極的に取り組んでまいりたいと思います。「ゆう活」の実施期間中でもございますので、閣僚の皆さんにこの働き方改革の積極的な推進をお願いいたしました。
 今日の午後1時から熊本地震への対応から教訓を得るための取組として、中央防災会議防災対策実行会議の下に、「熊本地震を踏まえた応急対策・生活支援策検討ワーキンググループ」の第1回会合を行います。有識者や被災された自治体の皆様の御意見を伺いながら、応急対策・生活支援の在り方に関する全般的な検討を行い、具体的な改善方策を年内に取りまとめたいと考えております。
 消費者庁関係で2件でございます。
 一つは、消費者庁から金融庁に対しまして、問題提起をしたことにつきまして、金融審で議論をするということになりました。金融商品の中で、分かりにくい商品がままございます。デリバティブを組み込んだ仕組預金ですとか、毎月分配型の投資信託など、本当に消費者が、商品の内容が理解されているのかどうか分からないまま、消費者に対して販売が行われてきた金融商品というのがございましたが、果たしてこれが今のままでいいのかどうか、あるいは、その消費者が本当に理解をして買っているのか、あるいは販売する側がそうしたことを理解して販売をしているのかどうかというところをしっかりと見極めていただきたいということを申し上げてまいりました。
 また、残高が少なくなった投信の運営コストの問題、その他もございますので、こうしたことについて、消費者庁から金融庁に問題提起をしてまいりましたが、今般、金融審でそうしたものについて、顧客本位の業務運営の観点から、しっかりこうした問題を議論してもらうということになりましたので、消費者庁からもオブザーバーとして入りまして、しっかりフォローアップをしていきたいと思っております。
 それから今日、徳島県での消費者庁の試行的な滞在が終了をいたします。今回は3月と比べて、1か月という長めの滞在をいたしまして、総務課長を除く全ての課長が参加をいたしました。国民生活センターについても研修と商品テストの試行をずっと行ってきたところでございます。施行結果については、今、整理をしてもらっておりますが、徳島県では消費者教育や倫理的消費(エシカル消費)の観点から、大変熱心な取組が見られたほか、県との連携により先駆的な施策を推進するための実証フィールドを確保したり、あるいは行政、事業者、学術機関等の継続的な協力が得られれば、新たな施策をつくり出せる可能性も非常に高いというふうに感じております。
 また、働き方改革という観点から、ペーパーレス化、あるいはテレワークの促進に発展できるような可能性も出てまいりました。そういう意味では、非常に有意義だったと思います。ということもございますので、私としては徳島県に「消費者行政新未来創造オフィス」、「新未来創造オフィス」というのは、徳島県が神山町に徳島県庁の機関として作っている「新未来創造オフィス」というのがありますので、その名前をお借りいたしまして、「消費者行政新未来創造オフィス」ともいうべき拠点を置こうというふうに思っております。そこで、その徳島県で実証に基づいた政策の分析・研究の中心となる、新しい消費者行政の創造の場、発展の場というものにしていきたいと思っております。規模的には、7月のテストと同じぐらいの人数で徳島県、あるいは近畿圏の様々なネットワークを活用して、分析、研究、実証実験といったものができるようなものを作っていきたいというふうに思っております。
 例えば、不招請勧誘について徳島県をフィールドとして使わせていただいて、そこでの成果を全国的に横展開をする。あるいはブロックチェーン、フィンテックのような、新しい消費者のための技術に関する様々な政策なんていうのは、別に東京でなくともできる。むしろいかに世界とつながるかということを考えれば、そうした新しい創造的な政策を作る場としては、徳島県は非常にいいのではないかというふうに思っております。そういう意味で、新しい消費者行政を作る、新しい消費者のための政策を作っていく場として、拠点を設けていきたいというふうに考えております。
