河野内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成28年6月7日

(平成28年6月7日(火) 10:28~10:44  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 おはようございます。
 今、国立公文書館で「栄典のあゆみ」という我が国の勲章・褒章を展示した展示会をやっております。西園寺公望さんに授与された大勲位菊花章頸飾という我が国の最高の勲章も西園寺家から公文書館が寄贈されて、それを展示しております。造幣局などでもこの勲章を見ることができますが、造幣局は写真撮影禁止でございますので、写真撮影ができる頸飾はこの公文書館だけでございます。佐藤栄作総理に授与されたノーベル賞の純金製のメダルも展示してありますし、写真撮影もできるようになっております。
 オバマさんがもらった平和賞は、多分金利が低い時代だったので、純金のメダルが小さく、薄くなっているか、ひょっとすると、もう18金になっていると思いますので、純金のノーベル平和賞のメダルを展示していますので、是非、国立公文書館、大勢の方に見ていただきたいと思います。
 6月2日、3日、マレーシアのクアラルンプールで開かれました世界経済フォーラムASEAN会議に出席をいたしました。国家公安委員長として御招待を受けまして、自動走行システムの実用化や高度道路交通システムに向けた取組の説明あるいは我が国の治安の確保がアジアの経済成長に向けて、この治安の確保がいかに大事かという観点から、治安対策の取組を紹介してまいりました。
 6月8日に内閣府と消防庁の共催、全国市長会の協賛で「全国防災・危機管理トップセミナー」を開催いたします。今年で第3回になりますが、災害が起きたときに陣頭指揮を執ることになる首長さんが避難指示をはじめとする適切な危機管理対応ができるように、高い意識や十分な知識を持っていただくことは極めて重要だと考えております。首長さん、市長さん、特別区長さん210名の御出席をいただく予定になっております。
 それから、消費者庁が事務局となります、子供の事故防止に向けて関係省庁が連携して取り組むための「子供の事故防止に関する関係省庁連絡会議」の第1回会議が本日、開催をされます。これまで各分野で収集されてきた事故情報・事故対策の情報を体系的に整理・分析をして、分野横断的に共有することにより、子供の事故防止に関する取組を効果的に推進してまいりたいと思います。
 毎年14歳以下の子供が窒息、溺水、転落などの事故によって、毎年300人以上亡くなっているという現状がございますので、子供たちの明るい未来のためにも、防ぐことのできる事故を可能な限りきっちり防止していきたいと思っております。多分、置き去り事故は対象になっていないと思います。
 私のほうからは以上でございます。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の毛利です。
 今おっしゃった子供の事故の会議なのですけれども、なぜ今その会議を開くことになったのかと、消費者庁が発足して7年目なのですけれども、今までなかったのがちょっと不思議なぐらいなのですが、そこら辺の大臣のお考えをお聞きしたいのですが。
(答)お子さんの死亡原因のトップに事故というのがそれなりの年齢まであるわけで、やはりこれは防げるものはしっかり防がなくてはいけないと思っております。マンションからのお子さんの転落事故とか、最近特にそういう事故が報道もされておりますし、かなり世の中でもそうした悲痛な事故というのがありますので、これを何とか防いでいかなければいけないということで、これまでも消費者安全事故調などで少し取り上げたりはしてきておりますが、やはり体系的にきちんと整理しなくてはいけないというのと、それから、消費者庁だけでなくて、各省庁、横串の横断的な取組をやらなければいけないということで、今日1回目の会議をやらせていただきます。
 もうちょっと早くからやるべきではないかというのは、恐らくそのとおりなのだと思いますが、やらないより遅くとも始めたほうがいいと思いますので、そこはしっかり体系的にやれるようにしていきたいと思っております。
(問)あと、別件で電力自由化の関係で、経産省のほうで電源構成の開示の調査をされて、26%の事業者が開示しているという結果が出たのですが、前の会見で消費者庁として経産省に意見を言うことも考えているとおっしゃっていたのですが、この調査結果を受けて何か意見を言うということは考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)経産省は、やらないと言っているところは極めて少ないというふうに言っておりますが、それはそれで前からそういう話だったわけで、きちんと開示をするように消費者庁としては改めて申し入れるつもりでございます。
 最初の1か月の電源構成はこうだったとか、ある特定の期間の中でこういう現実でしたということは分かっているわけですから、当面それを発表していただいて、それを半年とか1年ごとに更新をしていただくというのは可能なことだと思っておりますので、消費者庁としては、引き続き経産省にきちんと申入れをすると同時に、単なる電源構成の開示だけではなくて、CO2の排出係数ですとか、あるいは使用済み核燃料の排出量ですとか、要するに消費者の皆さんが電力の価格だけでなくて、温暖化対策として例えば再生エネルギーはどうなのかとか、あるいは脱原発の一環として原発を使っていない電力会社から買いたいとか、様々な消費者の消費行動が世の中を変える。消費者庁としてはエシカル消費、エシカル消費というのはちょっと分かりにくくて、もうちょっといい日本語をつくらなくてはいけないと思っていますが、エシカル消費の一環としてこの電力自由化は非常に大事だと思っておりますが、その基になる情報が開示されなければ消費者としても選びようがないわけでございますので、そこはしっかり開示をしてもらいたいと思っております。
