加藤内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成28年6月2日

(平成28年6月2日(木) 17:21~17:35  於:中央合同庁舎第8号館1階s101記者会見室)

1.発言要旨


 二点ございます。
 まず、閣議に関しては「ニッポン一億総活躍プラン」、お手元にございますが、閣議決定をしていただきました。
 本プランは、日本経済に更なる好循環を形成するため、これまでの三本の矢の経済政策を一層強化すると共に、広い意味での経済政策として、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それが経済を強くする。そのような新たな経済社会システム創りに挑戦をしていくものであります。
 今後は、一億総活躍社会の実現の向けて、プランの各施策を実行に移すため、最大限の努力をしていきたいと考えております。
 それから二点目でありますが、これは御報告でございますが、5日の日曜日13時から、救う会九州連絡協議会主催の「北朝鮮人権侵害問題啓発集会」が福岡市役所で開催されます。私も出席し、御挨拶を申し上げることとしております。
 同集会は、九州各県の救う会が共同で主催するもので、九州在住の拉致被害者の御家族の方々なども参加される予定であります。このような集会は、拉致問題解決に向けた国民の強い意志を示す重要な機会でもあります。是非、大勢の方にお越しをいただきたいと思います。
 以上、私からの二点でございます。

2.質疑応答

(問)自治日報という専門紙の内川と申します。
 消費税の増税の延期について、一点お伺いします。一億総活躍プランに関しましては、ほぼ財源面で影響はないというようなことだと思うのですが、昨日、総理が消費増税を延期すると、国民の信を問うということで、参院選において信を問いたいと。ただ、政権選択の選挙ではないので、改選議席の半数の議席を獲得するという目標を設定されたと思います。
 この目標設定をされて、その目標が達成できなかった場合なのですが、国民の皆さんからすると、投票に際して与党が改選議席の過半数をとれない場合に、その消費増税というものはどうなるのかというところは御関心のあるところだと思います。
 昨日の総理の会見では、改選議席の半数をとれなかった場合、どうされるかというところは発言がなかったかと思いますけれども、改選議席の半数をとれなかった場合に、消費増税の扱いについてどのような判断がされるというふうに、大臣は内閣の一員として理解されましたでしょうか。
(答)総理は、したがって総理のお考えを昨日の記者会見でお話しになられ、国民の理解を求めたわけでありまして、それを踏まえて来る参議院選挙で今言われたような形で、その考え方に対する国民の審判を仰ぐということでありますから、我々としてはならない場合ではなくてなる場合、要するに国民から審判を頂けるように、最大限の努力を行うと、これに尽きるわけであります。
(問)重ねて恐縮なのですが、野党も消費税については増税延期という主張をしておりまして、総理が目標を設定したのはいいのですけれども、それに到達しようがしまいが、大勢、消費増税を延期ということになりますと、国民の皆さんはどういったところを信を問われているのかということで、なかなか判断し難い。通常、総理が消費増税延期で信を問うと言われているのであれば、目標に達しないんであれば、予定どおり消費増税を実施するというのが普通の考えなのかなと思いますけれども、当事者が最大限全力を尽くすというのは当然かと思うのですが、投票する側の国民からすると、どうなのかということで、もしお考えがあればお伺いしたいのですが。
(答)同じ答えになってしまうと思うのですけれども、我々としては、そうした総理のお考えを含めて選挙に臨むわけですから、そういった意味で国民の皆さんの理解と支持を得るべく最大限の努力をすると、これに尽きると思います。
(問)朝日新聞の池尻です。
 消費税に関してなのですけれども、大臣は今年3月の記者会見で、消費税について、「私の立場から言えば社会保障の安定的な財源であり、充実分としても活用していく財源だと。しっかり引き上げていくことが政策を進めていく上で非常に大事だ」と言って引上げの重要性を述べられているのですけれども、今回総理はリーマンショック級でもない、新しい判断というのを示しているのですが、そのことについて大臣はどのように考えられるのかと、一億総活躍の財源について改めて財源確保というのは今回の延期で難しくなったと考えられるのか、教えてください。
(答)一つは、社会保障を進めていくという立場においては、大変大事なことであるということは申し上げましたし、総理もそれは十分に承知をした上で総合的な判断において、今回消費税の引上げを2年半延期をされたということだと思いますので、それはですから、その点も含めて、更に世界経済等々を総合的な判断をされたと、そのことを我々としては受け止めて対応していくということに尽きると思います。