 今回のテストで、例えば国会対応は、国会閉会中ということもありましたので、やりませんでしたが、例えば国会が始まっても、恐らく国会答弁をどうするのだというような議論は出てくると思います。それから、例えば官邸の事務次官会議をどうするのだというようなこともありますし、危機管理をどうしようかということもあると思います。それから、関係省庁共有の、まだテレビ会議システムというのもございませんので、今、ある中で全てのことができるかというと、それはできないということだと思いますので、しかし、業務を徳島県に持っていって、業務できないかと言われれば、業務はできるわけです。ですから、できるかどうか、テストをするためのテストは、これ以上やる必要はないというふうに思っておりますので、徳島県で、様々な新しいことをするための拠点というものをまず設けながら、例えば研修も、東北や北海道から徳島に行くのは大変だということで、なかなか行っていただけませんでした。これは今後、徳島県への航空路が開拓されれば行けるようになるだろうというふうに思いますし、商品テストも、今まで相模原ではできなかったような先駆的なテストを徳島県でやるというのは、非常に意味があるのではないかなというふうに思っておりますので、今後、例えば航空路をはじめとする交通が整備をされたらどうなるのか、あるいは国会答弁、テレビ会議でもいいですよとなったらどうなるのか、霞が関の情報システムが更に完備されたらどうなるのかという可能性はいろいろ残ってはいるものの、現時点でなかなかまだ環境が整備されていないという部分もございますので、まずこの「消費者行政新未来創造オフィス」、仮称ですけれども、というものを徳島県に設けて、東京でやっていないような新しい消費者行政を作り出すということをやりながら、3年程度をめどに今後、周りの環境を含め、どうなっているのかというのを見直していくということをやっていきたいと思っております。そういう方向で、まち・ひと・しごと創生本部には、今後の在り方ということで申入れをしていこうというふうに思っております。
 拠点は作りますけれども、それぞれの課から人を出してもらって、業務をやりますので、組織をいじるということよりは拠点を作って、そこへ消費者庁からいろいろな人に行ってもらって、様々な新しい取組をやってもらいたいというふうに思っているところでございます。
 今回のテストでも、徳島県、県庁をはじめ大勢の皆様、関係者の皆様には大変な御支援を頂きました。徳島県の熱意も十分に感じましたし、四国あるいは関西広域連合などからも御支援を頂きました。御礼を申し上げたいと思っております。
 それから、消費者委員会については、今回、テストできませんでしたが、こういう拠点ができれば、徳島県でも消費者委員会の関係の会合をやるということも考えられると思っておりますので、そうしたことを含め展開をしてまいりたいと思っております。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)読売新聞の後藤です。
 消費者庁の移転の関係なのですが、「消費者行政新未来創造オフィス」というのはいつ設置されるのかということと、職員は皆さん、消費者庁の職員なのかということと、来年度予算の概算要求に盛り込まれるということなのか。
(答)当然に概算要求には盛り込んでいきたいというふうに思っております。いつからスタートするかというのは、まち・ひと・しごと創生本部、徳島県と相談をしていきたいと思っております。これはいろいろなリソースを使ってやりたいというふうに思っております。消費者庁から行ってもらう人もいると思いますし、ずっと常駐する人、あるいはそうした創造的な業務をやるときに行ってもらう人、徳島県から出してもらう人、あるいは関経連などから人を出してもらうということも当然に考えられると思いますので、様々な地域のリソースを含めた、様々な人的リソースを使いながら、新しいことをやっていくオフィスにしていきたいと思っております。
(問)このオフィスというのは、消費者庁の一部署という理解でいいのですか。
(答)部署というよりは、部署を新たに作るのではなくて、拠点は作りますが、そこに消費者庁の各部署から必要に応じて行ってもらうということで、組織は別にいじる必要はないのかなと。何かそういう組織を作るのではなくて、拠点はあるけれども、そこに消費者庁の現部局の人が必要に応じて行ってもらうという感じにしたいと思います。
