石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年11月13日

(平成27年11月13日(金) 10:01~10:32  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 2点ほど申し上げます。
 まち・ひと・しごと創生会議におきまして、総理指示により、設置が決まりました「地域しごと創生会議」、第1回は11月17日、来週火曜日であります。この会議は、地方に新たな仕事と投資の流れを目指すために必要な課題、並びに対応を明らかにするものでありまして、第1回におきましては、現状を確認しつつ、基本的な対応方針について議論するということになります。第1回には内閣府のほかに、地方創生にともに取り組む経済団体の代表も含め、地方創生に造詣と関心の深い9名の有識者の方々にお越しをいただくということになります。愛媛県今治市で、FC今治のオーナーを務めつつ、サッカーを通じた地方創生に取り組んでおられる岡田氏にも御出席をいただくものであります。
 この会議での検討を通じまして、新型交付金の有効な活用、集中的に検討すべき制度改革など、仕事の面から地方創生の実現、目に見えた形での地方創生の実現に向けた取組項目を明らかにしたいと思っております。
 次に、「地方創生政策アイデアコンテスト2015」の最終審査会及び表彰式についてであります。明後日15日が、このコンテストの応募締切となっておりまして、現時点で高校生以下の部においては68件、大学生以上一般の部におきましては297件、都合365件の御応募をいただいておるということであります。応募を締め切りました後、6名の審査員の皆様によります第1次審査、これを行いまして、10件に絞ります。その10件の提案者につきましては、12月13日日曜日に、本郷にございます東京大学の伊藤謝恩ホールにお招きをし、最終審査会でそれぞれの御提案について、プレゼンを行っていただくということであります。厳正な審査を経ました上で、地方創生担当大臣賞を初めとした賞を決定をし、表彰式を行うということになりまして、当日はこれに加えまして、RESAS第2期開発の2次リリースの内容についても発表をし、説明をするということにいたしております。
 かねてから申し上げておりますように、2次リリースの内容は、地域経済の循環の分析、外国人消費の分析、林業マップ等々がその内容となっております。この最終審査会及び表彰式は、本日より、そこにおいて御覧になり、お聞きいただく聴講者の募集をいたすものであります。RESASを活用し、どのように魅力的な政策アイデアが生まれたのか、ぜひ皆様方にも御参加をいただき、RESASについて御理解を深めていただき、お役立てをいただきたいと考えております。
 このコンテストで表彰をされました政策アイデアにつきましては、その対象となりました自治体の長の方々に対してお伝えをし、それが政策として採用し得るか否か、御検討をいただかなければならないと思っております。せっかく一生懸命考えましても、それが反映されないという形になりますと、それ何のためにやったのか、というお話になりますので、是非とも自治体の方々にも、出来ればお出かけをいただき、お話を聞いていただきたい。これはそのためのものでございますので、実際に活用できるものが多々あるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)冒頭のRESASの件でお伺いしたいのですけれども、今後、第2期リリースもあるということで、更に充実させていくと思うんですけれども、これまでにこういったコンテストでの使い方とか、あと地方版総合戦略などでも活用されていると思いますが、そういった活用事例を見ていて、今後更に強化していきたいRESASの使い方とか、仕組みの部分で、強化していきたいポイントとか展望などがあれば教えてください。
(答)これは今も御説明申し上げましたが、2次リリースにおきまして、地域経済循環分析、これをお示しをいたします。あるいは、インバウンドということで言われておりますが、外国人の消費の分析、あるいは農業・水産業に加えまして、林業というものを入れております。実際に使ってみてどうなんだろうかというのは、こういうコンテストをやってみることによって、更にこんなのがあったらいいね、あんなのがあったらいいねというのが出てくるんだろうと思います。人口は、どう頑張ってもしばらくは減少するということを、いつも申し上げておるわけでありまして、そうするとその地域の雇用とか経済とかいうものを、どう分析をするんだろうかということですね。例えば、あるまちで売られている物がいろいろありますと。じゃ、そのまちで作られ、そのまちで売られている物というのは、どれぐらいあるんだろうか。実際調べてみると、そこで売られている物に、そのまちで作られた物が余りないと。