石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年2月9日

(平成28年2月9日(火) 8:44~9:00  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。お手元にビラをお配りをしておるわけでありますが、首都圏在住の皆様方を主な対象といたしまして、地方創生フェスを開催しております。
 今日はアクティブシニア-いわゆる、元気なシニア。少し悲しい思いがしないわけではないですが、もう50代からシニアだそうです。。アクティブシニアの皆様を対象とした第2回のワークショップ、これを八重洲にございます移住・交流ガーデンにおきまして、本日19時から21時まで、開催をするものであります。
 アクティブシニアの方々が、これまでの経験や知識を生かして、これからの地方創生にどう生かすかということをお考えいただくきっかけになると良いなというふうに思っておるわけであります。
 これはCCRCとも関連をする考え方になるわけでありますが、この50代の男性の方々、東京圏にお住まいの方々の約5割が地方への移住を希望しておられる、考えておられるというようなデータも以前からお示しをしておるところであります。
 先週金曜日、5日でございますが、これは第1回の移住女子の方々を対象としたワークショップを開催をいたしました。非常に活発な熱気ある意見交換になったというふうに、牧島政務官から聞いておるところであります。本日のこのアクティブシニアの回も、定数に対しまして5割増し近い御応募をいただいているというふうに承知をいたしておるところでございますが、積極的な意見交換になるといいなと思っております。
 なお、今後でございますが、17日水曜日には、デジタル世代と地方創生ということで、伊藤補佐官が参加をいたします。これはデジタル世代の方々、この間のRESASを使った地方創生の政策コンテストでもお若い方々が随分と活躍をしていただいたわけですが、第3回のワークショップは17日、デジタル世代と地方創生ということです。お手元にビラをお配りしております。
 27日土曜日には、私が参加をいたしますが、地方創生フェスをこれは渋谷のヒカリエで開催いたします。
 こういうようなものを地道に開催をし、多くの方々に御参加をいただくということで、着実に成果を上げていきたいというふうに思っておるところであります。
 以上です。