(問)消費者庁の地方機関ということですか。
(答)違います。
(問)何立ですか、これは。消費者庁の組織ということではないのですか。
(答)消費者庁です。
(問)消費者庁。
(答)はい。消費者庁そのものです。
(問)消費者庁そのもの。
(答)はい。
(問)共同通信の平田です。
 今の関係なのですけれども、その7月と同じぐらい規模ということは、約40人位の人が、一応消費者庁の人を中心にその拠点に常駐するという形になるのですか。
(答)そんな感じかなと思っております。最大で40人位、多分、平均すると30人位だったのではないかと思うのですが、その中で、消費者庁の人間もいれば、いろいろなところから来てもらう人もいれば、徳島県の大学をはじめ、あるいは関経連をはじめとする企業にも人を出してもらえたらいいなというふうに思っておりますので、規模的には、7月のテストぐらいの規模の拠点を設けられたらいいなと思っております。
(問)それは神山町のところに。
(答)いやいや、徳島県のです。徳島の県庁のこの間のオフィスのところです。
(問)国民生活センターはそこには入らないのですか。徳島県庁ではなくて、鳴門合同庁舎ですか。
(答)いや、鳴門がいいかどうかというのも、様々な御意見がありました。物理的には、鳴門は空港に近いのだけれども、実はバスで行こうと思ったら、えらい不便だという話もありました。実際に現地に行っていただいた方はよくお分かりだと思いますので、研修の場所もどうするかというのは、こちらからの様々な要望を徳島県にこれまでもお伝えをしておりますので、研修あるいは商品テストの場所についても、徳島県と今後相談をさせていただきたいと思っております。
(問)では、いろいろなところから人を出し合って、消費者庁の職員が中心だけれども、例えば徳島県内の学術機関の人だったりとか、関西圏から広く募ったりとかして、集めてもらってということですか。
(答)そういうことをイメージしています。
(問)大臣が想定されている新しい施策というのは、どういった分野のことを想定されていますか。消費者教育だとか、エシカル消費だとか。
(答)消費者教育とか倫理的消費についてのものもあると思いますし、例えば前回の法改正ではなかなかできなかった、例えば不招請勧誘なんていうのも、徳島県で、ではこういう施策をやったら具体的にどういうことになるんだろうかというフィールドテストみたいなものをやらせてもらって、効果があれば、それを全国展開するみたいなこともできると思います。それから、例えばフィンテックのような世界的にいろいろな新しい消費者のための技術が出ているけれども、なかなかまだ日本では使われていない。あるいは、シェアリング・エコノミーのようなもので、世界では行われているけれども、なかなか日本ではまだできていないというようなところで、それでは、徳島県でまずフィールドテストをやってみて、それについてどういう施策、あるいは政策が必要なのかというのを考えてみるというようなこともできるだろうと思います。もちろんそういう場合には、徳島県全体を消費者行政特区みたいなことにしてもらう必要はあるのかなと思っておりますが、そうやって頭の中で考えるだけでなく、フィールドテストもやりながら、新しいことにチャレンジできるような消費者行政をつくり出す場として、このオフィスが使えたらいいかなと思っています。
(問)3年間をめどにということなのですけれども、その後、例えばもし、可能性としてですけれども、今後も例えば他の地域でも何かそういった拠点を増やしていくとかというお考えはありますか。
(答)拠点を増やすかどうかは別として、この3年の間に霞が関も多分変わると思いますし、国会との関係も、働き方改革で様々変わっていくだろうと思います。また、情報通信システムについても、3年間で恐らく様々変わってくると思いますし、なかなか徳島県には行きづらいという現実も恐らく3年で変わるのだろうと思いますので、そうした、変わってくれば、またいろいろな業務を足したり、いろいろなものが移転できたり、あるいは更にプラスアルファ、いろいろな業務ができるようになったり、あるいは新たなものが生み出されているかもしれませんから、3年ぐらいをめどに、一度、どうだったのということを見直して、そこから先、どうしようかというのを考えるのがいいのではないかなと思っています。
