河野内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成28年4月5日

(平成28年4月5日(火) 8:58~9:13  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 おはようございます。
 今日の閣議におきまして、加藤大臣から春の全国交通安全運動の実施について発言がございました。これに関連いたしまして、私から、最近の交通事故実態の分析に基づきまして、歩行横断中に法令違反をしている高齢者の死亡事故が多いことを踏まえて、少し安全教育の徹底をしなければいけないということと、子供を事故から守るための交通指導の取締り街頭活動の強化の必要性について申し上げました。
 各自治体、関係機関、様々なボランティア団体などと連携しながら、交通安全対策をしっかりと推進してまいりたいと思っております。
 また、交通安全運動期間中に、警察では通学路における一斉取締りを行うこととしております。また、子供の通学時の交通事故防止を図る観点から、新たにスピード違反を取締りをする可搬式の装置を導入いたしましたので、こうしたものを活用して積極的に取締りを進めてまいりたいと思っております。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)ジャーナリストの寺澤有です。
 先月の16日に、東京地裁立川支部で、警察内部で尿がすり替えられた疑いがあるということで無罪判決が出た事件について、翌々日、3月18日の記者会見で、ここで質問させていただきましたが、河野大臣はまだ係争中ですからコメントは差し控えたいということでした。
 それで、改めて無罪判決が確定したらここでお伺いするということで、その裁判でですね、その裁判の過程で、これは4月1日の時事通信の報道でも出ていますけれども、この被告人以外の被告人に、別の被告人、もうこれは有罪が確定している被告人についても、やはり尿がすり替えられていた疑いがあるのではないかと、封緘シールに本来サインがなければいけないのに、そのサインがないと、白紙のものがあるということが既に報道されています。私も前回質問しました。
 それと、警部補、町田署の、この差押え調書の偽造の問題ですとか、あと、この警視庁科学捜査研究所の研究員の偽証の問題とか、いろいろ出てきているのですが、これに関して大臣の方ではどのような、この無罪判決確定を受けて、前回の記者会見ではこれは適正に指導していくのだということをおっしゃっていましたけれど、どういうふうなその後の流れになっていますでしょうか。
(答)二つの事件に、同じ警察官も関わっておりますので、両事案について今、警視庁で徹底的な事実の確認、調査が行われておりますので、その事実が明らかになり次第、厳正な対処が行われるものと思っております。
(問)これまで河野さんが報告を受けていることですとか、あるいは御自身の報道等を見ての御判断でもいいのですけれども、どうしてこのような事件が発生してしまったというふうにお考えですか。
(答)それを警視庁で今、調べておりますので、その確認を待ちたいと思います。
(問)その中で、これは裁判の中でも出てきていますけれども、この無罪が確定した方、市民に対してですけれども、これは昨年3月に採尿しているのですね。しかし、逮捕しているのは5月と、2か月も後になっていると。通常、採尿したらすぐ、この警視庁の科学捜査研究所の方に送って、陰性か陽性かということを確認するのですけれども、これ2か月後になっていると。この2か月もたって逮捕ということはどういうことかという御説明は受けたのでしょうか。
(答)採尿後、直ちに検査機関に試料が送られなかったと聞いております。これはあってはならないことで、極めて問題が大きいものだと思います。
(問)その理由については何か、こういう原因だというようなことも聞いているのでしょうか。
(答)今その事実関係について、警視庁が捜査中と伺っております。
(問)では、はっきり聞きますけれど、5月のこの被告人、元被告人が逮捕された昨年5月ですが、これは警視庁は覚せい剤取締りの強化月間で、現場の捜査員にノルマをかけていた月だということはお聞きになりましたか。
(答)いや、それは聞いておりません。
(問)そうするとですよ。これは今から20年ぐらい前に、警視庁城東署事件というのがあったのですね、1997年に。これもやはり覚せい剤取締りのノルマに追われた警察官3人が、ホームレスのかばんの中に覚せい剤を入れたり、市民の車の中に覚せい剤を置いて、覚せい剤の事件をでっち上げたという事件なのですね。
 これ20年たっても全く同じようなことが起きているのではないかと思われるのですが、何でこんな20年間も進歩がないのでしょうね。
(答)同じことが起きているかどうかもはっきりしておりませんので、そう聞かれても答えようがありません。
(問)ええ。それでまた前回と同じことを聞かなければならないのですが、結局だからこれはやはり、警察法改正のときに、もう常に議論になっていますけれど、公安委員会制度を廃止して、外部監察を導入するしかないのではないのですか。
(答)そうは思いません。
(問)そうは思わないのですか。
(答)公安委員というのは、外部の有識者に入っていただいておりますので、第三者的な立場から警察を指導しておりますので、まず警視庁から都の公安委員会に事実確認後、きちんとした報告が行われ、警察庁にも同様に報告が行われた後、国家公安委員会にも報告が行われると思っております。