甚だしきに至っては、スーパーで売られている物の9割が、そこで作られている物以外の物であるということが分かって驚愕したとか。そういう話があるわけですよ。実際に、人・物・金がどこから入りどこへ出て行くのか、それはどんな人であり、どんな物であり、どんな金であるかということが分からないと、ただただ、人口が減少していくので経済が衰退します。雇用も衰退しますよねということになりかねないわけですね。地産地消でいく限りは、そこの経済が縮小するだけにしかならないと。それはもちろん大事なことですけれども、人口そのものが減るのでね。そうすると地元で作り、外で商いするという意味での高知県の尾崎知事が提唱しておられる地産他消というものは、一体どういうものなのだろうかとか。あるいは島根県中山間地域研究センターの藤山先生がやっておられるような、サステーナブルな集落というのは一体何なんだろうか。それがだんだんミクロになってくるんですけれども、サステーナブルにそこの集落をしていくためには、どういう手法があるだろうかというのを考えたときに、やはり将来を見越して、どの世代のどういう御家族が、1年に1組来ていただければ、サステーナブルになるのか。いやいや、2年に1組でいいのか、1年で2組でなきゃいかんのか、みたいなことが、やはりデータに基づいて分析をしないで、やあ寂しくなった、困ったもんだと言っておっても、それはどうにもならない。それをどこまでこのRESASがミクロになるかというのは、なかなかそれは難しいものがありますが、じゃ、こういう手法なんだね、ということが分かることによって、いろんな応用が可能なんだろうなというふうに思っておるところでございます。
 ですから先程申し上げましたように、3次リリースにおきましては、そういうものをより充実させたいというふうに思っておりまして、実際に使ってみる方々が、こんなものがあるといいな、あんなものがあるといいなということは、使っている過程において、いろんな気付きがあるし、私どもこんなものを入れてということがあれば、それをシステムとして可能なのかどうか検討して、RESASのユーザーの方々にとって使いやすいものにしたいなと思っております。
(問)地域しごと創生会議について、3点お伺いしたいのですが、テーマが毎回設定されるということなんですが、どのようなテーマを考えられているのかと。あと、会議ではいつまでにどのような成果なり結論を出すのか。期待することも含めて聞かせいただきたいのと。あと、地方で開催する可能性というのもあるのかどうかという、この3点についてお願いします。
(答)これは、第2回以降、地域の魅力のブランド化、あるいは地域の技の国際化等々-これがローカルブランディングとか、そういう言葉であらわされることもございますが-いろんなものがありますと。地域の魅力というものがまだブランドになっていませんよねと。ブランドにすることによって、更に地域というものに人を呼び込み、あるいは、経済を活性化することにならないか。あるいは、地域の技というものが国内だけにとどまっておって、それをインターナショナルというか海外に広めていくということを考えたときに、それは点では結構あるわけですよね。例えば富山県の高岡市の能作という会社だったと思いますが、そこのすず細工というのは、今や国際的なブランドになっているわけでございます。しかし地域にいろんな優れた技がありながら、それがまだ国際化になっていないというものもございます。そのようにテーマごとに、それにふさわしい有識者の方、あるいは実際にこれをやって、成果を上げたよというような現場の方々にお越しいただいて、それが普遍化できないかということを考えたいと思っております。
 今のところは、3ないし4回程度、テーマ別会合を、これは地方で開催したいと思っております。現在の予定では、次回は12月の上旬か中旬に、先程申し上げました地域の魅力のブランド化ということにつきまして、これは北海道でやりたいなというふうに思っておるところでございます。そういうものは、具体に決定をいたしましたら、その都度御報告申し上げたいと思っております。
(問)今の地域しごと創生会議の関連なんですけれども、政策的課題についての討議を行って、その結果については、国としては、政府として、どのように関与していくんでしょうか。
(答)そこにおいて、例えばローカルブランディングというものについて、いろんな議論がありましたと。とすると、それをブランド化する上において、当面は、これも感じからすれば経産省になるんだろうと思いますが、あるいは、そのブランド化を更に高める上において、それを総合戦略に反映し、経産省のメニューにないというものもあるとすれば、それを、新型交付金を活用するとか、そういう形があるんだろうと思います。