 それから二点目のことでありますけれども、これはこれまでも申し上げておりましたけれども、保育士の処遇改善、あるいは介護職の処遇改善などについては、アベノミクスの成果を活用して対応していくということを申し上げてきたわけでありますから、消費税の引上げとは、あるいは元々消費税の引上げ税収で対応するということになっていないわけであります。それを踏まえて、これから年末の予算編成の中で対応していくということでありますし、それに関しては昨日の総理の記者会見でも、優先して実施していくというお話がありました。その辺も踏まえてよく議論していきたいと思います。
(問)総理も昨日おっしゃっているのですけれども、では大臣の御認識としては、消費税の延期があったとしても、基本的には予算編成過程の中で一億プランの中身というのは優先的に財源確保の方向に行くと思うから、影響は全くないというお考えでいいですか。
(答)そうではなくて、元々が消費税の税収で対応するということにはなっていないということでありますから、ただ、いずれにしても保育士、介護職員の処遇改善については、アベノミクスの果実の活用も含めて財源を確保して、優先して実施していくという総理の御発言がありますから、それも踏まえながらしっかりその実現に向けて努力をしていきたいと思います。
(問)朝日新聞の伊藤です。
 保育士の処遇改善についてお伺いします。今回出てきた中で、国民会議のときの案の2%分とキャリアアップ分に加えて、今後、全産業の男女労働者の賃金差を埋めていく中で、保育士についても必要に応じて更なる処遇改善を行うというのが、新たに盛り込まれました。これについて、例えば、更なる処遇改善というのは、大臣のお考えとしてどの程度まで引き上げていくべきだとお考えか、また、いつ頃までにこれをやっていくのかというところをちょっとお伺いできればと思います。
(答)これは、なお書きのところからでありますから、まず今回に関しては、保育士の方の多くが女性であるということも踏まえて、全産業の女性労働者のまず賃金格差をなくしていこうということを前の方で申し上げ、その上で、そもそも男女労働者の賃金差については、女性活躍推進法等などの取組の中で、これを縮めていく努力をしていくわけでありますから、当然そうなっていけば全体の水準も変わっていくわけですから、それに応じた対応をしていくというのは当然のことなんだろうと思っております。
 したがって、そうした全体の動きを踏まえて、そうした対応もしていく。そういう意味で、ここは記載しているわけであります。
(問)そうすると現時点で、全体の引上げをいつかというのも含めて、年限を区切ってやるという意味合いのものではないということでいいんでしょうか。
(答)全体の引上げというのは、これはそもそも処遇改善を含めて総合的な、例えばこのロジックで言えば、保育士の方々の確保を進めていくという形で今施策を打っているわけでありますから、そういう意味において、まずは全産業の女性平均と、そして今の保育士の皆さんの給与の差。そこの差をキャリアアップの仕組みを構築し、保育士として技能、経験を積んだ職員ということではありますけれども、その賃金差がなくなるように処遇改善を行うということであります。
 そして、別途、我々は様々な施策、同一労働同一賃金もそうでありますけれども、そういった施策をすることによって、正に全産業の女性の賃金も上がり、男性との今格差が縮まっていくわけでありますから、そうなればそれを踏まえて保育士の方々の処遇も改善していく、こういう流れになっていくと思いますけれども、その前提としてはやはり、まず女性全体の平均賃金がどう上がっていくかということを見ながら対応していくということになると思います。
(問)教育新聞の船木と申します。
 給付型奨学金についてお伺いしたいのですけれども、前回の案では課題を踏まえた創設に向けて検討を進めると今は書いていますけれども、以前は創設というのは書いてなかったのですけれども、これについての意味合いを教えていただければなと思います。
 あと一点、ちょっと先ほどと被るのですけれども、消費税が延期になったことで財源をどう確保していくのかというのを、また改めて教えていただければと思います。
(答)前回の国民会議のときにも申し上げましたけれども、元々検討を進めて給付支援の拡充を図るということで、方向性は出していたと思いますけれども、そういった思いをより明確にしていくということで御議論があって、創設に向けてという文言が入ったということであります。
 それから二つ目でありますけれども、先ほどと同じでありますけれども、元々、保育士の方、あるいは介護職の方の処遇改善等にかかる費用については、消費税の増収分を充てることにはなってなかったわけでありまして、それはアベノミクスの成長の果実をもって充てて、安定財源を確保して対応していくというのが、これまでもそういう考え方でありますから、今後もそれにのっとって総理も優先的に対応していくというお話をされているわけでありますから、その総理の言葉も踏まえながら、年末の予算編成の中で、その実現を図るべく努力をしていきたいと思います。

(以上)