石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年10月27日

(平成27年10月27日(火) 10:34~10:50  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 見なれぬピンバッチでありますが、11月5日は津波防災の日でありまして、河野大臣-防災担当でありますが-から御紹介がありました。ここをよく見ると、くまモンとかふなっしーとかいろいろなものがおりまして、津波防止隊を結成したのだそうであります。何にしても津波の甚大な被害を防止するために政府としても努力をしていかねばならないと、そういう趣旨で御発言があったものであります。御紹介まで。
 私から、地方創生先行型交付金の先駆的事業分の交付対象事業の決定について申し上げます。
 お手元に資料をお配りしておりますが、今回交付対象となりました事業数は、都道府県分では153事業、市区町村分は557事業、合わせて710事業を交付対象事業として決定をしたものであります。
 交付予定額は、都道府県分が107億、市区町村分は129億、合計236億であります。
 おおよその傾向についてでありますが、人材育成・移住、地域産業、農林水産、観光、まちづくりと、各分野まんべんなく交付対象事業があるわけでございますが、今回の交付は、観光分野と農林水産分野で特に多くなっているものであります。
 交付対象事業の決定に当たりましては、個々の事業の評価について、15名の外部有識者の方々に大変な御労苦をおかけいたしました。委員名簿をお示しいたしております。
 地方公共団体に交付対象事業を連絡いたしました後、11月上旬の交付決定と手続が進んでまいります。本交付金によりまして、地域の特色を活かしました事業が、早期かつ着実に実施されることを期待をしておりますが、後ほど事務方から詳細を御説明申し上げます。その場で細かいことにつきましてはお問い合わせをいただきたいと存じます。
 次に、本日10月27日、内閣府主催で、「環境未来都市構想推進国際フォーラム」が富山市において開催をされます。福岡副大臣が出席をし講演をするということであります。
 これは、国内外の自治体関係の方々が集まられまして、21世紀、世界共通の課題でございます環境問題、少子高齢化問題等に取り組み、持続可能な都市モデルの実現を図る環境未来都市構想を推進しようとするものであります。
 今回は、「地方創生に向けた『まちづくり』」をテーマとして、各自治体の先進事例の共有等を図りたいということであります。
 富山市におきましては、「公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり」が進められております。この富山市におきまして活発な議論が行われ、今後の地方創生の推進に向け大いに参考となるような、そういう会になることを期待をいたしておるものであります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)交付金の件でお尋ねしますが、710事業が採択されたということですけれども、これはちょっと全体の提案のあった母数が分からないので、その採択率が分からないのでちょっとこちらとしてはあれなのですけれども、採択率がどれぐらいのもので、めり張りがきいたものとなったのか、それとも、ある程度おしなべて配られたのか、大臣の印象というか、今回配分された結果としてどういうふうなお考えをお待ちなのか教えてください。
(答)件数で見ますと1,153件の事業申請がございました。これに対して、交付対象となりました事業数は710件でございまして、比率からいえば62%ということであります。事業数で見るとそういうお話ですが、金額で見ますと、申請金額の合計が417億であります。交付予定金額は236億でございまして、比率としては57%ということになります。
 これは、かねてから申し上げておりますように、いわゆるベタ配りをするつもりは全くなくて、先ほど申し上げましたように、名簿を添付しておりますが、有識者の方々において分野別に相当の議論をしていただき、政務もそれを拝見し、意見を述べたということであります。ベタ配りしてしまうと、この先駆的事業分の交付に全く意味がなくなってしまいますので、今申し上げたような数字になっております。対象事業にいたしましても、金額にいたしましても相当に絞り込み、趣旨にかなったものを採択しているということでございます。
(問)ベタ配りのお話ありましたけど、10月いっぱい出したところには、多分、おしなべて1,000万という額が上乗せされると聞いているのですが、それはおしなべて配られるということで、大臣の先ほどのお話と違うのかなと思うのですけど。
(答)これはまだこれからということになりますので、今確定的なことを申し上げる段階にはございません。
 御指摘のように、10月30日までに地方版総合戦略を策定していただいたかどうかは、これはもうマストのお話でございます。
 加えまして、その総合戦略におきましてKPIでありますとか連携体制、すなわち「産官学金労言」というこの連携体制がきちんとできているかというものを確認して交付の決定を行うものでございます。ですので、これはベタに配るというよりも、まず10月までに出してくださいということでございます。一応期限は3月末日ということになっているわけですが、10月末日までに出したところというのは客観要件として決まっているわけですね。
 もう一つのKPIとか「産官学金労言」でありますとか、あるいはPDCAでありますとか、そういうものも、これはもともと申し上げているものでございますので、そういうものを満足したところというものに対しては1,000万上限で、どういう形で申請が上がってきたかというものも見ながら、決定していくことになると承知をいたしております。
(問)所管外で恐縮になりますが、先ほど自民党の新しいポスターが刷新されました。キャッチコピーが、前回の「地方こそ成長の主役」というものから「経済で結果を出す」というコピーに刷新されました。大臣からご覧になって、これまで地方創生、地方が成長の主役になり得たかどうか、今後課題があるとすれば、どんなところが一番問題だとお考えでしょうか。
