石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年4月28日

(平成28年4月28日(木) 8:50~9:05  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 お手元にお配りをしてございますが、地方創生コンシェルジュ制度のスタートは平成27年2月末でございましたが、スタートしてから1年余り経過をいたしました。どうですかという御意見を伺わなければなりませんので、本日よりアンケート調査の実施をいたすものであります。
 聞かんとすることは、そこに配布をしてあるとおりでありまして、これの利用というものはしやすいようにしていかねばなりませんので、このアンケート結果を集計して、公表するものであります。よりよい運用に資するようにアンケートを実施するものであります。
 次に、5月5日から8日まで、移動を含みますが、ワシントンDC、ニューヨークへ参ります。これはDMO、CCRC、BID、これはまだ言葉が定着をしているとは思えないので、かといって良い日本語もないので、CCRCは生涯活躍のまちと言っております。BIDはビジネス改善地区と、直訳すればそういうことになりますが、少しニュアンスが違うかなという感じもいたしますけれども、いずれにしても、DMO、CCRC、BIDにつき、実際にどのようなものであるのか、CCRCも確かにゆいま~る那須でありますとか、シェア金沢でありますとか、そういうのはあるわけですが、今回視察というのかな、それをいたすものは、かなり大規模なものであります。メリーランド州にありますCCRCでありますが、ここはちょっとよく見ておかねばならないなと思っております。
 また、DMOにつきましては、ワシントンは行かれた方がほとんどだと思いますが、非常に観光客が増えているということがございます。日本と一緒で国会見学の子供たちというのは大勢来るわけですが、それ以外にも海外からのお客様等、非常に伸びが顕著であるということでありますので、このDMOがどのような仕組みで、どのような財源でもって運営されているのかということは見ておかねばならないと思います。
 BIDというのは、要はエリアマネジメントの考え方と共通するところもございます。もちろん全く重なるわけではありませんが、このまちなかというもの、再開発とも関係することでありますが、どのようにしてまちなかというものを変えていくか、そして、再開発だとやったらやりっぱなしみたいなところがあるんですけれども、その後、その町を誰がどのようにマネジメントしていくかということが課題となるわけであります。その先進的な取組だというふうに承知をしておりまして、これをきちんと見てまいりたいというふうに思っておるところであります。
 また、この機会を利用いたしまして、5月6日に予定をされておりますが、笹川平和財団USA第3回年次安全保障会議、これは前も私、これと類似の会で講演をしたことがございますが、ここで講演をするというような予定も入っておるところであります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)アメリカの訪問についてなんですけれども、エリクソンリビング社のCCRCを視察されるということですが、この視察のポイントとしてどこに注目して、日本版CCRCの議論に生かしていきたいかということをお聞かせください。
(答)これはまず、どういう年代の方が入っておられるのか、そして、その方々がCCRCという言葉にふさわしいような第2の人生というのをそこで過ごしておられるのかということですね。そしてまた、そこにおいてどのような運営というのか、入るときに幾らかかって、月々どれぐらいお支払があって、また、健常であった方が要介護に移行していく等、その場合にどのような手続があるのかということですね。
 だから、日本版CCRCというのは、そういう70代、80代から入るということを予定いたしておりません。アクティブシニアという言葉を使っていますが、まだ60代、70代、50代後半も含むのかもしれませんが、アクティブなシニアの方々が要介護ということになる前に、ならなければそれに越したことはないわけで、移住をし、そして、そこにおいていろいろなサービスの受け手としてではなくて、サービスの出し手として活躍をし、そして、コミュニティですから、ゲーティッドな形じゃなくて、地域の住民の方とも交流をしながらコミュニティを築くというのが日本版CCRCのコンセプトでございます。
 このアメリカの元祖CCRCなるものを私も見たことがないのですが、どちらかと言うと、もうちょっとシニアの方が多い。そして、やや富裕の層の方が多い。ゲーティッドみたいに地域住民との交流というものは余り予定をしていないというふうに事前のいろいろな準備の段階では承知をいたしておるところです。
 このエリクソンリビング社なるものは、この後も全米でこういうCCRCを展開するということでありますので、そこで日本が取入れるべき点、ここは日本は別の運用の仕方をすべきというような点、そういうものは仔細に見ていかないと、CCRCについて語っても、なかなか説得力がないと言うか、イメージが描きにくいと言うか、そういうところがあるだろうと思います。その辺を注意深く見てまいりたいと思っております。
(問)同じくアメリカに関してなんですけれども、要人との面会について調整中となっていますが、どのレベルのどういった方とお会いする御予定なんでしょうか。