(問)すみません、あと最後に。その拠点を設けることによって、消費者庁の現在の人員というのは、特に増員を図ったりとかではなくて、今いる体制の中で行ってもらうのですか。
(答)そこは国家公務員制度担当大臣と消費者担当大臣がよく議論をしなければいけないと思っております。つまり両方とも私ですけれども。
(問)徳島新聞社の伊藤と申します。よろしくお願いします。
 関連で、先ほど大臣がおっしゃった、まだ時期としてはいろいろと、徳島県等々と相談しながらということですが、一応、大臣としては、その拠点の設置をいつごろを目指したいということかということと、基本的に先ほどおっしゃった、新しい消費者行政の拠点、施策の拠点ということで、今ある消費者庁の行政処分といったような、今回テストでやっていないようなことというのは、基本的にやらない。新しいものを創造していくという拠点だという理解でよろしいのでしょうか。
(答)今回やらなかったのは、行政処分ですとか、国会対応ですとか、現状の環境では難しいというところはやりませんでした。これは新しい拠点を作った中で、環境が変われば、できるようになれば、当然これはやればいいと思っておりますので、やらないと決めつける必要性は全くないと思います。ただ、なかなか難しいものを無理やり持っていったってしようがないと思っておりますので、そこは前広にいろいろな可能性は全て残した上で、やれるところからやっていきたいと思っております。
 まずこういう話を、いろいろな意見交換は、私も知事とやらせていただきましたし、長官も、知事をはじめ徳島県でいろいろな方と意見交換させていただいておりますが、少しまとまった形で徳島県知事をはじめ徳島県の皆様と、こんな感じで考えているのだけれどもというところは、しっかり調整をした上で始めなければいけないと思いますので、そこはまず徳島県としっかり意見調整をして、合意をしてからのゴーサインということになりますので、私の方から、いつというのは、なかなか申し上げられない。これは徳島県とも御相談の上、決めなければいけない話で、私としては、今、7月を振り返って、こんなことを考えていますということを申し上げたまででございますので、これからしっかり調整をしていきたいと思います。
(問)ありがとうございます。
(問)朝日新聞の毛利です。
 関連で、現時点で消費者庁の徳島移転を断念するという認識でよろしいのでしょうか。
(答)全然。
(問)では違うのですか。
(答)全く。
(問)では、この拠点は引き続き移転を前提に考えるという拠点でいいのですか。
(答)もちろん。
(問)その3年後をめどにというのは、その3年後にまたその時点で移転できるかどうかを判断したいということですか。
(答)3年後にどういうふうに環境が変わっているかということは、見ていきたいと思っています。それから、今までのテストは3月も7月も、今あるものをどう徳島へ持っていくかという観点からのテストだったのですけれども、徳島県の熱意とか、県を挙げての協力体制ですとか、あるいは県庁だけでなく、大学をはじめとする様々な機関の御協力、あるいは関西の広域連合、あるいは四国の知事会、いろいろ御協力を頂いていますので、今あるものを持っていくだけではつまらないなと。やはり新しいものを、せっかくだから、生み出すような、何か新しいものを作るフィールドテストの場、そのフィールドテストとして、徳島県を使ってくださいというのは県知事もおっしゃっていましたので、それなら今できていない消費者行政の中で、今やれていないところをどんどん徳島県を使わせてもらってやりたいなと。