(答)「地方こそ成長の主役」というタイトルは、統一地方選挙もございましたし、党としての-これは私、今所管していないので、自分でやっておったときのことしか申し上げられませんが-党としてどういうようなイベントというのか、を控えて国民の皆様方の御審判を仰ぐか、それに最もふさわしいキャッチコピーを使うわけで、私の記憶では、2回続けて同じものを使ったことはないので、安全保障法制というものについてはもちろんこれから先もきちんと説明を続けていくということを前提に申し上げますが、安全保障法制というものが成立をした。今後は経済だというふうに政権として申し上げているわけで、それに沿った自民党のコピーなのかなというふうに推測をするものでございます。
 地方版総合戦略がこれから出揃う時期に入るわけで、過去、連綿と繰り返してきた経済の構造というものがそんなに簡単に転換するはずもないし、実際に地方において、今計画を精緻に作り、そしてまた実行段階に入っているわけで、成果が上がるのはこれからだというふうに認識をいたしております。今計画を作り、実際に実行段階にこれから入るということでありますし、GDPを500兆円から600兆円に上げるという中において、地方がどれだけそれを担っていくのか。今、私どもでも、全国47都道府県、労働生産性にはものすごいばらつきがあって、これは一体どうしてこういうようなばらつきがあるのかということを精査しておるところでございます。また、各自治体においてもそういうような作業が行われているわけであって、地方こそ成長の主役だ、それはそうなのだけど、実際にどうやってそれを行うのかということをまず分析しないままにいろいろなことをやってみても、それは経験と勘と思い込みで、やってはみたけれどというようなことになりかねないものでございます。ですから、地方が成長の主役でありますということは大分御了知をいただいたことであって、では、そこに向けて何をやるのか、それが今回の我が党の政策キャッチコピーとうまく整合すると御説明がしやすいのかなというふうに思っております。実行段階はこれからでございますので、今の段階で確たる成果が上がったのだというようなことを申し上げる段階にはございません。
(問)前回の国家戦略特区についてちょっとお伺いしたいのですけれども、前回の閣議後会見でも、大臣、認定された国家戦略特区について、目玉はないけれども、これから先の経済を成長させるに当たって、なるほど、そうなんだよねというふうに御理解いただけるものというふうにおっしゃっていたように、派手な岩盤規制の突破というよりも、身近な部分での社会変化に対応した規制改革というふうなほうにシフトしているのかなというふうな印象を受けるのですけれども。同時に、規制改革会議のほうもそうした内容になっていて、同様な民泊等、同じようなテーマを扱っているところがあるのですけれども、今回、この規制改革も総仕上げの段階に入って、今後より細かい案件が多くなるだけに、より丁寧な連携も求められると思うのですけれども、その辺どうお考えなのかと、あと、大胆な規制改革事項の追加ということも今後の目標にも挙げられていますけれども、その際に、今後、前回おっしゃっていたように、自治体などからの提案募集も中心としていくのか、それとも、国のほうからやっぱりこれやりたいというのは更に念頭にまだあるのか、ちょっとその辺をお聞かせいただければと思います。
(答)どうぞ、続けて。
(問)今日のタイプIの件で、シティマネージャーを派遣した都道府県とか市町村と今回タイプIの選ばれたところの自治体というのはどういうふうにリンクしているのか、全くリンクしていないのか、それをお聞かせください。
(答)特区あるいは規制改革については、それは各々連携しながらやっていかねばならないことであります。ただ、手法が違うので、会議も分かれてやっているわけですが、この連携を密にしながらこれから先やっていかねばならないのだと。手法がオールジャパンの規制改革でいくのか、それとも、特区という形でやっていくのか、そこはどっちが良いのだろうというお話もそもそもあるわけでございます。いずれにしましても、それぞれの規制というものが、なぜ、どのような時代背景において出来たのだろうかということをきちんと精査をした上で、それが時代に合わなくなっているとするならば、それは規制改革であり、戦略特区であり、変えていかねばならないものでございます。
 どちらにしても目的は一つなので、相互の連携を密にするということですが、将来的にいろいろなやり方は考えられるのだろうというふうに思っております。一応今年度末となっております期限というものを一つの節目としながら、今後どうしていくことが国民経済のためなのかということは、より前向きに議論をする必要があるというふうに私自身は思っておるところでございます。
 いわゆるシティマネージャー、地方創生人材が行ったところ、行かないところとございます。それは、地方創生人材が中央の状況というものをよく認識をしながら、その地域においてしかるべき役割を果たすということなのですけれども、では、シティマネージャーが行ったから非常に良い成績になりました。行かないところはだめでしたというようなことは、行政の公平性としてどうなのだろうという気もいたしております。ですから、全ての自治体に対して情報提供が偏在するということがあってはなりませんので、地方創生人材が行っているから採択されたのだとかということは、それは論理としては成り立たないことだと思っております。
 一方におきまして、地方創生人材がそれなりの役割を果たしていただいたというところもありますし、何しろ今年から始まった制度でございますので、私どもとして常に見直しというものをしていかなければならないと思っております。制度としてやむを得ないことなのですが、マンパワーの関係で、手が挙がったところに全部出すということも出来ませんでした。そういう人が来たからすごく良くなった、ということはあるのでしょうが、そこは、この制度というものを更に進めていく上において不公平感がないように、しかし、その能力が存分に発揮されるように、活字にすると何を言っているかよく分からないのだと思いますけれども、そこらはよく考えていかなければいけないのだろうと思っております。今回いろいろとこの作業をするに当たって、そういうことが念頭になかったわけではございません。いずれにいたしましても、この制度というものが、より効果的な形で活用されるように、これから先2回目の派遣、2回目というかな、新しい年度を迎えることでございますので、新型交付金のスタートということと合わせてよく考えなければいけないことだと思っております。

(以上)