(答)これは何しろこの期間、合衆国は議員というものはワシントンにいない、全然いない。大統領選もあるので全くいないということでありますので、ここは今、最終的な確定中ですが、私としては実務の方々、日本でイメージすると、局長とか次官とか、そういうアメリカでいうところのポリティカル・アポインティーではなく、必ずしも政治家ではないが、実際にそのCCRCであったりDMOであったり、あるいは時間的な余裕があれば危機管理であったり、そういう実際に実務に携わっている方にお会いするつもりです。私も海外に行くときはいつもそうですが、物見遊山に行くわけではないので、具体的にここはどうなのだということを事前に相手にお伝えをして、実務的な議論というものをしたいというふうに思っております。
 したがいまして、誰でもお名前を知っているという人が出てくるわけではありません。これは幹事長で行きましたときとは違うものでございまして、そういう実務に通じた方々との会談というものを中心に組んでおるところであります。
(問)地方創生コンシェルジュについてなんですけれども、こちらの方は1年余りが運用からたちましたけれども、今回調査をされるということですけれども、大臣御自身のこの1年間の受止め等をお願いします。
(答)これは今の利用実績を高いと見るか低いと見るかなのですけれども、ここは何とも判断のしようがないところですが、今までのこの1年間を通じて見ると、地方版総合戦略をどう作ったら良いですかというようなお問合せが多かったというふうに承知をいたしております。
 例えば経済産業省で、これは使えないかなと思ってお尋ねをしましたと。そうすると、こういう制度、こういう仕組みがありますよと。何しろ国の膨大ないろんな制度の中でやることで、自治体の方々が全てそれに通暁(つうぎょう)しているとは限りませんので、そうであればこういう事業がありますよと。この場合には制度として補助率がどうなっており、要件がどうなっておりというようなことを親切に、地方版総合戦略を作るにはどうしたら良いですかという話以外にも、そういう地方の行政の方々が国の行政の仕組みというものをより良く利用して、住民の福祉の向上、利便の向上に資するようにしたいというのが本来の趣旨でございます。
 また、これは経産省では出来ないんだけれども、国交省にこんな事業があるよとか、農水省にこんな事業があるよとか、これとこれを組み合わせるとこんなことができるよというような、そういう相談機能というもの、正しくコンシェルジュがコンシェルジュであるべく機能するようにしたいと思っています。
 そこの質問項目にそもそも知っていますかというのがあって、知らないところもひょっとしたらあるのではないかということなんですね。名簿、誰がどこのコンシェルジュなのかというのも全部分かるようにしてあるんですが、それも知らないか知っているか、あるいは相談をされたことがあるかないか、役に立ちましたか、立ちませんでしたか、どういう点を改善してほしいですかと。コンシェルジュにそもそも相談したことがないというのはどういうことですかと。それは制度そのものを知らなかったとか、相談する事項がなかったとか、役に立つとも思えないしとか、コンシェルジュを飛ばして、飛ばしてと言うか、別にかませる必要もマストではないのですが、各省庁の担当者に直接相談したからコンシェルジュなんて使わなかったですよということなのか、実際ユーザーの立場に立ってどうなんだろうということをよく把握して、この機能がよりよく発揮されるようにしたいというのが意図でございます。
(問)26日に文化庁の移転協議会が開かれましたけれども、大臣も御覧になって、その議論をどのように見られたかということと、また、そこの議論を通してより浮き彫りになってきた検討課題みたいなものがあったかどうか伺えますでしょうか。
(答)これは御覧になった方が多いわけで、要はああいうことです。応分の負担とは一体何であるかと。そこが問題で、文化庁が全面的に京都に移転しますよと。よろしくお願いしますね。いや、歓迎ですよというところまでは良いんです。そこから先、具体論として、法令上の仕組みは、地方に負担を求めてはならないということなんですけれども、地方が自発的に負担する場合には、それは全然拒まないという仕組みになっておりますもので、そこが大体幾らかかるんでしょうねと。そこにおいて京都側に御負担をいただくとすれば、どういうものなんでしょうねと。それはいかなるゆえに基づくものなんでしょうねというようなことが議論の中心になっていくんだろうというふうに思います。
 ただ、それと当然密接不可分なものなのですが、京都に行くことによって、国の文化行政、文化財行政がいかにより良くなっていくかという部分がございまして、そこは国全体としてこれだけプラスになるんだということが当然なければいけないわけで、それが定性的にどちらの負担になじむものなのかという議論になるんだろうというふうに思っております。
 そこで、いや、これは多過ぎるとか少な過ぎるとか、もうそういう話になると、何となくギスギス、詰まらない話になりますので、そこは京都の納税者の方々にも御納得いただける、そして、国の負担ということは国全体の納税者の負担、国のそれぞれの納税者の御負担ということですから、双方の納税者に御理解をいただけるような絵を描いていかなければならない。自分のお金ではありませんので、それはそれぞれの納税者の負担によって成り立っているものですから、納税者の方々に御理解いただけるような議論になっていかねばならないというふうに思っています。

(以上)