河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年11月27日

(平成27年11月27日(金) 10:59~11:16  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 おはようございます。
 今日、閣議前に行政改革推進会議を開催をいたしました。秋の年次公開検証で取上げた事業に関する指摘事項、オリンピック・パラリンピック関連事業と基金に関する指摘事業については横展開をすること、それから3番目、その他の指摘事項、3点、取りまとめをいたしました。その後、麻生副総理からも、財務省として今回の取りまとめで指摘された事項については、各府省とともに検討を行い、その結果を平成28年度予算等にしっかり反映させていきたいとの御発言がありました。総理からも、秋の年次公開検証等における指摘事項を予算編成に的確に反映させるとともに、さらに事業の改善に取組んでいくという御発言がありました。特に指摘された予算の復活等がないように、看板のかけかえがないようにという御指示がありました。
 閣議後の閣僚懇談会につきまして、行政改革推進会議において取りまとめた指摘事項について、28年度予算や事業の改善に的確に反映すること、看板のかけかえなどの批判を招かぬよう説明責任を果たすこと、指摘事項を横展開する観点から、東京オリンピック・パラリンピック関連事業については、全て国民の理解が得られるような内容になっているか等、再検討をすること。全ての基金について再点検を実施し、余剰資金を国庫返納することについて閣僚に要請をいたしました。指摘事項についての対応については、行革推進会議においてフォローアップをしてまいります。
 それから、もう一つ、閣議前に東京オリンピック・パラリンピック推進本部が開催をされましたので、私から国家公安委員長として、厳しい国際テロ情勢のもと、関係機関と連携し、万全な警備に向けて情報収集、水際対策の強化、警戒警備等、対策を徹底しますということを申し上げ、さらに行革担当大臣として、秋の年次公開検証においてオリンピック・パラリンピック関連事業について、厳しい指摘がなされたことを踏まえ、各府省に対し、レビューで取上げていない事業についても、国民の理解が得られる内容になっているか、必要に応じて見直しを要請をいたしました。
 私のほうからは以上でございます。