今、頭の中でいろいろ考えて政策を打っていますけど、それを徳島県をフィールドテストに使わせてもらって、効果があればそれを横展開する場みたいなことにさせてもらってもいいのかなと思っていますので、今あるものを切り出して持っていくとか、今あるやつで持っていけるのはどれだ、それはそのうち環境が変わればそういう議論も当然できると思いますけれども、徳島県で消費者行政を新たに作り出すという拠点をやはりしっかり作っていって、むしろ21世紀型の消費者行政は徳島で、20世紀から引きずっているものは東京でみたいなことになるかもしれませんし、外国ではいろいろ消費者のための技術開発、あるいは新しいサービスがスタートしているけれども、なかなか日本ではスタートしていない、フィンテック、シェアリング・エコノミー、その他は別に東京を経由せずに徳島が直接外国とやればいいだけの話だと思いますので、そういうことを含め、新しいことをやれる場として拠点を作りたいと思っています。
(問)消費者庁の職員は常駐することになるのですか。
(答)常駐する人がいても全く私は全然いいのではないかなと思っています。
(問)部分移転とはまた違う認識なのでしょうか。
(答)部分的に移転するといってもいいし、新しいものができるといっても、そこは余り言葉にこだわってもしようがないなと。要するに消費者行政に更にプラスアルファにするかというところも、このテストで考えようということでしたので、かなり徳島の今の状況を見ると、新しいことにチャレンジできる環境を徳島県が作ってくださっているというふうに思いますので、逆にこういう拠点を徳島へ持っていくことによって、それをプラットフォームに徳島県あるいは四国知事会、関西広域連合、関経連、様々なところにそれをプラットフォームとして使ってもらって、何か世界的な新しいサービスが徳島から始まって関西に広がっていくみたいなことに使ってもらってもいいかなというふうに思っています。
(問)政府機関の肥大化につながるのではないかという見方はいかがでしょう。
(答)そこは行革担当大臣とか国家公務員担当大臣と消費者担当大臣がよく協議をしてやっていきたいと思っています。
(問)テレビ朝日の朝日と申します。
 関連してなのですけれども、そもそもこのいわゆる構想というのは、これから大臣がまち・ひと・しごと創生本部のところに提案をするという形になるのか、政府内で例えば石破大臣とかとやり取りが進んでいる話なのかというところをまず最初にお伺いしたいのですけれども。
(答)これからしっかりこういうことをやりたいということをまとめて、まち・ひと・しごと創生本部に提案していきたいと思っています。
(問)その中で、概算要求8月末で地方移転の判断も8月末なのですけれども、ということは、今回、来年度の概算要求に入れるためには本当にオン・ゴーイングでやっていかないといけないと思うのですけれども、その点はどのようにお考えですか。
(答)しっかり概算要求に入れていきたいと思っています。
(問)ちなみに、この予算というのはいわゆる今言われている特別枠という枠を使ってやることになるということなのでしょうか。
(答)そこはいろいろあると思いますので、しっかり財務当局とも相談をしながら、地方創生とも相談をしながらやっていきたいと思います。
(問)あと、ちょっと概念的な話なのですけれども、先ほどの毛利さんとのやり取りの中をお伺いしていると、いわゆる現時点での機能だと、徳島県に移転することはやはり現時点の業務の形だと難しいということを判断した上で、今回のいわゆる構想を立ち上げるということになったという考えでいいのでしょうか、認識としては。
(答)研修やら商品テストなんていうのは持っていこうと思っています。ただ、研修は北海道や東北からはとても徳島へ行くよりは相模原に行った方が近いという声もありますので、恐らく研修拠点としては関西を中心に、最初のうちは限られた拠点になるのだろうと思います。それから、商品テストについてもやれるところとやれないところとありますから、やれるところは徳島に持っていこうと。ただ、今、相模原でやっていない部分の商品テストのやり方みたいなものは新たに徳島で始めたいと思っていますので、元々国会の答弁でも申し上げていましたけれども、ただ移転するだけでなくて、消費者行政をいかに強化していくかというところもこの中に盛り込まなければいけないと、そういう視点は大事だということは常に申し上げておりましたので、むしろそういう部分が少し強く出るのかなと思いますが、環境が整えば東京になくていいもの、あるいは徳島に持っていった方がいいものというのはどんどん持っていってもいいのではないかと思います。
