石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年10月13日

(平成27年10月13日(火) 10:45~10:58  於:合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 閣議並びにその後の会議等々取り立てて私から御報告申し上げることはございません。御質問があれば承ります。

2.質疑応答

(問)昨日、菅長官が消費増税について、消費税を上げる際、同時に軽減税率を導入すべきだと考えを示されました。地方経済界からも軽減税率を導入すべきという声もあるやに聞くのですが、大臣、どのようにお考えでしょうか。
(答)これは政府全体で決定することなので、一閣僚が発言すべきことだとは思いません。軽減税率導入というものを支持をしておられる。それはいいことだという国民の方々が、世論調査においては過半を占めているという事実がございます。
 そういたしますと、これから先の財政状況、それから社会保障のサスティナリビリティというものを考えたときに、消費税を増税することに対する国民の御理解をどのように得るかということは、極めて肝要なことだと思っております。そこはどういうような形が国民の御理解を得やすいかということ。そして、軽減税率というものを導入することによって生ずるプラス・マイナスというものをよく精査の上で、国民に御理解をいただきやすい手法とは何なのかということを考えていくということだと思っております。
 10%への税率の移行は、もう再来年の4月ということで、時間的に余り猶予のない状況にございます。制度設計をします場合に、多くの事務負担等々必要とすることですし、それぞれの事業者の方々にとっての御負担というものも考えていかなければなりません。どのような形が一番導入に向けて国民の御理解が得やすいかということを念頭に、これから先、作業が進むのではないかと思っております。
(問)話変わりまして、1億総活躍担当相との棲み分けについてお伺いします。
 今、地方創生本部でも取り組んでいる日本版CCRC等も、生涯活躍のまちということで、かなり概念的には重なる部分があるとは思うのですけれども、大臣、これまでも何度もおっしゃっていましたが、何が棲み分けではなくて、何を一緒にやるかが重要なのだということをおっしゃっていましたが、例えばこういったCCRCとかが、1億総活躍のほうのパッケージの中に入ってきたりとか、そういったことも考えられるのですか。
(答)そこは、今日も閣議の前の席で、加藤さんともお話をしました。3連休の間に、加藤大臣のところでこの1億総活躍というものの実現に向けていろいろなお話し合いがなされたということを聞いております。加藤さんのほうから、今週なるべく早いうちに時間をとって、二人で話をしましょうというお申し出もいただいております。
 そうすると、1億総活躍に向けて棲み分けとか何とか言って、棲み分けって、ニアリーイコール縦割りみたいなところがありますので。そうではなくて、ともに何ができるか。やはり加藤さんのところが司令塔みたいな役割を果たしていくわけですね。そこにそのCCRCならCCRCというものがあって、CCRCの意図するところは、まだケアを必要としていない、いろいろな思いや能力を持った方々が地方に行って、そこにおけるいろいろな産業というものに、別に東京に限りませんが、蓄積をした経験、能力等を生かして、それぞれの産業を更に活性化させるということなので、そうするとそういう1億総活躍ということから言えば、そういうやり方もあるのかなということです。
 活躍って何でしょうということを考えたときに、もっと働けという話なのかというような御意見も頂くわけですが、いや、もっと働けという話ではなくて、それぞれの方々の人生観というものがあるでしょう。それぞれの持っていらっしゃるいろいろな人生観、思いというものが、可能な限り実現される社会ということなのだろうなというふうに私は思っております。
 そうするとCCRCというものが持っているコンセプトが、そこに生きるところはたくさんあるのではないだろうか。我々が持っている、例えばCCRC、コンパクトシティ、あるいは小さな拠点、あるいは企業の本社機能の移転等々ですね。これはいつも申し上げていることですが、地方創生は総論から各論に入っているということを申し上げました。それぞれのパーツが、1億2,700万の方々にとって、そういう人生観を実現するために、どう寄与するのかということ。一人一人の方々が、なるほど、こういうことなのだというふうに実感を持っていただける。そういう作業は加藤さんのところと連携しながら、うちだけではありません。各省全部そうでしょう。そこの実現に向けて、それぞれが連携、協調を更に密にするということなので、もう内閣発足して1週間になるわけですから、日々どれだけ具体的に話が結実しつつあるかということを念頭に置いて、今週もやってまいりたいと思っております。