2.質疑応答

(問)東京新聞の新開です。
 先ほどの行革推進会議の総理の発言ですね、予算に反映させるという発言がありましたけれども、まずこの受け止めを聞かせてください。
(答)いろんな指摘をさせていただきましたので、それはきっちり予算に反映をさせていこうということが、総理並びに副総理からも御発言がありましたので、そこはしっかりお願いをしてまいりたいと思っております。
 それから、行政改革推進会議の中で、渡委員からPFIの推進について、それから田中委員から社会保障のKPIのセッションについて御発言がありましたので、そうしたことを受けての総理の御発言だというふうに理解をしております。
(問)あと確認なんですけれども、横展開するのは五輪関連と基金の2つ。
(答)今回、お願いを各府省にしたのは、オリンピック・パラリンピック関連事業と基金については、それぞれの府省で横展開をやってくださいというお願いをしました。それ以外のところについて、行革推進本部会議で横展開をしていくものもありますが、今日の各省庁、府省に対するお願いは、その2点でございます。
(問)原発、JAEAの関連等は、では大臣のもとでやるということになるんでしょうか。
(答)今日のオリパラ関連予算と基金以外のことについては、少しこれからもんでいこうと思っています。重要課題検証で取上げる部分というのも、当然あると思いますし。
(問)読売新聞、後藤です。
 総理からの御指示で、予算の復活がないようにということだったと思うんですけれども、一昨年の行政事業レビューのときに、ゾンビ予算と野党から指摘されて批判を浴びた5,000億円ぐらいの予算がありましたけれども、そのうち3,000億円ぐらいが補正予算で復活したと思うんですけれども、今回、例えば補正予算ですとか、あと看板のかけかえで当初予算に復活という形にならないように、具体的にどのような工夫をされていくおつもりですか。
(答)今日、総理から各府省にそういう指示が出ましたので、そこは各大臣がしっかり御覧をいただくものと思っております。前回、ゾンビ予算の復活と言われたものの中には、指摘されたことをきちんとクリアして計上されているものもありますから、全部が全部そういうことだったというふうには思っておりませんが、今回は総理からの御指示がありましたので、各省庁を担当する大臣のところでしっかりそこは見ていただきたいというふうに思っております。
(問)NHKの長内と申します。
 ちょっと今の質問に関連するんですけれども、総理の御発言で予算編成に反映というのと、先ほど河野さんおっしゃった財務大臣の28年度予算等、反映させるのは今年度補正も含めてという理解でよろしいんですかね。
(答)28年度予算等の「等」の中には補正も入っているんだというふうに、私は認識をしております。
(問)総理の御発言の予算編成に反映というのは、補正も入れ……
(答)総理は予算編成というふうにおっしゃっておりましたので、これからの予算編成の中というふうな理解を私はしておりますので。私も、28年度予算等と言ったのではなかったかと思いますが。
 失礼、28年度予算や事業の改善に的確に関連をしてくださいと、閣僚懇では私は申し上げておりますが、その際、指摘を潜脱するような形で、当初予算や補正予算に計上することがないようにするとともにと、補正予算にも言っております。
(問)総理の御発言は、そうすると余りちょっと明確ではないわけで。
(答)総理の御発言はですね……
(問)予算編成というだけだったと思うんですが。
(答)ちょっと待ってくださいね。
 総理の御発言は、予算編成に的確に反映するとともに、さらに事業の改善にというふうにおっしゃっておりました。
(問)毎日新聞の樋口です。
 秋のレビュー、これで一段落というか、一旦の節目だと思うんですけれども、今後に向けてレビューのやり方とか、有識者の方の選び方とか、そういった点で何か見直すべきこと、これ実際にやられて大臣がお感じになったことがあれば教えてください。
(答)せっかく高校生に来ていただいたんですが、なかなか中身を理解していただけなかったというところは真摯に反省をして、もう少し高校生に関心のあるような、関連するようなレビューを見てもらいたいというのと同時に、事前にやっぱり説明が必要だなと、この予算については、こういう議論をしますという説明をすると同時に、わかりやすい資料を配らなきゃだめだなと思っています。それから、恐らく高校生だけでなくて、御覧になっている方も、そういうふうに感じた方は大勢いらっしゃると思いますので、今回、事前解説をやらせていただいたんですが、もう少しそこは丁寧にやっていかないといけないかなと思っています。
 それから、レビューシート、最初のころはPDFをぽんと上げているだけだったのが、エクセルシートでいろんな集計や分析をしやすいような形に直してもらっていますので、例えばレビューシートの分析コンテストみたいなものをやってもおもしろいかなと思っています。せっかくあれだけのレビューシートを公開していますので、レビューだけであれを使うのではなくて、国民の皆様にあれを活用していただきたいと思っていますので、何かそういうやり方もこれから少し考えていかないといけないかなというふうに思っております。
 あとは、各府省のそれぞれ自分でやるレビューがきちんと行われるように、秋のレビューで取上げた事業も、何かみんな丸がついてたりみたいなこともありますので、そういうお手盛りのレビューでないように、どう各府省にしっかりやってもらうかということは、ちょっと考えていかないといけないかなというふうに思っています。
(問)時事通信の上田です。
 ちょっと1点、確認したいんですけれども、先ほど大臣がおっしゃった看板のかけかえなどがないようにというのは、これは総理の発言としてあったということでよろしいですか。
(答)それは私の閣僚懇での発言です。
(問)わかりました。
(答)総理からは、ちょっと正確な文言を忘れましたが、行政改革推進会議のところで、指摘された予算が復活したりということがないようにという発言は……
(問)補正も含めて復活とかがないようにという発言が総理から……
(答)そこは、総理は予算編成というふうにおっしゃっておりました。
(問)わかりました。
 あと総理が、何か国民的な関心が飛躍的に高まったと言って、非常に評価しておられたと思うんですが、そのことについて御所見を。
(答)今回、事前にいろいろ論点やら、取上げた事業の説明をさせていただきましたので、またそれをマスコミの皆様に海栄丸を含め、わかりやすく映像であれしていただいたり、記事で事前に取上げていただいたりということがありましたので、恐らく国民の皆様の中には、そんな事業があったのは知らないぞというような、そういう関心は非常に高まったんではないかなと思っておりますので、それはメディアの皆様に感謝申し上げたいと思います。
 今度のレビューは、予算を削ったり、何か事業を廃止するというのがメインではなくて、今日の行政改革推進会議で特に取上げられたのが、PFIと、それから社会保障のKPIとの連動というところを、特に委員の先生方からは御指摘をいただきましたので、全体的なお金の使われ方について、やっぱり国民にきちんと説明をしなければいけないということと、このレビューを使って、さらにやっていかなければいけないこと、公費で全部インフラを直すということはできませんから、PFIを活用してやっていかなければいけないということですし、やはり社会保障をこれからどうマネージしていくかという中で、KPIとこのレビューの連動というのが大事だという御指摘もありましたので、今度はそういうことについて、国民の皆様にもしっかりわかりやすく説明をしてまいりたいと思います。どちらかというと、予算を切ったり廃止というところがわかりやすくて、ああいう公開の場だと注目もそこに集まることが多いんですが、今回のレビューの成果の一つが、そのボトルネックになっているところを排除するというところ、それから将来に向けてKPIと事業レビューという上流と下流からあわせて攻めていくというところのきっかけができたところにあると思っておりますので、これは事前の解説だけでなくて、事後の解説もそういう視点からはやっていかないといけないかなというふうに思っておりますので、そういう意味では来年度予算への反映というのも大事ですけれども、それだけにとどまらない取りまとめになっているというふうに思っております。
(問)朝日新聞の毛利と申します。
 消費者庁関連でお尋ねします。政府のTPP対策で、原料原産地表示の拡大を検討していくことが盛り込まれました。一方で、その反対の声も根強くて、どこまで拡大できるのかと不透明な部分もあるかと思います。大臣として、どのように検討を進めていかれるお考えなのか、お聞かせ願います。
(答)いろいろな表示をしっかりして、消費者の皆様に選択をしていただくというのは、私が最初に当選したときの遺伝子組換え表示のときからずっと心がけていることですので、今回のTPPの関連の中にもしっかり表示をしていこうということが盛り込まれましたので、早速検討を始めていきたいというふうに思っています。
(問)共同通信の竹生です。
 ちょっとレビューに戻ってしまうんですが、オリパラ関連事業の横展開については、改めて各府省から何かまとめたものを提出してもらったりとか、フォローアップというのはあるんでしょうか。
(答)これだけいろいろ申し上げましたし、総理からも御指摘をいただいていますので、まずは大臣にしっかりやっていただけるというふうに思っていますので、そこは各大臣に頑張ってくださいということだと思います。これからだんだん税制やら予算やら、それぞれの大臣も、あるいは省庁も忙しくなるでしょうから、そこはまずしっかり自己責任で、指弾を受けないように見直しをしてくださいということであります。
(問)今日の会議では、委員の方から何かオリパラ事業については御意見がありましたか。
(答)特にオリパラについてはありませんでした。もういろいろ議論されたものについては、取りまとめの中に盛り込まれておりますので、今日はどちらかというとPFIとか、あるいは社会保障のKPIの話ですとか、あるいはこのレビューをもう少しわかりやすくどう展開していくかとか、そういう話が主でした。

(以上)