(問)いわゆるこの構想自体の予算規模というのは、今回の試行でかかったお金と関連して、どのぐらいの規模をお考えですか。
(答)それは8月末までにしっかり試算をして、要求の中に入れたいと思います。今、どれぐらいと言われてもちょっとどんなものか。その前に徳島県ときちっと御相談をしなくてはいけないので徳島県と御相談する前に幾らぐらいの規模でとかというのはちょっと僭越かなと思いますので、知事をはじめ徳島県側としっかり相談をさせていただいて合意をした上で、こんな感じでというのをスタートしていきたいと思っています。
(問)日本消費経済新聞の相川です。
 メーンの業務のところ、部分は要するに今は無理だと判断してくださったことは大変有り難いと思いますが、切り出すのではなく新しくやるということであれば、国民生活センターの職員とか消費者庁の職員、予算は当然新しくつけていただかないと今の業務に支障が出ると考えるのですがいかがでしょうか。
(答)そこはいろんなことを考えていかなくてはいけないと思いますので、しっかりこれから検討していきたいと思います。
(問)それから、元々なぜ全国の中で徳島なのかと。それから、消費者行政全国にどんなメリットがあるからそれができるのかということをきちんと示さないと、全国の公平性については欠けるのではないでしょうか。それは今後示していただけるのでしょうか。何かそういう具体的なものが、メリットがあるとかという提案はあったのでしょうか。
(答)消費者庁の移転について手を挙げているのは徳島のみでしたから、特に公平性に欠けるということは全くないと思います。今まで東京でできなかったようなことを新たな拠点で創造的に作っていくというのは全国の消費者にとって大変大きなメリットだと思っております。
(問)共同通信の出井といいますけれども、今日の午後の熊本地震の検証ワーキングなのですが、大臣の目から見て、どういう点を力を入れて検証していきたいというふうに思っておられるのでしょうか。
(答)今回、熊本の地震があって、政府の初期対応として例えばプッシュ型の支援のようなものもやらせていただきました。いいところもあれば、足りなかったところもありますし、車中泊の方が非常に多くて、そこはなかなか手が届かなかった部分というのもございます。そういうことが想定される中で、今後どうしていったらいいのか。あるいは福祉型の福祉避難所のようなところが果たしてきちんと機能したのか、しなかったのか。しなかったのなら、それはなぜだったのかとか、阪神淡路あるいは東北の震災を踏まえて、いろいろ計画を作ってきましたが、東北の地震以降、かなり大きな規模で避難される方が出たという観点で、それまでの計画はどこが良かったのか、どこを改めなくてはいけなかったのかというのをやはり今回の経験を踏まえて一つ一つ丁寧に見ていきたいと思っております。初期対応についてどうだったかというところはまとめていただきましたので、今度はそれに何を加えていったらいいのか、防災基本計画をどう直していったらいいのかというところをしっかり議論していきたいと思っています。
(問)東京新聞の我那覇と申します。お世話になります。
 ちょっと話題が変わるのですけれども、今やっている都知事選に絡んで、大臣、選挙制度改革を提案されていると思います。中身としてはこれまでも会見でおっしゃっているかと思うのですが、都知事と副知事をセットで選んで、都知事が欠けた場合は残余の期間を副知事を昇格させるというような提案だと思うのですけれども、これはごく簡単に最初にお尋ねしたいのですが、この理由というのは何でしょうか。都政の混乱を避けるためとか、お金がかかるとかというように考えられるのですが、簡単にお願いできればと。
(答)今回、舛添都知事がかなり急に辞任をされました。恐らく一、二か月前に舛添さんが辞任されるということを思っていた人はほとんどいらっしゃらないと思います。その中で、今、都知事が辞任されるとすぐ知事選挙になるわけですが、果たしてこの短期間に都政をどうしよう、あるいは都政にどんな課題があるのか、それに対してどういう処方せんを書いたらいいのかというようなことを現実的なレベルで考えていた人が果たしていらっしゃるかというと、恐らくいなかったのではないのかなと思うのです。それは都政にチャレンジをしようと思っていた方は大勢いらっしゃると思いますが、恐らくそういう方は次の都知事選に照準を合わせて様々な政策を考えていらっしゃるのだろうというふうに思うわけでございます。