(問)ちょっと話変わって、来月、大阪のほうでダブル選挙があります。そこで大阪都構想というのをおおさか維新の会が訴えています。大阪都構想自体を、地方創生の観点から見た場合、どのように評価されているのかを教えてください。
(答)これは、大阪のダブル選挙において、大阪府民であり、大阪市民であり、それぞれの方々がそれぞれの御判断でもって決せられることなので、中央政府として、このことについて言及すべきものではございません。
 大阪都構想が持っている地方分権というのかな、地域主権という言葉なのか、地方分権という言葉なのか。ここは微妙な差はあるのですけれど、その構想が一旦、住民投票によって、僅差ではあるけれども否決をされたと。その結果を踏まえて、維新の会の方々がどういうような政策を具体的に打ち出されていかれるのかは分かりません。判断されるのは有権者の方々であって、私がとやかく申し上げることではありません。
 ただ住民投票のときに、私もかなり関心を持って見ていたのですが、そこにおいて語られることが、これを大阪都にして、各行政区を再編した場合、その地下鉄の値段が上がるのか、下がるのかとか、あるいはいやいや大阪都にすることによっていろいろなセレモニーに大阪府知事がしゃべり、大阪市長がしゃべり、またそれぞれの区長がしゃべりとか、そのような煩雑さがなくなりますよとか、そういうような非常に身近なお話が多くて、これによって何を目指そうとしているのかということが、いま一つ伝わらなかったのかなという感じがいたしております。
 どのようなこともメリットばっかりということは世の中にないのであって、目指すことは何であり、それによって懸念されることはどういうことであり、それに対してこうするというふうな手立てを打つのだということが、推進側から示されるべきでしょうし、そうではないのだという方々は、もうそうではないのだという話ではなくて、それに対して大阪の経済というものが相対的に低下の状況にありますので、今の枠組みの中で、どのようにして大阪の経済を発展させ、一人一人の雇用と所得を増加、安定させるかということを示して、お互いが、市民の方、府民の方が知りたいことをきちんとお示しをし、有権者の判断に資するということを期待をいたしたいと存じます。
(問)関連で、地方創生の観点から見て、例えば地方の首長、地方の政治家のトップですね、地方自治の。どういう人が就くかというのは、多分かなり影響があるのかなと私は思います。例えば東京以外を地方とした場合、多分大阪もそういう括りに入るのでしょうけど。別に大阪に限った話じゃなくて、首長というのは、今現在どういう人物が求められているのかというのを、大臣のお考えを教えてください。
(答)それはそこの有権者の方々が、その自治体の経営をどなたにお任せをするかということなのだと思います。それは民主主義の結果ですから、私たちがこういう人が良いとか、悪いとか、そういうことを申し上げる立場にはございません。
 例えばリーサス・システムというものを、一生懸命宣伝をしているのはどういうことかと言えば、ある市、ある町というものを考えたときに、そのまちはこれから先どのように人口が推移をし、そして市の財政がこの後どのようにして推移をするか。あるいはそれを地方版総合戦略において、これから先は地方版総合戦略というものが、一つの争点になるはずなので、それを実現するためのKPIを設定するわけですから、実現するために自分はこうだと思うというようなことが示され、有権者の方々がそれに基づいて判断をするという、お任せ民主主義ではなくて、主権者が主権者としての判断をするに足る、そういう資料が示され、有権者がそれに基づいて判断をする。同義反復で恐縮ですが、そういうことが良いのだろうなというふうに私は思っております。
 こういう人が望ましいというのは、私が言うことでもありません。ただ経営者ですから、やはり財政状況、そして市民の方お一人お一人、有権者の方お一人お一人に、これをお願いしたいということを正直に、なおかつ説得力を持って誠実に説明を出来る方は素敵だなというふうに思っております。それは例で申し上げれば、鹿児島県の伊仙町であり、あるいは島根県の海士町であり、市の抱えている、町の抱えている状況を率直に御説明し、有権者の方々の理解と納得、そして、共働の心-共に働くという字を書きますが-そういうのを喚起する方が私にとっては一つの望ましい姿かなと思います。個々について言及することはできません。

(以上)