 私も全国を回ってみて、高岡市のすずもそうですし、あるいは土岐市の焼き物、あれはディオールブランドにすることによって非常に付加価値を高めたというものでありますが、そういう例を幾つも見ているわけですね。それを更に、あちらこちらにあるシーズというものを、どれだけ発展をさせるかということについての手法というものがまだ確立しているとは思っておりません。それはそれぞれの地域において点として成功しているのだけれども、それだったらうちもやってみようかなというところがあっても、それがうまく乗らないで埋もれているものはたくさんあると思うんです。そういうものをエンカレッジして軌道に乗せるための政策というものは、この議論を通じて出てくるんじゃないかなというふうに思っております。
(問)昨日、行政事業レビューが行われて、地方創生も取り上げられて、各種補助金と新型交付金の違いが、要するに一般の国民から見たらよく分からないと。ユーザーフレンドリーになっていないんじゃないかという、そういう指摘が結構聞いていて目立ったように思います。例えば小さな拠点の形成だとか、少子化、出産の支援だとか、そういった具体的な補助金がやり玉に上げられたというか、それと新型交付金を含めて、ちょっとその違いが分からないから一本化したほうがいいんじゃないかといったような意見はありましたけれども、それに対して大臣のお考え、如何でしょうか。
(答)それはそれぞれが、例えて言えばそれぞれの省庁が、小さな拠点であれば、国土交通省設置法に基づいて、その権能において、こういう小さな拠点という事業がありますとしますですね。じゃあ、実際に国土交通省のメニューとしてそういうのはあるんだけども、それを具体的にどういう形で小さな拠点として住民の方々に御理解・御納得をいただくかということについては、事業としてはあるんだけれども、それを広く住民の方々に御理解をいただく、あるいは、いろいろな調査を行うというようなものについて、機動的な使い方が出来ないというのが、小さな拠点においてあるとします。あるいは、農村集落活性化支援事業というのが農林水産省にあるんだけれども、じゃ、そういうものを組み合わせたらどういう形になるんだろうか。それをそこの自治体において議論していただき、新しいアイデアを出すというような、そういうものについてのお金ってのは、実は準備をされていないということがある。それぞれの事業はそれぞれの事業としてあるわけです。それをいかにして組み合わせて、有機的にそこの町を発展させていくかということで、それの組合せ、あるいはそれの優先順位等々を決めていく、そのために新型交付金というのは使い道が随分あるんだろうねというふうに思っております。
 これは、行政当局、事務方のほうから御説明をしておると思いますが、それぞれの補助金で出来ないことってのがあるわけですね。あるいは、こういうことをやりたいんだけど、それに合った補助金がない。つまり、今そういう補助金があるとするならば新型交付金の出る余地はないわけです。今あるんだけれども、それではぴったりと自分の町がやりたいことが出来ない。例えて言えば、DMO補助金なんて世の中にないわけですね。あるいは、CCRC補助金なんてまだないわけです、それは事業になっていないから。だけども、そういうものをやってみたいんだけど、どういうふうにしたら出来るだろうかという会議体を作り、議論を進める上において、それは補助金のメニューにありませんからやれませんということでは新しい事は何も出来ないのですね。ですから、今ある中で出来ないものというのが新型交付金の一番の眼目だということは、かねてから申し上げているとおりでございます。それであれば今の補助金で出来るじゃないってことであれば、それでやっていただければいいわけで、今の補助金ではお金が足りないので新型交付金で上乗せしてくださいというお話には相なりません。それは新型交付金の趣旨というものをよく御理解いただければ、そのような疑問というのは出てこないものだと思っております。
(問)先程、大臣がおっしゃっていた、それぞれの地域で、うちもやってみようかなという意欲があるけれども、それがうまくはまらないで軌道に乗らない方々をエンカレッジしていきたいというふうに先程おっしゃったかと思うんですが、そういう中で、うちもやってみようかなという意欲を持つ自治体は、それはそれですごく有り難いんですけれども、そうではなくて、そもそもそういう意欲自体がなかなか思い浮かばずに、何をやったらいいのかすら分からないで、手を挙げる段階にもまだ至っていない自治体をどうエンカレッジしていくかというのが課題になってくるかと思うんですけれども、そういう自治体への対応についても、今後会議の中で話し合っていくという理解でよろしいんでしょうか。
(答)それは、今まずあるものを伸ばしていくということが順番としては先ではないですか。それは、これは地方創生全体に言えることなのですけれども、総合戦略においても、あるいは上乗せ交付金についても、あるいは地方創生人材についても、RESASについても、何でもそうですが、私どもとして、これをやりたいと、そういう意欲のある自治体というものを、情報面、あるいは財政面、あるいは人材の面で支援をしていきたいというふうに申し上げております。