 舛添さんがお辞めになって、極めて短期間の間に都知事選が公示されてという中で、それでは、今の東京の課題にどう対応するのかという議論が果たしてできるのだろうかというと、なかなか難しいと。何か公約は考えているから大丈夫ですとか、3日あれば何とかなりますとか、いやいや、そういうものではないだろうと、ということが実は結構頻繁に起きています。東京はこの5年で3回ぐらい選挙になっています。それから、前回の都知事選の近辺では山口県でも知事が病気でおやめになっている。あるいは大阪府知事選挙というのも、たしか突然に行われたのではないかと思っておりますが、そんなに短期間に首長さんがいなくなって、特に知事とか政令指定都市の市長さんとか、それで言えば、どの市町村もそうかもしれません。首長が突然辞められて、さあ、すぐ選挙ですといったときに、それでは、その首長を選ぶ選挙としてきちんとした議論が有権者の前で行われるかというと、とてもそういうレベルにはならないうちに選挙が行われ、知名度で決まるとか、あるいは政策とは違う次元で決まるといったことになるのではないか。
 今回も相当多くの方が立候補されていますけれども、マスコミが取り上げるのは3人だけでございます。だけど、本当にその3人、何でその3人なのかという理由が私にはよく分からないのです。例えばアメリカの大統領選挙のバーニー・サンダースさんなんていうのは最初は誰もが泡沫だと、そんなことを言えばトランプさんだって泡沫だと思っていたかもしれませんが、それが時間をかけて様々な議論が行われる、その人の考え方、人柄というのもあるかもしれませんが、そういうのが伝わっていく中で、そういう人がだんだん泡沫から候補の1人になっていって、トランプさんの場合には指名される。サンダース候補もあわやというところまで来るという、そういうことを考えると、首長が辞めて、さあ、すぐ選挙というやり方できちんとした選挙が行われているのだろうかというと、私は決してそんなことはないと思っております。
 では、どうするのかというときに、知事と副知事をセットで選んで、アメリカのように知事が副知事候補を1人指名して、知事は誰々、副知事は誰々といって、そのセットで有権者に選んでいただいて、知事が欠けた場合には残余の任期は副知事が知事を務めるということにして、4年に一度のサイクルがきちんと守られれば、都政を考えている人はその4年に一度の知事選挙を目指して準備をしていただければいいのだろうというふうに思いますので、それを考えれば、やはりそうするのが正当ではないかと思います。首長は選挙で選ばなくてはいけないと憲法に書いてありますと総務省はよく言うのですが、そのところを読んででも、別に知事、副知事をセットで選んではいけないとも書いてございませんし、あらかじめ知事が欠けた場合には知事になることを想定した副知事を選ぶという法律を作れば、今の憲法に何ら違反するところではないというふうに私は思っておりますので、そういう法整備をやはりしっかりやらなくてはいけない。前回のときも、こういう法整備をやったらどうかという提案を実は党内でやらせていただきましたが、前回はレアケースだから、そこまでやらなくてはいいのではないかとか、そういう議論がありましたが、どうもレアケースではない。これを調べると、首長が任期の途中で欠けているのは過去5年間に70件ぐらい、市町村長も入れればありますので、決してレアケースではないというふうに思っておりますので、そういう意味できちんと議論をして首長を選ぶということを考えれば、やはり正副セットでやる必要があるのかなと思います。
 東京都知事選挙をやると四十数億かかりますというところはございますが、それは副次的な話だろうと思っております。