2.質疑応答

(問)国家戦略特区についてお尋ねしますけれども、近く特区法の改正案を出されるかと思いますが、その中で、農業生産法人の設立について、出資比率の要件を緩和出来るかどうかということが焦点になっていると思うんですけれども、先日、総理が諮問会議で前向きとも取れる発言をされた一方で、党内には根強い慎重論もあると伺っています。今後、担当大臣としてどのように調整を図られる考えでしょうか。
(答)これは、先週5日の特区諮問会議において、総理から、まずは特区内で効果を検証していくと、こういう指示があったところであります。関係大臣に対しましても、所要の調整を行うようにというような趣旨の指示があったということでございます。
 したがいまして、この総理の指示を受けまして、御指摘の農業生産法人の出資・事業要件緩和について、今国会に提出をいたします特区法改正案に盛り込むべく、規制当局との調整を進めたいというふうに思っておるところであります。
 これについてはいろんな御意見がある。これは昔からあることで、今に始まったお話ではございません。
 この4月から、改正農地法も施行されるわけであります。また、TPP関連法案の御審議も賜るわけでございます。そういうような状況でもあるしということなのかもしれません。断定的には申し上げませんが。
 この養父市の案件というのは、その規制緩和を早くやってくれというだけではなくて、国の要件緩和の議論に先立つ形で、耕作放棄、あるいは、それが産廃置場になってしまうのではないかと、そういうような懸念を防止するような条例を、独自に自治体において制定をしておるところであります。ただやみくもに規制緩和をしてくれという話ではない。耕作放棄にならないように、あるいは産廃置場にならないようにというような条例を制定をしておるところであります。
 これが特区というもので、その特区たる養父市において、その権能に基づき、自治体の権能に基づきという意味ですが、そのようないろんな懸念を払拭するような条例を制定をしておるということであります。
 私どもとして、これからの議論になりますが、そういうような懸念はどれだけ払拭をされるのかということ。そのことをきちんと検証していくということも必要だというふうに思っております。
 TPP法案の関連というお話でございますが、ここもその、私自身の考えといたしまして、これは農林水産省で働いておったときからそう思っているのですけれども、とにかくその担い手がおそろしい勢いで減っているということは間違いない事実であります。
 それから、20年前、10年前、今と比べて、いわゆる基幹的農業従事者の平均年齢というのがおよそ10歳ずつ上がっているということは、要は同じ世代の方々が担っているということであり、当然人間は不老不死ではございませんので、その数も減っていくということであります。耕作放棄地が激増しておるということが、また事実としてあるわけで、どのようにして担い手というものを確保するかということは、これはTPPも踏まえて、あるいはこれから先、日本の人口は激減するわけであります。そうすると、農地は一杯あるけれども、担い手はどんどん減りますよということになるわけで、これは一体どうするんだということになるわけでございます。
 これからその多くの御議論を当然経るわけであって、これで決めたというようなことを申し上げるつもりは全然ないのですが、当然いろんな御意見があり、それを真摯な御意見であるということをよく踏まえた上で、総理の御指示というものをどう実現していくかということで調整を図りたいと思っておるところであります。
(問)大臣は日曜日に金沢市で開かれました、地域しごと創生会議で、来年度から5年で1,000件の産学連携プロジェクトの立ち上げというのを表明されました。隠れた技術力を持つ地元の中小企業だとか大学等の連携ということだと思うんですけれども、対象に、これは独立行政法人も含まれていたと思うんですけれども、その関連で、政府機関の地方移転で一部移転として打ち出した研究者のクロスアポイントメント、兼職みたいな部分もあると思うんですけれど、これもこの産学連携のプロジェクトに含まれるものなのでしょうか。
(答)プロジェクトの内容はこれから精査し詰めていきますが、そういうものも含まれると考えるのが、私は適当ではないかなというふうに思っております。
 ですから、その研究者というものが、例えば飛行機にしてもですね、あるいは新しい素材の開発にしても、そういう研究者が集積をしていくことによって研究のレベルがアップをする。あるいは、いろんなネットワークを持っている研究者がそこに入ることによって、そこの技術を世界に発信をしていき、新たな需要を生み出すことになると。あまり今までのような片仮名でケイレツなんて言いますけれど、親会社があって子会社があってということになってしまうと、そこに技術があったとしても、親会社がいなくなると、さあ、どこへ何を売っていったら良いんだみたいなことになってしまいます。そうすると、いろいろな技術というものが、そこで廃れてしまう、潰えてしまうみたいなことになってしまうので、それを回避をし、なおかつ研究のレベルを高めということから言えば、そのような御指摘のケースというものも当然考えてしかるべきと思っております。
(問)分かりました。
 それと、馳大臣も、シェア金沢の視察から地域しごと創生会議の会合まで御一緒されたと思うんですけれども、京都への文化庁移転について、何かお話をされたり、具体的な方向性というのを詰められたりとか、そういうことはあったのでしょうか。
(答)いや、これは馳大臣の選挙区が金沢であるということで、シェア金沢を運営しておられる佛子園の理事長さんが高校の同級生であったというような縁もあってですね。随分前から馳大臣は、このシェア金沢について非常に深い御理解をお持ちの方でありますので、選挙区でももちろんあり、シェア金沢に行っていろんなことも、私も教えていただいたということであります。
 また、その後の会議におきましては、大学でありますとか、そこの新しい地方創生に果たすべき役割、センター・オブ・コミュニティーというですね、COC+という事業というものを文科省が展開をしているわけであって、文科大臣として当然このCOC+を用いた地方創生ということで、所管というわけではないが、この地方創生に今回のテーマに大学の先生にもお出ましをいただいたので、そこで馳大臣が当然、正規の政府側の発言者として参加をされたということであります。
 そこにおいて御指摘の文化庁については、会議の中でそのようなお話がテーマにもそぐわないので、なさったわけではありません。今回、随分長い時間、馳大臣とも御一緒しましたが、特に文化庁についてお話をしたわけではありません。
 ただ、文化庁の移転について、大臣として見識あるいは方向性というのを強くお持ちなわけであって、このことについては、常に馳大臣との間で意見交換もさせていただいているということでございます。
(問)ちょっと話変わって、地方創生と離れるんですけれども。昨日の衆議院予算委員会で、高市総務大臣が、政治とメディアについての、関わる発言をされてですね。要は、放送局が政治的な公平性に欠ける放送を繰り返した場合は、その電波を止める可能性に言及したという内容なんですけれども、その政治とメディアってやはり、例えば自民党がですね、いろいろ、例えば放送局とのいろいろ話合いを持たれたりとかも今までありましたけれども、改めて、例えば石破大臣がその、高市大臣の発言も踏まえて、政治とメディアについてもしお考えがあればお聞かせください。
(答)私は高市大臣の御発言を実際に見てもおりませんし、議事録も読んでおりませんので、間違った論評をすると大変、大臣に失礼ですので、高市大臣の話はさて置いてということであります。
 これは当然、放送法に定められた放送機関、言論機関の役割というものがあって、政府の側も、あるいは放送事業者の側も、放送法に従ってやっていかれるわけでございますね。
 これは昔、幹事長のときに研究したことがあるのですけれども、その放送法という法律はあるんだと。だけれども、その書籍法とか新聞法とかいう法律はないわけで、それは電波を使ったメディアと、活字を使ったメディアの、その発信方法の違いに着目をしたということであったかと承知をいたしております。もう2年ぐらい前の研究なので、大分記憶がうろ覚えになりましたが。
 これは私はこう、かねてから会見のたびに申し上げていることですが、民主主義において、言論機関の自由な表現というものは、常に保障されなければならないものだと思っております。民主主義と言論機関の自由な発言というのは、密接不可分な関係にございます。
 したがって、気に入らないからそれを統制するとか、そういうことをやると、どちらの立場にせよ、この民主主義とメディアということの関係がおかしくなると思っております。
 そこにおいて、これは私もよく経験をすることでありますが、全然事実と違うことをですね、あたかも事実であるかのごとく書かれてしまうと、そしてまた、そこのメディアに、そうではありませんよということを申し上げる機会って、私どもほとんど与えられないので、そういう点において、残念な思いをすることがないわけではございません。
 なので、それはそうとしても、メディアの自由な表現というものは、常に憲法の要請もあり、保障されるべきものであると考えております。

(以上)