石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年1月8日

(平成28年1月8日(金) 8:26~8:33  於:官邸3階エントランスホール)

1.質疑応答

(問)今日から補正予算の審議が始まります。今回の補正は、地方創生に直結するものと言われていますけれども、3,000億円規模が果たす役割について教えてください。
(答)これは、加速化ということを主眼としています。つまり、地方創生は昨年が計画策定段階という年でした。それからいよいよ実行段階に入るということです。もちろんこれに先駆けて26年度補正予算、27年度予算等々で新しい地方版総合戦略の構想に基づいて、もちろん地方版総合戦略というものを策定したところもあれば、今策定中のところもありますが、そういうものを念頭にいろいろな取組が始まっています。それを更に加速化させる。一刻も早いほうがよろしいと思っております。時間にそう猶予があるわけではないので、いろいろな取組を加速化させるということが一番の狙いだというふうに私は認識をしております。
(問)所管外で恐縮なんですけれども、北朝鮮の核実験に関してお伺いします。日本独自の制裁も視野にと言われている中で、元防衛大臣出身者として、今後どういった対応が望ましいと思われますか。
(答)一義的には、拒否的抑止力の実効性を更に高めるということだと思います。我が国として懲罰的あるいは報復的抑止力、すなわち倍返しだみたいなことで、そんな目に遭うのであればやめておこうという報復的・懲罰的抑止力を持つことはできません。そうすると、そういうことをやったとしても得られるものはほとんどないのだという意味でも、そんなことならやめておこうという意味での拒否的抑止力、これを更に高めるということが重要で、具体的には、ミサイルディフェンスの信頼性の向上、それから国民保護法制というものができました。一度、浜田防衛大臣のときにそういうケースがありましたが、ミサイルが発射をされたとしても、国民が安全に避難をするというような、やってもほとんど意味がないというような意味での国民保護の体制というものを更に強めていく等々が考えられることです。もちろん日米同盟というものを緊密に連携の度を高めることによる抑止力の発生というのもあるでしょう。ですから、そういう北朝鮮は北朝鮮なりの計算があってこういうことをやっているわけですから、そういうような彼らの意図というものを、なるべく減殺していくような、そういうような手だてをとることが大事だと思っております。
(問)政府機関の地方移転、今月からまた中央省庁の検討が本格化すると思います。当事者間を交えた意見交換会が開かれると思うんですけれども、東京一極集中の是正に向けて地方側の期待が大きいと、省庁側の抵抗もやや大きいと予想されると思うんですが、どのような感じで会議を進め、その意見交換の場を進め、どのような感じで見える形で結果を出したいか、そういうことを聞かせてください。
(答)何が国民のためなのかということです。省庁がいろいろと反対をしているというやに報ぜられていますが、彼らがそういうような行動をとったとして、省庁のいろいろな利害ではなくて、なぜ、それが国民のためになるのか。あるいは、うちに移転をしてほしいというところが、そこだけの発展ではなくて、なぜそこへ行くことが国民全体のためになるのか、そういう議論が国民に見えるということが大事だと思っています。ですから、うちに移転してくださいというところは、そこはその地域のためのみならず、国民の全体のためなのだということがどう立論できるか。反対というのは、それが省庁の、言ってみれば、エゴではなくて、こっちは国民のためなのだという議論をどれだけ展開。それを国民がきちんと見える形で行うということが一番大事だと思っております。
(問)意見交換の場は公開されたりする御予定というのはありますか。
(答)なるべく、今申し上げた趣旨に沿った形が望ましいですけれども、そこにおいて交わされる議論の内容によっては、必ずしも全てフルオープンということにはならないかもしれません。ただ、本質的な部分がきちんと国民に伝わるような、そういう配意は当然していくものであります。
(問)国民に見えることが大事というのは、例えば今、途中経過の公開というのもあるんでしょうけど、具体的にもう少し何かあれば教えてください。
(答)公の会議ですから、そこは議事録というものを一字一句とるかどうかは別として、なるべくありのままの形で見ていただけるようにするとか、いろいろな工夫はあるだろうというふうに思っております。
(問)例えば、議事録を国民一人一人がしっかり見るというのはなかなか考えづらいと思うんですけど、もう少し何か例えばあれば。国民に見える化になっているのかなという疑問があるんですけど。
(答)何かいいアイデアがあったら、ぜひ教えてください。それは議事録を子細に見ることはないでしょう。ただ、ダイジェストにしてしまうと、隠された部分があるのではないかというような御批判になるわけで、ネット中継しても、まず余り見ないです。やっぱりそういうのになじまない議論もあるかもしれない。これが国民の見える化を促進することになるというのは、正しく架け橋である皆様方のアイデアをいただければありがたいということです。

(以上)