(問)ええ。なので、また前回と同じことを聞きますけれど、そうすると、その報告がですよ。河野大臣が見て、これは自分も納得できないし国民も納得できないのではないかというような場合には、2000年の警察法改正で導入されたように、きちんと個別具体的な事件に関して、担当の公安委員を決めてですよ、監察の指示をした方がいいのではないのですか。
(答)まず、事実が調査中でございますから、その報告を待ちたいと思います。
(問)では、あともう一つ聞きますけれど、要はですね、この封緘紙というものが本来の被疑者のサインをして、コップにふたをすると、採尿した。それで、絶対すり替えとか起きませんよということになっているはずなのに、その封緘紙がですね、なかなか裁判で法廷で証拠で提出されないということを悪用して、この白紙のシールをばんばん貼ってすりかえちゃうということが、これまでも私が取材した中でもあったと思いますけれども、その先ほど言った科捜研の研究員の方、この方は証人で出てきてですね。今はないけれどもと言ったのですが、まあ実際にはあったのですね、もう一件。しかし、以前は白紙のものが結構あったのだと、封緘紙、こう証言されているのですよ、法廷で。
 となると、やはりこれは全部、封緘紙、ちゃんと名前あるのかとかですね、警視庁の科捜研以外の他の都道府県の科捜研、きちんとやはり封緘紙の、白紙なのか、それとも、白紙のものがどのぐらいあるのかとかですね、きちんと調べた方がいいのではないですか。封緘紙ってちゃんと台紙に貼ってあるので、別に調べるの、そんな時間かからないと思うので、どうでしょう。
(答)今、まず警視庁で調査を行っていると思いますので、報告を待ちたいと思います。
(問)はい。では、またそれについては今後お伺いします。
(問)日本経済新聞の小太刀です。
 今、規制改革会議の農業ワーキンググループのお話合いもかなり進んできていて、乳業に関する提言、酪農への提言なども行われておりますが、今まで農業をめぐる公正取引委員会からの状況ですと、今年の2月にも農機メーカーに対して7億円弱の課徴金を課されたり、今までホクレンなど農協に対しても注意喚起を促してきた経緯がありますけれども、こういった農業を取り巻く独禁法違反ですとか、独禁法違反が疑われるような案件というのが、非常に多いものの、なかなか摘発されていないものもございますが、大臣の御所見をお願いします。
(答)公正取引委員会が農業部門についても独禁法を適用される案件かどうかというのは、厳正に対処してきていると思います。
 窓口を設けたり、様々な取組をするというような報道もございましたので、これからも同様に、公取がしっかり取組をしてくれると思っております。
(問)日経新聞の上林です。
 ちょっと関連で、先日、規制改革会議のワーキンググループで、生乳の流通改革に関する提言が発表されたのですけれども、生乳の生産や販売に関する酪農家の自由度を高める内容になっていると思いますが、改めて、この提言に関する受け止めをお願いします。
(答)今までは指定団体に生乳を全て出していたところに、指定団体を通じて補給金が給付されておりましたが、もう少し酪農家が自由な生乳の出し方をできるような仕組みにした方がいいのではないかということで、指定団体に出さなくても補給金を受け取ることができるようにすべきではないかという提言だと思います。
 それに応じて、それによって、酪農家が様々な新しい取組を始めることができるようになるのではないかということだろうと思います。
 今、かなりの割合で酪農家の数が減ってきておりますので、このまま行くと、また酪農家の後継者も不足気味というか、後継者のない酪農家の数というのも増えておりますので、5年後、10年後、業界が今のような、成り立っていけるかどうかという懸念も示されているところでございますので、その消費者に向けて、付加価値の高い製品を作るような取組を後押しをしたり、あるいはその酪農家の収入を引き上げていく様々な方策ができるような体制にするというのは、非常に大切なことだと思っておりますので、ワーキングで提言が示されましたので、今後、親会議の議論を経て、正式なものになっていくのだろうと思っております。
(問)東京新聞の池尾と申します。
 電力自由化についてなのですけれども、電力自由化に際して、消費者はその検針票を見る機会が増えるわけなのですけれども、ここにいろんな料金が入っていまして、料金とかですね、自体、それから再エネ賦課金とかいろんな項目があるわけなのですけれど、その中で税金がきちんと示されていないのではないか。特に電源開発促進税が入っていないのですね。なので、幾ら自分がその税金を、この電力に対して税金を払っているのかということが消費者に対してきちっと開示されていない状態だと思うのですけれども、この問題について、大臣は例えば経産大臣に意見をおっしゃるとか、開示についてどういうふうに対処されるか、御意見をお伺いしたいのですが。
(答)消費者庁としては、既に強く経産省に、様々な電力料金に上乗せされている費用をきちんと開示をするように申入れをしております。電源促進税だけでなく、例えば放射性廃棄物の再処理に関わる費用をはじめ、電力料金に上乗せされているものについては、きちんと消費者が目にするものに表示されるべきだということを、経産省にお伝えをしておりまして、今、経産省ではどのように表示すべきかを検討していると承知をしておりますので、一刻も早い表示をしていただこうと思っております。
(問)経産省は、経産大臣は、いつまでに、この問題について、結論を出すとかですね、どういうことをおっしゃっているのでしょうか。
(答)期限はまだ伺っておりませんが、速やかに対応してくださるものと私は思っております。

(以上)