石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年4月1日

(平成28年4月1日(金) 9:27~9:40  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 本日の閣議におきまして、地方創生との更なる連携を図ることなどを内容とする「中心市街地の活性化を図るための基本的な方針」及び「総合特別区域基本方針」の一部変更が決定されました。これが1点。
 第2点は、お手元にお配りをしている、昨日公表しました、地域のまちづくりを支援する包括的政策パッケージについてでありますが、これは昨年末に閣議決定をいたしました、まち・ひと・しごと創生総合戦略2015改訂版に基づいて作成をいたしました。具体的には、地域の「稼ぐ力」や、「地域価値」の向上を図るため、まちづくりにおけるソフト・ハード両面の施策メニューを関係府省庁が一体となって取りまとめ、13地域の取組事例、KPIの選択肢例と併せまして、地方公共団体に提示をするものであります。
 各地域におかれましては、政策間連携、官民共同等の要素を重視しつつ、本政策パッケージを活用し、稼ぐ力や地域価値を高めるまちづくりの取組を積極的に進めていただきたいというものであります。
 これはお時間があれば御覧をいただきたいのですけれども、手引きというものも作っておりまして、それはお配りをしていないかもしれませんが、自治体において使いやすいようにするにはどうすれば良いかということに、極力配慮いたしたものであります。
 ですから、こんなことやりたいな、こんなこと困っているなということをパソコン上でクリックをしていただけると、該当ページが現れるというようなものでありまして、これ自体は非常にお役所の文書というもので、性格上やむを得ないものでありますが、自治体の職員の方々が使いやすいということに極力意を用いたものでありますので、どうぞ詳細につきましては事務方にもお問合せをいただきたいというふうに思っておるわけでございます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)国が地方に努力義務として求めていた、地方版総合戦略の策定が、締め切りが昨日ということですけれども、この出そろったものを見ていくに当たって、どういった観点で見られるのかということが一つと。
 締切りが来たことを受けて、国としてはこれから、その次の段階として、どういったこの政策を打ち出していくお考えでしょうか。
(答)これは、昨日締め切ったばかりでありますから、これからよく拝見をさせていただいて、実際にどういうことであるのか等につきましては、今月半ばぐらいにまたお話をさせていただきたいと思っております。
 ただ、この総合戦略を作るに当たりましては、いろんなPDCAでありますとか、KPIでありますとか、産官学金労言でありますとかというようなことを累次申し上げてきたものでございますし、その策定に当たって、上乗せ交付金であるとか、先行型交付金であるとか、そういう形で、こういうような総合戦略を作るに当たってのいろいろなプラクティスは積んでいただいたというふうに承知もいたしておりますし、自治体と我々との間でのいろんなやり取りも相当に、頻繁に密に行われたものだというふうに理解をいたしておるところであります。
 もちろん、そこにおいて、これは全て完璧だということが、ここで私は断言できるだけの知見を持ちませんが、そこにおいてKPIの設定の仕方がどうであったかとか、PDCAのサイクルがうまく回っているか等々は、よく意を用いて見ていきたいというふうに思っております。
 それは、いつも申し上げているように、上から指導するとかいう考えではなくて、これは政府とそれぞれの自治体、地域が共同作業で行っていくものでありますので、そこは地方のいろいろな御意見も聞きながら見ていきたいというふうに思っております。
 それから、かなりアンビシャスなKPIを設定したとか、そんなものがあるのかもしれませんが、基本その地域において、またいろんな方の御意見を聞きながら、地域において更にそれを、その地域にきちんと合ったようなものにしていただくという御努力はお願いをしたいし、私どもとしてもお手伝いをしたいと思っております。
(問)政府は今週、2020年までに外国人観光客をこれまでの2倍となる4,000万人という目標を掲げましたけれども、今、外国人観光客が、忍者で有名な三重県伊賀市ですとか、滋賀県の甲賀市に多く集まっております。呼び込むために自治体も力を入れているということなんですけれども、忍者が地方創生につながる期待もあるようですけれども、大臣、どのような期待をされていらっしゃいますか。