(問)副知事、今、知事になることを想定してあらかじめ決めておいて、その残余という、入れ替わりでやるということだと思うんですけれども、やはり副知事、今だって職務代理という形で―期間はもっと短い時間で限られていますけども―できるけれども、やっぱり副知事にできることとできないことというのは恐らくあって、政策判断とかもちろんそうだと思うのですが、それはやはり有権者の信任というか、そういうのをちゃんと選挙を通じて担保されてこそできるのではないかということで恐らく長は直接選挙で選ぶということになっているのかなというふうに思うのですが、おっしゃっている意味はよく分かるのですけれども、これがやはりさっきの50億じゃないですけれども、選挙をやるというコストだと、民主主義のコストだという考え方もできると思いますし、あるいはそういうやり方ではなくて、飽くまでも長は直接選挙で選ぶ。でも、より吟味してもらうために17日間ではなくて、例えば極端かもしれないけど、30日にするとか60日にするとか、そっちの方の議論こそするべきではないかというような専門家の声も耳にするのですが、大臣としてはどういうふうにお考えになりますか。
(答)知事とセットで副知事を選ぶということは、欠けたときにはこの人が職務代理をやるというか、知事に昇格をしてやるという前提で選んでいただくわけですから、有権者の信任を十分そのやり方で得ていると思いますので、私はこれがいいと思います。
(問)選挙期間の方を。
(答)今の公職選挙法は選挙期間になるとほとんど有権者に対してメッセージを出せないという公職選挙法ですから、その期間を延ばすよりはそうでない方がいいと私は思っております。
(問)出せないというのは、どういうところに。
(答)例えばビラは種類が限定され、配布方法も限定されているわけですから、もう少しきちんと情報発信ができるように、公職選挙法の在り方も考えなければいけないと思いますが、今の公職選挙法を前提とするならば、私はむしろきちんと選挙は4年に一度行われるというふうにする方が私はいいのではないかと思います。
(問)読売新聞の後藤です。
 消費者庁の方に戻るのですけれども、今までの考え方ですと、新しい拠点を作るということは、先ほど質問にもありましたけど、人員とか予算を増やさなくてはいけないということになってくると思うのですが、大臣はまだそこについては明言をされていないということは、つまり行政改革ですとか、例えば公務員の働き方改革といったことで、人員や予算を増やさなくても済むかもしれないということですか。
(答)増やさなくて済むということではないのだろうと思います。少し創造的に新しいことをやるということになれば、そこのところについては増える可能性は私は否定はしませんが、それが新しい消費者行政の創造的なものにつながっていくならば、それは議論の余地があると思っておりますし、地方創生というところにも資するということを考えれば、そういう観点からも十分議論できるのではないかなというふうに思っております。ただ、それをお金も人もどれぐらいの規模感かというのは、これは徳島県をはじめ、様々な議論が必要かなというふうに思っております。
(問)フォローアップですみません、もう二点だけ。
 都知事が辞めることを前提にするという言い方をすると悪いかもしれないのですが、そういうものをあらかじめビルトインしたようなやり方というのはどうなのかという意見に対しての反論と、あとこれまで雑誌かオンラインか何かのインタビューで大臣、自民党内にもルール改正を呼びかけていきたいというようなことを多分言及されていると思うんですけど、そこは今後、具体的にどういうことを考えていらっしゃるのかお聞かせいただけますか。
(答)アメリカの大統領だって何人か欠けて副大統領が昇格をしていますし、先ほど申し上げましたように、国内で過去5年間に首長さんが欠けたケースというのは、調べていただければ分かりますが70件位ありますので、それはいろんなケースがあるわけで、そういうケースを想定する必要というのは当然あるのだろうと思っております。今回は私だけでなくて、自民党の中で同じようなことをおっしゃっている方がいらっしゃいますので、これは別に私1人が言っているわけではないというのが今の自民党内の状況ではないかなというふうに思っています。

(以上)