石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年12月8日

(平成27年12月8日(火) 9:58~10:07  於:官邸3階エントランスホール)

1.発言要旨


 「第2回地域しごと創生会議」をこれから千歳市で行います。ローカルブランディングということでありますが、北海道はブランド化というものの先駆的な存在でもございます。それを更に高め全国に広げるということについて、こちらが演説をするということではなくて、現地で取り組む方のお話をよく聞いて、これを広げていきたいなと、こういうふうに思っておるところであります。
 御質問があれば、どうぞ。

2.質疑応答

(問)この後、地域しごと創生会議もございますし、今週末には政策アイデアコンテストのファイナリストが選ばれるということで、年末に向けて様々なことが決まりつつある中、大臣、今回、地方創生というものが総論から各論に進みつつあるとおっしゃっています。ちょっと雑駁とした質問になりますが、1年を振り返ってみて、どれぐらい地方創生の各論化というのが進んだとお考えでしょうか。
(答)これは、どれくらいというのを何割とかそういうことは断定的には申し上げられないが、ちょっとこの週末思うところあって羽咋市、益田市、浜田市、邑南町、雲南市というふうに回ってきました。実際に地方創生の取組が、現場において具体的に動き出したという実感を強く持っています。自治体ごとに今まででは考えられなかったような取組、そして産官学金、労はちょっと地域によってバラつきがあったけれども、産官学金というものの協力というか、これが実にうまくいっている。決して補助金に頼ることもない、自分たちのアイデアをいかに具現化するかということが本当に動き出したという感じを強く持っています。ただ、それが全国広くあまねくそうなっているかというと、必ずしもそうでもないという懸念も一方において持っていて、これは全国全てが同じように動き出すということはない。それはやはりこれから先も、先行しているところに更に加速度をつけ、そしてほかの地域もそうやればいいんだ、こうやればいいんだということで覚醒していただくということが広がっていくように努力をしたいと思っています。確実に動き出していますが、それがまだ点が密になった状態であって、面まではまだなっていないなという感じはしております。
(問)今、先行してというお話ありましたけれども、今年度の補正予算に1,000億円規模の加速化交付金が盛り込まれるというお話もありました。何をもって加速化しているのかとか、その辺の基準がなかなか難しいと思うんですけれども、大臣はどういう基準でそういう、どれが先駆的で、どれが加速、どういうところが加速化しているというような、ちょっとわかりづらいところもあります。
(答)それは、この事業を始めたときから申し上げていることですが、KPIがきちんと設定をされる。それも荒唐無稽なKPIを定めても駄目で、それがPDCAサイクルというものがきちんと機能することによって定められたKPIというものがいかに合理的なものであるのかということはプランの段階で出てくるわけですね。それを実行する。そして、それを点検して、それを実現できたかどうかというそういうものをきちんと具備しているところが大事だというふうに思っています。ですから、そういうところは、そのKPIの達成が早かるべく27年度補正予算を28年度本予算までの間のつなぎ的な意味で、切れ間なくそういうKPIがきちんと設定されていて、それが補正予算で仮に国会の了解が得られて予算が付くとすれば、その達成が早いというようなことが見込まれるものに対して付けていきたいというふうに思います。ですから、それはバラまくことなく、効果というものを重点的に考えながら支援をしていくという形になります。そういうものです。
(問)一部ではバラまきだというような批判的な声もありますけれども、そういったことは当たらないと。
(答)だから、バラまきだというのは、それはおっしゃる方のいろいろなお考えでしょうが、何をもってバラまきと言うのかをご指摘の上で議論をしていただきたいと思います。我々としてKPIが設定されていない、PDCAが回る仕組みが口で言うのは簡単なことだけど、どういうふうにしてそれが制度的に担保されているのかということです。それは議会によるチェックもあるでしょうし、市民によるチェックもあるでしょう。そういうものが具備されているものは、決してバラまきとは言いません。
(問)先ほどもお話がありましたけれども、思うところがあってということで、先週末ですか、島根県を訪問されましたが、改めまして印象に残った場所など感想をお聞かせいただければ。
(答)これは、島根県は今までも大田市の中村ブレイス、あるいは海士町の取組というものを拝見して非常に感銘を受けたところです。この週末から週初めにかけて、益田市の真砂地区を視察をしましたが、そこにおいて、なぜ人口が維持をされているのかという取組、そして浜田市におけるシングルペアレントの取組、そして邑南町におけるA級グルメのまちづくりと日本一の子育て村、そして雲南市においては、これは私は農林水産大臣のときに、地域マネジメント法人というのを作ろうということで、これが未完に終わっているのだけれども、それぞれの地域、これは昭和の合併前の旧町村を想定していますが、そこに小さな拠点を設ける。これはどちらかというとハードの仕事ですね。ハードで小さな拠点を整備するのみならず、これは面白い言葉だなと思ったんだけれども、公民館というものを交流センターというものに改組して、地域住民の方が、今まであれをやってくれ、これをやってくれということを市当局にお願いをする立場だったが、今はそれが変わって、なぜこれを我々にやらせてくれないのだというのに変わっている。ですから、自治組織なるものの在り方、それに対する法人格の付与の方向性、そういう非常に私が思い描いていた小さな拠点の姿、あるいはその地域における自治の在り方、そういうものを体現しているのが雲南市であったと思います。ですから、シングルペアレントにしても、A級グルメのまちづくりにしても、あるいは集落の守り方にしても、小さな拠点にしても、政府が進めていこうとしていることに自ら答えを出してくれたというのが今回の島根県の4市町であって、非常に心強く思ったことでした。

(以上)