 それと同時に、例えば東京電力などは3月分の領収書から託送料金を領収書の裏面に、裏面だから気付いていない方も結構いらっしゃいますので、領収書を裏返して見ていただきたいと思いますが、かなり高い託送料金になっておりますので、今この託送料金をどうするのだというところも消費者委員会で議論を始めていただいているところでございます。諸外国と比べて高いこの託送料金を適正化するためにどうしたらいいかということを消費者委員会でしっかり議論していただいて、それも経産省を通じて申入れをしたいと思っております。
(問)時事通信の新部と申します。
 熊本地震の関係で、昨日、官邸のほうで初動対応の検証チームの初会合があったかと思います。その中で、7月に中央防災会議の下にワーキンググループを設置して御検討を進められるというふうに伺ったのですけれども、検証チームの報告を受けてのことにはなると思うのですが、現時点でどういった課題に取り組みたいか、お考えをお聞かせください。
(答)今回の初動、大きく三つあるかなと個人的には思っておりまして、一つは、例えば益城町のように人口規模も割と小さいところがあれだけ大規模に被災をしますと、役場の行政機能そのものが大きく低下をいたします。役場の職員の皆さんも避難所から出勤するみたいな状況もございましたので、こういう災害が起きたときの行政機能の低下に伴って、県と国がかなり支援に入りました。この災害が起きたときの行政の支援の在り方というのは、どうなのだろうかというのが一つでございます。
 それから、今回はプッシュ型の物資の供給をやって、食料260万食をプッシュ型で送りました。これは佐賀県に物流拠点を設けて、自衛隊と物流業者から避難所へ運んでいただきましたが、こういうプッシュ型の支援についてどうだったのだろうかということと、それから、もう一つは避難所の運営です。避難所に指定していたところが例えば潰れてしまって使えなかったとか、あるいは避難所以外のところに、特に車中泊の方などが大勢いらっしゃって、そこまできちんと把握をできなかったというところは少し反省点としてあると思いますが、この避難所の運営はどうだったのだろうか。
 行政の支援、物流、避難所運営、こうしたところを中心に、今回の熊本、各省庁からも現地対策本部に人を出していただきましたので、各省庁それぞれ担当いただいたところもありますので、しっかり検証していただいて、その検証に基づいて第二弾、中央防災会議の下のワーキンググループで、今の防災基本計画にそれをどう反映していったらいいのかというようなことを議論して、最終的には防災基本計画にしっかり入れ込むということにしていきたいと思っております。
(問)神奈川新聞の大槻です。
 ヘイトスピーチ対策についてお伺いします。3日に対策法が施行されました。警察庁も現行法を駆使して厳正に取り締まるということを通達しているというふうに承知していますが、改めて大臣のヘイトスピーチに対する現状認識と取締りの仕方を教えてください。
(答)ヘイトスピーチが許されないという当然のことを体現した法律が国会で、議員立法で成立をいたしましたので、この精神に基づいてこれから様々対応していくことになると思います。
 川崎市は公園の使用許可を出さないという形で対応されましたし、神奈川県の公安委員会の中でも、公安条例に基づく許可についてどうするのかという議論があったと伺っております。なかなか神奈川県の公安条例ですと、その内容で許可を出さないというわけにもこれはいかないのだろうということでございましたが、神奈川県の県警としては、現行法を厳正に適用するというようなことをずっと申し上げていたのだと思います。
 今回の川崎は、デモが始まる前に、デモのスタート地点に移動するところで反対をする方々との間で混乱が生じて、デモのスタート地点にたどりつく前に、主催者の方の御判断でデモを中止するということになったというふうに伺っております。
 なかなか警察が内容で道路使用許可を出す、出さないというのは、これは極端なことを言えば検閲にも当たりかねませんから、なかなか警察として道路の使用許可を出す、出さないというのを判断するというのは、これは各都道府県の公安委員会あるいは都道府県の本部、難しいことだとは思っておりますが、デモに当たっては、やはり法令を厳格に適用していくということはこれからもしっかり続けてもらうように指導してまいりたいと思っておりますし、ヘイトスピーチなるものを行おうとしているものに対しては、こういう法律ができているということをきちんとお知らせするということはしっかり努めていかなければならないと思っておりますので、県警本部長の会議もございますし、公安委員長の会議もこれからございますので、そういった場でしっかり意見交換をしてまいりたいと思っております。
(問)関連してもう一点だけ。今、大臣もおっしゃいましたけれども、川崎のデモに関しては、川崎市のほうで公園の使用は許可しないとか、あるいは地裁の支部なんかもコリアンの集住地域のところで事実上デモを禁じるような仮処分を決定しました。このあたりの動きについては、大臣どのように改めて思われますでしょうか。
(答)川崎市の御判断について私からとやかく申し上げるべきではないと思っておりますが、警察としては、やはりこのヘイトスピーチに関して、司法の判断を積み上げていくというのは非常に大事なことだと思っております。司法が出された判断をやはり警察としてはきちんと準用していくということにして、この問題に対処していかなければいけないのかなと。警察が自ら判断するというのは、これはなかなか難しいと思いますが、裁判所の判断をきちんと仰いだ上で、それを適切に使っていくということなのだろうと思っております。

(以上)