石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年1月22日

(平成28年1月22日(金) 10:03~10:16  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 本日17時から中央合同庁舎8号館6階623号室におきまして、民間主導の地方居住推進に向けました国民会議、「そうだ、地方で暮らそう!」国民会議を開催するものであります。
 前回の会議におきましては、様々な現場の取組の実情、地方に芽生えた新しい動きを御披瀝(ごひれき)いただいたところでありまして、行動宣言が取りまとめられたところであります。
 メンバー各位の御努力もありまして、地方居住への国民の関心も徐々に高まりつつあるという認識を持っております。今後、この流れが国民運動として大きなうねりとなりますように、出席者の方々の活動、政府の取組などにつき情報を共有し意見交換を行いたいというふうに思っておるところであります。
 これは、それぞれの地域において、「そうだ、山形で暮らそう!」県民会議とか「そうだ、鹿児島で暮らそう!」県民会議とか、そういうものとの連携も必要なんだろうと。東京でだけ盛り上がっておっても、それぞれの地域、つまり受け入れる側も、どうしたら人が来るのかということにつき、来ていただいたら100万円あげますみたいな話ではなくて、どういう形で人を受け入れるか、そういうことについても非常に有意義な取組をしている地域がたくさんございます。そういうような情報を共有し、これが国民的な活動となっていくような会議にしたいというふうに考えておりまして、会議は公開でありますから、ぜひともお聞き取りをいただきたいというふうに思っておるところであります。
 以上です。