 そういう意欲も何もありませんというところに合わせてやっていくと、全体が沈下してしまうというふうに思います。ですから、去年からずっと申し上げていることで、地方版総合戦略の出方なぞを見ていると、本当に、こんな考え方があるんだと。そして、そこにおいて必要なことは、住民の方々が一緒に参加をすることだと思うんです。ともすれば地域の方々は、行政に対する批判、市役所が何もしてくれない。あるいは、役場が何もしてくれないというような状況のままで地域が良くなるかというと、私は全然そうだと思っていません。商工会にも、商工会議所にも、市長が呼んでくれないから行かないということではないと。実際、国がそういう方針を出しているではないかと。そして、RESASというものによって情報の提供は相当に行われているわけです。それを活用しているところと、何か見たこともないね、どうやって使うのっていうところは、そこはやはり、地域を良くしていくのは第一義的に誰の責任なんだろうかってことを考えたときに、それは日本の国において、それぞれの自治体は、何のために住民から公選をされ、そしてそこの行政に責任を負うのかというのは、そういうものだと思うのですね。そこはもう、地域の主権者の方々がどのようにお考えになるかというのは、私は民主主義の基本だというふうに思っております。
 ですから、御指摘の、そういうところはどうするんですかって言われて、そこは地域の方々が、実際うちの地域をどうしようかというお考えがないところに、国がああだのこうだの言って、目覚めよみたいなことを言うというのは、私は行政のやり方としていかがなものだろうか。ですけれども、情報面などの支援について差を付けたことはございません。そこは同じように提供し、同じように活用いただきたいと思っているので、これは前も申し上げたかもしれませんが、そのようなところがあると私は思っていない。実際にやってみて、そういうことがあったとするならば、それは地域住民の方々がそれをどのようにお考えになるかということだと思います。
(問)ちょっと所管外の質問でなくて恐縮なんですけれども、15日で自民党が結党60年を迎えます。それに関して、田中派時代の全盛期を知る大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、その派閥全盛時代と言われた当時と比べて、現在の派閥の意味や役割はどのように変遷をたどってきたか、変わっていると思われますか。
(答)それは、選挙制度が中選挙区制から小選挙区制に変わったということが、背景として派閥の在り方というのを全く変えたのだと思いますね。だから、私の県でいえば定数4である。竹下派、宮澤派、中曽根派ということで、とにかく派閥は、他の自民党の人のことはどうでもよいので、はっきり言ってそんな感じでしたね。私はもう、田中派に入ったときに、田中派の候補者だけ当選させようということをミッションとして受けていましたし、それは他の派閥においてもそうで、そこで切磋琢磨をして自由民主党というのは過半数を長く得てきたのだというふうに思っております。
 小選挙区制になりますと、私もあちこち選挙応援に行きますが、「この人、何派」なんて考えたことは余りありません。それも、その人が当選しないと、何派であろうと、その人が当選しなければ、自由民主党としてたった1つの議席をそこで失うわけですね。そうすると、自民党という派閥というものが、より政策集団として特化をしていくということは望ましいことではないだろうかというふうに私は思います。
 ですから、私が働いておりましたころの田中派というのは、もう三十何年も前のことで、御存知の方はいらっしゃらないんだと思いますが、とにかく選挙は徹底してやる、そして政策も徹底して勉強をすると、この2本をうまく両立をさせていたと思うのです。ですから、選挙というのは基本的に党が仕切るものですけれども、政策においては政策集団として、今の政権に何を提言するか、そして、次にそれぞれの集団が政権を担わんとするならば何を提示するのかという、そういうような、選挙というよりも政策のほうにより重きを置くような、そういう時代の変遷かなと思っております。
(問)自民党の結党から節目を迎える中で、団体と自民党の関係も大きく変わってきていると思います。特に、例えば今、JAさんはTPPの問題だとか農協改革のことでいろいろと悩みが深いようですし、もちろん農協だけでもなく、全特さんですとか、いろいろな団体が自民党との関係について、じゃ、今後どうしていくのかというのを今岐路に立っているところだと思うんです。そのことについて、大臣としてはどのように見ていらっしゃいますか。
(答)それは、経済が右肩上がりで成長していたときというのは、一種相反するような御要望でも、それを両方とも満足させるということが決して不可能ではなかったということだと思います。それは、A団体の御要望とB団体の御要望がやや相反するものであっても、それを両方受け入れても何とかなるみたいな、そういう時代があったんだろうと思います。