(答)これは、今御指摘の地域を中心として、加速化交付金というものについては伊賀市、小田原市、上田市、甲賀市、嬉野市が参画をしております。当初、三重県、神奈川県、長野県、滋賀県、佐賀県という県の単位から出ていたわけですが、加速化交付金からは市の参画というものも得ているところでございます。
 したがいまして、タイプ1としては4,756万円、加速化としては1億2,500万円、それぞれ支援をしているというところでございます。
 忍者が何で人気があるのか、私が小学生のころに「伊賀の影丸」という横山光輝先生の漫画が、やたらめったらはやりまして、少年サンデーだったと思いますが、毎週愛読しておった記憶がございますし、その後は、何でしたかね、「仮面の忍者赤影」とかいうものがあって、カラーテレビというものがあって、あれは日テレではなかったでしょうか、これがカラー放送の先駆けみたいなことであって、夢中になって見ておったという記憶はございますが、やはり神秘的な感じがあると、その日本独自のそういうものであるということについて、外国の方々が非常に強い関心をお持ちで、伊賀市等においてインバウンドということも視野に入れて、外国人の方が忍者のコスチュームでまちを歩くというのも何となく面白い光景ですが、その忍者の扮装でまちを歩き、指定された場所で安全に手裏剣を投げると。そんな町なかで投げられてはたまらないので、指定された場所で投げるというような体験型の、そういうインバウンドのいろいろなイベントというのか、政策を展開しているというふうに承知をいたしておるところでございます。
 そういうようなことに、DMOのようなものですが、日本忍者協議会なるものがございまして、どんな方がお入りなのか、私も実際見たわけではありませんが、日本忍者協議会が内外の旅行会社、メディア等からの御紹介に対応する窓口として、ワンストップ的に旅行会社等のニーズに合わせた地域へのマッチング、周遊ツアーの企画提案等を実施するというのが政策間連携ということになりましょう。
 あるいは、今申し上げた三重県、神奈川県、長野県、滋賀県、佐賀県、5県が連携して大規模かつ効率的に情報発信や観光誘客を行う、これは地域連携になるものであります。
 あるいは、官民連携としては、官のみならず、観光協会、市町村等が連携をしながら誘客活動を促進するというようなことで、忍者というものを題材にして、政策間連携、地域間連携、官民連携を図ることにより、多くの効果を上げていくものだということを期待をしておるところでございます。
(問)4月1日ということで、新年度が始まりましたが、この新年度をどういった1年にしたいかというのを、改めて石破大臣の方からお願いいたします。
(答)年度替わりですから、行く人来る人というのか、年度末で新しい職に変わられた方、退任された方ありますし、内閣府としてその入省式というのか知りませんが、新しい方々をお迎えをして、新たな気持ちで仕事を行うということは、別に私どもに限ったことではございません。
 本日から始まります平成28年度の予算も、年度内に成立をさせていただきましたので、この早期執行に努めていかなければならないというのは当然のことでございます。
 昨年度は、国政においては、衆議院選挙があったわけでもなく、参議院選挙があったわけでもありませんでした。ただ、今年は少なくとも参議院選挙は予定をされておるわけでありますから、やはりそれが一つの、これは私はいつも思っているのですけれど、今度の改選期を迎える方々は、我々が野党のときに当選された方々でありますので、我々は政権を持っておったときに至らぬことが多々あってですね、野に転じたと。その反省を踏まえて私どもは出直しますみたいなことを、私は当時、政調会長として全国訴えて、多くの方が当選し、政権奪還への足がかりを築いたというふうに承知をいたしております。
 ですから、やはりその参議院選挙というものには、本当に自民党があのときに言っていたことはどうだったのかという御評価をいただく機会だと思っておりますので、政府与党を挙げてこれに取り組むことが、年度当初の私どもが心掛けねばならないことだと思っております。
 伊勢志摩サミットもございますし、アメリカ合衆国大統領選挙もあるわけであってですね。私どもとして、あらゆる事態を想定しながら、国民生活の向上、そして国が安全、安心な国家であるように努めていき、国民生活にいささかの不安も生じさせないよう、気を新たに取り組むのが本日の心境でございます。

(以上)