2.質疑応答

(問)地方創生の話題とはちょっと違って恐縮なんですけれども、甘利大臣が千葉県の建設会社からURの補償の交渉をめぐって現金を受け取っていたという報道がなされていますけれども、この問題についての大臣の受け止めをお願いします。
(答)これは、昨日の国会においても甘利大臣がお答えになった。それについて我々が論評することは何もありません。週刊誌にいろいろなことが報ぜられておる、そのことについていろいろな刑事上のことについてどうなんだというようなお話がありますが、そのことについて、実際のことを知っているのは当事者しかおられないわけなので、それをお聞きしないままにああだのこうだの言っても仕方がないことだろうというふうに思っております。
 昨日も水月会で申し上げたことですが、甘利大臣ほどの練達(れんたつ)の政治家であり、これまで誠実に政治活動をしてこられた方でありますから、誠実にきちんとお答えになり、そしてそれを基に議論が行われるなら行われるということだと思っております。こういうことについて我々が、事実関係が明らかになっていないのにあれこれ申し上げるのは決して良いことだと思っておりません。事実は当事者しか御存じないことであり、そのことを基にこれから先いろいろな議論がなされるという以外に言うことはございません。
(問)関連なんですけれども、この問題をめぐって野党が非常に攻勢を強めていまして、これから本予算などの審議もありますが、そういった国会審議への影響についてはどうお考えでしょうか。
(答)それは国会のことでございますから、我々政府としては、国民生活に必要なものだと、日本国のいろいろと懸念されるような要因も指摘をされておる状況にあって、補正予算も早く成立をさせていただいた。本予算も、これは国民経済、国民一人一人の生活に関わることでございますから、充実した御審議の上に速やかに成立をお願いしたいということであります。ですから、このことの事実解明というものは、それはそれで甘利大臣の誠実な対応も当然あって行われなければいけないでしょう。そして、国民の生活のために必要な予算というものも十分な御議論の上に速やかに成立を図るべきものでしょう。この二つをどうやって両立させるかということが我々が国民に対して果たすべき責務なのであって、これが予算審議が優先だからこういう問題は等閑(とうかん)視して良いとかそんなことを申し上げるつもりは全くございません。逆もまた真なりであります。この二つを両立させることこそが国会が国民の皆様方に対して果たす使命だと国会議員の一人として心得ますが、政府の立場としては、予算審議というものをぜひともお願いをしたいと、そして十分な御議論の上に早期の成立をお願いしたいというのが政府の立場でございます。
(問)先日の20日に開かれました「小さな拠点」フォーラムの中で、小規模多機能自治推進ネットワークからの提言を踏まえて、地方創生本部に「小さな拠点」について検討する会合を立ち上げるというお話がありましたけれども、そのメンバーとか初会合はいつやるかとか、その辺の見通しのほうはいかがでしょうか。
(答)これは、私から事務方にメンバーの人選を急ぐように指示をしておるところでございます。「小さな拠点」というのは、昔の役場の周辺に拠点を作る。すなわちそこに医療であり、あるいは介護であり、あるいは教育であり、買い物でありというのを集積をさせ、それぞれの集落をネットワークで結ぶと、こういうハードの考え方があるわけですが、それを実現するに当たっては、いわば、ソフトとでもいうべき組織が必要になるだろうということでございます。
 当日も申し上げたことですが、合併された小さな町村にしてみると、間違いなく、それまでよりは行政の光が当たらなくなってきたというのが多くの方の偽らざる実感だろうと思います。そうすると、市町村合併を元に戻せというつもりは、それはないのですけれども、そこに何らかの組織が必要なのではないだろうか。それをどのように位置付けていくのか、NPOとか株式会社とかいろいろな形態があるわけですが、どのような形態が一番望ましいのだろうかということで法人格について、それを付与すべきであるというような御提言がなされたところであります。
 私が農林水産大臣のときに地域マネジメント法人、そのときには、私も職務上の関心もあるのですが、JAというものをそれに活用することはできないだろうか、すなわちJAというのが協同組合でございますから、協同組合の理念というのは、1人は万人のために、万人は1人のためにという、それが協同の理念なので、正しくそういう協同の理念というものを持って運営されているJAがその一翼を担うということが考えられないかということで法案を書き始めたんですけど、政権交代で出来なかった。ですから、別にJAに拘泥(こうでい)するつもりはないのですが、いろいろな組織がある。例えば消防団があり、あるいは公民館があり、社会福祉協議会があり、土地改良区があり等々ですね、そこにいろいろな個人がおられるわけです。そこがそういうような地域をマネジメントしていく、そういうような団体が必要だという思いは変わりません。
 これも先般申し上げたことですが、全国あちらこちらで、その地域の住民の方が参加する形でそういう組織が立ち上がっている。その組織とはいかなる組織であるべきか、そして法的にいかなる人格が付与されるべきなのかということについての議論は、私は急ぐべきだと思っています。ですので、これはそういう地方行政の法律にお詳しい方、また地域の実情をよく御存じの首長を初めとする皆さん方、実際にそういう組織の中において活動しておられる方等々、そういう議論をするのにふさわしい方を人選してくださいというお願いをしているところであって、そういうような候補が上がってきて、そういう方々にお願いをし、会議をスタートさせるのにもう少し、少しというのは本当に長くないです。時間が必要かなと思います。そういうのが決定次第、またここでお話をさせていただきたいと思います。
(問)また話が戻って甘利さんの件なんですけれども、報道ベースですが、秘書の方が様々なことをされてきたという報道の内容で、例えば政治家というのは、秘書の行動というのは全て把握できるものなのでしょうか。また、秘書の行動に政治家、要は、雇い側の政治家は責任を持つべきなのかについて教えてください。
(答)これは、いろいろな法改正があって、公設秘書のみならず私設秘書もその対象となるということになりました。法の内容は御案内のとおりでございます。そうなってくると、やはり政治家の名を語ってやるわけで、全く契約関係もないのにやったということであればともかくも、政治家と私設秘書という関係があって、一般私人の方は、その看板というのか、これを信用されていろいろな契約とかそういうものについての依頼がなされるわけですから、それは私設だから関係ないとか、秘書だから関係ないということにはならないんだろうというのが法の趣旨だと承知をいたしております。そうすると、問題は、政治家が非常に誠実に真摯に政治活動に取り組んでいるにもかかわらず、邪(よこしま)な思いを持ったそういう秘書がおられた場合にどうするんだということ、そこにおいて十分なる監督責任とは何なのだということ、そういうお話は当然出てくるものだと思いますが、基本的な考え方は、その看板によって、信用によってそういう行為がなされるということに着目すれば、現行法というものについて、ましてや閣僚たるものがあれこれ論評する立場にはない、法の趣旨はそういうことだということです。一般論で恐縮ですが、そのように思っております。

(以上)