 ただ、これから先は、どうやってこの国家をサステーナブルに持っていくかという話であって、その個の団体さえ良ければいいとか、今年さえ良ければいいとかいう話にならないんです。それは、それぞれの団体に対して、これから先、個の利益の集積が全体の利益になりませんというお話は、もうきちんとしていかねばならないんじゃないでしょうか。
 例えば、全中の会長さんがTPPの交渉というものの大筋合意を受けて、カンフル的なものは要らないんだということを会見ではっきりおっしゃっておられます。そこはもう、カンフル的というのは、その団体だけに、あるいはその時期だけに対応するものであって、それは要らないんだということを全中の新会長ははっきりおっしゃっておられる。それは団体の側も、カンフル的なもので農業全体が発展するか、GATTウルグアイ・ラウンドのときに、その中身について詳述することは避けますが、もう6兆円というものを投じて一体何が起こったんだろうかという検証は、団体の中でこれから先も随分なさるんだろうと思います。しかし、全中に代表されるように、今だけとか、自分たちだけとか、そういう考え方だと国家はサステーナブルでないということに、むしろ団体の側のほうがお気付きのところが増えてきたんじゃないかなというふうに思っているし、そういう方々が新しい団体のリーダーとして出てきたということだと思います。ですから、団体として選挙の票を出すんだから我々の要求を聞けというような、そういうものからだんだん変質をしてくるのではないかと思います。
 同時に、我々自由民主党として、団体に選挙の票だけお願いするということではない。それをお願いすることによって、その団体とどういう信頼関係を持ち、それが正しくキーワードとしてはサステーナビリティーだと思っております。持続可能性だと思いますが、そのことについて真剣に議論をするという、そういう関係に変わってきつつあると私は思っております。
(問)ちょっと無理くり関連付けたいんですけれども、昨日、報道にもありましたけれども、民主党が解党を求める前原さんの動きなんかがあるんですけれども、大臣は一自民党の衆院議員として、民主党の持続可能性をどのようにお考えになっているんでしょうか。
(答)それは無理くり関連付けたね。他党のことですから、それは分かりません。申し上げる立場にもございません。
 ただ、かつて私も新進党というものに属していたことがあります。私自身は、自由民主党ではなし得なかった本来の保守政党というものを作りたいという、そういう思いで新進党に参加をいたしました。その辺は、今までいろいろなインタビューとか自分が書いたものに書いてあるとおり、申し上げておるとおりでございます。その中において、やはりどうしても基本政策たる安全保障、あるいは社会保障、あるいは外交、そういうものについての一致点が見出せないということがございました。ですから、そういうものを全部捨象した形で政権交代という、そういうようなタイトルを掲げざるを得なかった。実際にそれがあのときは成功したわけですね。そのツケがその後、民主党政権に出てきたわけです。
 やはり政策、特に国家の基本政策というものについて一致を見ない党というのは一体何なんだろうかという思いが、これは民主党を指して申し上げているわけではなく、政党論一般としてそういうことがあろうかと存じます。まだ民主党さんが政権をお持ちだったときに、我々が何で綱領というものを徹底的に議論したかということ、そこの綱領において、我々として憲法改正というものを掲げ、そして自助・共助・公助の国作りというのを掲げ、そして税制の改革等、そして財政の再建というものをパッケージとしてやっていくんだという幾つかのことを掲げました。それは当時の自由民主党において、私も委員でしたが、侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論がありました。我が党は何のために党として存在をするかということを明確にするという作業が、もう民主党においても、他の政党においても同じことなんだと思います。
 私は予算委員会で、これは意地悪な質問だったかもしれませんが、当時の野田総理兼民主党代表に「ところで、民主党の綱領っていつ出来るんですかね」とか「そこにおいて掲げることは何ですかね」なんていう意地悪な質問をしたことがありますが、やはり党は何のために存在をするのかということをきちんとやらないと、政権獲得だけが自己目的になってしまい、その結果というのは民主党が現しておられたんじゃないかなというふうに思います。それは我が自由民主党においても言えることであって、やはり我が党は何のために存在するのかという問いかけは常に政党は行っていかないと、国民から御支持をいただき、あるいは国民の財政的な御負担をいただいているということに耐えられないのではないかと思います。

(以上)